ホンダのセダン全6車種を紹介!自分に合うセダンの選び方もチェック
近年では、SUVや軽自動車の人気が高まりつつあり、セダンそのものの数が減ってきています。しかし、セダンには走行安定性やラグジュアリーさなど、他のボディタイプにはない魅力があります。
ホンダ車が好きな人の中には、セダンの新車を探している人もいるかもしれません。しかし、2023年9月時点においてホンダはセダンを販売していません。そこでこの記事では、ホンダの過去に販売していたセダンの解説と、セダンの選び方について解説します。
※目次※
・ホンダのセダンの現行モデルはなくアコードも2023年1月で販売終了している
・過去に販売していたホンダの7車種のセダンの特徴がわかる
・3つの選び方から自分にあったぴったりのセダンがわかる
「セダン」とは?
ホンダ車のセダンを紹介する前に、セダンというボディタイプについての認識をしっかりしておきましょう。実は、2023年においてホンダ車のセダンの新車販売は終了しています。そのため、ホンダのセダンを購入するのであれば、中古車の選択肢しかないのです。
そこで、今まで販売していたホンダのセダン6車種をピックアップして特徴を紹介します。
3ボックス構成の乗用車のこと
セダンとは車のエンジンルーム、乗室、荷室の3つのボックスが別々に構成されたボディタイプのことで、2列シートの4ドア車のことです。
乗室がエンジンルームや荷室と繋がっていなく独立していることから、ドライバーを含めた乗員の乗降性や運転時の静音性に優れ、乗り心地や快適性があるため、高級車やVIP車としても採用されています。
逆に乗車定員が少なく、シートなど車内のアレンジができず、荷室も大きく確保することができないというデメリットもあります。
ホンダ車は7車種がラインアップ
自動車メーカーは車の基本のタイプともいえるセダンをラインアップしていますが、ホンダは2023年1月にアコードが販売終了してから、現在においてセダンの新車は販売していません。
かつてホンダが販売していたセダンとしては、「アコード」「インサイト」「レジェンド」「クラリティ」「シビック」「グレイス」などがありました。
ホンダのセダンは時代の流れとともに需要が減少したことで販売を終了させてしまいましたが、車のボディタイプの基本となるセダンを求める人がいなくなったわけではありません。
ホンダのセダン全6種の特徴を見てみよう
ホンダは過去にセダンを何車種か販売していました。長い歴史のあるセダンや途中からセダンになったもの、セダンのみ販売を終了しているもの、1代で終わってしまった短命のセダンまでさまざまです。ここではホンダがかつて販売していた6車種のセダンについて簡単に説明します。
アコード
ホンダのアコードは3ドアハッチバックとして1976年に初代が発売され、10代目まで長く続いたものの2023年1月に販売が終了しました。しかし、11代目アコードが海外で販売開始されていることもあり、日本での販売も期待されます。
10代目アコードは、新型ハイブリッドセダンとして、欧州の高級セダンを彷彿とさせる優雅さを持ったスタリングが特徴でした。2モーターハイブリッドシステムにより、滑らかな加速と鋭い加速の両方を実現しています。
高張力鋼を使ったボディにより、前モデルよりも50kgも軽量化しつつ、衝突安全性が向上しています。また、先進の安全運転支援システムである「Honda SENSING」も標準装備され、予防安全性能評価においては、最高ランクの「ASV+++」を獲得しています。
さらにスマートフォンと連動させて音楽やメッセージ作成、読み上げ、送受信ができるタッチパネルのナビを搭載しています。
インサイト
ホンダのインサイトは、プリウスに対抗するためにホンダが導入したハイブリッドモデルでした。1999年11月に発売を開始し、3代目まで続いたものの2022年12月に販売が終了しました。
初代インサイトは、3ドアクーペとして誕生し、リアホイールの半分以上が隠れる、リアスパッツを装着していたのが印象的な車でした。また、3代目インサイトは、4ドアセダンとなり車幅が1,820mmと広く、現代風にアレンジしたスタイリッシュな外観でした。
パワートレーンは2モーターハイブリッドシステムにより、1.5Lエンジンながらも最高出力80kW(109PS)/6,000rpm、最大トルク134N・m(13.7kgf・m)/5,000rpm、走行用モーターは最高出力96kW(131PS)/4,000rpm~8,000rpm、最大トルク267N・m(27.2kgf・m)/0rpm~3,000rpmを誇り、走りも楽しみながら、効率性も良いという知能的なシステムでした。
また、ハイブリッドなのに荷室容量519Lの大容量で、荷物の出し入れも容易な形状を採用しています。最先端の「Honda SENSING」も搭載されていました。
レジェンド
ホンダのレジェンドはホンダのフラッグシップカーとして、1985年11月に初代が登場し、5代目まで続くものの2022年1月に生産を終了しました。
5代目レジェンドの大きな特徴のひとつは、世界初の試みである「SPORT HYBRID SH-AWD」という、フロントにエンジンとモーター1基、リアにはモーター2基を搭載し、左右を別々に駆動できるところです。
そのため、旋回時には左右のリアタイヤの駆動力を変化させることにより、高い安定性と一体感でコーナリングできるオン・ザ・レール感覚を実現しています。
さらに、3モーターにしたことで、状況に応じてFF、FR、4WDと駆動方式を切り替えることができました。3.5LV6直噴i-VTECエンジンの強力なパワーユニットは、システム最高出力281kW(382PS)、システム最大トルク463N・m(47.2kgf・m)を生み出し、7速DCTも瞬発的な加速力を与えています。
クラリティ
ホンダのクラリティFUEL CELLは、2016年3月に発売が開始され、2021年9月に生産を終了しました。特徴は水素を使い水のみを排出する燃料電池車であり、燃料電池のパワートレーンをセダンのボンネットに搭載したのも世界初のことでした。
クラリティ FUEL CELLは、環境性能が高いというメリットがあります。ただし燃料が水素となります。水素ステーションはガソリンスタンドに比べて数が少ないため、内燃エンジンを搭載する車に比べて運用しにくいのも事実です。
また、クラリティにはPHEVモデルもあり、2019年12月から2021年9月まで販売されていました。ハイブリッドよりもさらに環境性能に優れた車で、WLTCモードの燃費では24.2km/L、17kWの大容量のバッテリーを搭載し、1回の充電でEV走行距離だけでも101.0km走れました。
長時間の運転によりバッテリーの残量が少なくなれば、ハイブリッド走行に切り替えて走ることも可能です。これによりガソリン無しでも、約800kmもの長距離走行を可能にしました。
シビック
ホンダのシビックは、ホンダを代表する車でもあり、さまざまなボティタイプが生産されていて、4ドアハッチバックやスポーツモデルのタイプRは現在も販売しています。
4ドアセダンとしては1973年から販売が開始され、10代目のシビックが2020年8月に販売終了しています。シビックセダンの10代目は、ロー&ワイドを基調とし、空力性能に優れた流麗なルーフラインや、スポイラー形状のトランクリッド後端部など、スポーティセダンとしてのシルエットが特徴でした。
パワートレーンは1.5L直列4気筒ガソリンエンジンでハイブリッドの設定はありませんでした。大容量の荷室は519Lとゴルフバッグが4個積める広さで、トランクスルー機構も備えていました。
グレイス
ホンダのセダンの中でもコンパクトタイプだったのがグレイスです。2014年12月に販売が開始され、2020年7月に販売が終了しています。2017年には大幅なマイナーチェンジが行われており、内装や外装の変更だけでなく、「Honda SENSING」を採用しています。
パワートレーンは1.5L直列4気筒のガソリンエンジンとハイブリッドの2つがあり、それぞれFFと4WDが用意されるというホンダとしては異色のセダンでした。ハイブリッドのタイプによってはJC08モードの燃費が34.8km/Lと、インサイトを上回る性能を持っています。
これは全長4,450mm、全幅1,695mm、全高1,500mm以下で、車両重量が1,200kg前後というコンパクトで軽量なボディが寄与しているからでしょう。
自分に合うセダンを上手に選ぶ方法
セダンの定義はエンジンルーム、乗室、荷室の3つのボックスが分かれているボディタイプのことで、基本的には2列シートの4ドア車のことです。
ここではセダンの選び方として、「車体サイズ」「燃費」「デザイン」という3つのポイントに分けて解説します。
車体のサイズを比較する
セダンをボディサイズで分けると「XL」「L」「M」「S」の4タイプになります。XLサイズは全長5,000mm以上で、トヨタ・センチュリーやベンツSクラスなど高級車と呼ばれているもので、ホンダ・レジェンドが該当します。
Lサイズは全長4,800mm~5,000mmで、トヨタ・クラウンや日産シーマなどで、ホンダ・アコード、クラリティFUEL CELLはこのクラスです。
Mサイズは全長4,600mm~4,800mmで、車種が豊富なのが特徴で、トヨタ・マークXやスバルレガシィB4などがあります。Sサイズは全長4,400mm~4,600mmで、取り回しが良くお手軽価格です。ホンダ・シビックセダン、インサイト、グレイスはこのクラスです。
燃費の目安を確認する
セダンを選ぶときにはランニングコストと本体価格のバランスも大事です。基本的にボディサイズが大きくなればなるほど本体価格も高額になり、排気量も大きくなるために燃費も悪くなり、税負担は増えるためにランニングコストが上がります。
そのため、中古車でXLサイズのセダンが安く購入できたとしても、ランニングコストもそれなりにかかるために注意が必要です。Mサイズ以下のハイブリッド車であれば燃費も良くエコカー減税の対象になるかもしれません。
デザインの好みから選ぶ
内外装の質感は本体価格に比例して良くなるために、質感を求めるのであればある程度のボディサイズを選ぶと良いでしょう。
また、同じ車種でもグレードやオプションによっては、高級な内装の設定もあるため、ホンダの中古車でセダンを選ぶときは仕様もチェックしましょう。セダンはSサイズのようにお手頃なものから超高級なものまで価格帯の幅がかなりあるため、どこを重視しているのか考えて選ぶのがポイントです。
まとめ
2023年9月現在、ホンダで販売されているセダンは残念ながらありません。しかし、すでに海外では新型アコードが販売されていることもあり、日本国内での販売も期待されます。
しかし今のところホンダのセダンに乗りたいのであれば、中古車を探すのが購入方法の選択肢です。中古車販売店はWebサイトからも在庫の検索や見積もり依頼が可能ですので、一度サービス内容や在庫を確認するといいでしょう。
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▼ライタープロフィール
鈴木博之
エディター/ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。