FFは雪道を走行できる？駆動方式ごとの雪道を走るときのポイント
冬の訪れとともに気になるのが、愛車で雪道を走れるかという問題ではないでしょうか。特にFF車を所有している方は「このまま雪道を走っても大丈夫だろうか」と不安に思う方もいるかもしれません。
この記事では、FF車が雪道を走行できるのかという疑問に答えながら、駆動方式ごとの特性や、それぞれの車で雪道を走る際のポイントを詳しく解説します。雪道を走る前に運転操作のポイントを確認し、冬のドライブに備えましょう。
※目次※
3.駆動方式別（FF・FR・4WD）の雪道を走るときのポイント
・雪道はFF車やFR車でも走れるがそれぞれ異なる課題があり、一般的に雪道に最も適した駆動方式は4WDと言われている。
・FF車で雪道を走るときはアンダーステアが起こりやすいため、カーブではしっかりと減速することが大切。
・どの駆動方式でも「急」のつく運転操作は控え、車間距離を広げるなどの配慮が必要。
雪道はFFで走れる？駆動方式の違い
駆動方式には前輪駆動のFF、後輪駆動のFR、前後4輪駆動の4WDがあります。ここでは雪道を走る際にFFでも走行できるのか、雪道に適している駆動方式はどれなのかについて紹介します。
FFやFRでも走れるが課題はある
結論として、FFやFRなどの2輪駆動車でも雪道走行は可能ですが、それぞれ異なる課題を抱えています。
FF車の場合、エンジンが前輪上に配置されているため、駆動輪への荷重が確保され直進安定性に優れています。しかし、雪道のコーナリング時にハンドルを切っても曲がらない「アンダーステア」と呼ばれる現状が起こることがあるため、しっかりとスピードを落として曲がる事が大切です。
FR車の場合は駆動輪である後輪上にエンジンがないため、荷重不足によりタイヤが空転しやすい特性を持ちます。特に雪道では、上り坂での発進時にタイヤがスリップして進めなくなる可能性があることを考慮しておくことが大切です。
雪道に適しているのは4WD
一般的に、雪道に最も適した駆動方式と言われているのは4WDです。4WDは4つのタイヤ全てに駆動力が分散されるため、雪道での発進や登坂時にタイヤが空転しにくく、高い走破性を発揮します。
ただし、4WD車も滑ると制御ができなくなるため、しっかりと減速した状態でカーブを曲がるなどの配慮が必要です。
FF車・FR車・4WD車に共通する雪道を走るポイント
雪道を車で走行する際は、どの駆動方式にも共通する雪道を走るポイントがあります。ここでは、雪道の走行時に意識したいポイントとして、次の3つを紹介します。
・急発進や急ブレーキは控える
・車間距離にゆとりをもつ
・なるべく幹線道路を走る
それでは詳しく見ていきましょう。
急発進や急ブレーキは控える
雪道では「急」のつく運転操作が事故の原因となります。なぜなら、滑りやすい路面では、急発進や急ブレーキによってタイヤが路面のグリップを失い、スリップを引き起こすからです。
アクセルやブレーキを踏み込む目安は、一般的に6分目と言われています。ゆっくりと踏み込むことを意識して、タイヤのロックや滑りを防ぎましょう。
車間距離にゆとりをもつ
雪道では車間距離を多くとることが大切です。通常の2倍以上を目安として、ゆとりをもった車間距離を確保しましょう。
通常時に比べて車間距離をあける必要があるのは、路面が滑りやすく制動距離が大幅に伸びる可能性があるためです。また、車間距離を広くとっておけば、後ろから追突されたときに前の車と接触するリスクが軽減できます。
なるべく幹線道路を走る
雪道を走るときは、可能な限り幹線道路を選択することが大切です。幹線道路は除雪作業が優先的に行われ、交通量も多いことから走りやすい状態になっていることが多い傾向があります。
裏道や細い路地では想像以上に積雪が積もっていることがあり、立ち往生してしまう可能性があることを考慮しましょう。
駆動方式別（FF・FR・4WD）の雪道を走るときのポイント
FF車で雪道を走れるのか気になっているケースでは、現在所有している車がFF車の場合もあれば、これから購入している車がFF車の場合もあるでしょう。ここでは駆動方式別の雪道を走るときのポイントを紹介します。
FF車で雪道を走るときのポイント
FF車で雪道を走るときは、しっかりと減速することです。コーナーではアンダーステアが発生しやすいため、しっかりと速度を落としてから曲がる必要があります。
また、上り坂では前輪の荷重が減るため、アクセルを踏み込みすぎると駆動輪がスリップして登坂不能になることがあります。平坦な場所から適度な助走をつけ、アクセルを一定に保った状態で登り切るとよいでしょう。
下り坂では前輪に荷重がかかり後輪が軽くなるため、ハンドル操作やアクセル操作の影響によってスピンしてしまうことがあります。特にカーブでは少しずつハンドルを切ることや、アクセルを一定に保った状態にするなどの配慮が大切です。
FR車で雪道を走るときのポイント
FR車は前輪にエンジンがあり後輪が駆動する仕組みのため、凍結路では発進時に後輪が空転することがあります。また、凍結路や積雪路ではスピンしやすい傾向があるため、アクセル操作を慎重に行うことが大切です。
また、カーブではハンドルを切りながらアクセルを踏み込むとスピンしやすいため、コーナー手前で十分減速し、一定の速度でゆっくりと曲がりましょう。
雪のわだちを乗り越えるときに上手くいかないこともあります。FR車は後輪が駆動することを考慮した運転操作を行うことが大切です。
4WD車で雪道を走るときのポイント
4WD車は全ての車輪が駆動するため、雪道での発進性能や走行安定性に優れています。しかし、過信は禁物です。車両重量が増加しているため、コーナリング性能や制動性能は2WD車より劣る場合があります。
また、カーブでは2WD車よりも膨らみやすいのも特徴のひとつです。4輪全てが駆動していることから小回りが効きにくいため、しっかりと減速して曲がりましょう。
まとめ
雪道はFF車やFR車といった2輪駆動の車でも走行できますが、それぞれ課題があります。雪道に最も適しているのは、一般的に4WD車と言われていますが、それでも過信はできません。駆動方式ごとの特性を理解し、それに合わせた運転を心がけましょう。
また、どの駆動方式であっても、雪道走行には共通の注意点があります。「急」のつく運転操作は避け、車間距離を多めにとるなど、慎重な運転を行いましょう。
【この記事の執筆者】
福沢知留
フリーランスとして2017年から活動するライター兼エディター。豪雪地帯で約10年間FRセダンを走らせた経験を持ち、現在は子育てに適したファミリーカーを愛用する3児の母。車への深い愛情と豊富な経験を生かし、複数の車関係メディアで編集を担当するなど数々の記事制作に携わっている。
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