車検費用の相場はどのくらい?内訳や安く抑えるためのポイントを解説!
車検とは「自動車検査登録制度」を略したもので、ブレーキや灯火類など車の安全に関わる部分が正常に動作するかを確認し、それらが保安基準に適合しているかを検査するものです。乗用車の場合、新車購入後3年、それ以降は2年ごとに車検を受けなければなりません。
車検を受けずに公道を走ることができないうえ、車検には一定の費用がかかるため、車検の費用を心配している人もいるのではないでしょうか。この記事では、車検の費用について、車のタイプごとの相場や費用を安く抑えるためのポイントを解説します。
※目次※
・車検の費用は車の大きさによって変わってくる。自分の車の費用の相場を確認しよう
・車検の費用にはさまざまな項目が含まれている。それらを確認し、依頼先による費用や内容の違いを知っておこう
・初度登録からの期間が経過すると車検の費用が高くなる可能性がある。費用を負担に感じたら車の乗り換えも検討しよう
車検費用の相場はどのくらい?
まず車検の費用がどのくらいかかるのか、相場を確認しましょう。車検はディーラーや民間の整備工場、車検専門店、ガソリンスタンドで受けることができます。また、中古車を購入した場合は、その販売店などで受けることも可能です。
他にも、自分で車を車検場に持ち込んで受けるユーザー車検という方法もあります。ここでは相場の基準として、ディーラーで車検を受ける場合の相場を以下の表で紹介します。
車種 |
軽自動車 |
車両重量1トンまでの小型車 |
車両重量1.5トンまでの中型車 |
車両重量2トンまでの大型車 |
車種の例 |
・N-BOX(ホンダ) ・ハスラー(スズキ) ・タント(ダイハツ) |
・ヤリス(トヨタ・ガソリン車) ・スイフト(スズキ) |
・プリウス(トヨタ) ・フリード(ホンダ) など |
・エクストレイル(日産) ・ステップワゴン(ホンダ) など |
車検の費用の相場 |
6~12万円 |
7~15万円 |
9~17万円 |
11~20万円 |
車検費用の内訳を確かめておこう
車検の費用は車のタイプによって変わります。それぞれの費用は車ごとに決まっているものだけでなく、車検を依頼するところやその車の状態によって費用が変わる部分もあります。ここでは車検費用の内訳について項目ごとに解説しますので参考にしてください。
法令によって義務付けられた「法定費用」
法定費用は、法令によって義務付けられているため、必ず支払わなければならない費用です。金額は排気量や車両重量などによって決められています。内訳は、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代の費用です。
自動車重量税は軽自動車の場合は全車種が定額、軽自動車以外の乗用車は0.5トンごとに区分けされ、2年分の費用です。自賠責保険料は強制保険といわれているもので、25か月分の費用を支払います。印紙代は検査費用や車検証発行のための手数料で、車検を受ける工場や車両の区分によって金額が異なります。
依頼先によって異なる「車検基本料」
車検基本料は車検を受ける場所(業者)に支払う費用で、内訳は、車検の継続検査料(測定検査料)や車検を依頼するための検査代行料、車検と同時に行うことが一般的な24か月定期点検の金額です。
法定費用とは異なり、車検基本料は車種や車検を受ける場所によっても費用が変わります。車検を受ける前に調べておくと金額が把握できるでしょう。
車両によって異なる「部品の交換費用」
車検は公道を安全に走行するための基準を満たしているかを検査するものです。そのため、劣化した部品の交換が必要になった場合はその費用も追加されます。
初回の車検などの場合は交換する部品はほとんどありませんが、車検の回数が増えるにつれ、経年劣化などで交換が必要な部品が増えることから費用が高くなる傾向にあります。また、部品の価格や工賃は業者ごとに違うため、金額が一番大きく変わる費用でもあります。
車検費用は依頼先で異なる
車検を受ける場所はディーラーや整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドなどさまざまです。車検を専門としている業者もあります。一方で、業者には依頼せずに自分ですべて行うユーザー車検もあります。
ユーザー車検の場合は費用を抑えられるといったメリットがありますが、業者に依頼する場合もそれぞれメリットやデメリットがあります。ここでは車検を依頼する場所による違いを紹介します。
ユーザー車検
ユーザー車検は自分で手続きを行うため最低限の費用で車検が受けられます。外回り、サイドスリップ、ブレーキ、スピードメーター、ヘッドライト、排ガス、下回りの自動車の状態をチェックし、必要書類や車検費用の準備をします。その後、運輸支局へのユーザー車検の予約をします。
そして、予約したユーザー車検の当日は検査ラインで検査を受け、新しい車検証と検査標章の交付を受けます。デメリットは、車検を受けられるのが平日のみであること、点検や整備の手間がかかること、車検に通らない可能性もあります。
ディーラー
ディーラー車検のメリットは、自社系メーカーの車であるため、専門性の高い整備が保証されていることです。また、純正部品のみで交換してくれること、メーカーの保証があるため安心度の高い点があげられます。
デメリットは、車の状態によってはメーカー純正の部品交換費用が別発生すること、事務手数料が他の車検よりかかること、予防的な部品交換などを行うケースもあるため費用は割高になることです。また、点検に時間をかけるため車検の日数も長くなります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは普段の給油の際に利用する場所で、ディーラーとともに定期的に訪れることからなじみのある場所でもあります。そのため依頼がしやすく、給油の際に車検の相談ができることがメリットです。また、24時間営業の店舗もあり、夜間などにも申し込みができるのも特徴です。
その一方で、ガソリンスタンドは実際には車検を行わずに提携の整備工場に持ち込まれることが多く、整備の技術にムラが出ることもあります。また、込み合う時期には日数がかかることや、代車が用意できない可能性もあることに注意が必要です。
車検専門店
車検専門店は整備工場の中でも車検に特化した業者です。専門店のため、車検にかかる時間が短いのが一番の特徴です。通常の車検は、ディーラーや一般の整備工場の場合1日から数日かかるのが一般的ですが、車検専門店の場合はその日のうち、最短で数時間で完了するケースもあります。
その理由は、車検に合格するための最低限の整備のみにとどめているからです。車検に関わる部分以外の整備が必要な場合は、自分で対応するか追加費用がかかる場合もあります。
カー用品店
カー用品店は全国規模で展開しており、遅くまで営業していることもあるため、ガソリンスタンドのように頼みやすいというメリットがあります。また、車検に力を入れているところもあり、店舗に整備のための設備が備わっている場合があります。お得な費用で品質もある程度期待できるでしょう。
ただし、提携の整備工場に依頼するケースもあり、その場合はガソリンスタンドと同様に整備技術にムラが生じる可能性もあるので、その店舗ではどのように整備が行われるのか確認するとよいでしょう。
整備工場
整備工場もディーラーより車検の費用が抑えられるのがメリットです。工場によってはベテランや技術の高い整備士がいて、品質の高い整備が受けられます。ただ、工場によって技術の差もあるため、工場を選ぶ際は慎重にしましょう。
また、費用は、工場によっても違うため、技術と費用のバランスが取れた工場を探せると良いでしょう。
中古車販売店
中古車販売店でも車検を受けることができます。特に中古車を購入した店舗で受ける場合はその車についての情報を把握している場合もあり、スムーズに車検を受けることができます。また、中古車を扱う経験が豊富なため、車のトラブルに対応しやすいのもポイントです。
販売から点検及び整備も一貫して行うことができるため、カーライフをトータルでサポートしてくれるのは大きなメリットです。また、ディーラーよりも安い費用で受けられるため、費用は抑えたいけどきちんと整備してほしいと思う人にはおすすめの店舗でしょう。
車検費用がアップするタイミング
車検の費用は初回でもまとまった金額が必要ですが、2回目、3回目と回数が増えるにつれて費用が高くなります。それは新車のときから時間がたつと、部品の劣化が進むからです。
その他にも、車検の費用が高くなる理由がいくつかあります。ここでは車検の費用が高くなるタイミングや、その理由を解説します。
初度登録から5年が経過したとき
まず、新車のときから2回目の車検となる5年が経過したときには、消耗品だけでなく部品の交換が必要になったり整備が必要になる部分が増えたりすることで費用が高くなる傾向にあります。
また、新車から5年がたつとメーカーの保証期間が終了する部分も発生し、その部分の修理や交換が必要になるとさらに実費で費用を負担することになります。
初度登録から11年が経過したとき(ディーゼル車の場合)
自動車税にはグリーン化特例があり、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などに軽減措置が適用されています。その一方で、初度登録から一定期間を経過した車に対しては税額が加算されています。
例えばディーゼル車の場合、初度登録から11年を超えるとおおむね15%程度の税額が加算されます。
初度登録から13年が経過したとき
初度登録から13年を超えると、ガソリン車がおおむね15%程度の重課となります。また、ディーゼル車も含めて自動車重量税も重課され、その割合は39%程度とかなりの割合となります。
また、このころになると交換が必要になる部品も増えることになり、全体での車検の費用が高額になる傾向です。初度登録から13年を目安に車の買い替えも判断材料になるでしょう。
初度登録から18年が経過したとき
初度登録から18年を超えると自動車重量税がまた高くなります。その金額は新車の時と比べるとおよそ53%の重課となります。これ以上重課の割合が増えることはありませんが、今後の車検では常に重課された金額を支払うことになります。
また、18年経過すると交換が必要な部品が多くなるだけでなく、部品の生産が終了している可能性もあります。そのため、場合によっては買い替えを決断しなければならない状況になることも考えられます。
車検費用を安く抑えるためのポイント
車検は定期的に一定の費用がかかるのが悩みの種です。ディーラー以外のところに依頼をする方法もあれば、自分で行うユーザー車検などもあり、費用を抑えられる方法はいくつかあります。
しかし、費用を抑えるために整備がおろそかになっては意味がありません。車検に合格してもその後に車に不具合が出て結局修理をすることがあるかもしれません。ここでは安全を損なわない範囲で車検の費用を抑えるためのポイントを解説します。
見積もりは実車を確認してもらおう
車検を行う業者の中には、見積もりを出さずに点検・整備へと進むケースがあります。車検を依頼する際は、一度車を見てもらい、詳しい見積もりを出してから検討しましょう。
点検や整備は予約制となりますが、休日は希望者が多くなる点にも注意が必要です。2週間~3週間前では希望の日時に予約できない可能性もあるため、1か月以上前から車検準備を進めましょう。
複数の見積もりを比較しよう
車検費用を少しでも安く抑えるために大切なことは、さまざまな業者やお店から見積もりを取ることです。複数の業者から見積もりを取ることで、初めて費用や検査内容などの比較ができるようになります。見積もりの内容をよく確認して、不要な検査や整備の項目が含まれていないか確認することも大切です。
もし不要なものが含まれていたら、外してもらえないか相談してみましょう。見積もりよりも、さらに安い費用で車検を受けられることもあります。
整備内容を確かめておこう
車検を受ける際は整備内容を確認しましょう。通常は最初に見積もりを出してくれますが、その中には車検や車の走行に直接関係ない項目(エアコンのフィルターなど)が入っている可能性があります。これらの項目について、特に問題がないと思えば交換不要と伝えれば費用を抑えることが可能です。
また、最初に見積もりを出さなかったり、その内容があいまいだったりした場合は、車検や整備についての実際の費用がわからないままなので、そのお店は避けた方がいいでしょう。
車両の状態によっては乗り換えを検討しよう
年式の古い車の場合、車検のときに交換しなければならない部品が増えます。また、初度登録から13年超えや18年超えで自動車税や自動車重量税が高くなるため、トラブルがなかったとしても車検の費用の金額は増えることになります。
車検の時期が近づいて来たら、車両の状態や税金も含めた車検の費用を考えて、車の乗り換えを検討してもいいでしょう。そのまま乗り続けるよりも車検を含めたトータルの維持費は抑えられるかもしれません。
法定費用の負担が少ない車に乗ろう
車の乗り換えをすでに検討している場合は、車検の費用を抑えられる車を検討するのもひとつの方法です。ハイブリッド車をはじめとしたエコカーは燃費も良く、新しいため車検の費用も抑えられます。
また、軽自動車は税金や燃費なども含めてもともとの維持費が安く、車検の際に部品の交換が必要になっても価格が比較的安いため、車検の費用も抑えられるでしょう。
車検費用に関するQ&A
車検はどうしてもディーラーなどに任せることが多いため、わからないことが少なくありません。費用自体もそうですが、なぜその費用になるのか、疑問に思うことがあるでしょう。ここでは車検の費用についてQ&A形式で解説します。
Q. ディーラーの車検はなぜ高いのですか?
A. ディーラーの車検が高い理由のひとつは使用するパーツの違いです。車検整備の際に、パーツに劣化が見られるときは新品に交換します。
カー用品店や整備工場では互換性のあるパーツを使用する場合がありますが、ディーラーで使用するのは純正品のみです。加えて、ディーラーの車検は他の車検業者よりも点検項目が多いため、費用が高くなる傾向があります。
Q. ディーラー車検の平均費用はいくらですか?
A. 車検を受ける車両の状態によって異なりますが、基本料の相場は3万5,000円~10万円です。パーツを交換した場合には、9万円~15万円などのように車検にかかる費用は変化します。ディーラーでは作業範囲やパーツの品質にこだわっており、作業員の工賃代やパーツ代が基本料金に上乗せされる傾向です。
Q. 車検はなぜあんなに高いのですか?
A. 車検が高い理由には、さまざまな費用を同時に支払うため、すべての費用が合わさった結果高額に見えてしまうということが挙げられます。 車検には「自賠責保険料」「重量税」など、どこに依頼しても変わらない法定費用と、依頼する販売店によって変わる「代行料」「整備料」などがあります。
まとめ
車検は車を所有している間は定期的に受けなければならず、その費用もまとまった金額が必要になります。車検の費用の中には車ごとに決まっているものもありますが、車検を依頼する業者や整備の内容によって変わるものがあるため、しっかりと調べておくことで費用を抑えることができます。
また、経年劣化により交換や修理が必要になる部分が増えてくるため、購入からある程度の年数が経過した場合は、車検の費用と比較して車の乗り換えも検討してみましょう。その際、法定費用の安い車種を選ぶことで今後の車検の費用を抑えることにもつながるでしょう。
■ライタープロフィール
岩本佳美
漠然と「車関係の仕事がしたい」という想いのもと、飲食業界から自動車メディア業界に飛び込むという破天荒な人生を歩んでいる。愛車がスバルのWRXということもあり、主にスバル系の記事をWebや紙媒体に寄稿。モータースポーツが大好きで、レース観戦はもちろん、サーキット走行や24時間耐久のカートレースにも出場するなど、自らも走ることでその楽しさや面白さなどを経験しながら情報発信している。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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