車検でのワイパーの点検基準は?部品交換にかかる費用も解説
2~3年に一度必ず受けなければならない車検では、さまざまな部分の点検が行われますが、点検項目の一つにワイパーがあります。ワイパーはフロントガラスやリヤガラスの雨粒を避ける役割を果たしており、運転の際の視野を確保するために必要な部品です。
少しゴムがゆるくなっているだけでも雨粒が残ってしまうこともあるため、安全に運転するためにワイパーは欠かせません。ワイパーに不備があって車検が通らないといったことはあるのでしょうか。車検におけるワイパーの点検基準や、部品交換の費用などをご紹介します。
※目次※
・ワイパーはガラスに面しているゴムとアームの部分に分けられる
・車検においてワイパーはウォッシャー液やデフロスタもチェックされる
・部分的に機能しない場合でも車検に通ることはあるが、完全に機能しないと不合格になる
車検でのワイパーの点検基準
雨が降っているときにワイパーがなかったら、前がよく見えなくなってしまいます。小さな部品のようですが、安全に走行するためにワイパーは非常に重要です。ワイパーを使うときにはウォッシャー液も一緒に使うため、ワイパーだけではなくウォッシャー液もチェックされることを頭に入れておきましょう。
ここでは、ワイパーの点検基準をご紹介します。
ワイパーの点検の基準
ワイパーは、フロントガラスに面しているゴムと、ゴムを支えるアームの部分に分けることができます。ワイパーは運転中に視界を確保することが目的なので、雨粒や汚れをしっかり拭き取れるかどうかが点検基準となります。
大前提としてフロントガラスにはワイパーが必ずついている必要があります。ワイパーがついていたとしても正常に動かなければ視界の確保ができません。ゴムが切れたり取れてしまっていたり、緩んでいて拭き取りができないといった場合には車検に通らない可能性があります。
運転していると窓ガラスが曇ることがありますが、その際フロントガラスに温かい風を当てて曇りを取る機能がついていることも点検項目になります。雨の日にワイパーが作動しなかったり、フロントガラスが曇ってしまったりして視界が悪い状態で運転すると事故に繋がってしまう可能性もあるためしっかり整備しておきましょう。
ウォッシャー液の点検の基準
ウォッシャー液はガラスの汚れを落とすためにあるため、液が出てくるかどうかが点検の基準となります。ウォッシャー液が出なかったり、出方が弱かったりという場合には車検に通らないこともあります。ウォッシャー液が正しく機能していない理由としては、ノズルが詰まっている可能性があるためチェックしてみてください。
リヤワイパーの点検の基準
意外に思われる人もいるかもしれませんが、実はリヤガラスにはワイパーの装着義務がありません。購入した時点でリヤガラスにワイパーが付いていない車もあります。そのため、リヤワイパーのゴムがボロボロになっていたり、ワイパー自体を取り外したりしても車検に通ります。
しかしワイパーを無理矢理取り外したことで、車両に突起ができてしまうと車検に通らない場合もあります。装着義務がないからといって、リヤワイパーを付けていないと大雨の日に十分な後方確認をすることができなくなってしまいます。安全に走行するためにはリヤガラスにもワイパーをつけておくことをおすすめします。
ワイパーの保安基準
保安基準とは車検に通るための基準のことです。ワイパー(窓拭き器)の保安基準は以下のように大きく6つあります。
①車のフロントガラスには自動で動くワイパーを備えなければならないと定められています。フロントガラスの左右にワイパーがある場合は、同時に動く必要があります。
②ワイパーの劣化や損傷によって著しく機能低下がみられる場合は基準を満たしません。
③ワイパーだけではなく洗浄噴射装置(ウォッシャー液)とデフロスタが備わっていなければなりません。デフロスタとはフロントガラスが曇ったときに温かい風で曇りをとる機能のことです。
④視界を確保するために十分なウォッシャー液を噴射できることが必要です。ウォッシャー液がワイパーの作動する範囲内に適切に噴射される必要があります。
⑤デフロスタは視界を確保できる性能がないといけません。前が見えなくなるほどの曇りが生じた場合、迅速に視界を良好にできる機能が求められます。
⑥いわゆるワイパーやデフロスタでなくとも同じ性能で同じ場所に設置されていれば基準を満たすということが定められています。
ワイパーが原因で車検に通らないケース
ワイパーはどこで車検を受けるかによって点検の厳しさが変わることがあります。ディーラーは厳しい傾向にあるため、ゴムがひび割れているだけでも交換しなければならないこともあります。ユーザー車検ではあまりにも目立つ異常でなければ、交換の必要がないとみなされることもあるでしょう。
ここからは、ワイパーが車検に通らないケースをご紹介します。
車検に通らないケース
どこで車検を受けるかによって厳しさが異なるワイパーですが、どこで受けても不合格になるケースがあります。それはワイパーが全く動かなかったり、ウォッシャー液が全く出なかったりする場合です。他にもアームの折れやゴムの激しい損傷、ウォッシャー液がガラスに噴射できないといったケースも車検に通らないでしょう。
車検に通らない場合もあるケース
車検に通らないケースとは異なり、通らない「場合も」あるケースというものがあります。基準としては車検に通らなくても、どのような検査が行われるかによって車検に通ってしまうこともあります。
ワイパーやウォッシャー液が完全に機能していない場合は車検に通りませんが、一部動かないといった場合は通ることもあります。ウォッシャー液の出方が弱かったり、ゴムが一部切れていたり、部分的に機能していないケースがこれにあたります。
ワイパーの交換にかかる費用
ワイパーは、どこで交換するかによって費用が異なります。カー用品店ではワイパー代と工賃合わせて2,500円程度、ガソリンスタンドでは工賃がかからず部品代1,000円程度で済む場合もあります。ディーラーで交換する場合は純正の部品代に加え、工賃として3,000円前後必要になるので費用が高くなりがちです。
車検においてワイパーの項目が不合格になりそうな場合、車検の場でワイパーを交換してもらうことができます。しかし車検で交換すると費用が高くついてしまうこともあります。ディーラーで車検を受ける場合は特に点検が厳しいため、ゴムのひび割れだけであったとしてもワイパーのアームごと交換される場合もあります。
こちらに知識がないと勝手に部品を交換されてしまうこともあるので注意が必要です。本当に必要な部品交換であれば車検の場で交換しても構いませんが、費用を安く抑えるためには別のところで交換する方法もあります。
ワイパーを交換できる場所としては、カー用品店やガソリンスタンド、車販売店などがあげられます。店頭でスタッフに確認してみると良いでしょう。インターネットでも購入できるので、自分で交換できる人は安く抑えることができます。
ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドといってもお店によっても費用が異なるため、交換を依頼する前に費用を確認することをおすすめします。
まとめ
安全に走行するために、ワイパーは重要な役割を果たしています。ゴムが少し切れているぐらいであれば車検に通らないことは少ないですが、完全に機能していないと不合格になってしまいます。ワイパーの項目ではウォッシャー液やデフロスタもチェックされることや、リヤワイパーは装着義務がないことを頭に入れておきましょう。
車検で基準を満たせなかった場合は、その場で交換することもあります。費用が高くつくこともあるため、予め適正価格で信頼のできる車販売店やカー用品店で交換しておくと費用を抑えることができるでしょう。
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