無鉛ガソリンとはどんな燃料？昔使われていた有鉛ガソリンとの違い
自動車を動かすには、燃料などのエネルギー源の用意を行うことが一般的です。燃料はレギュラー、ハイオクに区別できる2種類のガソリンと軽油の合計3種類に分かれており、搭載しているエンジンに合わせて注入します。
また、ガソリンには無鉛と有鉛の2種類が存在し、現在は無鉛ガソリンの使用が一般的です。しかし、なぜ有鉛ガソリンを使わなくなったか、無鉛ガソリンとは何か詳しく説明できないドライバーも多いのではないでしょうか。
本記事では、無鉛ガソリンとはどのような燃料なのか、有鉛ガソリンと異なる点と合わせて解説します。
※目次※
・無鉛ガソリンは有鉛ガソリンの代わりに登場した燃料である
・燃料の誤給油を防ぐため、運転前は指定燃料を把握しておこう
・燃料の種類を変えたいときは、ネクステージで対応車種への乗り換えを検討しよう！
無鉛ガソリンと有鉛ガソリンの違い
ガソリンは無鉛と有鉛に分かれており、昔はどちらもガソリンスタンドで購入できました。現在は無鉛ガソリンのみの取り扱いとなり、有鉛ガソリンを見かけることはありません。
どうして無鉛ガソリンはなくなったのでしょうか。無鉛ガソリンと有鉛ガソリン、それぞれの特徴や違いを有鉛ガソリンが市場から消えた理由と合わせて解説します。
無鉛ガソリンとは
無鉛ガソリンは、一般的にレギュラーガソリンの呼称でよく認知されています。レギュラーガソリンを使用して動く国産車は多く、ハイオクよりも安価なガソリンです。
ハイオクも無鉛ガソリンに分類できますが、スポーツカーや輸入車を動作対象としています。ノッキングを起こりにくくするための添加物を含んだガソリンです。
有鉛ガソリンと区別するため、現在ではレギュラーガソリンを無鉛レギュラーガソリン、ハイオクを無鉛プレミアムガソリンと呼んでいます。
有鉛ガソリンとは
有鉛ガソリンとは、機能を高めたエンジンを効率よく動かすため、アルキル鉛を微量添加しているガソリンです。エンジンは圧縮率を高めると馬力が上がり、燃費も良くなり性能が向上します。
しかし、その分ノッキングが起こりやすくなり、エンジンに悪影響を及ぼします。この問題を解決するため、アンチノック性を向上させ、バルブシートの摩耗を軽減できる有鉛ガソリンが使われていました。
当時はオクタン価の高いガソリンを無鉛で作成できなかったので、1970年代まで有鉛ガソリンが一般的に使用されていました。
現代では有鉛ガソリンの使用が禁止されている
最近では、無鉛ガソリンが主流となっているため、有鉛ガソリンの取り扱いはありません。なぜなら、有鉛ガソリンに含まれるアルキル鉛には毒性があるためです。排気から出される鉛からも中毒症状を起こす原因の存在が明らかになっています。
また、有鉛ガソリンは排気ガスの規制や排気触媒劣化の原因により、1970年代半ばから使用禁止となりました。有鉛ガソリン禁止に伴い、圧縮率を高めたエンジンにも対応できる無鉛プレミアムガソリンが登場します。
無鉛ガソリン車にハイオクは使えるの？
自動車に搭載しているエンジンは、適した燃料を入れることで最高のパフォーマンスを発揮します。
無鉛ガソリンを使用する自動車に誤ってハイオクを入れた場合、自動車は正常に動くのでしょうか。
無鉛ガソリン仕様の車を動かすためにハイオクが使えるのか、各ガソリンの違いや注意点と一緒に解説します。違いや注意点を知れば、入れるガソリンで迷うこともありません。
ハイオクの使用は可能
ハイオクを使ってレギュラーガソリン指定の車を動かすことは可能です。ハイオクを入れても大きな問題はありません。
無鉛ガソリン仕様の車にはレギュラーガソリンを無鉛プレミアム仕様の車にはハイオクを使用する方法が一般的です。
ちなみに、有鉛ガソリンが販売禁止になった後、ガソリンスタンドでは無鉛ガソリンのみの取り扱いとなりました。そのため、現在ガソリンスタンドで購入できるガソリンはどちらも無鉛ガソリンになっています。
レギュラーガソリンとハイオクの違い
レギュラーガソリンとハイオクは、オクタン価を基準に区別します。オクタン価とは、ノッキングのしにくさを表した数字です。高くなる程にノッキングが起こりにくい性質の良い物であることを意味します。
一般的にオクタン価89以上96未満をレギュラー、オクタン価96以上をハイオクと呼びます。レギュラーガソリンと比べてハイオクは、オクタン価が高いのでノッキング現象が起こりにくく燃費が良いです。
また、オクタン価を上げるためハイオクには添加剤を配合しており、1Lあたり10円ほど高い傾向にあります。
無鉛ガソリン車にハイオクを使う際の注意点
レギュラー仕様車にハイオクを入れても、すぐエンジンが壊れるような問題は起きません。しかし、レギュラー仕様車はレギュラーガソリンによってパフォーマンスを発揮する設計です。
ハイオクの給油によりエンジンがキレイになる、燃費や加速が良くなるといった話もあります。ですが、1回の給油で効果が体感できるわけではなく個人差もあります。
燃料代が高くつくだけでなく、エンジンが不具合を起こす可能性もあるため、自動車ごとの仕様に適したガソリンを給油しましょう。
燃料の種類を間違えて入れた場合の対処法
自動車に搭載しているエンジンはメーカーや車種によって異なり、必要とする燃料が違います。レギュラー、ハイオク、軽油の3種類に区別し、それぞれガソリンスタンドで給油可能です。
会社の車やレンタカーなど、乗り慣れていない車を使う場合、誤って種類の違う燃料を入れてしまうこともあるでしょう。ここでは、燃料の種類を間違えて給油してしまった際の対処方法を紹介します。
レギュラー仕様車の場合
レギュラー仕様の車にハイオクを入れた場合は、前述の通りすぐに故障するような問題はありません。しかし、軽油が入った場合はどうでしょうか。
軽油が入った場合、エンジンの出力が低下し、アイドリングや加速の不調を引き起こします。そのため、間違って入れた際は、軽油の抜き取りを行うことがおすすめです。
軽油の抜き取りは、誤給油した後の状態によって変化します。最悪の場合、エンジンが壊れてしまうと費用は10万円以上かかります。
ハイオク仕様車の場合
ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを入れた場合、ガソリンのオクタン価が低いためノッキングが起こりやすくなります。走行は可能ですが、加速や燃費の性能は低下します。
高回転域の運転を避けて燃料を消費しつつ、ハイオクガソリンの継ぎ足しが必要です。制御性能が優れている最近の自動車は、ノッキングを検知するとエンジンを自動的に保護してくれます。
間違えて軽油が入った場合は、最終的にエンジンが停止してしまい運転できません。レギュラー仕様車と同じように抜き取りが必要になります。
ディーゼル仕様車の場合
ディーゼル仕様車のエンジンは、軽油が燃料です。間違えてレギュラーやハイオクのガソリンを入れてしまった場合、排気ガスが白くなり最終的にはエンジンが停止します。
エンジン可動中もパワーが下がり回転が不安定になるため、異様な燃焼音が鳴り続きます。短時間で燃料ポンプやインジェクターが焼き付けを起こし、パーツ交換になりかねません。
すぐにエンジンを停止、燃料の入れ替えと点検の依頼を準備してレッカーで運んでもらいましょう。間違えた燃料で走行し続けるとエンジンが壊れて修理費用が高額になります。
燃料の入れ間違いは車の寿命に関わる
どの自動車にも言えることですが、給油する燃料を間違えるとエンジンをはじめ部品への負担が大きくなります。無謀な乗り方を続けていれば、愛車の寿命を縮めてしまいかねません。
長く乗り続けるために仕様や指定燃料を把握しておきましょう。しかし、セルフスタンドが増えた昨今では、うっかり入れ間違えてしまうこともあり得ます。
普段から乗り慣れていない会社の車やレンタカーは、特に意識して確認しておくことがおすすめです。乗車前や給油前に必ず確認しておきましょう。
無鉛ガソリンなどの指定燃料を調べる方法
燃料の入れ間違いを起こさないためには、自分が運転する車の指定燃料を知っておく必要があります。入れ間違いは自動車の負担を増やしてしまうので、油種の入れ間違は避けたい要素です。
改めて確認してみると実は違う燃料を入れていたという場合もあるので、指定燃料の確認方法を把握しておきましょう。2つのケースに沿って自動車の指定燃料を調べる方法について詳しく解説します。
所有している車の場合
自分が所有している車など自由に確認できる場合に関しては、給油口のキャップやハッチ裏ですぐに確認可能です。また、車検証にも記載があるはずなので、給油口で確認できない時は見てみましょう。
大抵は無鉛ガソリン（レギュラー）や無鉛プレミアムガソリン（ハイオク）などの記載があります。他にもコーションプレートで確認する方法や給油する時にガソリンスタンドのスタッフに尋ねる方法もあります。
油種が分からない状態で給油する行為は危険ですので、調べても分からなければ、恥ずかしがらずに詳しい人に相談しましょう。
購入を検討している車の場合
購入を検討していて自分が所有していない車などは、店舗のスタッフに確認するかメーカーサイトを閲覧して自分で調べるとよいでしょう。店舗に足を運んでいる場合は、スタッフの方から油種について説明してもらえることもあります。
車の購入を検討している場合、勢いで決めてしまうケースもありますが、さまざまな車の比較がおすすめです。比較する際の情報集めと合わせて油種の確認を行っておくと新車が壊れるリスクを減らせます。
有鉛ガソリン仕様の古い車はどの燃料を使えば良い？
有鉛ガソリンが販売禁止になり、無鉛ガソリンで走る自動車が普及しました。しかし、有鉛ガソリンで走る1972年3月以前の国産車は、現在もレトロカーとして一定の人気があります。
では、有鉛ガソリンが販売されていない現在、レトロカーを動かす場合はどのガソリンを使用すればよいのでしょうか。
普段使いせず週末に運転する程度ならハイオク（無鉛プレミアム）を入れれば問題なく走行可能です。また、無鉛ガソリンを有鉛ガソリンのように変える添加剤があるため、心配な方は使用するとよいでしょう。
レトロカーに乗り続ける場合は、エンジンスワップを行い現在の環境に対応させると、カーライフが快適になるためおすすめです。自分で交換を行うと状態を悪くする可能性があるため、専門業者に依頼しましょう。
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まとめ
無鉛ガソリンとは、アルキル鉛を含まないガソリンを指します。レギュラーガソリンの名称で散見します。アルキル鉛を含む有鉛ガソリンは、毒性があるため現在は販売を中止しています。
無鉛ガソリンを使用する車は、ハイオクでも走行可能ですが、パフォーマンスが悪くなるのでおすすめしません。燃料を入れ間違えた場合は、各エンジンに適した対処を行いましょう。指定燃料は車検証や給油口に記載しています。
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