【ハリアー vs CX-5】買うならどっち?プロが徹底比較
「トヨタ ハリアーとマツダ CX-5、買うならどっち?」というお悩みに、モーターエヴァンジェリスト宇野がお答えします!
※この記事では、両車ともに現行モデルで比較します。
※目次※
1.【ハリアーとCX-5の違い】ライバル車を比較するときのポイント
2.車種(製品)に目を向ける前に、メーカーに目を向ける
3.【ハリアー vs CX-5】ボディサイズ比較
4.【ハリアー vs CX-5】パワートレインスペック・走行性能・燃費比較
5.【ハリアー vs CX-5】乗り心地・乗り味・ドライブフィールで比較
6.【ハリアー vs CX-5】室内空間や装備で比較
7.【結論】ハリアーとCX-5、どっちが買いか?
【ハリアーとCX-5の違い】ライバル車を比較するときのポイント
トヨタ ハリアー、マツダ CX-5もどちらも人気のSUV。人気のライバル車を比較するときのポイントからお伝えします。
欲しいクルマが2車種あったら、どうしてもそれぞれのクルマの良し悪しに着目してしまいますが、どんなクルマも一長一短。クルマの使い方も千差万別ですから、人によって、多くの人が長所といっているところが短所になったり、その逆もあります。だからこそ、クルマ選びは難しいと言われるのかもしれません。
ここからお話する内容は、ハリアーとCX-5に限らず、どんなライバル車同士の比較検討でも共通するアドバイスです。また、クルマに限らずほかの製品にも当てはまるアドバイスでもあります。例えば、iPhoneとSONY Xperia、どっちを買えばいいのか悩んだときにも使える考え方です。
車種(製品)に目を向ける前に、メーカーに目を向ける
「あのクルマとこのクルマ、どっちがいいのか悩んでいるんですけど……」と、筆者はよく相談されます。そのような悩みをもたれている方の多くが、欲しいクルマの情報収集をしています。情報収集はするものの、判断基準がわからなくなったり、自分が下した判断に自信がもてなかったりしているケースもよくあります。
そんな方にはまず、クルマ単体に目を向けずメーカーに目を向けるようにアドバイスしています。各メーカーのクルマ作りの考え方は大きく異なります。その考え方は、クルマの哲学でもあります。いわば、フィロソフィーです。
フィロソフィーがわかれば、どうしてそのクルマの設計や仕様がそうなっているのかが分かり、実際に自分自身のカーライフスタイルに合っているかどうかも分かるようになります。今回は、トヨタとマツダのクルマの比較ですから、それぞれのメーカーのクルマ作りの考え方に着目していきましょう。
マツダは「be a Driver」「人馬一体」
分かりやすく解説するために、先にマツダから紹介。マツダは、いくつかのスローガンとなるキャッチコピーや呼称を用いています。
Be a Driver
マツダのブランド・コンセプトとなるキャッチコピーは「Be a Driver」です。訳すると「ドライバーになろう」です。
人馬一体
マツダのクルマ作りの哲学は「人馬一体」ということばで表現されています。マツダが新型車を発表すると、そのプレスリリースには必ず「人馬一体」ということばが使われています。また、新型車発表会や試乗会のプレゼンテーションでも、幾度となく「人馬一体」が強調されています。
人馬一体とは、文字どおり人と馬が一体となって走るように、クルマと人が一体となって走る実感をもてるようにクルマを作る、というマツダの考え方です。
マツダはこのほかに、デザインの考え方に「魂動(こどう)」という名称を採用し、また、マツダ独自開発するボディカラー(ほかのメーカーは塗料メーカーに開発委託し、自社開発は基本しない)には、「匠塗(たくみぬり)」という名称を採用し、こだわりの開発を表現しています。
トヨタのブランド・コンセプト
2022年、トヨタは3年連続で世界新車販売ランキングのトップに君臨しています。しかし、トヨタは、ブランド・コンセプトをTVCMやHPなどで分かりやすいように一般に伝えていません。
トヨタの企業HPを見ると『トヨタグローバルビジョン』と題したページに「笑顔のために。期待を超えて。」をキャッチコピーとし、以下のようにクルマ作りの考え方を伝えています。
人々を安全・安心に運び、心までも動かす。
そして、世界中の生活を、社会を、豊かにしていく。
それが、未来のモビリティ社会をリードする、私たちの想いです。
一人ひとりが高い品質を造りこむこと。
常に時代の一歩先のイノベーションを追い求めること。
地球環境に寄り添う意識を持ち続けること。
その先に、期待を常に超え、お客様そして地域の笑顔と幸せにつながるトヨタがあると信じています。
「今よりもっとよい方法がある」その改善の精神とともに、トヨタを支えてくださる皆様の声に真摯に耳を傾け、常に自らを改革しながら、高い目標を実現していきます。
引用元:トヨタグローバルビジョン
マツダと大きく異なることが書かれていますね。筆頭に「安全・安心」がきています。その次に「心まで動かす」と続いています。この書き方は、トヨタのクルマ作りの考え方をとてもよく表していると筆者は考えています。
トヨタは目的地まで、安全・安心に運転手を含めた乗員を運ぶことをとても大切にしています。安全・安心という言葉には、クルマの耐久性、耐故障性や乗り心地、快適性、運転のしやすさ、さまざまな要素が含まれます。
トヨタはブランド・コンセプトとして明確に伝えていませんが、自動車業界の中では「万人受けするクルマ」を作るメーカーと認識されています。「安心・安全」なクルマを作ると、万人受けするクルマにもなる、というつながりも見えてきます。
トヨタとマツダの違い
トヨタとマツダのクルマ作りの考え方の特徴を簡単にいうと、
「トヨタは、安心・安全で万人受けするようなクルマを作っています。」
「マツダは、クルマを運転する楽しさを感じられるようなクルマを作っています。」
となります。誤解していただきたくないのは、トヨタのクルマは運転する楽しさがない、マツダのクルマは安心・安全ではない、ということではないことです。
ただ、この点を頭の片隅に置いて、次項からの比較解説をお読みいただけると、より「ハリアーとCX-5、買うならどっち?」の答えが見つかりやすくなると思います。
【ハリアー vs CX-5】ボディサイズ比較
まずは、分かりやすいところからの比較を。
ハリアー・CX-5ボディサイズ一覧
車名 |
全長 |
全幅 | 全高 | ホイールベース | 最小回転半径 |
ハリアー | 4,740 | 1,855 | 1,660 | 2,690 | 5.5 5.7 |
CX-5 | 4,575 | 1,845 | 1,690 | 2,700 | 5.5 |
ハリアーのほうが全長で165mm長くなっています。ホイールベースが10mmしか違わないため、ハリアーのほうが前後のオーバーハング(ホイールハウスからバンパーの端まで)が長い作りになっています。
最小回転半径も同じ(ハリアーの一部グレードを除く)ですので、数値的には取り回し性に差がないように見えますが、最小回転半径はオーバーハング部分ではなく、タイヤの軌跡で測定されるため、実効最小回転半径はハリアーのほうが大きくなります。この分、取り回し性はCX-5のほうが優れています。
ただ、ハリアーもCX-5もともにアッパーミドルクラスの比較的大きなSUVですので、CX-5がすんなり通れた曲がり角が、ハリアーでは通ることができない、というような道路状況はそう多くはありません。日本の道路事情では、全長4.5m・全幅1,850mmあたりのボディサイズが、取り回しの良し悪しの分岐点となりますので、この点では一概にCX-5が勝ち、というのはいささか不適切だと思います。
マンションの駐車場や立体駐車場は注意
マンションの駐車場パレットや、立体駐車場では全幅制限を1,850mmとしているところが多くなっています。この場合、ハリアーでは残念ながらアウト。全長の長さも駐車場を選びます。
【ハリアー vs CX-5】パワートレインスペック・走行性能・燃費比較
ボディサイズと同じぐらいか、もしくはそれ以上に重要なクルマ選びのポイント「パワートレインスペック」すなわち走行性能について比較します。
パワートレインのラインアップ比較
ハリアーは、2.0Lガソリン(自然吸気)と、2.5Lハイブリッド、後発のPHEV(プラグインハイブリッド)の3つのパワートレインをラインアップしています。駆動方式は、ガソリン車とハイブリッド車にそれぞれ2WDと4WDを設定、PHEVは後輪モーター駆動の『E-Four』のWDのみの設定となっています。なお、ハイブリッド車の4WDもE-Fourです。
一方のCX-5は、2.0Lと2.5Lのガソリン車、2.2Lディーゼルターボの3タイプがラインアップされています。2021年10月のマイナーチェンジ時に、それまで設定されていた2.5Lガソリンターボモデルは廃止されてしまいました。駆動方式は、全車2WDと電子制御四輪駆動システム『i-ACTIV AWD』を設定しています。
トランスミッションは、ハリアーが全車AT(CVTないしは電気式無段変速機)、CX-5は、ガソリン車が全車6AT、ディーゼル車に6ATと6MTの両方を、2WD・4WDともに設定しています。
パワートレイン・スペック一覧
車名 | 種類 | 最高 出力 (PS) | 最大 トルク (N・m) | WLTC モード 燃費 | ||
ハリアー | 2.0Lガソリン | 171 | 207 | 15.4 14.7 | 上段:2WD 下段:4WD | |
2.5Lハイブリッド | エンジン | 178 | 221 | |||
モーター(F) | 120 | 202 | 22.3 | 2WD | ||
モーター(R) | 54 | 121 | 21.6 | 4WD | ||
PHEV | エンジン | 177 | 219 | 20.5 | ||
モーター(F) | 182 | 270 | 20.5 | |||
モーター(R) | 54 | 121 | 20.5 | |||
CX-5 | 2.0Lガソリン | 156 | 199 | 14.6 14.1 | 上段:2WD 下段:4WD | |
2.5Lガソリン | 190 188 | 252 250 | 13.8 13.0 | 上段:2WD 下段:4WD | ||
2.2Lディーゼル | 200 | 450 | 16.6〜 19.5 | 上段:2WD 下段:4WD |
ハイブリッドかディーゼルか?
この選択は、ハリアーとCX-5どちらにするのかが決定的なものになります。加速時の力強さは、どちらも互角です。ハイブリッドは低速時の太いトルクを出せるモーターがありますし、ディーゼルは低回転のトルクが太さと粘り強さが売りのエンジンです。
燃費はハリアー・ハイブリッド・2WD車で22.3km/L、CX-5・ディーゼル・2WD・AT車で17.4km/L(ともにWLTCモード)とハリアーのほうが優れていますが、ディーゼルのほうが燃料代が安く、燃費の差による経済的負担の差を縮めます。
走行フィーリングは甲乙付け難い。モーターの加速のほうがスポーティさがありますが、ディーゼルエンジンの力強さも捨てがたい魅力があります。
エンジンの静粛性、低振動性が気になる方は、ハイブリッドをおすすめします。マツダのディーゼルエンジンはとても静か、振動も少なく優秀なのですが、ハイブリッドと比較すると負けます。
また、冬場のエンジンが冷えた状態では、ディーゼルはどうしても音と振動が少し出てしまいます(暖まれば収まります)。ここが、ハイブリッド vs ディーゼルの選び方のポイントです。
走行性能・乗り味で比較|ハリアー
ハリアーのパワートレインは3タイプありますが、いずれも性格が異なります。ハリアーとCX-5の車種による違いではなく、パワートレインごとに特徴を見て比較するといいでしょう。
筆者は、ハリアー・CX-5ともにPHEVを除くすべてのパワートレインに試乗しています。いずれも現行モデルデビュー直後の段階での試乗で、少し記憶が薄れてきているところもありますが、いまだにはっきりと覚えている特徴をお伝えします。
ハリアーのガソリン車は、スポーティな印象です。対して、ハイブリッド車は車重が重たくなることもあり、スポーティさが薄れて重厚さが前面に出てくる印象です。この重厚さは、ラグジュアリーさを感じるものでもあります。
ハリアーの各モデルの中で、最もラグジュアリーさを感じるのが、E-Fourモデル。ハイブリッド・E-Fourはガソリンモデルより車重が150kg重く、この重量と後輪モーター駆動によって、より重厚さ・ラグジュアリーさが強調されます。
元祖高級SUVとも呼ばれるハリアーらしい走りを求めるなら、ハイブリッド・E-Fourがおすすめです。
ハリアー PHEVは、別格とお考えください。価格も620万円と別格ですし、システム総合最高出力306PSとこれも別格です。自宅充電が可能なら、平日はEVとしてガソリンを1滴も使わずに走り、週末の遠出だけにガソリンを使う、というカーライフスタイルが魅力に感じる方にはおすすめします(さらに自宅に風力・太陽光発電といった再エネで充電できれば、なおさらいいかもですね)。
走行性能・乗り味で比較|CX-5
3タイプあるパワートレインのうち、2.0Lガソリンが平凡に見えてしまいますが、必要にして十分、車両価格も安く、年間走行距離もそう多くない方にはおすすめです。
高速道路や山道を走行することが多いという方には、2.0Lガソリンでは物足りなく感じるシーンが出てきそうです。その場合は、2.5Lガソリンか2.2Lディーゼルがおすすめです。
2.5Lガソリンエンジンは、最高出力190PS・最大トルク252N・m(2WD)と排気量からすると平凡な数値ではありますが、バランスに優れたエンジンで、とても扱いやすいのが特徴です。
ディーゼルエンジンは構造上、ガソリンエンジンより重たくなります。2.5Lガソリンとディーゼルでは50kgの差(グレードで異なります)があります。ボンネット内に、小柄な大人一人が乗ったぐらいの重量があるため、ハンドリングの軽快さは2.5Lガソリンのほうが勝っています。
パワートレイン・走行性能の比較では、車種単位で比べにくい
エンジンやトランスミッションのラインアップは、ハリアーとCX-5では大きな違いがあります。この点については、「この2車種でどっちがいいのか」で比べるのではなく、どのパワートレインが自分の好みやカーライフスタイルに合っているのかで選択するほうがいいでしょう。
【ハリアー vs CX-5】乗り心地・乗り味・ドライブフィールで比較
ハリアーとCX-5の、パワートレインを除くダイナミクス部分で比較します。
ハリアー
ハリアーに乗ってすぐに気がついたのは、ボディ剛性(変形のしづらさ)の高さでした。ハリアーが採用する、TNGAプラットフォームは、実にボディのしっかり感を感じます。
ボディ剛性は、自動車メディアで頻繁に使われていることばで、分かりづらい表現のひとつですが、例えるなら、子供を肩車するとき、屈強なマッチョと非力な人がするのと、どちらが肩の上の子供が安心して喜ぶか、に似ています。
ハリアーは屈強なマッチョ感があります。コーナリングや、踏切など路面がうねったところの走行安定性には目を見張ります。乗り心地、乗り味については、パワートレインの項で述べたとおり、どのエンジンにするのかにより性格が異なりますが、どのモデルも乗り心地は良好です。
CX-5
マツダのクルマ作りの考え方「人馬一体」は、SUVでも存分に活かされています。CX-5の足回りの部分で特筆したいのが『Gベクタリングコントロール(GVC)』。
これは、コーナリング時など、車体の姿勢を適切にするため、ごくわずかに内輪にブレーキを当て(減速しないレベルでかつ、ドライバーにもわからないレベル)、操縦安定性を向上させる電子制御システムです。このGVCは、運転の楽しさだけでなく、同乗者にも良好な乗り心地を提供しています。
ハリアーとCX-5のダイナミクスを比較すると……
この部分は、冒頭で解説したメーカーのクルマ作りの考え方を色濃く反映するところです。
筆者の試乗した印象では、運転の楽しさは、CX-5のほうが上となりますが、総合力ではハリアーのほうが上、しかしながらCX-5のハンドリングの良さはハリアーとはまったく異質なもので、甲乙付け難いものとなります。
ウィークポイントで比較すると、CX-5はハンドリングの良さと引き換えに、直進安定性と上屋(車体上部、キャビン)の揺れが気になる(どんなクルマも、直進安定性とハンドリングはトレードオフの関係になりがち)、ハリアーは上質な乗り味だが平凡で面白みに欠ける、という印象でした。
【ハリアー vs CX-5】室内空間や装備で比較
この点、グレード別に細かく比較すると膨大な量になりますので、筆者がこの2車を比較する上で、特にポイントだと感じたことをお伝えします。
室内空間広さは互角だがユーティリティはCX-5に軍配が上がる
着目したのは後席。ハリアーは 6:4分割のところ、CX-5は4:2:4でセンターコンソール部分が独立して倒すことができます。4人乗車してセンターコンソールを倒せば、そこにスキー板などの長尺ものを積むことができます。
また、後席倒したときのフラットさはCX-5のほうが優れています。ハリアーのほうが傾斜がきつく、後席とラゲッジを使っての車中泊は△マーク。CX-5は、完全にフラットにはなりませんが、身長180cmの筆者でも車中泊ができる(頭は前席の間に少し入れましたが)というユーティリティの高さがありました。
ハリアーの「調光パノラマルーフ」はイイ!
上級のZグレード系のみのオプションとなりますが、これは無理してでも付けたら幸せになる装備です。電気式スイッチで、サンルーフがすりガラス状態と透明状態の切り替えができ、太陽光が強いときでも使用できる優れモノです。開口部もとても広く開放的です。
トヨタディーラー営業担当から聞いた話では、調光パノラマルーフが購入の決め手になった人は少なくない、とのことでした。
多彩なグレードで選びやすいCX-5
CX-5は、ラグジュアリーな「エクスクルーシブモード」から、シンプルながら不自由しない装備を備えた「スマートエディション」、都会派SUVらしいスポーティな「スポーツアピアランス」、これとは逆のアウトドア派・オフロード志向の「フィールドジャーニー」と実に幅広いラインアップを展開しています。
このラインアップ体制は、2021年11月に実施されたビッグマイナーチェンジからのものです。特に、CX-5初となるアウトドア派の「フィールドジャーニー」は、オフロード走行にも対応した電子制御トラクションコントロール『Mi-DRIVE』を装備したことにも注目です。この点は、ハリアーにはない選択肢です。
CX-5の多彩なボディカラーラインアップ
マツダ独自開発の「匠塗」は、他メーカー開発者も羨んだという話を、ボディカラー開発担当者から聞きました。
ボディカラーもクルマ選びの基準にしている方が増えているようです。この点はCX-5のほうに軍配があがります。
ブランド力はやはりハリアー強し
国産車初の高級SUVは初代ハリアーでした。今でも、アッパーミドルクラスの高級SUVとして、高い人気を誇っています。ブランド力を比較すると、ハリアーの勝ちです。
【結論】ハリアーとCX-5、どっちが買いか?
ここまでお読みになって、「自分の好みやカーライフスタイルに合うのは、○○だ」と思っていただければ、筆者はとても幸せです。最後にお伝えしたいのは、コスパです。
車両価格帯からすれば、ハリアーのほうがざっくり100万円高くなっています。ハリアーは高級SUVの代名詞にもなったくらいのモデルですが、CX-5は高級SUVに分類された例をみません。
そんな違いがありますが、ハリアーとCX-5がよく比較されるのは、CX-5が価格以上の商品力をもっていることの証だと筆者は考えています。コスパ重視なら、CX-5の勝ちです。
ハリアー・CX-5価格一覧
車名 | エンジン | 駆動方式 | 車両価格 最廉価グレード | 車両価格 最上級グレード |
ハリアー | 2.0Lガソリン | 2WD | 3,182,800 | 4,338,000 |
4WD | 3,328,000 | 4,538,000 | ||
2.5ハイブリッド | 2WD | 3,718,000 | 4,928,000 | |
4WD | 3,938,000 | 5,148,000 | ||
PHEV | 4WD | 6,200,000 | ||
CX-5 | 2.0Lガソリン | 2WD | 2,766,500 | 3,074,500 |
4WD | 2,997,500 | 3,620,100 | ||
2.5Lガソリン | 2WD | 3,289,000 | 3,620,100 | |
4WD | 3,520,000 | 3,851,100 | ||
2.2Lディーゼル | 2WD | 3,085,500 | 3,939,100 | |
4WD | 3,316,500 | 4,170,100 |
さて、また「ハリアーとCX-5、買うならどっち?」の悩みのタネを増やしてしまったところで、筆を置かせていただきます。クルマ選びで悩むのは、至福の時ではありませんか?どうぞ、お楽しみください!
(文:宇野 智・画像:トヨタ自動車株式会社、マツダ株式会社)
※この記事は、2023年3月時点での情報で執筆しています。
この記事の執筆者
モーター・エバンジェリスト
宇野 智(うのさとる)
エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元「MOBY」編集長で現在は編集プロダクション「撮る書く編む株式会社」を主催。個人ではライター/フォトグラファー/エディターとして、取材や試乗を精力的にこなし、いくつかの自動車メディアへの寄稿も行っている。その試乗車種は年に100車種以上に及ぶ。鉄道、航空機、船舶など乗り物全般、交通にも造詣が深い。