自動車を売却する時の勘定科目は?法人・個人事業者別に仕訳方法をご紹介

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自動車を売却する時の勘定科目は?法人・個人事業者別に仕訳方法をご紹介

会社で使っている営業車を売りに出す際、「これは事業収入になるのかな……」と帳簿上の勘定科目で悩む方は多いでしょう。個人事業主の場合「仕事にもプライベートにも両方使っている」と余計にわからなくなってくることもあるかもしれません。

 

また、車は使用年数によって価値の変動も大きいので、利益や損失を割り出すためにもしっかりとした計算が必要です。

 

このように車の売却に関しては、帳簿上の勘定科目で考えるとややこしく感じる人も多いのではないでしょうか。しかしポイントを押さえてしまえば、そこまで難しいことではありません。この記事では、車の売却費用に関して帳簿上の記載にお悩みの方に向けて、法人、個人それぞれで仕訳の仕方を解説していきます。

 

※目次※

1.法人事業者が営業用自動車を売却した場合

2.消費税の免税事業者・課税事業者について

3.法人事業者が営業用自動車を売却した場合の仕訳

4.個人事業者が営業用自動車を売却した場合

5.個人事業者が営業用自動車を売却した場合の仕訳

6.リサイクル預託金の仕分けにも注意が必要

7.まとめ

 

■POINT

 

 

・法人は「事業収入・支出」になり、個人事業者は「譲渡所得」になる

・帳簿価格は車の使用年数に応じて割り出す必要がある

・課税事業者の場合、消費税と、課税対象をわけて計算する

 

 

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法人事業者が営業用自動車を売却した場合

法人の場合、営業車を売却した際に発生した利益や損失は、事業上の収入や支出に換算されます。よってそれぞれの勘定科目は「固定資産売却益」「固定資産売却損」となります。以下より、それぞれケース別に見ながら解説していきます。

 

売却した時に出た利益は「固定資産売却益」

実際の売却価格が、売却時の帳簿価格を上回っていた場合、上回っていた分の価格を収入とみなし「固定資産売却益」として仕訳することになります。

 

売却時の帳簿価格は、新車購入したときから使用年数を数えて、売却時に再計算したその車の価値のことです。

 

使用年数に応じて減少していく分の費用を「減価償却費」といい、その車の法定耐用年数に応じて算出されます。法定耐用年数は新車購入の場合、普通車で6年、軽自動車で4年とされており、購入価格からその年数分を割った値段が1年分の減価償却費です。

 

つまり200万円で普通車を新車購入した場合、「200万÷6」となり、年間約33万円が減価償却費となります。この計算なら、3年乗って売ろうと思うと、売却時の帳簿価格は約100万円です。この価格よりも実際に高く売れれば「固定資産売却益」として数えられることになります。

 

売却した時に出た損失は「固定資産売却損」

売却時の帳簿価格を、実際の売却価格が下回っていた場合、下回った分を事業支出と見なし「固定資産売却損」として仕訳することになります。売却時の帳簿価格の算出方法は前項の通りです。

 

法人の営業車両でも売却方法は同じ

会社で営業車として使っている車を売却しようと思うと、個人で使っているものとは勝手が違うようなイメージがあります。しかし、車の売却方法に関して個人と法人で変わる部分はほとんどありません。必要書類がそれぞれ違うのみですので、難しく考える必要はありません。

 

個人で車を売却する場合も、名義変更の手続きのために実印と印鑑証明書が必要ですが、それらの登録や取得は市区役所で行います。ですが法人の場合、実印の登録も印鑑証明書の取得も法務局で行うことになります。また移転などで会社の住所が変わっている場合、こちらも会社の登記簿謄本を法務局にて取得しなければなりません。

 

つまり、個人の場合役所で取得していたものが、法人の場合は法務局に変わるという一点だけが違うということです。どちらにしても、必要書類については買取店のスタッフが熟知していますので、わからなければ相談しましょう。

 

消費税の免税事業者・課税事業者について

同じ法人でも、免税事業者と課税事業者の場合で、車の売却に関する仕訳の仕方が少し異なります。消費税の免税制度は、規模の小さな事業者に消費税の計算を負担させないようにと、国が配慮した結果生まれた法律です。その分免税事業者は、帳簿での仕訳の仕方もよりシンプルに済ますことができます。

 

前々事業年度の課税売上が1000万円を超える事業者は課税事業者となり、消費税の納税が義務付けられます。この他に前事業年度上半期の課税売上や給与の支払い額が1000万円を超えた場合も、課税事業者となります。消費税の計算がある分仕訳の仕方はややこしくなりますが、還付などの制度があり免税事業者より節税できる場合もあるでしょう。

 

法人事業者が営業用自動車を売却した場合の仕訳

法人事業者が営業用自動車を売却した場合、仕訳はどうなるのでしょうか。ここからは実際に法人の免税事業者の場合と、課税事業者の場合にわけて仕訳のパターンを見ていきましょう。

 

仕訳①法人事業者|消費税免税

免税事業者の場合、消費税の計算をしなくて済む分、計算は簡単に行えます。まずは車の売却で利益が出たパターンから見ていきましょう。例えば売却時の帳簿価格が50万円だった車が80万円で売れたとします。

 

帳簿上の記載としては、まず借方に「現預金」の科目で「800,000」と記載します。そして貸方には売却時の帳簿価格を「車両運搬具」の科目で「500,000」と記載します。このとき新車購入時に支払ったリサイクル預託金は別科目となるので「預託金」の科目で記載してください。仮に「18,000」としておきましょう。

 

そして「固定資産売却益」に当たる金額は「現預金(800,000)」から「車両運搬具(500,000)」+「預託金(18,000)」を引いた「282,000」となります。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具

500,000

 

 

預託金

18,000

 

 

固定資産売却益

282,000

合計

800,000

合計

800,000

続いて車の売却で損失が出た場合です。ここでは仮に売却時の帳簿価格が100万円の車が、実際は80万円で売れたとしましょう。この場合は借方に「固定資産売却損」の科目を設けて、「車両運搬具(1,000,000)」+「預託金(18,000)」の金額から「現預金(800,000)」を引いた額「218,000」を記入することになります。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具

1,000,000

固定資産売却損

218,000

預託金

18,000

合計

1,018,000

合計

1,018,000

 

仕訳②法人事業者|消費税課税

課税事業者の場合は消費税の額をはっきり分けておいたほうが良いので、免税事業者に比べると計算の仕方が少し難しくなります。

 

先述のように帳簿価格を100万円にしていて80万円で車が売れた場合、車両運搬具の科目を「課税売上」と「消費税対象外」にわける必要があります。また消費税分を「仮受消費税」として別科目で記載しておくとより後々の計算がしやすいでしょう。表で表すと以下のようになります。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具(課税売上)

740,741

 

 

仮受消費税

59,259

 

 

車両運搬具(消費税対象外)

200,000

固定資産売却損

218,000

預託金

18,000

合計

1,018,000

合計

1,018,000

売却価格が利益になっている場合は、車両運搬具すべてが課税売上となるため、課税売上と消費税対象外をわける必要はありません。この場合は車両運搬具の額は触らずに「仮受消費税」の分を「固定資産売却益」からマイナスするやり方がわかりやすいでしょう。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具

500,000

 

 

仮受消費税

59,259

 

 

預託金

18,000

 

 

固定資産売却益

222,741

合計

800,000

合計

800,000

 

個人事業者が営業用自動車を売却した場合

ここまでは法人のケースを見てきました。次に、個人事業者が営業車を売却した場合、どのように仕訳していけば良いのかを見ていきます。

 

総合課税の「譲渡所得」となる

個人事業者の場合、車を仕事に使っていたとしても売却時に発生したお金は事業上の収入、支出にはなりません。「仕事でもプライベートでも使うから」と難しく考える必要はないのです。この場合は個人から法人(買取業者)へと車を譲渡したことになり、総合課税の「譲渡所得」として扱われます。

 

よって帳簿に記入する際も、事業とは切り離して考える必要があります。こういったケースでは、損失は「事業主貸」、利益は「事業主借」となります。

 

自家用車を売却する場合

譲渡所得になる以上、所得税が発生する場合があります。しかし通勤や買い物など、乗っていた車が生活に必要とみなされる場合、所得税は発生しません。車を通勤などには使わず、旅行などの目的にだけ使っている場合は課税されることがありますが、これも実際の売値が帳簿価格を50万円以上上回る場合のみです。

 

趣味でコレクションしているという場合にはあり得ますが、これはプレミアの付いているような希少な車種でない限り、一般的には滅多に起こり得ないケースです。ですから、個人で車を売るときに、所得税はほぼかからないという解釈で間違いありません。

 

個人事業者が営業用自動車を売却した場合の仕訳

それでは個人事業者が実際に仕訳を行う際のパターンを、免税事業者と課税事業者の場合にわけて見ていきましょう。法人と比べて特に難しいことはないので、安心してください。

 

仕訳①個人事業者|消費税免税

実際、法人と個人で帳簿の付け方にそれほどの違いがあるわけではありません。個人事業者の場合、法人で「固定資産売却益」としていた部分を「事業主借」に、「固定資産売却損」を「事業主貸」に変えれば良いだけです。ここの表記を変えるだけで、事業とは切り離された科目とすることができます。表にすると以下のような記載の仕方になります。

 

まずは売却時の帳簿価格として50万円を見込んでいて、実際は80万円で売れたパターンです。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具

500,000

 

 

預託金

18,000

 

 

事業主借

282,000

合計

800,000

合計

800,000

続いて売却時の帳簿価格は100万円としていたものの、実際は80万円にしかならなかったパターンです。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具

1,000,000

事業主貸

218,000

預託金

18,000

合計

1,018,000

合計

1,018,000

 

仕訳②個人事業者|消費税課税

個人の課税事業者に関しても、法人の課税事業者の記入方法を参考に「固定資産売却益」「固定資産売却損」の部分を「事業主借」「事業主貸」に直して考えるだけです。所得税がかかることは稀ですが、個人の場合も車の売買は消費税の課税対象となるため、課税事業者は消費税分をわけて考えておく必要があります。以下より表で見ていきましょう。

 

まずは帳簿価格を100万円としていたものの、実際には80万円でしか売れなかったパターンです。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具(課税売上)

740,741

 

 

仮受消費税

59,259

 

 

車両運搬具(消費税対象外)

200,000

事業主貸

218,000

預託金

18,000

合計

1,018,000

合計

1,018,000

続いて帳簿価格を50万円としていて、80万円で売れた場合の例を挙げておきます。

借方

金額

貸方

金額

現預金

800,000

車両運搬具

500,000

 

 

仮受消費税

59,259

 

 

預託金

18,000

 

 

事業主借

222,741

合計

800,000

合計

800,000

以上のように利益や損失の区分が事業上のものになるか、そうでないかの違いだけで、おおまかな計算方法は個人も法人もほとんど同じです。免税事業者の場合は計算もシンプルなので、課税事業者の例を一つ知っておけば、後はそれを応用する形で覚えられるでしょう。

 

リサイクル預託金の仕分けにも注意が必要

リサイクル預託金の仕訳についても、少し分かりにくいので注意が必要です。リサイクル預託金は、廃車時にエアコンのフロン類、エアバッグやシュレッダーダストの処理をするための資金です。新車購入時に支払うお金ではありますが、これは廃車時にかかるお金を預けているだけなので、「有価証券」と見なされ、支出ではなく資産として数えられます。

 

有価証券として持っている状態では、リサイクル預託金に消費税は課せられません。中古車として売却するときも「有価証券を譲渡した」という扱いになるため、非課税になります。

 

一方リサイクル預託金の支払い時に、一緒に支払う「資金管理料」は支出と見なされ、消費税がかかります。これはいわば「払い込み手数料」で、廃車時ではなく、支払い時に使われるお金だからです。同時に支払うことで混同してしまい、預託金も支出だと勘違いしてしまう人が多いのです。

 

廃車時にはこの預託金を使って廃車処理が行われるので、その際に消費税の課税対象として扱われます。リサイクル預託金の消費税を支払うのは、最後に車を手放した人だということです。

 

まとめ

車を売ったときの利益や損失の仕訳は、ポイントがわかれば簡単とはいえ、分かりにくい部分も多いかと思います。法人では事業上のものとして扱ったり、個人だと譲渡所得になったりなど、事業者の状況次第で扱いが変わる点がまず挙げられます。また使用年数に応じて価値を計算していかなければいけない点も、面倒だと感じてしまう要素でしょう。

 

このような記事を通して学ぶことは大切ですが、慣れない人が自分でやるにはどうしても時間がかかってしまいます。不明点はやはり税理士のような専門家か、詳しい人に訪ねるのが一番でしょう。

 

ネクステージは、日々中古車の売買に関わっているため、仕訳にも詳しいスタッフが常駐しています。こういったお悩み事も、ぜひネクステージへお気軽にご相談ください。

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