寒冷地仕様の車を選ぶデメリットは?普通仕様車との違いを徹底解説

車を購入する際、「寒冷地仕様」というオプションを目にしたことはないでしょうか。雪国に住んでいる方なら馴染みがあるかもしれませんが、実はこの寒冷地仕様には、通常の車にいくつかの重要な機能が追加されています。
この記事では、寒冷地仕様車とはどのような車なのかをはじめ、寒冷地仕様車と普通仕様車との違いやどのような人にこの仕様が向いているのかを詳しくご紹介します。車選びの際に、寒冷地仕様車が自分にとって本当に必要なのかを判断する手助けになれば幸いです。
※目次※
2.寒冷地仕様車を諦めるデメリットは大きい?普通仕様車との違い
・寒冷地仕様車は、寒い地域で車の性能を維持するために設計されたオプションのひとつ。
・寒冷地仕様車は大容量のバッテリーや低温でも凍りにくいエンジンオイルを採用するなどの寒さ対策が施されている。
・寒冷地仕様車は極寒の環境でも安定して運転できる反面、普通仕様車よりも価格が高くなる傾向がある。
車の「寒冷地仕様車」とは?

寒冷地仕様車は、普通仕様車に追加できるオプションとして位置づけられています。北海道や東北地方など、冬の気温がマイナス10度以下になる地域や降雪量が多い地域で、車両の性能を維持するために設計された特別な仕様です。
寒冷地仕様車は低温状態でもエンジンの始動性を確保し、暖房の効きを良くするなど、快適で安全な運転を可能にする装備が標準で搭載されています。詳しい装備内容を知りたいときは、車種によって個体差があるため該当車両の情報を確認することが大切です。
寒冷地仕様車を諦めるデメリットは大きい?普通仕様車との違い

寒いときに役立つ寒冷地仕様車は、普通仕様車と比べて価格が高く設定されています。そのため、普通仕様車と寒冷地仕様車の違いがそれほど大きくなければ、普通仕様車でも良いのではないかと考えることがあるかもしれません。
寒冷地仕様車が適しているかは状況によって異なるため、違いを比較して自分に向いている車両を選びましょう。
バッテリー
寒冷地仕様車最大の特徴は、普通仕様車よりも大容量のバッテリーを搭載している点です。気温が低下すると、バッテリーの性能が大幅に低下します。加えて寒冷地では暖房やシートヒーターの使用頻度も高くなるため、電力消費量が増加する傾向があるでしょう。
そこで寒冷地仕様車では、発電機であるオルタネーターの発電量も強化されています。この組み合わせにより、厳しい寒さの中でも確実なエンジン始動と安定した電力供給を実現しているのです。
ワイパー
雪は雨よりもはるかに重いため、寒冷地仕様車のワイパーはモーターがより高性能なものに変更されています。さらに、重い雪の負荷でワイパーが折れないよう、支柱部分を太くし、耐久性を高めている点も特徴のひとつです。
また、フロントガラスのワイパー接触部に電熱線を装備してワイパーの凍結を防いだり、ゴム部分も劣化しにくい素材が採用されていたりします。
エンジンオイルや冷却水
寒冷地仕様車と普通仕様車では、エンジンオイルと冷却水にも違いがあります。まず、エンジンオイルについては、低温でも粘性が増しにくい低粘度のオイルが使用されています。
冷却水については、普通仕様車では30%程度の濃度でマイナス10℃程度までしか対応できませんが、寒冷地仕様車ではマイナス35℃程度まで凍結しない高濃度の冷却水を使用しています。
その他の凍結防止対策
寒冷地仕様車には、上記以外にもさまざまな凍結防止対策が施されています。例えば、サイドミラーに装備されるヒーター機能や座席シートを温めるシートヒーターなどが挙げられます。
これらの対策により、寒冷地でも安心してカーライフを送ることができるのです。
寒冷地仕様車を選ぶメリットとデメリット

車を購入する際に寒冷地仕様車と普通仕様車のどちらを選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。ここでは寒冷地仕様車のメリットとデメリットをまとめて紹介しますので、どちらが自分にとって重要かを検討してみましょう。
寒冷地仕様車を選ぶメリット
寒冷地仕様車を選ぶメリットは、極寒の環境下でも安定して運転できることです。マイナス10度を下回る環境でもエンジンの始動性が良く、冷却水が凍りにくい設計になっているため、寒さの影響を受けにくくなります。
さらに、大容量バッテリーと強化されたオルタネーターにより、暖房やシートヒーターを多用してもバッテリー上がりを起こしにくい点も魅力的です。窓ガラスやミラーに装備されたヒーターが凍結や曇りを解消し、視界を確保しやすいのも寒冷地仕様車を選ぶメリットのひとつと言えます。
このような装備により、北海道や東北地方での走行はもちろん、ウィンタースポーツや高原への旅行でも快適なドライブを楽しめるでしょう。
寒冷地仕様車を選ぶデメリット
寒冷地仕様車を選ぶ際のデメリットは、普通仕様車よりも価格が高くなる点です。追加される装備の分だけコストが上乗せされ、車種によっては10万円以上の差が生じることもあります。
暖かい地域では必要のない装備も含まれているため、コストパフォーマンスの面で疑問を感じる方もいるでしょう。加えて、全ての車種に寒冷地仕様が設定されているわけではないため、希望する車種で寒冷地仕様が選択できない可能性もあります。購入前には、自分にとって本当に必要な装備かどうかを慎重に検討することが重要です。
寒冷地仕様車が向いているのはどのような人?

寒冷地仕様車が向いている方は、主に次の2パターンが挙げられます。
・寒冷地に住んでいる方
・寒冷地で乗る機会がある方
それでは詳しく見ていきましょう。
寒冷地に住んでいる方
寒冷地仕様車が最も適しているのは、北海道や東北地方などのマイナス10℃以下になる地域に住んでいる方です。
これらの地域では、冬場の気温が極端に低くなるため、普通仕様車では始動困難やバッテリー上がり、冷却水の凍結といったトラブルが発生しやすくなります。特に朝の通勤時にエンジンがかからないといった状況は、日常生活に大きな支障をきたすでしょう。
寒冷地仕様車なら、大容量バッテリーや低粘度エンジンオイル、高濃度不凍液により、厳しい寒さでも安定した始動性を確保できます。毎日車を使う必要がある寒冷地の住民にとって、これらの機能は単なる快適性の向上ではなく、移動手段を確保するための必須装備といえるでしょう。
寒冷地で乗る機会がある方
寒冷地に住んでいなくても、寒冷地仕様車が向いている方は数多くいらっしゃいます。まず、ウィンタースポーツを楽しむ方には大きなメリットがあります。スキーやスノーボードで標高の高い山やスキー場を訪れる際、平地では問題なくても現地では気温がマイナス10℃を下回ることがあります。
また、仕事で全国を転勤する可能性がある方にもおすすめです。現在は温暖な地域にお住まいでも、将来的に寒冷地への転勤があれば、移動先でも同じ車に乗り続けられるでしょう。
まとめ

寒冷地仕様車は、冬の気温がマイナス10度以下になる地域や降雪量の多い地域での使用を想定して作られた、特別な仕様の車です。普通仕様車との主な違いは、大容量バッテリーや凍結防止対策が施されたワイパー、シートヒーターやサイドミラーヒーターといった快適装備などが追加されている点が挙げられます。
デメリットとしては、普通仕様車よりも価格が高くなることや、全ての車種に設定されているわけではない点です。自分の住んでいる地域や車の使い方を考慮し、本当に必要な装備かどうかを検討して選びましょう。
【この記事の執筆者】

福沢知留
フリーランスとして2017年から活動するライター兼エディター。豪雪地帯で約10年間FRセダンを走らせた経験を持ち、現在は子育てに適したファミリーカーを愛用する3児の母。車への深い愛情と豊富な経験を生かし、複数の車関係メディアで編集を担当するなど数々の記事制作に携わっている。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。
