ジムニーはフルモデルチェンジでどう変わった?歴代モデルの特徴や4代目の魅力
1970年に初代が登場してから半世紀以上もの歴史があるのが、スズキのジムニーです。ラダーフレームを採用した、本格的4WD車でありながら軽自動車のジムニーは、モデルサイクルが長いのも特徴です。約50年の間に3回のフルモデルチェンジを受けて、現行モデルは4代目となっています。
新車は納車まで1年以上かかることもあるほど、ジムニーの人気は高く新車よりも高い中古車もたくさんあります。この記事ではジムニーの歴史や魅力、前モデルとも比較して解説します。
※目次※
1. 現行ジムニーは20年ぶりにフルモデルチェンジした4代目
5. ネクステージでフルモデルチェンジ前後のジムニーを見てみよう
・ジムニーは1970年に誕生した軽自動車ながらも本格4WD仕様車
・20年ぶりにフルモデルチェンジした4代目は納車まで1年待ちの大人気
・ジムニーの中古車価格は新車より高いものも多く人気がある
現行ジムニーは20年ぶりにフルモデルチェンジした4代目
タフなボディとエンジン、足まわりの良さ、そして個性的なルックスを併せ持つジムニーは、軽自動車の枠を超えた本格4WD車として常に高い人気を誇る車です。
ここでは、ジムニー誕生の歴史や簡単な特徴について解説します。
ジムニーはスズキ社が販売したオフロード車
初代ジムニーは、1970年に誕生した軽自動車です。オフロード仕様のタフなサスペンションを装備し、土木や建設、林業の作業現場でプロの道具としても人気を博しました。
山間部や悪路でもスタックせず走破できる本格的なフルタイム4WDシステムを搭載しつつ、軽自動車らしいコンパクトなボディと小回りの利く柔軟な操作性が魅力と言えます。
作業現場のプロを満足させるだけでなく、手軽にアウトドアを楽しみたい一般ユーザーからも支持の高い人気モデルです。
2018年に20年ぶりのフルモデルチェンジが行われた
以前の車は4年程度でのモデルライフと言われていましたが、最近の車は6年程度でフルモデルチェンジとこれまでよりもモデルサイクルが長くなっています。
ジムニーはもともとモデルサイクルが長く、初代が登場したのは1970年で、2代目が1981年、3代目が登場したのが1998年、それから20年経った2018年に現行モデルである4代目へとフルモデルチェンジしました。
ジムニーのモデルサイクルが長いのは、それだけ完成されているオフロード車だということなのでしょう。
ジムニーは長い歴史の間フルモデルチェンジが3回
ジムニーは初代が誕生してから半世紀以上の歴史があるスズキのロングセラーモデルです。しかし、フルモデルチェンジは3回しかしておらず、現行モデルは2018年に発売した4代目のJB64です。
ジムニーが誕生した経緯や、フルモデルチェンジの歴史をここでは解説します。
ジムニーの歴史が始まった1970年代型
1970年に生まれたジムニーですが、実はホープ自動車という自動車メーカーが販売していたホープスターON型がベースになっています。どんな不整地でも走破する本格的な4WD車としてデビューしたホープスターON型ですが、当時の販売状況はあまり芳しくありませんでした。
自社での製造販売を止めたホープ自動車は、自動車メーカー各社にホープスターON型の製造と販売する権利を買ってもらうよう掛け合いました。そこで唯一、スズキが着目しホープスターON型のアイデアを基に改良を重ね、初代ジムニーの開発・販売に至ったのです。
初代のジムニーは、全長が2,955mmというコンパクトなボディながらも、空冷2サイクル直列2気筒エンジンを搭載し、当時は驚くほど優れた走行性能を誇った車種でした。
他の軽自動車と違い、ラダーフレームを採用した堅牢なシャシーを持ったジムニーは、業務用の4WD軽自動車が必要なユーザーだけでなく、アウトドアを本格的に楽しむ一般ユーザーの支持をも獲得していったのです。
発売後初めてフルモデルチェンジした1980年型
発売から11年が経過した1981年、2代目のモデルとなるSJ30が販売されました。SJ30はジムニーらしい走行性を維持するために、水冷2サイクル直列3気筒エンジンを搭載しているのが特徴です。
1980年代、多くの軽自動車が4サイクルエンジンへと移行を遂げる中、ジムニーのSJ30は、1987年に生産が終了するまで2サイクルエンジンの搭載を続けました。初代からの引継ぎとなる2サイクルエンジンではありますが、パワースペックは十分にアップされ、より幅広い使用シーンでゆとりを持った走行が可能です。
また、デザインや居住性も大きな進化を遂げ、乗り心地の良さを意識した乗用車らしい内外装に一新されました。オフロードに特化しつつも、オンロードでの走行性を兼ね備えた結果、より多くのユーザーの心をつかむ結果となったのです。
JA11やJA22を含む1990年代型ジムニー
2度目のフルモデルチェンジとなった3代目のJB23は1998年に発売されました。現行モデルの4代目のJB64は2018年の発売なので、JB23は20年以上同じ型で販売されたロングセラーモデルであったことが分かります。
初代ジムニー以来の3ドアボディを踏襲したJB23は、丸みを帯びたシティライクなボディラインが特徴です。新たに開発された軽量衝撃吸収ボディで、高い安全性を確保しています。万が一の事故の際、衝突などにより車体は大きく変形するものの、衝撃は吸収されているため、ドライバーをしっかり保護します。
さらにボディも軽量化され、安全性の向上だけでなくハンドリング性能や経済性の向上まで実現しています。室内空間も大幅に拡大され、より居住性に優れた仕様となっています。ジムニーらしい不整路や雪道での走破性から、農林業用途での需要も高まりました。
久々にフルモデルチェンジした4代目ジムニーの魅力
50年以上もの長い歴史の中で、たったの3回しかフルモデルチェンジされなかった理由は、それだけ完成度の高い車両で、長い間、人々に愛され続けたという証拠なのかもしれません。
昔も今も変わらず高い人気を誇るジムニーですが、新型ジムニーは従来のモデルと比べて一体どのような変化を遂げたのでしょうか。基本スペックからデザイン、走行性までひとつずつ比較しながら紹介します。
ボディサイズは変わらず燃費が向上
まずは、新型モデルのJB64とJB23の基本的なスペックから比較してみます。
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JB64(新型4代目) |
JB23(3代目) |
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全長 |
3,395mm |
3,395mm |
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全幅 |
1,475mm |
1,475mm |
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全高 |
1,725mm |
1,680mm(XG) |
1,715mm(XC) |
燃費 |
WLTCモード14.3km/L~16.6km/L JC08モード16.4km/L~17.1km/L |
JC08モード13.6km/L~14.8km/L |
(2023年7月時点の情報です)
まずボディサイズですが、軽自動車であるため全長は3,395mm、全幅は1,475mmと変更ありません。
荷室はJB64の開口幅が50mmほど大きくなっており、リアシートを倒すとフルフラットになります。クオーターウィンドウの下部にあるラゲージルームの側面もほぼ垂直なので、JB23と比べて荷物を積み下ろしやすいのが特徴です。
燃費性能はJC08モードで比較しても新型のJB64に軍配が上がります。いずれのモデルもサポカー減税対象外です。
伝統的な構造の継承と進化
現在の車の構造としてはシャシーとボディが一体型のモノコック構造が主流です。生産性に優れ、軽量で衝突エネルギー吸収率の良いため、SUVでもモノコック構造を採用していることも多くなっています。
一方、ジムニーが初代から採用しているのは、ラダーフレーム構造です。シャシーとボディが別体になっていて、シャシーの上にボディが乗っている構造です。そのため、衝撃をフレームで吸収し、路面やエンジンの振動がドライバーに伝わりにくいという特徴があります。
4代目ではXメンバーや前後にクロスメンバーを追加しねじり剛性を高めていて、伝統のラダーフレームを頑強な構造へと進化させています。
ジムニーらしさを残したシンプルデザイン
では次に、新型ジムニーのボディスタイルはどういった変化が見られるのか、特徴を表にまとめてみました。
新旧ジムニーのボディスタイルの違い |
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JB64(新型4代目) |
JB23(3代目) |
ボディスタイル |
四角いフォルムでレトロな印象 |
丸みを帯びたデザイン |
(2023年7月時点の情報です)
新旧モデルの大きな違いと言えば、まず目に入るのはそのルックスです。3代目のJB23が丸みを帯びたデザインであるのに対して、新型のJB64は直線的で、初代回帰といった印象もあります。
ジムニーに限ったことではありませんが、エクステリアのデザインで車を選ぶのはよくあることです。洗練されたデザインが好みであればJB23、懐かしさを感じるレトロなデザインが好みであればJB64を選ぶと良いかもしれません。
新型はさらに安全性能がアップ
新型のJB64と3代目のJB23の違いが顕著に表れるのが安全装備面です。1998年にJB23がデビューした1年後、エアバッグとABSが全車に標準装備となり、2012年からは後席シートにチャイルドシートアンカーが装備されました。より安全面に配慮した型を選びたい場合は、2012年以降に販売されたモデルを選ぶのがおすすめです。
一方の新型のJB64は、全グレードにスズキセーフティサポートが標準装備されています。これはサポカーSワイドに分類される安全技術で、デュアルセンサーブレーキサポート、車線逸脱警報機能、標識認識機能、ハイビームアシスト、誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能が含まれます。
JB64の全グレードに標準装備されている衝突安全技術で重要なものをまとめました。安全面で選択するなら、JB64の一択になるかもしれません。
ジムニー全グレードに標準装備されている衝突被害を軽減する技術 |
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ESP(車両走行安定補助システム) |
エマージェンシーストップシグナル |
軽量衝撃吸収ボディTECT |
サイドアンダーミラー付ドアミラー |
6つのSRSエアバッグ |
フロント・リヤELR3点式シートベルト |
歩行者傷害軽減ボディ |
衝突時に乗員への衝撃を緩和するシート構造 |
(2023年7月時点の情報です)
走行性や操作性が大きく変化
では最後に、エンジンや走行性能、動作性の違いについて比較してみます。
新旧ジムニーの動力性能の違い |
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JB64(新型4代目) |
JB23(3代目) |
エンジン |
R06A型 |
K6A型 |
最高出力 |
47kW<64PS>/6,000rpm |
47kW <64PS>/6,500rpm |
最大トルク |
96N・m<9.8kg・m>/3,500rpm |
103N・m <10.5kg・m>/3,500rpm |
(2023年7月時点の情報です)
新旧モデルを比べると、エンジンの最高出力や最大トルクに大きな違いはありません。ただし基本設計においては、20年の大きな隔たりがあります。
JB64は乗り心地や静粛性において、大きな進化を遂げています。路面の境目を越えた際の衝撃吸収や高速道路での車線変更や、コーナリング時のロールなど、オンロードでの運転がスムーズに進化したのがJB64です。
そのため、一般的な乗用車からジムニーに乗り替えた人でも、違和感はあまりないかもしれません。
フルモデルチェンジしたジムニーの値段はいくら?
ジムニーの新車価格は、上昇し続けています。それは、安全に関しての機能や装備が充実していることや、原材料費や生産するのに必要な光熱費の上昇、円安などさまざまな要因が重なったからです。
新車価格が上昇したため中古車の需要が増え、中古車価格も上昇しています。ジムニーも同様であることから、ここでは新車と中古車の価格を比較しました。
ジムニーの新車価格の目安
新車の場合は、新型コロナウイルス感染症拡大により半導体不足、部品の供給が遅延しているため、納車まで1年以上かかっています。
そこで中古車もターゲットになるわけですが、新車と中古車の価格にどれほど差があるのか、まずは新車価格から確認しましょう。
新型ジムニーのグレード別メーカー希望小売価格(税込) |
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4WD・5MT |
4WD・4AT |
XC |
180万4,000円 |
190万3,000円 |
XL |
168万1,900円 |
178万900円 |
XG |
155万5,400円 |
165万4,400円 |
(2023年7月時点の情報です)
新型ジムニー(JB64型)は、上位モデルから順番にXC、XL、XGの3つのグレードがあります。
ジムニーの中古車相場
次に、ネクステージで扱っている新型ジムニーの中古車価格帯を確認しましょう。
新型ジムニーの中古車価格帯(税込) |
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中古車価格帯(税込) |
159万9,000円~266万9,000円 |
(2023年7月時点の情報です)
中古で新車ジムニーの購入を検討するのであれば、カスタム車両やさまざまなオプションが付いた車両を見つけることができるでしょう。ネクステージで扱っている3代目までのジムニーの中古車価格帯も確認しましょう。
3代目ジムニーの中古車価格帯(税込) |
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中古車価格帯(税込) |
51万9,000円~161万9,000円 |
(2023年7月時点の情報です)
納車までの期間が長い新車と比べると、中古車はすぐに手元に届いて乗ることができるという大きなメリットがあります。
新車よりも高価格の中古車もありますが、走行距離が極端に少なく新車同等だと言えるでしょう。ネクステージで扱っているジムニーの中古車は、3代目と現行である4代目がほとんどです。
(参考:『ジムニー(スズキ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
PRジムニーの中古車をチェック
※価格は支払総額
ネクステージでフルモデルチェンジ前後のジムニーを見てみよう
軽自動車のジムニーは、人気のある本格的4WDであるため、新車購入では納車まで1年以上待たされることもあります。
そのため、すぐに乗りたいと思うのであれば中古車がおすすめです。走行距離が短く状態の良い中古車もあるため、探してみてください。
全国展開している店舗の在庫からジムニーを選べる
新車の場合はディーラーで購入できますが、中古車は日本全国にあるためネットでお気に入りの1台を見つけたとしても、在庫を持っているお店まで行く必要があります。
全国展開しているネクステージでは、豊富な在庫があるのはもちろんのこと、ネットで見つけたジムニーを最寄りの店舗に取り寄せることもできます。
ネット検索では型式や年式、走行距離などいろいろな条件で絞り込むことができるので、お気に入りのジムニーが探せるでしょう。
万全の整備状態でジムニーを受け取れる
ネクステージでは中古車の買取もしていて、査定時には品質鑑定またはAIS検定のライセンスを持っているスタッフが厳正にチェックしています。
そのため、修復歴車やメーター改ざん車、水没車など、トラブルの元になるような粗悪な車は販売していません。
また、新車や未使用車を除いた全ての車に「法定点検整備」と、車の状態にあった「予防点検整備」を実施しているため、万全の整備状態でジムニーを受け取れます。
まとめ
今回はスズキのジムニーに焦点を当て、現在に至るまでの歴史や、歴代ジムニーの特徴、魅力について紹介しました。
現行の4代目ジムニーは、本格的なラダーフレームを採用し、軽自動車らしからぬパワフルな走りとダイナミックなボディデザインで、従来のファンだけでなく多くの新たなファンを獲得し続けています。
ジムニーの新車購入では、納車まで1年以上は待たされるので、状態の良い中古車を探すのもおすすめです。
■この記事の執筆者
鈴木博之
エディター/ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。