プリウスミサイルの真相と事故防止策！事故が多いのは勘違い？
プリウスはトヨタが誇る大人気ハイブリッドカーです。しかし最近では「プリウスミサイル」と呼ばれるように、事故を起こしやすい車のレッテルを貼られることもあります。「本当にプリウスは事故を起こしやすいの？」と疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、「プリウスミサイル」などプリウスの事故について詳しく知りたい方に向けて、車種の安全性について解説します。事故を防ぐポイントについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・アクセルの踏み間違いなどで車が人や壁に突っ込むことから「プリウスミサイル」と呼ばれることがある。特にプリウスは最近の事件から、「事故を起こしやすい車」のイメージが強い！
・「プリウスミサイル」と呼ばれる原因はさまざまだが、ニュースやSNSの影響も大きい！
・免許返納や生活上の理由から運転をやめる場合は、車を高く売却しよう。ネクステージならWebから無料査定依頼も可能！
なぜプリウスミサイルと表現されることがあるの？
プリウスは、トヨタの代表的なコンパクトカーです。世界初の量産ハイブリッド車として知られており、2022年8月現在でも高い人気を誇ります。
そんなプリウスですが、巷では「プリウスミサイル」と表現されることもあります。なぜそのような名前で呼ばれるようになったのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは、プリウスの基礎知識や、「プリウスミサイル」と呼ばれるようになった理由について解説します。
プリウスはトヨタのコンパクトカー
プリウスはトヨタのコンパクトカーです。1997年に登場した車種であり、冒頭でも解説したように、世界初の量産型ハイブリッド車として販売されました。
ハイブリッド車とは、従来のガソリンエンジンに電動モーターを加えた自動車です。モーターの力をプラスして、排出ガスの削減ができるため、低燃費を実現する車として注目されました。日本国内はもちろん、世界的にも高いネームバリューを誇ります。
そのようなプリウスが、なぜ「プリウスミサイル」と呼ばれるようになったのでしょうか。次の項目から、プリウスミサイルについて解説します。
プリウスミサイルと揶揄されている由縁
「プリウスミサイル」は、一般的に使用される言葉ではなく、一種のネットスラングです。2010年代後半に高齢者ドライバーによる事故が相次いで報道され、いずれも車種がプリウスだったことが由来となっています。
「プリウスで人や壁などに突っ込む」といった様子から、その動きをミサイルとして表現し、「プリウスミサイル」と呼ばれるようになりました。当初の高齢者ドライバーへの批判から、プリウスやトヨタへの批判に変わっています。
実際はリスクの高い車とは言えない
「プリウスミサイル」と批判されているプリウスですが、本当に事故率は高いのでしょうか。特定の車種の事故が多いかどうかは、自動車保険の保険料から判断できます。事故が起きやすい車はリスクが高い車と認識され、保険料が高くなるためです。
自動車保険の保険料は「型式別料率クラス」から算出されます。「型式別料率クラス」は車の型式ごとにリスクを17段階（自家用軽四輪乗用車は3段階）で評価したものです。「対人賠償責任保険」「対物賠償責任保険」「搭乗者傷害保険」「車両保険」の4項目があり、数値が高いほどリスクが高いことを意味し、保険料が高くなる仕組みになっています。
4代目プリウスの「型式別料率クラス」は下記の通りです。これを見ると他の車種と比べて高い数値ではないことから、プリウスは特別事故が多い車ではないといえるでしょう。
4代目プリウスの型式別料率クラス（保険始期2022年1月1日～12月31日）
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ZVW50 |
ZVW51 |
ZVW55 |
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対人賠償責任保険 |
10 |
8 |
3 |
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対物賠償責任保険 |
8 |
5 |
6 |
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人身傷害保険 |
9 |
9 |
3 |
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車両保険 |
9 |
9 |
9 |
（参考： 『損害保険料率算出機構｜型式別料率クラス検索』)
プリウスミサイルと呼ばれるほどに事故が目立つ理由
プリウスはトヨタの看板モデルとして長きにわたって高い人気を博してきた車です。しかし、人気車種である一方、事故が多い車であるという声も耳にします。「型式別料率クラス」が高くないにもかかわらず、なぜプリウスの事故が多いと言われるのでしょうか。ここでは、理由として考えられる要素について解説します。
シフトが特殊
プリウスは、常に中央の位置に戻る仕組みの電子式シフトレバーを採用しています。一般的な車ではレバーを動かせばその位置で固定されますが、プリウスの場合は勝手に中央に戻る仕組みです。
このようなシフトレバーの操作は多くの車と異なるので、感覚の違いに戸惑う方もいることでしょう。レバーが常に中央の位置にあるため、どのシフトに入っているのか分かりにくいというデメリットもあります。
また、プリウスのシフトレバーの「Bレンジ」が紛らわしいという声もあるようです。「Bレンジ」は一部のハイブリッド車に設定されているもので、長い下り坂でエンジンブレーキを効かせたいときなどに使用します。後退したいときに誤ってシフトを「Bレンジ」に入れてしまうことが誤発進につながるという指摘もあり、注意が必要です。
発進方法が特殊
プリウスは、始動時にモーターのパワーを使用して発進するので、音が出にくいという特徴があります。この発進方法によってプリウスは燃費の良さを確保していますが、エンジン車と比べて静かであるためにスピードが出ていることに気づきにくいことがデメリットです。
踏み間違えた際に気がつくのが遅れてしまうことも指摘されており、発進時には注意が必要といえるでしょう。
高齢ドライバーに人気
プリウスは事故が多いと言われる理由のひとつとして、高齢ドライバーに人気の車種であることも挙げられるでしょう。プリウスは燃費の良さやサイズ感などから幅広い世代で人気ですが、特に先代の30型プリウスまでは50代以上のドライバーに好まれる傾向がありました。
プリウス自体の特殊なシフトや発進方法に加え高齢ドライバーが多いことも、やや危険視される要因となっているといえます。
登録台数が多い
登録件数が多いことも、事故が多いイメージにつながっているのかもしれません。プリウスは非常に人気の高い車種です。特に動力性能や燃費が大きく向上した3代目プリウスは絶大な人気を誇り、登録台数が多くなっています。4代目プリウスも2019年の登録車販売台数で1位を獲得するなど好調です。
登録台数が多いために事故の件数も多くなり、事故が多い車とみなされてしまう側面もあるでしょう。
ニュースやSNSによる印象
ニュースやSNSによる印象も大きいでしょう。確かに2010年代は、高齢者ドライバーによるプリウスの事故が相次いで報道されました。そのニュースを見て、「プリウスは事故が起こりやすい」と考える人がいるのも無理はないでしょう。
またSNSの情報の拡散によって、プリウスに対して悪いイメージを抱いてしまう人も多いかもしれません。SNSは人々が意見を交換する場所であり、発言の影響を受けやすい場所でもあります。
プリウスに搭載されている安全装備
「プリウスに事故が多いのは勘違いだと分かったけど、実際プリウスにはどのような安全装備があるの？」と気になっている方も多いでしょう。プリウスには、安全機能のパッケージ「Toyota Safety Sense」が搭載されており、高い安全性能を誇ります。
ここでは、プリウスの安全装備と、政府によって推進されている「サポカー」について解説します。
先進安全技術が搭載されている
プリウスは先進安全技術として、Toyota Safety Sense（トヨタセーフティセンス）を搭載しています。Toyota Safety Senseとは、事故が起こりやすいシチュエーションをカバーしてくれる、安全機能のパッケージです。
例えば街中を走る際は、プリクラッシュセーフティや衝突警報機能を使って、交通事故を未然に防いでくれます。他にも「夜間に走る」「高速道路を走る」など、多彩なケースで対応可能です。
サポカーSワイドに適合している
プリウスは、「サポカーSワイド」に適合しているため、本来は安全性能の高い車種です。「サポカーSワイド」は、国土交通省や経済産業省が推進している、先進安全技術搭載車「サポカー」の最上位に位置づけられています。
ちなみにサポカーの種類は、「サポカー」「サポカーS」「サポカーSワイド」「サポカーSベーシック+」「サポカーSベーシック」の5種類です。「サポカーSワイド」は、基本的な衝突被害軽減ブレーキに加えて、多くの機能がついています。
プリウスミサイルと呼ばれるような事故を防ぐポイント
プリウスに限らず、操作ミスなどによる事故は起こりえます。事故を未然に防ぐためには、後付けの安全装置を取り付けたり、あらかじめ安全性能の高い車を選んだりと、複数の方法が考えられるでしょう。ここでは事故防止の対策について解説します。
ペダル踏み間違い加速抑制機能を設置する
トヨタなどの自動車メーカーは、後付けが可能なペダル踏み間違い加速抑制装置を販売しています。ペダル踏み間違い加速抑制装置は、障害物があるにもかかわらずアクセルペダルを強く踏み込んだ場合に加速を抑制したり、ドライバーに警告したりするものです。
近年では進行方向に障害物がない場合でもペダルの踏み間違いを検知できるものもあり、踏み間違いによる事故を防止するため、多くのドライバーが装着しています。
緊急自動ブレーキ付きの車にする
事故を防ぐためには、緊急自動ブレーキ付きの車にすることもひとつの方法でしょう。自動ブレーキは正式には「衝突被害軽減ブレーキ」といい、先行車や人との衝突を察知した場合に自動的にブレーキが作動する装置のことです。
自動車メーカーによって、自動ブレーキの名称や性能は異なります。例えば、トヨタの「プリクラッシュセーフティ」は、カメラとレーダーを用いて周囲を認識し、安全な運転をサポートする装備です。
2021年11月からは新型国産車への自動ブレーキの装着が義務化されるなど、自動ブレーキは急速に普及が進んでいます。
MT車を選ぶ
AT車よりも操作が複雑なMT車のほうが、事故を起こしにくいという見方もあります。現在はアクセルペダルを踏むだけで簡単に発進するAT車が主流です。しかし、AT車は操作が単純でペダルもアクセルとブレーキの2種類のため、踏み間違いを起こしやすい傾向があります。
MT車はペダルが3つあり踏み間違いをすると発進できない設定のため、操作は複雑になりますが、踏み間違いによる事故は発生しにくいでしょう。
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まとめ
プリウスは「プリウスミサイル」と言われるように、事故が多い車とされています。しかしプリウスの「型式別料率クラス」がそこまで高くないことから、「プリウスは他の車種より事故が起きやすい車」とはいえません。
シフトや発進方法が特殊であることや高齢ドライバーが多いこと、登録台数が多いことなどから、事故が起きやすい車と思われる傾向があります。またニュースやSNSの影響も大きいでしょう。
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