カーライフ

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VOLVO XC90AWD

白い壁と木目がやさしい印象の空間に、たっぷりの日差し。陽だまりの中に川合樹里さんは佇んでいた。彼女がいるのは、自然食品やオーガニック製品を取り扱う「ナガラマーケット」。川合さんとご主人、そして妹さんの手で2006年12月にオープンさせた店だ。


ナガラマーケットでは、有機野菜や昔ながらの製法で作られた食材、オーガニック&マクロビオティック食材、からだと地球にやさしいコスメや生活用品をラインアップ。バラエティ豊かな品揃えで、地元の主婦を中心にファンが増えてきた。

「きっかけは子供を持ったことです。自分が母親の視線に立ったときに、“こんなお店が欲しい”という思いが強くなって…。保守的なイメージを持たれがちな岐阜にも、もっと明るく、カジュアルに、『食べることの大切さ』を考えられる店があってもよいのではと思い始めました」。インターネットを使った通信販売が全盛の今、川合さんは「食」に関しては自分の目で確かめることが大切だと考えている。だからこそ、店頭に並んでいる商品は川合さんが納得したものばかり。自分がいいと思ったものだから、人にも自信を持って進められる。

家族のサポートも川合さんにとっては大きい。食品会社を経営するご主人は経営センスに優れ、マネージメント面で的確なアドバイスをくれる。契約農家から野菜を仕入れたり、天然酵母のパンを取りに行くのもご主人の役目。その一方で、客層と同じ感覚を持つ川合さんと妹さんが、店頭に立って接客・販売をこなし、お客さんの声に耳を傾ける。「主人も自分で会社を運営しているので、私のこのような取り組みにも理解をしてくれます。彼からは、『主婦層が多い店なので、店の顔として頑張って欲しい』と言われています」。

人からはよく「頑固」だと言われるとか。でも川合さんは、その理由をこう分析する。「昔から勝ち負けにこだわらない性格なんです。でも頑固だと言われるのは、あまり周りに流されないからかな。みんながやっていることや、みんなが持っているものには興味が湧かず、それとは違うものが気になり始めるんです。また、何かを始めるときは『自分が気持ちいいと思えるか』をまず考えます。この性格は今も変わらないですね。だからナガラマーケットを作るときも、誰もやっていない内容で、私が私らしくいられる場所にしたかったんです」。

エコロジーな店だけに、川合さんの出勤は自転車で出かけることがほとんどで、クルマ選びはもっぱらご主人の特権とか。これまでは年代の古い輸入車などを好んで乗っていたそうだ。最近は、3人の子供のため、また店の仕入れのために、夫婦は自然とゆったり乗れる四駆を選ぶように。

「ワンボックスやミニバンではなく、アイポイントの高い四駆に乗りたかったんです。レンジローバーも候補にあがっていましたが、ボルボのXC90はシートアレンジがしやすく、子ども達が暴れるのには最適かも(笑)。ただ、室内はお見せできないぐらいゴミ溜めのようになっています…。乗りやすい割には目線も高いので、運転していて気持ちいいです」。

子ども達のやんちゃぶりを、冗談まじりに話す川合さん。XC90を選んだ理由に、高い安全性能があったことも教えてくれた(ちなみに最新のボルボXC90シリーズはアメリカの国衝突安全試験で最高ランクを獲得している)。しかし、家族のために選んだクルマだとしても、やわらかな丸みを帯びたXC90の白いボディは、ナチュラル志向の川合さんによく似合う。子ども達を送り出した後は、ひとときのコーヒーブレイク。お気に入りのカフェに、少し遠回りして行くこともあるそうだ。

そんな川合さんのライフスタイルには、子ども達の存在を抜きには語れない。家では、文人(もんど)君8歳、杜和(とわ)君5歳、春臣(はるおみ)君3歳が待つ3児の母。「自分が大変だということを忘れるぐらい、目まぐるしい日々を過ごしています。毎日寝るまでが戦争です」と川合さん。ケンカも絶えないそうだが、そこは“やんちゃ海賊”の船長。まったく気にしていないようだ。「子育ては、農作物と一緒だと思うんです。上から過剰な手入れをするのではなく、自分たちで生きる力を伸ばしていって欲しい。ここ一番はカミナリを落としますが、ほとんど子ども達に任せています」。

かつて彼女が思い描いていた、母親となった自分の姿。でも実際は、それよりもずっと早い時期に一人目の子供が生れた。子育てに戸惑いもあったが、それまでの「求める愛」から、「施す愛」へと変わっていく。「私が生んだのではなく、私も生れたんです。今も、子供を育てていると言うよりは、子供に育ててもらっている感覚が大きいですね」。子ども達が帰宅する時間には家に戻り、夕食の支度は欠かさない。また、子ども達との時間を犠牲にしたくないため、店の休日は日曜・祝日にした。

自宅のすぐ近くには大きな公園があり、休みになると、海賊と船長は緑あふれる“海原”に飛び出していく。遠出をするときも、その日に目的地を決める無計画主義。道具がなくても、フィールドさえあればそこが子ども達の遊び場に変わるからおもしろい。

「みんな、自然あふれる場所が好きなんですね。あらかじめ計画を立てるのではなく、天気や気分でパッと決めちゃう。そのほうが我が家には合っているようです」。目的地の近くで、おいしいお店を見つけるのも楽しみなんだとか。

子ども達が小学校や幼稚園へ通う今、川合さんの子育てもひとつのターニングポイントを迎えた。店で過ごす時間は、母親ではない、“川合樹里自身”の時間。いろんな人とのコミュニケーションも、いい刺激になっているようだ。

しかし、彼女の人生はあくまでも家族がベース。「いいことも悪いこともあるかもしれませんが、ゆるぎない『愛』を信じていきたい。子ども達が大きくなっても、常に心のよりどころになるような温かい家庭を作るのが私の仕事です。主人は影で『この家の女王はママだ』って子どもに吹き込んでいるようです(笑)」。

そしてナガラマーケットにおいては継続することが大切だと考えている。「環境に対して、自分ができることは小さいかもしれませんが、継続することで何かが見えてくると思うんです。若い人にも、「食」を通して、楽しく、カジュアルに何かを感じ取ってもらえればうれしいですね」。理解あるご主人に恵まれ、子ども達とともに成長する川合さん。これからも、店と家族の中心に立って、明るく照らす太陽であり続けるのだろう。

Photographs by Noriyuki Washizu Text by Eiji Kito Creative Direction & Art Direction by Akihiro Imao

 

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