ABSとはどんなシステム?特徴や仕組みを徹底解説!
近年の車は技術の進歩により、さまざまな安全装備が搭載されています。ABSはほとんど車に標準装備されていますが、どのような機能なのかよく分からない方も多いでしょう。
そこで今回は、ABSとはどんなシステムなのかについて解説します。ABSの仕組みや歴史についても触れているため、ぜひご覧ください。
※目次※
・ABSとは急ブレーキをかけた際に車両の安定性を確保する機能
・ABSを正しく作動させるには、ブレーキを強く踏み続けることが大切
・ABSランプが消灯しない場合は、システムに異常が発生している
ABSの特徴や仕組みとは
車の運転時は安全な走行が求められますが、何が起こるのかは誰にも想定できません。目の前に障害物が現れて、急ブレーキをかけることもあるでしょう。
しかし、ブレーキを強く踏み込めばタイヤがロックされてスリップする可能性があります。このような危険を回避するために、ABSと呼ばれる装置が搭載されているのです。
ABSは車のブレーキに関わる機能
ABS(アンチロック・ブレーキシステム)とは、急ブレーキをかけた際の走行安定性を確保するための機能です。通常、ブレーキを強く踏み込むとブレーキにロックがかかりスリップする可能性が高まりますが、ABSが作動することでタイヤがロックされるのを防いでくれます。
例えば、走行中に障害物が目の前に現れて急ブレーキをかけても、ハンドル操作ができるので衝突を回避できます。ABSは車のブレーキにかかわる大事な安全装備なのです。
強く踏み続けると作動する
ABSはブレーキを強く踏み続けることで作動します。具体的な仕組みは以下のとおりです。
1.ブレーキを強く踏み込む
2.ロックする可能性のあるタイヤをセンサーが感知する
3.ブレーキオイルの油圧を調整する
4.タイヤの回転が回復する
5.センサーの感知によりブレーキ力が最適化される
このように、ABSの作動にはセンサーの感知と油圧を制御する機能で成り立っています。ABSを正しく作動させるには、ブレーキを強く踏み続ける必要があることを覚えておきましょう。
ABSが歩んできた歴史
現代の車には当たり前のABSですが、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。ここでは、ABSが誕生した経緯と義務化が始まった時期について解説します。
ABSに関する知識を増やして、より一層の安全運転を心がけましょう。
1936年にドイツで誕生
ABSの歴史は、1936年にドイツのロバートボッシュ社が開発したのが始まりです。最初は車のためでなく、鉄道のブレーキ用として開発されました。
当時の鉄道車両は強いブレーキをかけると車輪がロックし、レールと車輪が摩耗するという問題がありました。これが振動や騒音などのトラブルも引き起こすため、車輪のロックを防ぐために開発されたのがABSです。ブレーキ性能を上げるというよりも、車輪・レールの摩耗を防ぐのが目的といわれています。
1969年に車への搭載が始まり、フォードのコンチネンタルマーク3が初めてのABSを搭載しました。後輪を制御するだけの単純な作りでしたが、その後に4輪用のABSが開発され、日本で初めて装備されたのは1982年のことです。
2013年にABSが義務化
ABSが本格的に普及したのは1980年以降です。1990年代に入ると高性能なABSも開発されはじめ、2013年8月にはABSの義務化が決まります。
当初はバスやトラック、トレーラーといった大型車のみでしたが、2014年11月以降に新型車、2017年2月には継続生産車※も義務化が実施されています。また、一部の車両には横滑りを防止するためのEVSC(車両安定性制御装置)も義務化されました。
※義務化の時点で販売されている車のこと
ABSが義務化された背景には、安全性の向上が理由のひとつです。特に大型車の場合は事故による重大化する可能性が高く、ABSを義務化することは当然のことでしょう。世界的に見てもABSの義務化は進んでおり、安全運転するための後押しとなっています。
バイクもABSが義務化
ABSの義務化は乗用車だけではありません。2014年11月にバイクのABS義務化が発表されました。新型車は2018年10月、継続の生産者は2021年10月には義務化が導入されています。
車に比べて義務化は遅れたものの、ABSの導入による事故の減少が期待されています。ドイツのボッシュ社による調査では、ABSの標準装備化でバイク事故の4分の1が防止できるといわれています。
仕事や日常生活の支えとなる車に対して、バイクは趣味として楽しさを求める方も少なくありません。また、コンパクトな車体であるために、事故が起きた際のリスクも高い傾向です。ABSが義務化されたから安心ではなく、ドライバー自身にも安全運転が求められます。
ABSを正しく使用するポイント
ABSは未然に事故を防ぐために重要な機能ですが、正しく使用しないと万が一のときに役に立たない可能性があります。
いざというときのために、ABSの正しい使い方について理解しておきましょう。ここでは、ABSを使用する際に知っておきたい2つのポイントを解説します。
振動や作動音があってもブレーキを緩めない
ABSを作動させるには、ブレーキを強く踏み続ける必要があります。一度強く踏み込めば安心ではなく、車の安全が確保されるまでブレーキを緩めないことが大切です。
この際に「グググ」と音が出たり、ブレーキペダルやハンドルが細かく振動したりします。これは車の故障ではなく、ABSが正しく働いている証拠です。異音や振動がしたら驚くかもしれませんが、ブレーキを緩めるとABSが正しく作動しなくなるため注意しましょう。
ポンピングブレーキはかけない
ポンピングブレーキ(ブレーキを数回に分けて踏んでスピードを落とす)をかけると、ABSが正しく動作しません。上記のとおり、ABSは「ブレーキを強く踏み続ける」必要があるためです。
ポンピングブレーキはABSが登場する以前に有効な運転技術でしたが、ABSが普及した現代では不要だとされています。ただ、後続車にブレーキを踏んで減速していることを知らせるには効果的です。状況を見ながら使い分けるよう心がけましょう。
ABS装着車はランプの点灯も確認しよう
車にはシステムの異常をドライバーに知らせるために、メーターパネルに警告灯が備えられています。もしABSのランプがつきっぱなしになると、どのような異常が考えられるのでしょうか。
ここでは、ABS警告灯の重要性や故障した際の対処法について解説します。
ABSランプとは?
ABS装着車には、メーターパネルにABSランプが付いています。ABSの作動中に点灯するのではなく、ABSに異常がある際に点灯するものです。もしABSランプが点灯したまま消えない状態になったら、早めに点検・修理に出しましょう。
なかには、ABS以外の不具合によってABSランプが点灯するケースもあります。ブレーキランプの球切れやバッテリーの電圧不足などです。いずれにしても、慌てずに対処する必要があります。
ABSランプが点灯する意味
ドライバーにシステムの異常があることを知らせるために付けられるのがABSランプです。ABSランプが点灯するタイミングは以下の2通りです。
・エンジンを始動したとき
・ABSに異常が発生したとき
まず、エンジンの始動時に数秒間だけABSランプが点灯します。この点灯はABS機能のチェック中を意味するもので、異常がなければ数秒で消灯します。ランプが消灯しない場合は不具合が考えられるため、早めに点検に出しましょう。
ABSランプが消灯しないときの対処法
ABSランプが消灯しない原因は、車輪側センサーの異常、電圧の低下といった不具合が考えられます。しかし、個人で原因を特定するのは困難なため、専門業者に点検・修理を依頼するのが安心です。
もし駐車場にいる時点でABSランプが点灯したら、リスク軽減のためにできるだけ運転は控えましょう。点検に出す際には、急ブレーキを避けるためにもスピードを出さない運転を心がけてください。
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万が一の場合に備えて、安全性能が高い車を選ぶことは大切です。ABSの装着はもちろん、近年の車にはさまざまな安全機能が搭載されています。
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まとめ
運転中に急ブレーキをかけた際、車の安定性を確保してくれる機能がABSです。正しく作動させるには、ブレーキを強く踏み続ける必要があります。もしABSのランプが点灯したまま消えない場合は、早めに点検や修理に出しましょう。
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