車のサブスクはお得?利用するメリットや利用時に選ぶポイントを解説
サブスクとは、月額料金を支払うことでさまざまな商品を利用できるサービスです。車もサブスクを利用すると購入することなく乗れますが、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
この記事では、サブスクを利用して車に乗るメリットとデメリット、サブスクのサービスを選ぶポイントを紹介します。最後まで読むことで、自分がサブスクに向いているのか判断できるでしょう。
※目次※
・車のサブスクはカーシェアリングなどのサービスとは異なり、自家用車と同じナンバーが付く。
・月額料金を抑えたいのであれば、残価設定の多いオープンエンド方式のサービスを選ぼう。
・サブスクは制限も多いため、制約に縛られたくない方は購入がおすすめ。
車を定額月額料金で利用できる「サブスク」
サブスクは他のサービスと異なり、契約期間終了時の価値がいくらなのか予測する「残価設定」を行うのが特徴です。
残価設定方法は、オープンエンド方式とクローズエンド方式の2種類があります。ここでは、車のサブスクとは何か、残価設定の方法など基本概要をチェックしましょう。
サブスクリプションとは?
サブスクは、サブスクリプションの略称です。定額の利用料を支払うことで、インターネット上の音楽や動画の他、家電・家具・衣類など、生活に欠かせない商品やサービスを利用できます。
サブスクは、個々に商品を購入するよりもお得なのがメリットです。家電は不要になれば処分代がかかりますが、サブスクであれば返却するだけで済みます。毎日さまざまな音楽を楽しみたいという方も、ダウンロードするよりもサブスクのほうがお得です。
他の商品やサービスに比べると市場規模は小さいものの、車のサブスクも新規事業者が増加傾向にあります。
似ているサービスとの違い
お金を支払って車を借りることから、カーリースやレンタカー、カーシェアリングとの違いが分からないという方もいるのではなでしょうか。
一般的に「リース」とは、中長期的に機械設備などの商品を貸すサービスを指します。カーリースはサービスの名称が異なるだけで、サブスクと内容は変わりません。
レンタカーは、数時間もしくは数日間レンタカー会社から車を借りるサービスです。あらかじめ予約する、車は「わ」「れ」ナンバーであるなどの特徴があります。
カーシェアリングは、ステーションにある車を共用できるサービスです。10分単位で利用できる、燃料の満タン返しがいらない、24時間利用できるなどの魅力があります。
残価設定の方法は2種類ある
オープンエンド方式は、契約時に残価を開示してもらえる方法です。残価設定は契約者も参加でき、残価を高く設定して月額料金を安く抑えることもできます。車の状態によっては、契約期間終了時に差額を支払わなくてはなりません。
一方のクローズエンド方式は、残価が開示されない方式です。契約期間終了時の査定がなく、差額があってもサービス提供側が支払います。その分、オープンエンド方式よりも月額料金が高くなる傾向です。
車のサブスクを利用する6つのメリット
車の購入とサブスクでは、どのようなメリットの違いがあるのでしょうか。ここでは、サブスクを利用するメリットを6つ紹介します。サブスクのサービスにより、メリットの具体的な内容が異なる場合もあるため、契約前にチェックしましょう。
初期費用も月額料金に含められる
車のサブスクを利用する大きなメリットは、新車に乗れる点です。新車を購入する場合は、各種税金、手数料などの初期費用を支払う必要があり、大きな負担になります。中には、欲しいグレードやオプションを諦める方もいるでしょう。
サブスクは必要な費用が月額料金に全て含まれることから、初期費用を支払う必要がありません。初めて車を購入する方でも、負担を感じることなく新車購入が可能です。
同じ車でも自分の予算に合わせたプランが選べる
車のサブスクは総額を契約期間で割り、その金額を月額料金として設定します。そのため、予算に合わせて月額料金を設定しやすいのがメリットです。同じ車種でも契約期間が長いほど、月額料金を低く抑えられます。
ボーナス払いの有無を選択できるサービスを利用すれば、無理のないカーライフを送れるでしょう。
維持費も定額だから管理しやすい
車を購入する場合、車両価格に加えて保険料、各種税金、車検費用などがかかります。まとまった費用が必要な月もあり、家計に大きな負担を与えることもあるでしょう。
サブスクは月額料金に各種メンテナンス費用、保険料など維持費が含まれています。車に関する月々の出費を一定にできるため、家計管理も簡単です。
サポート体制がしっかりしている
車を購入すれば、万が一のトラブル発生時に自分で対処しなければなりません。車のサブスクは、トラブル発生時などに相談できる窓口があります。窓口は無料で利用できるため、小さな悩みも気軽に相談が可能です。
サービスによっては、メンテナンス・車検時期をチェック可能なアプリケーションも提供しています。車に詳しくない方でも、手厚いサポートで安心して利用できるのがサブスクの魅力です。
利用期間を選べる
車を必要とする期間は、人それぞれ異なります。車のサブスクは、単身赴任中だけ利用したい、子どもの送迎が必要な期間だけ利用したいなど、個々のライフスタイルに合わせた契約が可能です。
想定よりも長く使うことになっても、大きなコストをかけることなく次の車への乗り換え、再契約などができます。
手続きの手間が少ない
車を購入する際には、店頭での契約書類作成、車の受け取りなど手間と時間が必要です。新しい車に乗り換える場合にも、買取や廃車などに手間がかかります。
サブスクはオンラインで契約できるサービスも展開されているため、忙しい方でも契約が簡単です。契約終了後も乗り続けるのであれば、契約期間満了後に車をもらえるプランを選びましょう。
車のサブスクを利用するときに確認したいデメリット
多くのメリットがある車のサブスクですが、デメリットもあります。デメリットを知らないまま契約してしまうと、自分の思い描くカーライフが送れなくなるかもしれません。ここでは、車のサブスクを利用する際のデメリットを3つ紹介します。
契約後の中途解約は難しい
車のサブスクには利用期間が定められています。一度契約すると、中途解約やプラン変更が原則できません。やむを得ない事情があり、中途解約やプラン変更が認められた場合でも、契約内容に則った違約金が請求されることが考えられます。
このような事態を避けるには、自分に合った契約年数が選べるサービスを選ぶ、契約内容をしっかりと理解することが大切です。
走行距離やカスタマイズが制限される場合がある
サブスクは、残価を担保する目的で走行距離に制限が設けられています。制限をオーバーした場合、追加料金を支払わなければなりません。制限はサービスごとに異なるため、あらかじめ年間走行距離を試算し、使用状況に見合ったサービスを選びましょう。
また、返却時に原状回復する義務もあります。そのため、原状回復が困難なカスタマイズはできません。ノーマルでは物足りなさを感じる場合は、メーカーオプションを装着できるようなサービスを探しましょう。
残価の差額請求が行われる場合がある
サブスクの利用開始時に行う残価設定は、契約終了時の市場価値を予測して行います。そのため、契約終了時に車の価値が予測よりも下がっていた場合、差額を支払わなければなりません。
差額がどれほどかかるのかは、車や利用状況によって異なります。契約終了時まで安心して利用したいのであれば、残価設定のないクローズエンド方式のサービスを選びましょう。
車のサブスクを選ぶときのポイント
車のサブスクを提供するサービスは、多々あります。契約時には、複数のサービスを比較し、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
月額料金に含まれる費用は、サービスにより異なるなど、サービスを選ぶ際には注意しなければならない点もあります。ここで紹介する3つのポイントを参考にして、最適なサブスクを見つけましょう。
契約内容や利用料金が分かりやすい店舗を選ぶ
サブスクは、サービスごとに制約や利用料金が異なります。契約内容が分かりづらいサービスを選ぶと後悔する恐れもあるため、料金の内訳などを明記するサービスを選びましょう。
例えば、月額料金が安いサービスでも定期的なメンテナンス費用、保険料、税金などが含まれていない場合もあります。月額料金の他に、必要となる費用を計算することで最適なサービスを見つけられるでしょう。
契約終了時のことを考慮したプランを選ぶ
初期費用が不要、月々の支払いを安くできるなど目先のメリットばかりに注目せず、契約終了時のことも考慮しましょう。
月額料金を安く抑えられるオープンエンド方式を選んだ場合、契約終了時に車の価値が落ちていると差額を支払うリスクがあります。そのリスクを負いたくない方は、クローズエンド方式のサービスを選ぶのがおすすめです。
また、サービスによって契約終了時の選択肢も異なります。選択肢は、返却、リース期間延長、買取、乗り換えなどさまざまです。
好みの車を扱っている店舗を選ぶ
サブスクは好みの車に新車で乗れるのがメリットですが、必ずしも条件に合った車種があるとは限りません。その理由は、サービスによって取り扱う車種が異なるためです。
例えば、国産主要メーカー全車種を取り扱うサービス、レクサスなど高級車も取り扱うサービス、特定メーカーのみを取り扱うサービスなどがあります。好みの車種があっても、グレードが条件に合わない場合もあることから注意が必要です。
車のサブスクと購入ならどっちが向いている?
メリットが多い車のサブスクですが、誰もが向いているサービスとは言えません。サブスクに大きなデメリットを感じる方は、新車や中古車の購入を検討しましょう。ここでは、どのような人がサブスクに向いているのかを紹介します。
サブスクの利用が向いている人
サブスクが向いているのは、初期費用や維持費を抑えたい方です。初期費用の額は、利用するサービスごとに異なりますが、新車購入のような多額の頭金は必要ありません。
各種税金、定期メンテナンス費用、自賠責保険料もサブスクであれば利用料に含められます。毎月の支払い額を一定にできるため、急な出費に備える必要もありません。家計管理をする上でも役立つでしょう。
購入が向いている人
購入が向いているのは、走行距離を気にせずに乗りたい方、自分で改造やカスタマイズして楽しみたい方です。
車を購入すれば自分の所有物になり、走行距離の制限もありません。走行距離が制限されるサブスクでは、走行距離を気にしながら走る必要もあります。買い物など日常生活で使う分には大きな影響はありませんが、長距離ドライブが趣味の方は購入したほうが良いでしょう。
車の購入手段として、中古車もおすすめです。法的な範囲内でのカスタマイズ制限もなく、走行距離が少ない中古車を選べば、長く乗れます。
まとめ
車のサブスクは、定額の利用料を毎月支払うことでサービス会社が購入した新車に乗れるサービスです。頭金などの初期費用をはじめ、車検費用・税金・保険料などの維持費が利用料に含まれています。
注意点は、カスタマイズの自由度が低いこと、好みの車があるとは限らないことです。走行距離の制限もあるため「費用を抑えつつ、距離も気にせずに乗りたい」という方は、中古車も検討しましょう。
▼ライタープロフィール
畠山達也
自動車Webライター
自動車免許のほか、一級自動車整備士、フォークリフト運転免許などを保有するライター。自動車メーカーや部品業界に携わった際の知識や経験を活かし、Webメディアを通して「車の楽しさ」を発信している。