修復歴ありの車はデメリットが多い?リスクの高い車を避けるポイントをご紹介
中古車販売店などで「修復歴あり」と書かれている車を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。この車は、事故などで車の骨格にダメージが入り、修復されたことのある車のことを指します。
一見、きれいに修復されているためリスクを感じにくいですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。そこで、この記事では、修復歴のある車を購入するメリット・デメリットや、リスクを避けるためのポイントなどを解説します。
※目次※
3.デメリットが多い修復歴ありの車は購入するメリットもあるの?
・修復歴車とは、自動車の骨格部分部分に損傷・修復歴がある車のことを指す
・修復歴ありの車は故障のリスクがあり、安全性能も劣るので注意しよう
・出張などでの一時的な利用と割り切る場合は安く済むのでおすすめ!
修復歴ありの中古車は事故車と同じデメリットがあるの?
「修復歴ありの車」以外にも「事故車」という言葉を耳にすることもあるでしょう。実は、「修復歴あり」の基準は、自動車査定協会などで提示されています。
自動車査定協会とは経済産業省、国土交通省の許可のもとに設立された第三者機関です。両省の指導、監督をうけて公正な立場から査定を行っています。
修復歴ありの定義
事故を起こした車は修理されるため「事故車=修復歴車」と考えられやすいですが、自動車業界では「自動車の骨格部分に損傷・修復歴があるか」が修復歴の判断基準です。
日本自動車査定協会のwebサイトによると、修復歴車とは「交通事故やその他の災害により、自動車の骨格(フレーム)を損傷し欠陥が生じたもの、骨格を交換した、あるいは修復した車」を指します。
一方、事故車とは事故で損傷した車のことを指し、ドアをこすって傷が付いた程度などで自動車の骨格には損傷が無い場合は「修復歴あり」には該当しません。
修復歴に影響するパーツ
では、修復歴に影響が出る「骨格」とはどの部分のことを指すのでしょうか。自動車査定協会によると、以下の部位・部品が修復歴に関わります。
ボンネットタイプ |
概要 |
(1)サイドメンバー |
車の骨格を作る部分です。車体の左右に配置され、前後に長く伸びています。 |
(2)クロスメンバー |
車体の剛性や強度向上のための部材です。自動車に対して横方向に付けられています。 |
(3)インサイドパネル |
ボンネットを開けた、エンジンルームの左右にあるパネルです。フロントフェンダーの内側にあります。 |
(4)ピラー |
ボディとルーフ(車の屋根部分)をつないでいる部分です。 |
(5)ダッシュパネル |
エンジンルームとキャビンを隔てる隔壁板のことです。 |
(6)ルーフパネル |
ルーフ(車の屋根部分)を構成する外板のことです。 |
(7)フロア |
居住空間の床を指します。 |
(8)トランクフロア |
トランクルームの床を指します。 |
(1)から(8)の骨格部位に損傷があるもの、または修復されているものは修復歴となります。ただし、ネジ止め部位(部分)は骨格に含まれません。
修復歴ありの車を購入するデメリット
修復歴があっても、きれいに修復されていて価格が安ければ、新車よりも魅力的に見えることがあります。しかし、一度骨格部位にダメージを受けたことのある車は、安全性に問題を抱えていることも少なくありません。
ここでは、修復歴ありの車を購入した場合に考えられるデメリットをご紹介します。
故障のリスクがつきまとう
フレームの修復は、ゆがんだ部分を元の形に戻したり、ダメージのある部分だけを交換して溶接したりする修復が基本です。そのため、きちんと修復されていても、どこに影響が出るかは予測できないため、故障のリスクは常に付きまとってしまいます。
しかし、故障リスクを防止する方法は基本的にありません。そのため、定期的に点検を行って少しでも故障のリスクをなくすことが求められます。
修理代が嵩む可能性がある
安く車を購入しても、故障してしまった場合、修理費が高額になることも珍しくありません。車を購入した直後に故障や不具合が発生し、やむを得ず修理へ出すようなケースもあるため、購入前や運転前に車両の状況をしっかりと確認しておきましょう。
価格の安さには、理由があります。一つの車だけを見て判断するのではなく、同じ車種を複数比較して購入を検討しましょう。
安全性能が劣る
ネットなどで調べていると一見、新車同様に整えられた修復歴車もあります。しかし、修復歴車や事故車は新車よりも強度が劣り、安全性能は低下している可能性があるため注意しましょう。
フレームなどは基本的に金属でできていますが、金属には「金属疲労」という、一度変形してしまうと強度が弱くなってしまう性質があります。いくら丁寧に修復しても強度自体を元に戻すことはできません。
売るときはマイナス査定される
修復歴のある車は、どうしても市場価格が下がります。フレームに修復歴があるということは、車両全体の強度が弱くなっていることと等しいためです。
どうしても売却できず、結果として、廃車買取を利用せざるを得ないこともあります。「売れば良いか」と考えている場合、売れずに損をするかもしれないので注意しましょう。
デメリットが多い修復歴ありの車は購入するメリットもあるの?
ここまでご紹介したように、修復歴のある車は安全性能に問題があることが多く、故障のリスクなども抱えていることからデメリットが多いように感じます。しかし、一時的な利用であればお得に利用することも可能です。
ここでは、修復歴ありの車を購入するメリットをご紹介します。
車両価格が格安
修復歴ありの車は「訳あり中古車」扱いになるので、一般的な中古車よりも安くなる傾向があります。修復の内容によっては安全性能にあまり変化がないこともあるため、購入前にはお店の人に相談し、修復の内容を聞いたり試乗などで性能を確認したりすると安心です。
品質と価格が釣り合っているか確認するためにも、同じ車種と比較し安い理由をハッキリさせておくことをおすすめします。
一時的な利用に向いている
修復歴のある車は低価格のため、乗り換えるまでのつなぎや出張期間・単身赴任中のみ乗る車として利用する場合はお得になります。長期的に利用する場合は、安全性の観点からおすすめできませんが、、短期的なものとして割り切って利用するのもひとつの選択肢です。
例えば、「単身赴任中の期間のみ」「出張の間のみ」などの場合に利用すると良いでしょう。
ぶつけたときの悲しみが少ない
運転に慣れない初心者は特に、気を付けていても車体をぶつけたりこすったりしてしまって傷付けてしまう可能性があります。新車はひとつの傷でも目立ってしまうためショックを受ける方もいますが、修復歴のある車などの中古車は元々安く購入しているので多少の傷がついてもあまり落ち込むことなく利用できるでしょう。
初心者や、普段はなかなか車に乗らないペーパードライバーにもおすすめです。
万が一の時は廃車買取も利用可能
万が一動かなくなった場合でも、廃車買取に出すことができます。廃車買取とは、廃車にする車を部品やパーツといった金属資源にして買い取ってもらうことです。廃車買取業者は修理業者や中古品のパーツ販売店などにパーツを販売することで利益を得ているため、比較的高額で買い取りしてもらえます。
また、海外では車は修理しながら長く乗るものだと考えられているため、日本では販売できない車も海外販路を持つ廃車買取業者であれば買い取りしてもらえることもあります。
なお、解体業者やリサイクル協同組合などに依頼しても買い取りしてもらうことは可能ですが、廃車買取のようにパーツとして販売していないため、高額買取は見込めません。
デメリットがある修復歴ありの事故車は慎重に検討しよう
修復歴車や事故車はよく確認をせずに購入してしまうと、高い修理費用が発生してしまうリスクがあります。そういったトラブルを回避するためにも、チェックすべきポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
店舗選びを慎重に行う
修復歴車や事故車を購入するときは、信頼できる大手の販売業者に依頼しましょう。お客様への情報をきちんと開示してくれる大手販売店であれば安心して任せることができます。
アフターサービスが充実しているかも押さえておきたいポイントです。事故車は普通の車より故障のリスクが高いので、万が一故障してしまったときにすぐ対応してくれる販売店だと安心できます。購入前にアフターサービスについて確認しておきましょう。
乗り心地を試してみる
修復歴車や事故車を購入する際はできるだけ試乗しましょう。実際の車を確認して、乗り心地を試すことが大切です。
実際に乗る事でその車のエンジンやミッションの調子を体感でき、車の状態をより正確に判断することができます。試乗できる場合は、走行時に異音がしないか、まっすぐ走ることができるか、電装系に不具合が無いかを確認してください。
車検が切れている場合や、在庫車が保険に加入していない場合は試乗できないこともあります。ただし走れる状態であれば可能な限り試乗してから購入することをおすすめします。正直に事情を説明してくれる販売店は信頼できますが、事情を説明せずに試乗を断る販売店での購入は避けた方が良いでしょう。
保証期間を確認する
修復歴車や事故車の保証期間は販売店によって違いますが、6ヶ月以上あると安心です。外装はきれいでも内部が損傷しているケースもあります。購入後にトラブルが発覚するケースを考えて、ある程度の保証期間は必要です。
保証期間にさらに延長保証を受けられるケースもありますので販売店で確認してみましょう。また同じ販売店でも保証の種類によって、延長保証の可否が違います。少しでも長く保証をつけたいのであれば、延長保証をつけられるか聞いておくことが大切です。
デメリットがある修復歴車や事故車を避けるポイントとは?
修復歴車や事故車かどうかを見分けるために、購入前に自分の目でチェックしましょう。じっくり検討せずに購入してしまうと、粗末な修復歴車や事故車を買ってしまう恐れがあります。できるだけ良い状態の車を手に入れるために、見分け方のポイントを押さえておきましょう。
修復歴の開示を要求する
販売店は、お客様へ修復歴のある車であることを告知する義務があります。これは「自動車業における表示に関する公正競争規約および同施工規則」によって義務付けられていることです。購入する前に必ず修復歴の開示を要求しましょう。
外装パーツに隙間がないかを確認する
修復歴車や事故車は、車の骨格部分を修復しているため、歪みがでやすくなっています。歪むと外装パーツに不自然な隙間ができることがあります。左右非対称の隙間などがある場合は事故車の可能性が高いといえます。フロントドアの隙間やボンネットの隙間、テールランプやバンパーなど、車には多数の隙間があります。時間をかけて目視しましょう。左右の写真を撮り、確認するのもおすすめです。
外装パーツを脱着・修理した形跡がないか確認する
事故車の修復は外装パーツを外しておこないます。外装パーツを取りつけるためのボルトなどを外した痕があるかどうかを確認しましょう。
チェックする箇所は、ボンネット、フロントフェンダーやヘッドライトなどの取り付け部です。取りつける位置がずれていたり、ボルト部分が剥げている場合は、取り外ししている可能性があります。
査定表を確認する
査定表とは、車の診断書です。資格を持つプロの査定士が行った査定の内容を記入したものが査定票です。
つまり査定表は信頼できる情報であり、査定表をみればこの車がどのような状態であるかわかる仕組みです。査定表の開示を拒否するような販売店では購入を控えましょう。
販売店に直接聞いてみる
中古車を購入する際に、思い切って修復歴車や事故車か販売店へ確認することも大切です。情報の開示を求めない限り、教えてくれない販売店もあるからです。購入後に後悔しないために、気になっていることや疑問がある場合は、遠慮せずにどんどん聞いて解消しておく必要があります。
修復歴ありだと知らなかった車を購入したら返品できるの?
中古車を購入してしばらく経ってから修復歴車だとわかった場合、キャンセルや返金などの対応は可能なのでしょうか。さまざまな状況別に見ていきましょう。
修復歴には告知義務がある
車を販売する際に、修復歴のある車であれば必ず修復歴の告知をする義務があります。修復歴があるにもかかわらず、告知をしなかった場合は告知義務違反となりますので、契約の取り消しが可能です。
販売店が故意に修復歴を隠していた場合は民法第96条 「詐欺による取消し」が適用されます。また、販売時に修復歴が記載されていなかったために知らずに修復者を購入した場合は民法第95条「錯誤による無効」が適用され、契約を無効にすることができます。
知らなかったときは相談しよう
修復歴は開示する義務があります。修復歴のある車なのに販売店が意図的に修復歴なしとして販売するのは違反です。
故意ではなく実は修復歴があったというケースもありますが、これも販売店が見逃していたことなので、相手の落ち度となり契約をキャンセルすることができます。
話し合いがうまくいかない場合は、全国にある日本自動車査定協会(JAAI)に連絡して、車の査定をしてもらいましょう。
ネクステージは修復歴車を徹底排除している!
ネクステージでは、修復歴車やメーター改ざん車、水害車などの粗悪な車を一切販売いたしません。また、徹底的な品質管理と共に公正中立の第三者機関による品質鑑定も実施しており、全車で車両状態票を開示しています。そのため、車両の状態が把握でき、どなたでも安心して購入いただけます。
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まとめ
修復歴のある車は、車の骨格部分に損傷・修復歴のある車を指し、事故車=修復歴車ではありません。一度損傷を受けているので常に故障のリスクがつきまとい、安全性能も劣ってしまう傾向があります。
そのため長期的な利用には向いていませんが、出張や単身赴任といった短期的な利用や初心者などの運転に自信のない方にとって気兼ねなく使える、修復歴車を利用するのもひとつの手段です。
その際は、修復歴を開示してもらいパーツやその周辺をよく確認し、納得してから購入することをおすすめします。
ネクステージでは、修復歴車やメーター改ざん車などを取り扱っていません。また、品質管理や車両の状態説明も徹底しているので、詳しい知識がなくても安心できる車選びが可能です。
まずはお気軽に、ご相談ください。