中古車の購入時もリサイクル料金の支払いは必要なの?しくみや費用を確認しよう
中古車購入時は車体価格だけでなく、法定費用や代行手数料などさまざまな諸費用も支払い価格に含まれます。この時、廃車時の処理費用となるリサイクル料金は支払う必要があるのでしょうか。
この記事では、リサイクル料金の概要や中古車購入時の扱い方を解説します。「リサイクル料金とはどのような費用なのか」または「どのタイミングでどの程度の金額を支払うのか」といった疑問もきっと解決するでしょう。ぜひ参考にしてください。
※目次※
・リサイクル料金は解体時の車の資源を適切に再利用処理するための費用。リサイクル券とともに次の所有者に支払い義務が移るため中古車購入時に支払いが必要。
・リサイクル料金は「シュレッダーダスト料金」「エアバッグ類料金」「フロン類料金」「情報管理料金」「資金管理料金」で構成される。車種によって金額が異なる。
・購入した中古車を売却する際にリサイクル料金は返金される。リサイクル券を紛失しても「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷することで代用可能。
車のリサイクル料金は中古車の購入でも必要なの?
リサイクル料金は、車を所有するうえで必要となる費用のひとつです。前に所有者が存在した中古車の購入において、リサイクル料金は支払う必要があるのでしょうか。
この点にはリサイクル料金の概要や支払いの仕組みが大きく関わっています。まずは、この項目でリサイクル料金についての理解を深めていきましょう。
中古車は車両価格に含まれる
結論として、中古車購入時にはリサイクル料金の支払いが必要です。厳密には以下のように支払い対象となる車とならない車が存在しますが、乗用自動車として使用するものは基本すべて対象と考えていいでしょう。
対象外となる車 |
・被けん引車 ・二輪車(原動機付自転車、側車付きのものも含む) ・大型特殊自動車 ・小型特殊自動車 ・その他(農業機械、林業機械、スノーモービルなど) |
対象となる車 |
上記を除く全ての車 (トラック・バスなどの大型車、特種自動車、8ナンバー車も含む) |
(2021年8月時点の情報です)
リサイクル料金は最初の所有者が新車購入時に支払い、証明としてリサイクル券を受け取ります。そして売却などで譲渡する際はリサイクル券とともに、新しい所有者に支払い義務が移っていくのです。
このような仕組みにより自身が新しい所有者となる中古車購入時には、リサイクル券を受け取るとともに預託金相当額を支払います。
(参考:『自動車リサイクル法とは|経済産業省』)
車のリサイクル料金が必要な理由
リサイクル料金は、自動車リサイクル法によって規定された費用です。車を廃棄処分する際には「埋め立て処分による最終処分場の容量不足」「地球温暖化やオゾン層破壊の原因となるフロン類」「解体時に専門的技術を必要となるエアバッグ類」といった問題が生じていました。
これらを適正に処理し、環境負荷を低減する仕組みを定めたものが自動車リサイクル法です。そして、リサイクル法では処理費用は排出者、つまり廃車時の所有者が負担するものと決められています。
リサイクル券は無くさないようにしよう
車が売却されると、リサイクル券は前所有者から買取業者や解体業者または次の所有者に引き継がれていきます。中古車として売却する場合、自身が車を所有している期間に廃車とならないため、リサイクル券の譲渡が必要です。リサイクル券は受け取った日から、無くさず確実に保管しておきましょう。
中古車と新車の購入時はリサイクル料金の内訳は異なる
リサイクル料金はどのような費用で構成されているかご存じでしょうか。実は、中古車と新車で購入時の内訳が異なります。どのような内訳でどの程度の金額になるのか、この項目で見ていきましょう。
リサイクル料金の内訳は5つ
リサイクル料金は以下の5つで構成されています。乗用車の場合、総額は7,000円~1万8,000円程度です。車体の大きさや部品の取り外しやすさによって金額が変化します。
リサイクル料金の構成要素 |
内容 |
シュレッダーダスト料金 |
車体を粉砕し、有用な金属資源を回収した後に残るプラスチックやゴムなどのくずを適正処理するための費用。 |
エアバッグ類料金 |
エアバッグやシートベルトプリテンショナーを取り外し、適正処理するための費用。 |
フロン類料金 |
カーエアコンに使用されている冷媒の回収・破壊費用。 |
情報管理料金 |
電子マニフェストシステムの運用・維持や外部の問い合わせ対応窓口の運営などに係る一連の実務費用。一律130円。 |
資金管理料金 |
預託されたリサイクル料金の運用・管理業務における一連の実務費用。新車購入時290円。 |
(2021年8月時点の情報です)
新車と異なる仕訳
新車を購入した場合、前述の「シュレッダーダスト料金」「エアバッグ類料金」「フロン類料金」「情報管理料金」「資金管理料金」の5つの支払いが必要です。
この時、前半の4つが使われるのは実際に廃車処理されるときであるため、自動車リサイクル促進センターに預託します。しかし、資金管理料金だけはリサイクル料金の運用・管理業務に必要な費用であるため、新車購入時に費用として処理されるのです。
一方で、中古車を購入する場合は、前のユーザーが支払った預託額に相当する額(資金管理料金を除いたリサイクル料金)を支払います。つまり、新車購入した最初の所有者のみ、資金管理料金の支払いが必要です。資金管理料金の金額は少額であるため、大きな負担にはならないでしょう。
中古車のリサイクル料金は購入する車種で異なる
リサイクル料金はほぼすべての中古車で支払いが必要ですが、車種によって金額は異なります。「購入を検討している車のリサイクル料金はいくらか」また「どのタイミングで必要となるのか」ここで見ていきましょう。
リサイクル料金を支払うタイミング
リサイクル料金は、中古車購入時に車体価格とともに支払います。購入時には見積書にリサイクル料金が含まれているかを確認しましょう。なお、預託金のみ必要で、資金管理料金の支払いは不要です。
この時、販売業者からリサイクル券を受け取ります。自身が車検を受ける際や売却する際に必要となるため車内で保管しておくといいでしょう。
車種別のリサイクル料金の目安
以下が車種ごとのリサイクル料金の一覧です。リサイクル料金は車体の大きさや回収部品の数・取り外しやすさで異なります。目安として参考にしてください。
車種 |
リサイクル料金の目安 |
軽・小型乗用車 (エアバッグ類4個、エアコン有り) |
7,000円~1万6,000円程度 |
普通乗用車 (エアバッグ類4個、エアコン有り) |
1万円~1万8,000円程度 |
中・大型トラック (エアバッグ類2個、エアコン有り) |
1万円~1万6,000円程度 |
大型バス (エアバッグ類2個、エアコン有り) |
4万円~6万5,000円程度 |
(2021年8月時点の情報です)
(参考:『自動車リサイクル法とは|経済産業省』)
料金の調べ方
前述の金額はあくまで目安ですが「自動車リサイクルシステム」のサイトからリサイクル料金を詳しく調べることが可能です。ただし、このサイトは手持ちの車を調べることを前提としているため、車両情報(車台番号や登録番号、またはリサイクル券番号)を入力する必要があります。
購入する車の料金を知りたい場合は各自動車メーカーや業者のホームページで分かるため、気になる方は購入前に確認してみるといいでしょう。
中古車の購入時に支払ったリサイクル料金は返金されるの?
リサイクル料金は、最後の所有者に支払い義務があります。それでは中古車購入時に支払った金額は返金されるのでしょうか。ここで、リサイクル料金が返金されるパターンとそうでないパターン、それぞれの手続き方法を解説します。
返金は売却時に行われる
購入した中古車を一定期間使用した後に売却する場合、売却価格とともに相当額が返金されます。しかし、査定額の見積書を見た時に「リサイクル預託金」と明確に記載されているとは限りません。車両価格に含めた形で返金処理されている場合もあります。
つまり、100万円で売れたと思った車も、リサイクル預託金1万円分が含まれているのであれば実際は99万円ということです。明確な説明がないまま認識よりも損をする場合もあるため、売却時には内訳を正しく確認しておきましょう。
中古車の海外輸出も返金がある
稀なケースですが、中古車を海外に輸出する場合もリサイクル料金は返金対象です。ただし、この場合は以下の書類を添付したうえで、申請書を自動車リサイクル促進センターに郵送する必要があります。
・輸出抹消仮登録証明書または輸出予定届出証明書・登録事項等証明書・検査記録事項等証明書いずれかの写し(輸出された、または輸出が予定されている旨が記載されていること)
・輸出許可書の写し(車台番号が記載されていること)
・船荷証券または運送契約書の写し(車台番号が記載されていること)
申請書は自動車リサイクルシステムのページからダウンロードできます。申請期限が2年間であることにも注意しましょう。
(2021年8月時点での情報です)
廃車買取では返金はない
中古車を廃車買取で解体する場合はリサイクル券を使用する必要があり、リサイクル料金は戻ってきません。車とともに引取業者に引き渡しましょう。この時に、永久抹消登録に必要となる引取証明書を受け取ります。運輸支局で抹消登録手続きを行うまで保管しておきましょう。
リサイクル料金は返金されませんが、車検の残り期間に応じて自動車重量税の還付が受けられます。永久抹消登録申請と同時に還付申請が可能ですので、適切に手続きを行いましょう。
中古車購入後にリサイクル券を紛失した時の再発行
リサイクル料金は、購入後に売却や車検の際に必要となります。しかし、車は長きにわたって利用するものであるため、リサイクル券を紛失してしまう方もいるでしょう。
ここでリサイクル券を紛失した場合において「再発行は可能なのか」「返金対象となるのか」といった詳細を解説します。
再発行は不可
結論として、リサイクル券は再発行は不可能です。ただし、紛失していても売却や車検などに影響に影響はありません。この場合は、自動車リサイクルシステムのサイトから「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷します。売却時にも持っていくことで問題なく返金されるでしょう。
印刷する際は「車両区分」「車台番号」「登録番号」などを入力し、該当する車種を検索する必要があります。車検証に記載されているため、手元で確認しながら入力するといいでしょう。サービスが利用できるのは7時~24時の間です。
(参考:『よくあるご質問 詳細|自動車リサイクルシステム』)
リサイクル券の紛失対策
リサイクル券は再発行ができないため、紛失しないように対策しておくことが重要です。リサイクル券は、基本的に売却時や車検時以外で頻繁に使用するものではありません。そのため、購入した車の納車時に車検証や自賠責保険証とともに車内のダッシュボードに保管しておくといいでしょう。
車検証と自賠責保険証も売却・車検時に必要となるため用途が一致しています。また、最初に保管場所を決めておくことで紛失する確率を限りなく狭められるでしょう。
ネクステージで中古車購入時の疑問を解決しよう
中古車を購入する際は、ネクステージをご利用ください。ネクステージは全国に店舗を展開する中古車販売店です。気に入った車があれば遠方に保管されていても最寄りの店舗にお取り寄せができます。人気車種・カラーを中心に豊富な在庫を取り揃えているため、最適な一台を選択できるでしょう。
ネクステージはお客様ファーストの理念のもと、サービスから価格・品質全てにおいて満足いただけるものを提供しています。中古車購入における不安や不満があれば丁寧にお答えしますので、お気軽にご質問ください。
まとめ
中古車販売店では支払総額にリサイクル料金が含まれていることが一般的です。購入費用を支払ったうえで別途リサイクル料金を請求されていると、二重で支払うことになります。見積もりや契約時には書類を見て、リサイクル料金の内容を注意深く確認しましょう。
ネクステージでは、費用の内訳を明確にした見積書をご提示いたします。その他の購入手続きも正確かつスムーズに進められるようにサポートしますので、安心してお任せください。