車のコンパウンドはセルフの傷直しに最適?使い方やよくある失敗もチェック
カー用品店などで見かけるコンパウンドは、車を磨いたり傷を消したりするときに使われるアイテムです。車に乗っていると、ボディに細かい傷が付くのは避けられません。「細かな傷は自分で直したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コンパウンドの主な役割と使い方を解説します。コンパウンドの種類や使い方を知っておけば、セルフでできる傷直しの幅が広がるでしょう。コンパウンドについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
※目次※
・コンパウンドは傷部分を研磨して目立たなくするアイテム。傷を直せるわけではないので注意
・コンパウンドは主にリキッドとペーストタイプがある。他にも水性と油性の種類や目の粗さで違いがあるので、車に合ったものを選ぼう!
・研磨をやりすぎるとボディカラーを削ってしまうことも。研磨した後はコーティングでフォローすることが重要!
車に使うコンパウンドとは?
カー用品店などでコンパウンドを見たことがあっても、使い方や効果については知らないという方もいるのではないでしょうか。ここでは、コンパウンドの用途や傷を目立たなくする仕組みなど、基礎知識を押さえておきましょう。
コンパウンドは車の傷消しに使われる
コンパウンドという言葉には「混合物」という意味があります。車用のコンパウンドは、ボディに付いた傷に対して使われる研磨剤です。軽度の傷であれば自分で傷を目立たなくできるため、うまく活用すれば修理費用の節約にも役立つでしょう。
コンパウンドは粉末の研磨剤と薬剤で構成されており、これらを混ぜ合わせて液体やペースト状にした商品が販売されています。粉末の細かさなどに種類があるため、傷や車に合わせたものを選ぶことが大切です。
コンパウンドはボディの表面を磨く研磨剤
コンパウンドは簡単にいうと研磨剤であり、正確には傷を消しているのではなくボディの層を磨いて傷を目立たなくします。ボディの凹凸を削って滑らかにすることで、周囲との違和感を抑えて傷を隠す仕組みです。
コンパウンドは主に浅い傷や、細かい傷に対する研磨に適しています。一方で、使い方を間違えると新たな傷を増やすこともあるため、使用方法を理解してコンパウンドが有効な傷であるか見極める必要があります。
コンパウンドは初心者でも使いやすい
コンパウンドは特別な道具が必要なく、手順を守れば初心者でも比較的簡単に傷を目立たなくできることが魅力です。
業者へ修理に出したくても経済的に難しいこともあるでしょう。また、コスト面だけでなく、自分のタイミングで気軽に作業できることは大きなメリットといえます。業者に出向いたり、代車を借りたりする手間を省けるのもうれしいポイントです。
初心者は注意!車のコンパウンド失敗例
コンパウンドは初心者でも傷を目立たなくできることが長所ですが、場合によっては失敗することもあります。作業をしても傷が隠せない、コンパウンドがボディ以外の箇所に付着するなど、失敗の原因になり得る要素を把握しておきましょう。失敗例とその原因を理解することで、スムーズな作業につながります。
コンパウンドを使っても傷が隠せない!
コンパウンドは研磨することで傷を目立たなくするため、浅い傷のケアに効果的です。傷の深さや状態を把握して使用しましょう。以下はコンバウンドの効果が期待できる主な傷です。
・ぬれていると見えなくなる傷
・金属の下地が露出していない軽度の傷
・他の色が付着した傷
深い傷や広範囲の傷はコンパウンドでは対応できません。へこみ傷も専用の機材を使って板金する必要があります。コンパウンドで対処できるのは、軽く研磨して目立たなくなる程度の傷と覚えておきましょう。
ボディ以外にコンパウンドが付着!
コンパウンドはボディ部分専用の研磨剤のため、他のパーツに付着すると傷が付いたり変色したりすることがあります。具体的には、バンパーやモールに使われている樹脂製の部分やタイヤなどです。サイドミラーもふちにプラスチックのパーツが使われていることがあります。
ボディ以外にコンパウンドが付かないようにするには、マスキングテープやビニールなどで保護しておくのがよいでしょう。
コンパウンドの種類が分からない!
ひと口にコンパウンドといっても、カー用品店にはさまざまな種類のコンパウンドが販売されています。車や傷の状態に適したものを選ぶことが重要です。
粒子の違いや液状のタイプなど、選ぶ基準は多くあるといえるでしょう。リサーチ不足で購入すると、研磨しても効果が薄かったり逆に車を傷付けたりしてしまうことも考えられます。コンパウンドの種類やタイプを事前に把握し、車や傷に合ったものを購入しましょう。
車ごとに違う?おすすめのコンパウンドとは
コンパウンドにはさまざまな種類があり、車の状態に合ったものを選ぶことが重要です。コンパウンド選びの基準は、主に「目の粗さ」「性質」「ボディカラー」の3つが挙げられます。店舗に行って多くの種類のコンパウンドを前に悩むことのないように、事前に知識を得ておきましょう。
コンパウンドの目の粗さで選ぶ
コンパウンドは紙やすりのように目の粗さに種類があり、数字が大きくなるほど粒子が細かくなります。目の粗さの分類と用途は以下の通りです。
・中目
比較的粒子が荒い種類です。荒れた塗装面の肌落としや深めの傷消し作業などに用いられます。広範囲の傷を整えるのにも使われますが、磨き方によっては傷を付けてしまう場合もあるでしょう。
・細目
中目よりも目が細かく、浅い傷や中目で研磨した後の調整に用いられます。水アカやさびの除去にも向いている種類です。
・極細目・超微粒子
細目の後にさらに細かく調整するのに用います。中目や細目の研磨で付いた傷を消す効果も期待できます。
・艶出し
細かな粒子で、研磨の仕上げに艶出しとして使うことが多い種類です。
コンパウンドの性質で選ぶ
コンパウンドにはリキッドとペースト、水性と油性のタイプがあります。それぞれの用途や特徴をまとめました。
・リキッドタイプ
やや粘度がある液状のタイプです。均一に塗り広げやすい特徴があり、広範囲の作業に適しています。商品の種類も多く、選択肢が豊富な点も特徴です。ただし、飛び散りやすく乾燥が早いため、素早く作業する必要がある点は短所といえるでしょう。
・ペーストタイプ
粘度が高く飛び散りにくい、のり状のタイプです。研磨した箇所にピンポイントに塗布でき、横向きや上向きの作業にも適しています。均一に塗るのが難しく、ムラが出やすいことが短所です。
・水性
研磨力が強く作業効率に優れています。また、粘度が低いため拭き落としやすいことも長所です。一方、研磨の際にカスが出やすく、きちんと磨き上げなければ仕上げの粗が目に付きやすい傾向にあります。
・油性
研磨性が弱いため、丁寧に磨きたい箇所に使うのに適しています。ワックスや艶出し剤が含まれているため、短時間できれいにできることが長所です。しかし、効果は一時的なもので、きれいに研磨できているかを確かめるために脱脂作業をする必要があります。
車のボディカラーで選ぶ
車の塗装はカラーによって成分が異なります。できるだけ塗装を落とさずきれいに保ちたいときは、カラーによって粒子の粗さを使い分けることも選び方のひとつといえるでしょう。以下は車の色と適した粒子サイズの一例です。
・超微粒子:薄い色の車に向いている 例)ホワイト・シルバー・ベージュなど
・濃色超微粒子:濃い色の車に向いている 例)ブラック・ダークグリーン・レッドなど
車のコンパウンドの使い方を伝授
コンパウンドでボディに付いた傷を目立たなくするためには、正しい手順を押さえておく必要があります。準備や段取りを飛ばしてしまうと、車の傷を増やして「やらないほうがマシだった……」と後悔することになりかねません。7つの手順に分けて具体的な使い方を解説します。
Step1:コンパウンドと道具を準備
スムーズに作業を進めるためにも、最初に必要な道具をそろえておきましょう。
・コンパウンド
・スポンジ
・クロスなどの柔らかい布
・マスキングテープ
・洗車道具一式
・ワックス
スポンジはセルロース系やPVAファームなどの、柔らかく保湿性が高い素材のものがコンパウンドと好相性です。また、スポンジは使用するコンパウンドの種類の数に合わせて複数用意しましょう。
Step2:マスキングテープでパーツを保護
ボディ以外にコンパウンドが付着しないように、マスキングテープで保護します。樹脂製パーツなどにマスキングテープを貼り付けましょう。
事前に貼り付ける場所を洗って、ほこりや油を落としておきます。マスキングテープは粘着力が弱く剥がしやすいのが特徴です。貼った箇所を指でなぞってしっかり密着させましょう。この作業を怠るとテープと車の間にコンパウンドが入り込むことがあります。
Step3:洗車&残った鉄粉を落とす
傷消し作業に入る前に、洗車して汚れを落としておきましょう。一見きれいに見えても、ほこりや砂などが付着していることがあります。洗車せずに磨き作業すると、付着した汚れも一緒にボディを擦ってしまい、作業前よりも傷が増えてしまうケースも考えられます。
また、ボディにはブレーキの際に発生する鉄粉も付着しています。酸化して固着すると洗車だけではなかなか取れない汚れになることが特徴です。トラップ粘土や鉄粉除去剤で取り除きましょう。
Step4:コンパウンドでボディを磨く
スポンジを十分に水に浸して柔らかくしてから、水が出なくなるまで絞ります。コンパウンドは目が細かいものから順に試しましょう。傷の程度によって研磨できていなければ、段階的に粗くします。スポンジにつけるコンパウンドの量は、リキッドタイプは500円玉サイズ、ペーストタイプの場合は1cm程度が目安です。
磨くときはスポンジを直線的に動かすことを意識しましょう。円を描くように動かすと傷やムラの原因になることがあります。傷部分だけでなく、傷の周囲も磨いて違和感がないように表面をなじませるのがポイントです。
Step5:クロスで拭いてコンパウンドを落とす
適した種類のコンパウンドでひと通り磨いた後は、付着したコンパウンドをクロスで拭き取ります。コンパウンドの種類を替えた場合、前のコンパウンドの粒子が残っていると傷の原因になります。種類を替えるたびにきれいに拭き取りましょう。
拭き取るときは、傷の様子を確認しながらスポンジと同様にクロスをまっすぐ動かすのがポイントです。まだ傷が目立つようであれば再び磨き作業に戻ります。
Step6:コンパウンドの種類を替えて再び磨く
作業が進み、仕上げの段階に近づくにつれて目が細かいものに替えましょう。徐々に目を細かくしていくことで、自然に表面を整えられます。コンパウンドの種類を替えるときはスポンジも替えることを忘れないようにしましょう。
「コンパウンドで磨いて拭き取る→コンパウンドの目を細かくして磨く」のサイクルを繰り返して、傷が目立たないように表面を整えていきます。傷が見えなくなったら艶出し用のコンパウンドで仕上げましょう。なお、今回紹介した、傷の程度にかかわらず「極細→細目→中目」と、細かな目から徐々に種類を替えて磨くことを「リバース研磨」といいます。
Step7:ワックスでコーティングして仕上げ
磨き作業後は、ワックスをかけて補修面のコーティング処理を施しましょう。コンパウンドで磨いた後は塗装の保護層が薄くなり、塗装が剥がれやすい繊細な状態です。ワックスやコーティング剤が削れた部分に対する保護層の役割を果たします。
コーティング処理をしなければ磨いた部分がむき出しの状態になるため、空気や水分で化学反応を起こしやすくなります。なお、コーティング処理は数か月で効果がなくなるため、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
車のコンパウンドで落ちない傷や汚れは?
コンパウンドでは消えない傷や汚れが付いた場合、別の対処方法を考える必要があるでしょう。傷は放置するとさびの原因になり、被害箇所が拡大します。傷を広げないためにも、早急に対処することが理想です。ここからは、コンパウンドで対応できない傷への対処方法について紹介します。
深い傷は業者に修理を依頼
コンパウンドで目立たなくできるのは線傷などの軽い傷に限られます。へこみ傷や擦り傷といった、自分で修理できない傷が付いたときは、業者に修理を依頼するのが一般的です。依頼先の候補はディーラー、自動車修理工場、カー用品店などがあります。
業者に依頼すれば専用の機材を使ったプロの修理を受けられ、きれいな仕上がりが期待できます。傷が付いた部分は塗装の内側にさびが進行していることがありますが、プロに任せればこのような目に付きにくい部分も見落とすことなく対処してもらえるでしょう。
コンパウンドのやりすぎにも注意
コンパウンドを使用しても傷が消えないからといって、何度も研磨するのは避けましょう。コンパウンドはボディの「クリア」という保護層を削っているため、やりすぎるとボディカラーも削ってしまう恐れがあります。経年劣化などでクリア層がはがれている車は特に注意が必要です。自分で消せない傷が付いたときは、無理をせずにプロに任せましょう。
ネクステージならボディコーティングもお任せ!
ネクステージはメンテナンスの一環としてボディコーティングも承っています。ネクステージオリジナルの「弾スプラッシュコーティング」は圧倒的な撥水性と艶出し効果を誇り、ボディにクリアな輝きを与えられることが特徴です。
強力なコーティングが汚れをはじくため、日ごろのメンテナンスの手間を大幅に軽減できるでしょう。一般的な上級コーティングの耐久目安は3年~5年程度といわれていますが、弾スプラッシュコーティングは6年程度と、持続期間が長いことが特徴です。紫外線や酸性雨にも強く、色あせなどの劣化から車を守る最高峰のコーティングです。
まとめ
コンパウンドはカー用品店などで販売されている研磨剤です。傷部分を研磨して表面を整えることで傷を目立たなくする効果が期待でき、初心者でも使用できる手軽さが魅力といえます。ただし、コンパウンドで消せるのは軽い傷であることが基本です。深い傷が付いたときは業者への依頼を検討しましょう。
コンパウンドで傷消しの処理をした後は、ボディコーティングを施すことも大切です。傷消しからコーティングまでをセルフでする手間や仕上がりに不安があるときは、ネクステージにご相談ください。車の美しさを維持する最適なコーティングをご利用いただけます。