自動車のバンとワゴンは何がどう違う?バンの種類の見分け方も解説!
自動車のバンとワゴンは何がどう違うの?と疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。自動車のバンとワゴンにはボディの形状や車検サイクル、ナンバーの違いなど見分ける点がいくつかあります。違いを理解することで、より自分に合った車選びに役立てることも可能です。
本記事では、バンとワゴンの違いにくわえて、バンの人気車種も紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・「バン」は貨物を運搬する車で「ワゴン」は人を運搬する車
・バンには商用車と乗用車の区分があり、ナンバーで見分けられる
・機能性に優れたバンの人気車種を知る
車種「バン」ってどんな車なの?
車種「バン」はどのような車なのでしょうか。バンと一言でいってもミニバンからライトバンまで様々な車種があります。そのため、車種バンがどのような車なのかを知るためにも、まずはバンの由来と、バンの定義について知っていきましょう。
バンの由来
バンの由来は「キャラバン」の略語です。「バン」という言葉は屋根付きの貨物車の意味を持つキャラバンの「バン」からとられています。最近あまり聞かなくなったバンですが、ミニバンにはしっかりとバンという言葉が残されました。
バンという言葉は海外でも使われており、その意味は国によって曖昧です。例えば、アメリカでは日本と同様商用車をバンと呼ぶことが多くありますが、車体が箱型をしているものをバンと呼んだり、リア部分が箱形をしているワゴンタイプもバンと呼んだりすることもあります。
バンの定義
海外では曖昧な意味であるバンですが、その定義は主に貨物を運搬する際に使用する自動車のことを指します。日本やヨーロッパでは主に「商用車」を意味し、商隊を組んで荷物を安全に運んでいたキャラバンの意味にちなんで「安全に物を運ぶ」といった意味もあるようです。
海外ではバンの定義は曖昧ですが「箱型の貨物用自動車」という意味では世界共通です。
バンとワゴンの車種の主な違い
バンとワゴンの車種の主な違いにはどのようなものがあるのでしょうか。用途や形状からどことなく似ているように思う両車種ですが、はっきりとした車種の違いがあります。バンとワゴンの違いを知ることで、よりバンについて理解を深めていきましょう。
輸送対象の目的の違い
バンとワゴンの車種の主な違いには「輸送対象の目的の違い」があります。ワゴン車は多くの人を運ぶことを目的に作られた車両ですが、バンの輸送対象は人では無く「物」です。
バンは貨物としての役割が主なため、ワゴンなどの乗用車と比較するとサスペンションにはオフロード車にも使われるリジッド式サスペンションなど頑丈なものを多く採用し、重い荷物を積んでも安全に走行ができるように工夫されています。
シート仕様の違い
バンとワゴンの違いにはシート仕様の違いがあります。人を載せることを主としたワゴンのシートは3列シートのものが採用され乗車定員は5人から6人、ミニバンともなると7人から8人の設定が主流です。
一方、貨物を積むことを主体としたバンの後部座席は1列であることが多く、乗車人数も大抵は2人乗りから3人乗りと少なく、あまり乗用車としては向いていません。多くても5人から6人乗りです。
乗車人数ではミニバンが多く、7人から8人乗りになっているタイプのものが多く流通しています。また、バンとワゴンでは用途が変わるためインテリアなど違いも顕著です。
ボディ形状の違い
バンとワゴン車の違いはボディの形状からも見て取れます。バンのボディの形状は1BOX(ボンネットのない車の総称)となりエンジンと乗車・積荷スペースが一体です。
しかしワゴンの形状にはエンジンと乗車・積荷スペースが分かれた1.5BOX(ボンネットが短い)と同じくエンジンと乗車・積荷スペースが分けられた2.0BOX(ボンネット有り)の2種類が使われており、バンのような1BOXワゴンは現在国内に存在していません。
車検サイクルの違い
バンとワゴンの違いには車検サイクルがあります。「商用車」として扱われるバンは新車登録した最初の車検は1年後から2年後になるため、新車の旨味は乗用車くらべて薄いです。
一方ワゴン車は乗用車扱いされるため、一般的な乗用車同様車検サイクルは初回3年後、以降は2年ごとのサイクルになります。
バンの車の呼び分けの違いとは?
バンは「軽バン」「ミニバン」「ライトバン」と3つの呼ばれ方をしています。ミニバンについては、車のCMなどで目にしたことがある方も多いでしょう。しかし、それぞれどのような特徴があるのかを理解している方は少ないのではないでしょうか?
ここからは、それぞれの特徴についてくわしくみていきましょう。
軽バンの特徴
軽バンは、名前のとおり軽自動車の貨物自動車のことです。見た目は軽自動車のハイトワゴンと似ていますが、エンジンの場所などに違いがあります。
軽バンのエンジンの位置はキャブオーバー型とミッドシップ型の2種類です。キャブオーバー型は運転席の真下、ミッドシップ型は後部座席の下にエンジンが配置されています。また、軽バンは車の後ろに多くの荷物を積んで走ることを想定しているため、駆動方式がFR・MR・4WDが採用されています。
ミニバンの特徴
ミニバンは、日本では3列シートのワンボックスタイプの車をさします。特徴は、3列シートで乗車人数が6~8人で広いラゲッジスペースがあるなど、人と荷物両方を多く運べることです。
ミニバンには明確な定義はありませんが、フルサイズバンよりも小さな車種をさします。ミニバンにはSS~LLの5つのサイズ区分があり、活用用途も多様です。SSクラスはフリード、Mクラスはヴォクシー、Lクラスはオデッセイ、LLクラスはアルファードというサイズ感のイメージでよいでしょう。
ライトバンの特徴
ライトバンは荷物の運搬に比重がおかれたもので、ハッチバックをもつ貨物車という位置づけです。そのため、後部座席がなかったり、折りたためるようになっていたりと内装が簡素な作りになっています。
しかし、そのぶん費用は安く、社用車として使われる機会が多い車です。安いぶんシートの快適性なども犠牲になっていることも多く、人を乗せる機会が多い場合は、クレームをもらう可能性が高いかもしれません。
バンの種類はナンバーで見分けられる
バンの種類はナンバーで見分けることが可能です。自動車には車両の大きさや用途によって0から9番までの数値が用意され「分類番号」と呼ばれる数値が割り振られます。小型の貨物車として考えられるバンには商用車(小型の貨物車)の番号が与えられるため、番号の意味を知ることで、バンとワゴンを見分けることも可能です。
商用車の場合
商用車の場合、割り当てられるナンバーは「1」ナンバーもしくは「4」ナンバーになります。1ナンバーは全長12.0m以下、全幅は2.5m以下、全高は3.8m以下に交付されるナンバーです。4ナンバーは全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下の小型商用車(貨物)に割り当てられます。
そのため、非常に似ている車両であってもナンバーを見ることによりバンかそうでないかを見分けることができるのです。
乗用車の場合
乗用車の場合3ナンバーと5ナンバーが交付されます。ワゴン車やミニバンなどは乗用車のためナンバーは「3・5」のどちらかです。乗用車のナンバーはボディサイズだけでなく排気量でも決まります。
ナンバー5車の基準は排気量が「2001cc以上」全長「4701mm以上」全幅「1701mm以上」全高「2001mm以上」となっており、このうちの項目を1項目でも上回るとナンバーは3になります。
ナンバーの違いは主に自動車税に関わってくるので、車を購入する場合は維持費の確認も重要です。
手頃な軽バンのおすすめ車種TOP3
バンとワゴンの違いを確認したら、次はバンの種類について見てきましょう。ここでは手軽なエブリイやハイゼットカーゴ、ハイゼットキャディーなどの軽バンを紹介していきます。
軽バンの購入を考えている場合は、それぞれの特徴を知ることで購入判断の材料にしていきましょう。
スズキ:エブリイ
スズキ エブリイは軽キャブワゴンで1番の室内サイズを持ちます。室内長2,240mm×室内幅1,355mm×室内高1,420mmの空間は、大人4人が乗ったとしてもたくさんの荷物を積み込むことが可能です。また広いスペースを活かすことができるようシートには多彩なアレンジが用意されました。
アクセサリーの「2段ベッドセット」をエブリイに取り入れることで、大人二人でも車中泊することが可能です。レジャーだけでなく災害時にも便利な機能となっています。スズキ エブリイの中古車価格は約45万円から120万円です。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:エブリイ(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ダイハツ:ハイゼットカーゴ
ダイハツ ハイゼットカーゴは、アイドリングストップ「エコアイドル」を取り入れるなど燃費性能にも力を入れた車両になります。大容量のスペースには助手席を前倒しすることで、6畳相当のカーペットも車内に積むことが可能です。中古価格は約60万円から170万円となっています。
また、2018年以降のグレードであれば全車種に、駐車支援や事故回避など安心と安全をサポートするスマートアシスト機能も搭載されています。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:ハイゼットカーゴ(ダイハツ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ダイハツ:ハイゼットキャディー
ダイハツ ハイゼットキャディーは、乗り降りや荷物の積み込みやすさなど、おもに商用車としての活用にこだわった車両です。荷室フロア高は595mmと低く、小柄な方でも荷物を積み込みやすくなっています。
ダイハツ ハイゼットキャディーは生産終了モデルです。購入は中古車に限定されますが、流通数が少ないため、購入を検討している場合は早期決断が必要になる場合もあるでしょう。中古価格は約80万円から100万円です。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:ハイゼットキャディー(ダイハツ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
機能性に優れたバンの人気TOP5
バンは積載はもちろん、機能性にも優れた車種が存在します。特徴である広い荷室はアウトドアスポーツや車中泊など、ビジネス以外の用途でも多岐に渡って活躍することができるため、普段使いでバンの使用を考えている場合はこちらがおすすめです。
トヨタ:タウンエースバン
トヨタ タウンエースバンには新開発の1.5Lエンジンが新たに搭載され、安全装備も先進の物が採用されています。急な飛び出しや夜間の歩行者も検知する「衝突回避支援ブレーキ機能」やペダルの踏み間違いによる「誤発進抑制機能」などをパッケージした「スマートアシスト」機能が売りです。
ボディサイズは全長4065×全幅1665×全高1930、新車価格は181.9万円から234.7万円です。また中古価格は約60万円から130万円となっています。
(2022年3月時点での情報です)
トヨタ:プロボックスバン
トヨタ プロボックスバンは軽荷物の運搬に最適なビジネス用ワゴンです。スクエアのボディは見切りが良く、狭い道での駐車もしやすくなっています。くわえて毎日の仕事で長時間乗っていてもつかれにくい工夫がされている点が特徴です。
ボディサイズは全長4245mm×全幅1690mm×全高1525mm、新車価格は149.1万円から201.4万円。気になる中古価格は約80万円となっています。しかし、中古車市場には流通数が多い車種ではありません。中古購入の場合には、スピーディーな行動が必要になる場合もあるでしょう。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:プロボックスバン(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ:ハイラックス
トヨタ ハイラックスは国内唯一のピックアップトラックです。そのため、ビジネス用だけでなく乗用車としても高い支持を集めています。2020年にマイナーチェンジが行われ、さらにタフに頼れる相棒として生まれ変わりました。デッキスペースに積める荷物はなんと最大500kg。あらゆる荷物が自由に積み込めます。
ボディサイズは全長5340mm×全幅1855mm×1800全高mm、新車価格は352.7万円から431.2万円です。中古価格は約300万円から490万円と幅広くなっています。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:ハイラックス(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産:NV350キャラバン
日産 NV350キャラバンのバリエーションは多く、装備からボディサイズに至るまで幅広いラインナップです。またオプションも豊富で、荷物を固定するためのハンガーやフックを掛けるフレームなども用意されています。アウトドアスポーツや車中泊などにも使用され、広い室内には自由にさまざまなものが積み込み可能です。
ボディサイズは全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mm、新車価格は241.2万円から434.1万円となっています。また、中古価格は約230万円から290万円です。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:NV350キャラバン(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ:ハイエースバン
トヨタ ハイエースバンは日産 NV350キャラバン同様アウトドアスポーツから車中泊、さらにはビジネスにまで活躍できる使い勝手の良いワンボックスカーです。人を乗せて運ぶよりも荷物の積載がメインとなっています。
収納面では、多彩なシートアレンジがほどこされており、あらゆる荷物を積み込むことが可能です。くわえて安全をサポートする機能も搭載されているため、大きい車は不安という方にも安心できます。
ボディサイズは全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mmとなっており、新車価格は236.3万円から412.9万円になります。中古価格は220万円から390万円です。衝突安全性の確保はもちろん、先進の予防安全機能も搭載されています。
(2022年3月時点での情報です)
(参考:ハイエースバン(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
バンはキャラバンの略語であることから分かるように、おもに商用車として活躍しています。しかし、広い荷室はビジネスだけでなく、アウトドアスポーツや車中泊でも活躍できることから、アウトドアやスポーツなど幅広い層から人気です。
また、バンとワゴン車は形状、ナンバーから似たような車両であってもきちんと区別できるようになっています。気に入った車両があれば、まずはナンバープレートを確認してみましょう。
ネクスージでは4ナンバーの車両も数多く扱っているため、お気に入りの一台が見つけやすくなっています。豊富な中古車が揃っていますので、ぜひ店頭にてお確かめください。