BMW MINI Cooper
BMW MINI Cooperの隣にチョコンと佇むウサギが二匹…。もちろん、ただのウサギじゃない。 例えば左側のウサギは大きな夢を持っている。目標は、語学バリバリでしゃべれるウサギ…じゃなかった、しゃべれるキャリアウーマン。 果たして彼女は何をキッカケにして語学を学ぶことに目覚めたのだろうか。それをサポートするもう一匹のウサギの存在もなんだか気になってきたなぁ。
ここに、とても仲がいい二人がいる。 「親友であり、いろんなことの先輩だって思ってます。ウチは服も同じものを着てるんです。だから一緒に買い物にいって、二人の意見が揃ったものを買う。 迷ったりはあまりしないかな…。普段からジーンズとかパンツルックが多いんですけど、お母さんからすると、私が同年代のコに比べたら大人びた格好をしているって思ってるハズ。 ギャルっぽい格好はたしかにしていないかも…」。同じ服を着まわせるほど似通ったスタイルの二人、“今どきの母娘”はここまで進化しているのか！
やっぱり仲がいい二人、次に母の言葉。 「服は娘と同じものを着られるよう、体型維持にも気を配ってます。二人で同じものを買えば、家計には優しいですよ。 買い物に行ってもとくに迷ったりもしないから、どちらかが無理に合わせるということもなく今のところはスムーズに買い物を楽しんでいますね。 趣味は似てるんです。服以外だって、好きな食べ物や音楽にも表れています。最近はいろいろと教えたりもしているんですよ」。
音楽も大好きな二人。母は以前バンドを組み、ベーシストとして活躍した経験もある。 その後、ギターを手に入れ4弦が6弦へと変わった。今もギターは暇を見つけては特訓中。 バンドを組んでた頃ほどに上達はしていないけど、それでもいま、ギターを習い始めたばかりの娘にレッスンをする日々が続いている。 お母さんから習うギター、彼女の腕前は上達したのだろうか。「ギターはまだ始めて日も浅いからまだまだ。でも楽しいですよ、とっても。 もっと上手くなったらドラムやベースをやる友だちを作ってロックのバンドを組みたいって思ってます。そしてライブハウスとかで演奏するのが目標。 まだまだ、それまでにはお母さんのレクチャーが不可欠だけど」。
ちなみに彼女が好きな音楽は、アヴリル･ラヴィーンなどの洋楽。お母さんも洋楽好きには変わりないが、こちらはかなりの本格派。 ハマッたのはクイーンからで、今ではヘヴィメタルや正統派のブリティッシュ･ロックまでを好んで聴いている。 オジー･オズボーンやブラックサバスのコピーをして、スタジオでのライブだって経験している。
「お母さんの音楽好きはスゴイ。今はなかなか時間を取れないけれど、昔は二人でよくライブを見にいったりもしてました。趣味が似ているから一緒に過ごしても楽しいし。全然、飽きないんですよ」。 こうして音楽は、二人の共通の趣味として存在している。
家族をつなげるものは無数にある。たとえばある日に山木田家へとやってきた、チワワの「林（リン）ちゃん」。 家族がご飯を食べていると、それをみては眼に涙をいっぱい浮かべて「ワタシにもちょうだい」と振る舞う愛らしいワンちゃんだ。 新しい家族の一員は、それまでの家族間の言葉を増やしてくれた。そしてもう一つ。日本と同じ島国である英国の雰囲気をまとった、小さくてかわいいクルマ 「BMW MINI Cooper」。ステアリングは家族で共有。二人で出掛ける時もあれば、ふいにひとりで出掛ける時もある。 MINIを使用するたびに、家族同士の会話が増えていることに彼女は最近、気付き始めた。
母親が聴く洋楽の影響で、彼女は幼い頃から英語に触れてきた。自然と耳に入るそれは、覚えるというより側にあったという感じ。 そして中学生の頃、彼女の従兄弟の家がニュージーランドからのホームステイを受け入れるという話しを聞いた。 「その従兄弟は英語がペラペラだったんです。だから、ホームステイで訪れた子と従兄弟の会話を聞いていたら、本当に最初は驚きました。 英語でこうやってコミュニケーションが取れるんだって。それ以来、英語を学んでそれをいつか役立てることができる職業に就きたいって思ってるんです」。
「そのためにも、自分も語学留学したいと思ってます。これにはお母さんも賛成してくれているからきっと近いうちに実現すると思ってます。 場所は出来ればニュージーランドかオーストラリア。ホームステイに来ていた子とは今も連絡を取り合う仲だから、その子の家を訊ねるのもいいかも。 けど、突然訊ねて行った方が、きっとあの子、驚くだろうな」。
高校時代に知り合った真央さんが、彼女にとって一番の親友だ。
「一目見ただけで今日は機嫌が悪いとか、今日はノッてるなとかわかるほど。お互い気分屋なところも似てるかもしれない。時間が合えば、真央が私の家に遊びに来てはずーっとゲームばっかり。しかも、スウェットで完全おウチモード」。
二人が興じるのはニンテンドー64のマリオテニス。ずっと前から、このゲームを楽しんでいる。
「私は中学の頃はテニス部だったんです。自分がやっていた頃は身長もあるからボレーが得意技。シングルよりダブルスの方が好きなのは、ゲームでも実際のテニスでも同じですね」。
「全面クリアを目標にずーっと真央とやってた。今ではもうゲームはクリアして終わってるんだけど、それでも真中が来る度にやってる。しかもダブルスばっかり。使うキャラは私が前衛でドンキー、真央が後衛でテレサ。二人同士での対戦もできるんだけど、やっぱり勝敗が付くものだから、絶対に気まずい雰囲気になる…。二人のコミュニケーションがいい時は連携も上手く決まるし、そうすることでさらにお互いの息も合ってくる。マリオテニスって、ダブルスでやれば結構、教えられること多いんですよね。これで友だちだって増えると思ってるし」。
「マリオテニスに夢中になりながらも、合間には将来のこととか勉強のこととか話してます。今はゲームが唯一の息抜きの時間。普段は勉強ばっかり。英検も受かりたいし、TOEICだっていい成績を残したい。いまが自分の頑張り時、だから真央としているゲームが一番くつろいでる時間。他にもゲームはあるんだけど、競うものよりもダブルスで協力してるのが一番。私と真央の二人の性格にもあってるんだと思う」。
大好きな彼氏と喧嘩してしまった日、試験の成績が悪かった時…。そんな時は、念入りに親友との共有物の洗車タイムがスタート。母親はそんな娘の行動を見抜いてか、いつも手伝ってくれるからひとりじゃない。スポンジを彼女が持ったら、ホースは母親が持ってくれる。プンプンしているハズなのに、洗車の時のチームワークは抜群だったりする。それでこそ、親友ってもの。でも、洗車する回数が増えたり、クルマを磨きあげることがやたらと上手くなることは、母親にとっては、ちょっぴりだけど心配なことだったりもしている。
「とくにミニでどこかに行く予定がなくても、それでも洗車しちゃうことが多い。気持ちを落ち着ける作用があるのかも（笑）。イライラしちゃったり気持ちが落ち着かない時こそ、入念に綺麗にしてあげることで、不思議と自分の気持ちも落ち着いてきていることに気付いたりするんです」。
洗車を終えたミニに乗っては、二人は海や買い物へと出掛ける。どちらがステアリングを握るかは、その日の二人の気分が決めてくれる。
「お出かけ以外にも、最近お母さんと一緒にすることでハマッていることあります。それは『韓流ドラマ』を見ること。いま、イチオシは雪の女王とか…。オーバーな話の展開で話の展開も読めちゃうぐらいなんだけど、それでも見ちゃう。お母さんと一緒に見ては、泣いたり笑ったりしてる」。
たとえば通訳とか、英語の先生とか。企業に入って、ビジネスに直結する英語を駆使するのもいい。彼女はそう考えている。
「今は英語を役立てられる仕事に就きたい。っていう、漠然としたイメージしかまだない。けど、そのために語学留学したり資格をとったりとやるべきことはわかっているつもり。自分に語学力がついて、もっと経験を積んだらその先に、本当にやりたいことが見えてくるのかもしれない」。彼女はそう思っている。
迷ったりした時には、いつもそばにいてくれる親友に相談したりする。自分と血のつながった親友は「本人がしたいようにすればいい」と思っている。そのためのサポートは惜しまないつもりだ。共有するクルマと共有する服、今は二人に共通項が多いけれど、いつか彼女は彼女なりの「わたし流」を見つける時がくるっていうことも、親友にはわかっている。同時に彼女なりの、わたし流を詰め込んだ最新型のピストルを見たいと誰よりも願っているのは、そばにいる親友だったりもする。
Photographs by Noriyuki Washizu Text by Eiji Kito Creative Direction & Art Direction by Akihiro Imao