86の中古車相場は高騰している？相場の目安や中古車選びのポイントを解説
トヨタは、2023年1月開催の東京オートサロンで、80年代発売AE86の水素エンジンおよびEV仕様車を披露しました。AE86とは、通称「ハチロク」と呼ばれるスポーツクーペで、トヨタが1983年に発売を開始した車です。
世界的に人気のある86が、今回の水素エンジンと電子化により再び注目が集まっています。長年、安定した人気を誇っている86ですが、中古車相場はどのような傾向なのでしょうか。
この記事では、2012年式以降86の中古車相場に加え、2021年発売のGR86や兄弟車BRZの情報も合わせて紹介します。86を上手に選ぶポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・社会情勢の変化により中古車全体の相場価格が高騰していたが、2023年以降は落ち着くことが予想されている
・GR86の登場に伴い、86の中古車相場がリーズナブルに！
・86などのスポーツカーを選ぶ際は、年式と走行距離のバランスやメンテナンスの有無を確認しよう
86の中古車相場は高騰している？
FRで水平対向エンジン搭載、ライトウェイトモデルの2012年式以降86は、走りを愛するファンから熱い支持を受けている車で、中古車市場での人気は衰える気配がありません。
ここ数年、86に限らず、中古車全般の相場価格が高騰傾向にあるといわれています。その背景にはどのような理由があるのでしょうか。まずは、中古車市場の動向について見ていきましょう。
中古車バブルといわれている
中古車市場の相場価格は、社会情勢やニーズの変化により変動しやすいことが特徴です。2020年以降、全般的に中古車相場価格が高騰しています。理由のひとつとして挙げられるのが、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの影響です。
外出自粛要請や海外渡航の抑制などが実施された結果、旧車や骨とう品などに投資する方も増加しました。公共交通機関の使用を控え、中古車を購入して自家用車での移動にシフトした方も多くいるとされています。
また、半導体不足による新車供給の遅れなども影響しています。このように、さまざまな要因から中古車相場価格が高騰している状況です。
価格高騰は終わりが近い
2023年に入り、新型コロナウイルス感染症に対する見方が変化しつつあります。日本でも、外出や旅行に関する規制が緩和されています。また、半導体不足による新車の納期遅れに関しても、今後少しずつ回復すると予想されている現状です。
それに伴い中古車の需要も変化しています。そのため今後は、これまでのような中古車の価格高騰は落ち着くのではないかと予想されています。
86の中古車相場の目安
現在中古車市場に流通している2012年式以降の86は、マイナーチェンジを繰り返したり、特別限定車を発売したりして話題を集めました。
なお、2021年10月のフルモデルチェンジを機に、GR86として生まれ変わっています。中古車市場には86は多く出回っていますが、GR86は今後、流通数も増えてくることが予想されます。
86の中古車相場
発売から10年以上経過している2012年式が安い傾向です。加えて、走りを楽しみたい方に人気があるのはMT車のため、AT車のほうが全般的に価格は低くなっています。それぞれのネクステージにおける2023年2月時点での中古車相場は、下記の通りです。
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MT |
約168万円~289万9,000円 |
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AT |
約139万9,000円~249万9,000円 |
（参考：86（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】）
GR86の中古車相場
GR86は、発売からそれほど年月が経過していないため、中古車市場への流通台数は少なめです。相場価格も新車価格と大きな差はありません。オプション内容により、新車価格よりも高く販売されているモデルもあります。
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MT |
約3799,000万円~399万9,000円 |
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AT |
約329万9,000円~3569万9,000円 |
（参考：GR86（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】）
86はトヨタとスバルの共同開発で生まれたスポーツカー
若い世代に人気があり、多くのユーザーに運転の楽しさを提供している86とはどんな車なのでしょうか。ここでは、86とGR86それぞれの特徴を紹介します。特徴を理解すれば、どちらの86がご自身に合うか分かるでしょう。
86の登場
2012年に登場した86は、FRでフロントミッドシップに水平対向エンジンを搭載したモデルです。軽量化を図り低重心設計されたボディが、優れた操作性の安定した走行性能を実現しています。比較的安価でスポーツカーを楽しめるように設計されました。
徹底的に無駄を省いた空力性能の良いボディや運転に集中できる内装は、走りを愛する人の心をくすぐるデザインです。2016年には、デザインの変更や走行性能の向上などのビッグマイナーチェンジが施されています。
鍛え抜かれたGR86
GR86は、トヨタが持つモータースポーツの知識・経験・技術を結集したスポーツカーです。86と比較すると、排気量は2.0Lから2.4Lへとアップしたため、出力・トルクともに向上しました。随所にアルミ材を使用して軽量化を図り、高剛性ボディに仕上げた結果、ハンドリング性能が軽快になり走行性能も安定しています。
GR86専用設計のFRプラットフォームを採用したため、86よりも全高が10mm低くなりました。超低重心で、思いのまま車を操る楽しみを体感できます。
PRスバル専門店が厳選、スバルBRZ
※価格は支払総額
ライバル車BRZの中古車相場は86より安い？
スバルBRZは、トヨタ86の兄弟車です。トヨタとスバルが共同開発して誕生したのが86とBRZのため、両車は基本的な構造が同じです。
では、トヨタ86に比べてスバルBRZの中古車相場はどのような傾向にあるのでしょうか。ここでは、BRZの特徴と中古車情報を見ていきましょう。
BRZはスバルのスポーツカー
現行モデルBRZは、GR86と同じく2021年にフルモデルチェンジが施されました。共同開発のため、低重心・コンパクト・軽量というコンセプトはGR86と変わりません。
両車の大きな相違点はデザインです。BRZはスバルが持つ美意識が表現されたボディフォルムや内装に仕上げられています。加えて、フロントグリルが大きく異なっており、86は台形である一方、BZRは逆台形のデザインです。
また、フロントフェンダーやバンパー形状、リアコンビランプなどに違いが見られます。なお、BRZは全グレードにスバルの安全技術が搭載されています。
BRZの中古車相場の目安
BRZのネクステージにおける2023年2月時点での中古車相場は、下記の通りです。
2012年式のAT車は、新車価格と比較して半値ほどで販売されているモデルがあります。86と比較するとリーズナブルな価格設定です。
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MT |
約149万9,000円~369万9,000円 |
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AT |
約109万9,000円~329万9,000円 |
（参考：BRZ（スバル）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】）
86の中古車選びのポイント
86はスポーツカーの中では比較的安価ですが、中古車ならより安く購入できます。しかし、状態の悪いものを購入してしまうと修理や維持に費用がかかることもあります。
また、86はスポーツカーであるが故、ハードな走行をしてきたことも予測されます。そのため、外装や内装だけでなくスポーツカーならではのポイントもチェックする必要があるでしょう。ここからは、86を中古車で選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
年式とメンテナンス状況を確認する
中古車を選ぶ際は、モデルチェンジ時期を狙ってみるのもひとつの手です。モデルチェンジの後は、旧モデルの価格が安くなる傾向があります。モデル変更直後の車は、最新のモデルでありながら旧型扱いされることになり、お得に購入できる可能性が高まります。
GR86の次回のモデルチェンジは、2025年に行われるうわさがあるものの、まだ発表されていません。そのため、86を中古車で選ぶ際は、年式にこだわりすぎずメンテナンスがしっかり行われているかで判断しましょう。なお、GR86の場合も発売から日が浅く、年式の新しいものが多いため、こちらもメンテナンスを重視しましょう。
比較的新しい車でもメンテナンスが行き届いていなければ、思わぬトラブルが起こることがあります。年式だけでなく、メンテナンス状況を確認することが大切です。
走行距離はボーダーラインを意識する
中古車販売店では、販売価格を設定する基準として走行距離を重視します。基準とされる走行距離は、3万km・5万km・10万kmです。もちろん、走行距離が多い車のほうが安く購入できます。
お得に中古車を購入するためには、2.9万km・4.9万km・9.9万kmのように、ボーダーラインの少し手前の車を選ぶのがおすすめです。2.9万kmと3.1万kmの状態が大きく変わることはありませんが、価格は一般的に3.1万kmのほうが安い傾向にあります。
走行距離がそれほど離れていないのであれば、価格の安いほうを選ぶのもひとつの方法です。
走行距離と年式のバランスも大切
走行距離を見るときは、年式もチェックしましょう。走行距離と年式のバランスの目安は、1年で1万kmです。年式の割に走行距離が多い場合は過走行とされ、ダメージを受けている可能性があります。
一般的に、走行距離の少ないほうが劣化の少ない車とされます。しかし、走行距離が年式の割に少なすぎる場合も注意が必要です。あまり使われていなかった可能性が高く、バッテリーが弱っているなど、メンテナンスが十分にされていない恐れがあります。これらはあくまで目安ですが、走行距離と年式のバランスがあまりにも悪い車には注意しましょう。
定期点検の記録があるか確認する
車を長く乗り続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。中古車は、前オーナーがどれくらいメンテナンスしていたかも重要です。これまでどのようなメンテナンスが行われたかは「定期点検記録簿」で確認できます。
定期点検記録簿に記載されているのは、定期点検の記録や修理内容です。86のようなスポーツカーはメンテナンスがより重要となるため、定期点検記録簿の有無はしっかりとチェックしましょう。
クラッチの摩擦に注意する
AT車であれば気にする必要はありませんが、MT車を購入する際はクラッチの摩耗にも注意しましょう。MT車はAT車に比べてドライバーの操作が多いため、運転の癖が車体に影響します。普通の乗り方であれば、5年程度はクラッチの摩耗を気にせず走行できるでしょう。
しかし、乗り方によってはクラッチ板がすり減ってしまい、早い段階で修理が必要になることもあります。例えば、半クラッチの状態で長距離走行をした場合です。中には、2年程度でクラッチの交換が必要になった車もあるようです。
クラッチの摩耗を目視で判断するのは、簡単なことではありません。そのため、MT車を購入する際は、試乗して違和感をチェックすることをおすすめします。ギアチェンジの際に違和感があれば、クラッチの摩耗を疑いましょう。
純正部品があるか確認する
走りを楽しみたい方に人気がある86は、改造された中古車が多く流通しています。改造車の場合は、改造する前の純正部品があるかチェックしましょう。
その改造車が車検を通るかどうかは、購入する段階では分かりません。車検に通らない場合は、部品を購入・装着してから車検に通す必要があります。純正部品は費用がかかるため、改造していても純正部品が残っている車を選ぶようにしましょう。
サビや腐食に注意する
中古車は見た目がきれいでも、中のパーツを見るとサビや腐食が発生していることがあります。走行距離が短くても、年式が古い車であれば経年劣化は避けられません。走行距離が短く年式も新しい車であっても、走行エリアや保管場所によっては劣化が進んでいる車もあります。
特に、海の近くや雪が多く降る地域の方が所有していた車は要注意です。海の近くは塩害によって車が傷みやすい傾向にあり、豪雪地域ではボディの下などにサビや腐食が発生しやすいといわれています。中古車を購入する際は、外観だけではなくボディの下やバンパーの中などのサビや腐食の状態を確認するようにしましょう。
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※価格は支払総額
ネクステージで中古スポーツカーを探してみよう
中古車購入の際は1台ずつ車両状態が異なります。走りを楽しむ人が乗ることが多い86のようなスポーツカーは、特にメンテナンスの有無に注意が必要です。
全てを完璧にチェックすることには限界があるため、中古車購入の際は信頼できる販売店を選びましょう。全国に店舗を展開するネクステージは、商品へのこだわりが強みです。ここからは、ネクステージの特徴を紹介いたします。
こだわりの一台が探せる豊富な品ぞろえ
ネクステージは、全国に250店舗以上展開している大手中古車販売店です。総在庫台数は3万台を誇ります。年式・走行距離のみならず、ボディカラーやオプションなど希望条件にかなった車に出会うチャンスが高い環境です。
加えて、セダン＆スポーツ専門店などのカテゴリー専門店を展開しています。どのお客様にも満足いただけるようなサービスを提供することがネクステージのモットーです。
低年式車への保証「Nextageサポート」も利用できる
ネクステージで購入いただいた全てのクルマには、無料保証が付帯されています。加えて、幅広いニーズに応えた各種有料保証も用意しています。
例えば、低年式車への保証「Nextageサポート」をご用意しています。新車登録時から13年以上経過している車を対象にした充実内容の保証です（初度登録から13年以上20年未満、かつ総走行距離が13万キロ以下に限る）。また、愛車に長く乗りたい方のためには「10年保証」もご用意しております（初度登録から7年未満、かつ販売時の走行距離が7万キロ以下に限る）。
お客さまのニーズに合った保証をご用意しているため、購入後のカーライフも安心できるでしょう。
まとめ
86は、走りを楽しみたい方におすすめの車です。スポーツカーの中では比較的安価で、操作性にも定評があります。
「86（ハチロク）」と聞いて思い浮かぶ車は、世代によって異なるのではないでしょうか。AE86から始まり、86の伝統をオマージュして生まれ変わった現行モデルGR86も、世界中のスポーツカー好きの方から愛され続けています。
ネクステージのWeb検索ページでは、年式やミッションなどの条件を入力するだけで、ご自身の好みの車を簡単に探すことが可能です。気になる車は、無料で在庫確認や見積もりを依頼できます。お気軽にご利用ください。
▼ライタープロフィール
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
