ダイハツ「ミライース」の車名の意味は?歴代モデルや魅力を紹介
軽自動車販売でトップシェアを誇るダイハツの中で、長い歴史を持つモデルがミラです。後継モデルとして販売されるミライースは、ダイハツを代表する高い燃費性能と低コストが魅力です。
今回は普段の街乗りに加えて参加型のモータースポーツでも活躍している「ダイハツ ミライース」の魅力や歴史を解説します。これからミライースの購入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
※目次※
・ミライースはエコ&低コストが1番の魅力
・ミライースはシンプルな技術を磨くことで低価格と低燃費を追求している軽自動車
・他メーカー供給も含め多彩なモデルとグレードが存在する
ミライースの名前の由来
長い歴史を歩んだミラは、その名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ミラは1980年に発売されたモデルで、現行はエコ性能をリードするミライースや、可愛らしく使えるミラトコットに名前が引き継がれています。
今回紹介するミライースの「イース」は、ダイハツの新技術「Energy Saving Technology」が由来で、その名の通り低燃費な設計で低価格や省資源を適える第3のエコカーです。
ミライースには「eco &smart」の意味が込められている
ミライースの表記は「e:S」です。これは「eco&SMART」の意味が込められた名前です。これまでのエコカーや低コスト車は少々安いイメージで、デザインや必要な機能を省いていることが多くありました。
ミライースはより身近に使用できる車を目指して、シンプルで生活に馴染めるデザインと、地球と共存するための高いエコ性能を持って生み出されました。
日々の生活で使われるだけでなく商用車としての利用、モータースポーツでの利用など幅広い人気を誇ります。
ミライースのロゴはDではなく葉っぱを意味する
ダイハツ工業は日本の自動車や工作機械を取り扱う会社で、ダイハツの自動車部門は日本固有の車である軽自動車を中心に販売しています。
これまでの多くのモデルでは、エンブレムは、ダイハツの頭文字となる「D」を使ったものが装備されています。しかし、ミライースは葉っぱをモチーフにしたエンブレムを装着しています。ダイハツ車の中でも高いエコ性能を持つことから、エコであることを表現するデザインとして葉っぱがモチーフとなっています。
ダイハツ ミライースの2つの魅力
ミライースの魅力は低燃費とスマートアシストに代表される先進安全技術の搭載です。低コストでありながら、日々の生活で使うのに便利で、むしろ車を所有することが魅力と感じる装備がそろっています。
ここではミライースの魅力であるスマートアシストの機能と低燃費・低コスト性能を紹介します。
予防安全機能スマアシを搭載
ミライースは、ダイハツの予防安全機能・スマートアシストが搭載されています。現行モデルは従来のセンサータイプから、ステレオカメラを使った技術に変更されました。カメラが人の目の役目をすることで、あらゆる危険から乗員を守ります。
機能は「衝突回避機能」「認識支援機能」「運転負荷軽減機能」「駐車支援機能」に分けられ、全部で19の運転アシストを行います。ミライースはスマアシIII搭載モデルでも、新車価格で100万円以下のグレードがあるという点も魅力です。
e:Sテクノロジーで低価格と低燃費を実現
e:Sテクノロジーは大きく3つの要素に分かれます。1つ目は、パワーユニットの効率化で、高い燃焼性能を誇るエンジンと高効率のCVTが採用されています。
2つ目は、ボディの軽量化です。ボディの骨格素材を一部鉄から樹脂にすることにより軽量化と空気抵抗の少ないデザインを身に着けています。
3つ目は、エネルギーマネジメントシステムです。止まる際のエネルギーを削減するため、停止直前からアイドリングストップを行う機能を備えています。また、バッテリーへの充電制御システムも見直され効率的にエネルギーを回収しています。
ミライースのエコ性能
続いて、ミライースの高いエコ性能を紹介します。ミライースは比較的低価格でありながら、低燃費に優れていて、かつチープさを感じさせないデザインが魅力です。低燃費性能は、耐久レースでも優勝争いをする実力の持ち主です。これからミライースの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ミライースの走行感
ミライースはモデルチェンジの度に軽量化を進めてきました。そのため、アクセルの動きにリンクして軽快に加速します。また、アクセルを閉じた後にも走行抵抗の小ささを感じられるでしょう。
特にハンドルを切った際にボディの軽さを実感でき、フットワークが軽快で、街乗りに適した車といえます。タイヤは適正空気圧260kPaのエコタイヤですが、高めの空気圧から想像するような不快感はありません。
さらに、新型では、アクセルペダルの踏み込み量に応じた加速のセッティングが見直されているため、先代以上に力強さを感じるかもしれません。その背景には、もちろん軽量化の効果もあるでしょう。
抜群のコストパフォーマンス
「先進安全機能が付いた車は高い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、ミライースは小型で運転しやすく、なおかつ先進安全機能が充実している低価格車設定です。ダイハツは軽量化とともに徹底したコストカットを実施し、2代目でも低価格を実現しています。
また、アイドリングストップ機能やリアコンビは省電力タイプのLEDを全車に採用し、とことん省エネを追及しています。低価格のうえ省エネなので、コストパフォーマンスに優れた車といえるでしょう。
現行ミライースのスペック
現行ミライースは特別仕様車を除き、全6グレードが設定されています。各グレードの名前は「B」「B“SA III”」「L」「L”SA III”」「X”SA III”」「G”SA III”」となっており、これに特別仕様車の「XリミテッドSAⅢ」と「GリミテッドSAⅢ」が加わる形で販売されています。
ここでは、上位グレードである「L(2WD)」と「G SAⅢ(2WD)」を参考に、現行ミライースのスペックを見ていきましょう。
スペック/車種 |
L (2WD) |
G SAⅢ (2WD) |
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寸法 |
全長 |
3,395mm |
3,395mm |
全幅 |
1,475mm |
1,475mm |
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全高 |
1,500mm |
1,500mm |
|
室内長 |
1,935mm |
2,025mm |
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室内幅 |
1,345mm |
1,345mm |
|
室内高 |
1,240mm |
1,240mm |
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車両重量 |
650kg |
670kg |
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エンジン |
型式 |
KF型 |
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種類 |
水冷直列3気筒12バルブDOHC横置 |
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総排気量 |
658cc |
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最大トルク |
57N・m[5.8kg・m]/5,200rpm |
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燃費(WLTCモード) |
25.0km/L |
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新車価格 |
89万3,200円 |
123万2,000円 |
(2023年7月時点の情報です)
このように、ミライースの「L(2WD)」と「G SAIII(2WD)」では室内長・車両重量に若干違いがあります。一方、エンジンのスペックや燃費は同じです。
ミライースは軽自動車のエコ耐久レースも参戦
自動車競技の中には軽自動車専用の「K4-GP」というレースがあります。軽自動車だけで行うモータースポーツです。こちらは通常のカーレースとは違い、趣味性の強いイベントとして扱われています。速さを競うのではなく、燃費を競う耐久レースです。
車両の改造は自由で、どのようなカスタムをしていても、いずれかのクラスに当てはまるのが特徴です。愛車を好きなスタイルにカスタムして走行可能なため、こだわりたい方にはうってつけのイベントでしょう。自動車免許を取得したばかりの方や、サーキット初体験の方も参加しています。
2023年はダイハツの社員有志によるチームが、ミライースをベースとしたレース車で参戦します。
ミライースの歴史と歴代モデルの特徴
現行ミライースは2009年にコンセプトカーで紹介されてから、2世代が商品として販売されました。時代に合わせ燃費性能と先進安全技術を向上させながら販売され、またOEMとして他社への供給も行われています。
本項目ではミライースの歴史と歴代モデルの特徴を確認してみましょう。
【ベースモデル】ミラ(1985年~2018年)
ベースとなるミラは、1980年から2018年まで販売されていたモデルです。ダイハツを代表する低コストの車として、スズキのアルトと常に販売台数と、価格設定を競ってきました。
車名の由来である「ミラ」はイタリア語で「羨望」を意味します。最終型となった7代目は通常グレードとカスタムが設定され、スポーティな外観を選ぶこともできるモデルとなっています。
(参考:『ミラ(ダイハツ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
【コンセプトカー】コンセプトカー イース(2009年)
初代ミライースは2011年9月、「第3のエコカー」をコンセプトに、気軽に乗れる車として発売されました。当時のガソリン車の中ではトップクラスのエコ性能を持ち、80万円を切る低価格設定も衝撃を与えました。既存モデルの「ミラ」よりも約60kg軽量化されており、デザインもクールな印象です。
「キーフリーシステム」「プッシュボタンスタート」「UVカットガラス」などさまざまな装備が付いており、高い利便性を確保しています。取り回しに優れたサイズ感で市街地の走行に適した車両です。
【2代目】 ダイハツ ミライース L350系(2017年~)
2代目ミライースは、2017年5月に発売されました。従来の低燃費・低価格という特長はそのままに、安心・安全をさらなる魅力としてプラスしています。軽量高剛性ボディ構造の「Dモノコック」を始めとして、足回りの軽量化と樹脂パーツの積極採用により、初代から約80kgも車両重量を削減した点が2代目の目玉です。
スタイリングは、より先鋭的となり、先代よりもクールなイメージに変わりました。ただボディサイズに違いはありません。街中での使い勝手の良さはそのままです。また、グレードによっては進化した衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が装備されており、運転サポート機能も充実しています。
(参考:『ダイハツ ミライースの中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
【姉妹車】スバル プレオプラス(2012年~)
2012年にダイハツからのOEM供給を受け、初代プレオプラス(LA300F/310F型)がスバルから発売されました。メーカーは違うものの、ミライースの姉妹車といえます。ミライースと同じく「低燃費、低価格」であることが大きな特徴です。
さらに2017年5月、スバルは新型プレオプラスの発売を開始し、同日には新型ミライースが発売されています。新型プレオプラスの外観は、ミライースと同様にエッジの効いたシャープなデザインが特徴です。
(参考:『プレオプラス(スバル)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
ミライースの中古車相場と購入ポイント
現在、中古市場に出回っているミライースは初代となる「旧型」と2代目となる「現行型」が中心となっています。
ここでは、ネクステージで取り扱っているミライースの中古車販売価格を参考に、おおよその相場価格を見てみましょう。おすすめモデルごとに紹介していきます。
安さで選ぶなら初代モデルの「L」
特にこだわりがない方や、コストパフォーマンスの良さを求める方には初代ミライースの「L」がおすすめです。中古車市場にはこのモデルがまだまだ存在し、車両本体価格が10万円台の個体も出回ることがあります。低価格で修復歴なし、走行5万km以下という車両も狙えるでしょう。
車両の状態や年式、付属するオプションなどによって値段に幅はありますが、ネクステージでのミライース(グレード:L)の中古車相場は以下の通りです。
ミライース(グレード:L)の中古車相場 |
15万9,000円~74万9,000円 |
(2023年7月現在)
コスパが良い初代スマートアシスト付き「X SA」
スマートアシスト搭載・エコドライブアシストで燃費走行サポート機能のついた「X SA」もおすすめです。このX SAは、ミライース初代後期型モデルの中間グレードです。タイミングが良ければ走行距離が5km程度のものを安価で見つけられる可能性もあります。
車両の状態や年式、付属するオプションなどによって値段に幅はありますが、ネクステージでのミライース(グレード:X SA)の中古車相場は以下の通りです。
ミライース(グレード:X SA)の中古車相場 |
44万9,000円 |
(2023年7月現在)
見た目にもこだわるなら初代モデル「X“リミテッドSA”」
燃費の良さに加えて、見た目にもこだわりたいなら2015年式の「X“リミテッドSA”」がおすすめです。
外観では、専用カラーとしてフェスタイエローが追加され、アルミホイールや専用グリルが装備されています。シンプルなデザインの初代ミライースですが、特別仕様車を狙うのもおすすめです。中古車市場での流通台数は少ない傾向ですが、積極的に探す価値のあるモデルといえます。
ネクステージでのミライース(グレード:“XリミテッドSA”)の中古車相場は、以下の通りです。
ミライース(グレード:X“リミテッドSA”)の中古車相場 |
34 万9,000円~57 万9,000円
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(2023年7月現在)
現行モデルなら充実装備の「 L SA III 10th アニバーサリーエディション」
充実した装備にこだわりたい方は、「X SAIII」をベースにアップグレードパックを装備した「 L “SA III 10th アニバーサリーエディション”」がおすすめです。アップグレードパックは「バックカメラ」「GPSアンテナ」「16cmリアスピーカー」がセットになっており、バックドアには10周年記念のエンブレムが付いています。
バックカメラでとらえた車両後方の映像とガイドラインの表示により、安心して駐車が可能です。さらに後方視界をサポートするリアワイパー(寒冷地仕様)が特別装備されています。
ミライースの中古車購入で押さえておきたいポイント
できるだけ低燃費な車が欲しいと思いミライースを検討しているのであれば、2014年7月以降に発売されたミライースを検討すると良いでしょう。安全面にこだわる方は、スマートアシスト付きモデルがおすすめです。また、GとX以外のグレードは装備が比較的簡素になっているため、事前に確認しておきましょう。
ミライースに限らず、中古車を選ぶ際は年式と走行距離のバランスがとても大切になります。丁度良いバランスの目安は「1年で1万km」程度です。年式が新しくても過走行の車や、逆に年式が古いのにほとんど走っていない車両には注意しましょう。
ネクステージで中古ミライースを購入するメリット
ミライースをはじめダイハツの軽自動車はバリエーションが豊富で、限定グレードなど魅力的な在庫が多数あります。
これからミライースや、その他ダイハツの軽自動車を購入しようと考えている方は、ネクステージの中古車を検討してみてください。ここではネクステージを活用するメリットについて紹介します。
欲しいグレードが見つけやすい
ネクステージでは、車を購入する際の「探しやすさ」と「選びやすさ」にも配慮しています。「メーカー」「車種」「グレード」「年式」「走行距離」「色」など、さまざまな条件で検索可能で、希望に合った車両が見つけやすい工夫がされています。
また、ネクステージの全国の店舗数は200以上あり、その中の「カテゴリー別専門店」には、軽自動車専門店もあります。車両のバリエーションも豊富なため、ワンストップで欲しい車に出会えるほどの充実した品揃えが特徴です。
安さと品質に自信
ネクステージでは、販売している車両の品質と安全、価格に徹底的にこだわっています。「事故車(修復歴車)」「水没車」「盗難歴車」「メーター改ざん車」は一切取り扱っていないので、安心して利用できます。
また、他社の中古車価格調査も積極的に行っており、年中購入しやすい価格設定にしてあります。中間マージンを省く工夫や、可能な限り車の価格を抑えられるよう取り組んでいるため、一度ネクステージの中古車在庫をチェックしてみてください。
まとめ
ミライースは軽自動車専用の「K4-GP」というレースで、優勝争いをする活躍をしています。レースでの優位性を示している低燃費と、手頃な価格設定が大きな魅力です。また、車内空間は広く、見た目にも走りにもチープさを感じさせないモデルで、コンパクトなサイズ感から街乗りにも適しています。
ミライースの購入を検討している方は、今回紹介したグレードごとの特徴を参考に、好みのモデルを選ぶと良いでしょう。中古車を購入の際はぜひ、ネクステージをご利用ください。
・ライタープロフィール
兵頭 倫果(ひょうどう りんか)
大学時代は工学部で電気の分野を専攻し、電気自動車やソーラーカーの製作に励む。大会への出場あり。大学卒業後は国産自動車メーカーに技術者として入社。後に退職し、現在はフリーランスで、「若者にも響かせる」をモットーにYouTubeやライティング活動を行っている。