自動車の定期点検は義務?車検との違いや点検の流れを解説!
車は消耗品です。何のチェックもしないまま乗っていたらいずれは壊れてしまいます。車の所有者は定期点検を受ける義務があるのをご存じでしょうか。定期点検について理解を深め、車を良い状態に保てば、より安全に車を使用できるでしょう。
そこでこの記事では、自動車の定期点検の詳細を解説します。併せて、車検との違いや点検の流れも確認しましょう。
※目次※
・定期点検は義務だが罰則はない!しかし、車の状態を維持して安心して乗るには定期的な点検は欠かせない
・定期点検には車種や用途によって「3か月点検」「6か月点検」「12か月点検」「24か月点検」がある!プラス日常的な点検も重要!
・自動車は古くなると維持費が高額に!高い維持費を支払う前に新しい車に買い替えるならネクステージがおすすめ!
自動車の定期点検は義務?
数々の精密部品を構成して1台の自動車が出来上がります。丁寧に扱っていても、同じ状態を長く保つのは難しいでしょう。また、消耗品として交換時期の目安が決められているパーツもあることから、安全に走行できる状態を保つための定期点検が必要です。ここでは定期点検について紹介します。
車の状態を確認するという意味合いでは定期点検と車検は同じですが、違う目的をもった検査です。定期点検は「車の状態を点検し、安全に走れる状態か判断する」という内容を軸に実施します。車検の目的は、「車ごとの保安基準に適しているか」です。そのため、チェック項目が大きく異なります。
どちらか一方だけをクリアしても、安全に走行できる車か判断するには不十分です。点検は車を安全かつ長く乗るためには欠かせないものですので、定期的に車の状態をチェックしましょう。
12か月点検までは罰則がない
乗用車の12か月点検、24か月点検などの定期点検は法定点検とも呼ばれます。道路運送車両第48条で自動車の定期的な点検と整備が義務付けられているためです。多くの普通自動車にとって最初の点検である12か月点検の実施には特に強制力がなく、罰則も発生しません。
罰則がないという意味では24か月点検も同じですが、車検と同時に実施するのが一般的です。多くの方が必然的に点検を受けます。タクシーなどの事業用車は、点検をしないと罰則があるため注意が必要です。3か月点検、6か月点検など、短いサイクルで点検を受けなければいけません。
法定点検の重要性
法定点検を受けるメリットは3つあります。ひとつ目は点検で見つかった故障に対して保証が適用される点です。ドライバーに過失がある故障ではない場合には交換保証などを受けられます。
2つ目は整備不良などが遠因で事故を起こした際に過失の割合を下げられる可能性がある点です。車の整備不良などで事故を起こした際に、車の状態保全をしている証明ができるためドライバーの法的責任が少なくなります。
3つ目は売却の際に高く売れる点です。定期点検の内容を記録しておくことは自動車の信用度を上げるのに役立ちます。点検整備記録簿に記載しておけば、同じ走行距離や年式であってもより高く売却できるでしょう。
定期点検の種類
自動車の定期点検は「3か月点検」「6か月点検」「12か月点検」「24か月点検」の4種類です。所有している車のスペックや用途によって受けるべき点検が異なるため覚えておきましょう。ここでは、それぞれの特徴と点検内容を紹介します。
3か月点検
事業用として使用される自動車は3か月点検を義務付けられています。そのため自家用車として自動車を使っている方にはあまり関係ない点検です。
事業用に車を利用するときは、整備管理者が整備管理規程を作成し、状態維持をする必要があります。3か月点検をしないと30万円以下の罰金を支払うことになるため注意が必要です。
走行距離が長くなる傾向にあるため、自家用車と比べて短いスパンでの点検が必要です。点検項目数は以下の通りです。
|
項目数 |
被牽引自動車 |
20 |
事業用車 |
50 |
6か月点検
6か月点検の対象となるのは自家用として使っている中小型トラックと乗用車のレンタカーです。
レンタカーは不特定多数の方が扱うため、管理が難しいのが現状です。また、トラックは多くの荷物を運ぶために使用されます。そのため、事故が発生した場合は被害も大きくなる可能性が高くなるでしょう。事故を未然に防ぐためにも、自家用車より短いスパンでの点検が義務付けられています。法定6か月点検対象車の点検項目数は22項目です。
12か月点検
12か月点検は全ての車に対して義務化されている点検です。軽自動車や事業用の車、自家用の中小型のトラックを含む全自動車が対象車種となります。対象車種と点検項目数を以下にまとめました。
|
項目数 |
乗用車、軽自動車(自家用) |
26 |
自家用中小型トラック |
82 |
事業用車 |
99 |
アクセル、ブレーキ、クラッチペダルなどの車内点検をはじめ、エンジンルームや外回り、足回りまでさまざまなポイントをチェックして総合的に点検します。点検の実施項目はメンテナンスノートなどで確認可能です。
24か月点検
24か月点検は、自家用で使われる車にのみ義務化されている点検です。自家用の中小型のトラックや事業用として利用する自動車は、12か月点検が義務化されている最長期間であり、この時期12か月点検の内容が繰り返されます。24か月点検の項目数は56項目です。
24か月点検には12か月点検の内容も含むため、点検項目が多くなります。よりも細かいポイントまでチェックするため、自動車の状態をより詳しく点検できるでしょう。
定期点検はどこを調べる?
実施する時期や車のスペック、用途によって自動車定期点検の点検項目が変わります。期間によって消耗具合が変わるだけでなく、スペックや用途によってチェックすべきポイントが変わるためです。ここでは、自動車を自家用車として使う方に重要な12か月点検と24か月点検でチェックする項目を紹介します。
12か月点検の内容
12か月点検で検査する対象はパワステ装置、走行装置、動力装置、ブレーキ、電装系統、エンジン、エグゾースト・パイプとマフラーです。カテゴリーごとに細かく点検項目が定められています。どこに不備があっても、事故に直結する可能性がある重要なポイントだといえるでしょう。
ブレーキペダルの緩みや効き具合といった走行中にドライバーが実感できるような点検から、エンジンの排気やエレメントの状態といった知らないうちに損傷してしまうような見えにくいポイントまで幅広くチェックします。
24か月点検の内容
実施する点検項目は、12か月点検でも実施する項目がベースです。12か月点検で行う7つのカテゴリーに加え、有毒ガス等の発散防止装置とフレームやボディの状態もチェックします。
チェックする箇所が増えるだけではなく、同じ場所でもより深く点検するのが特徴といえるでしょう。例えば、ステアリングの点検がパワーステアリング装置のみのチェックから、ハンドルやギヤ・ボックスなどのチェックもプラスして実施するといった具合です。
自動車は日常的に点検しよう
長い間安心して車に乗るためには、定期的なメンテナンスが重要となります。定期点検や車検を通して状態を保つだけでは不十分です。日常的に自分で点検すれば、より長く良い状態を保てるでしょう。ここでは、12か月点検や日常的な点検を自分で行う方法を紹介します。
12か月点検は自分でもできる
12か月点検は実施しなくても罰則を受けることはありません。ある程度知識がある方なら、自分で点検をしても問題ないでしょう。全てを自分でチェックできなくても、できる範囲からチェックするだけで車の状態維持につながります。
エンジンルームを見れば、オイルやクーラント(冷却水)などのチェックが可能です。タイヤ交換を自分でできるのであれば、タイヤを外して足回りのチェックもできます。
簡単なチェックから始めても車の維持はできます。無知なまま点検をするとけがにつながる可能性もあるため、無理をしすぎないようにしましょう。高電圧を示すオレンジ色のパーツや注意書きがあるパーツを触るときには、特に注意が必要です。
日常で点検するべきポイント
自動車は急激に状態が悪くなる場合もあります。そのため12か月点検だけで安心してはいけません。日常的に自分でチェックすれば、より長く安心して乗れるでしょう。日常点検は手間のかからない簡単な作業をするだけでも状態維持に役立ちます。
運転中にいつもと違う感覚や音がしないかチェックすれば、自動車の異常を早期発見できるでしょう。また、洗車の際にタイヤの状態をチェックすればパンクのリスクを回避できます。併せて、空気圧もチェックすれば、燃費性能やタイヤの寿命にも良い影響を与えるでしょう。ヘッドライトやウィンカーが正常に点くかどうかも自分でチェックできます。
定期点検のQ&A
定期点検は故障リスクを下げ、長い間安心して乗れるよう状態維持に一役買っているといえるでしょう。しかし、点検をあまりしてこなかった方はどのようにしたらよいのかなど、疑問も多いかもしれません。ここでは、定期点検をする際によくあるQ&Aを紹介します。
法定点検はいつまでにやる?
車検と違い定期点検は、いつまでにしなくてはいけないといった明確な期限はありません。罰則もないため、いつ点検しても問題はないと考えてよいでしょう。しかし、3か月・6か月・12か月・24か月と期間が定められているように、一定の期間で実施する必要があります。
各点検はその期間に適したチェック項目になっているため、前後1か月ぐらいを目安に実施するのがおすすめです。
検査期限を過ぎてしまったら?
車検のようにいつまでに実施しなければ、車に乗ってはいけないという明確な期限はありません。12か月点検を実施していなくても、13か月以降もその車に乗れます。点検する義務はありますが、期限を過ぎてしまっても罰則はありません。
メーカーによっては、期限内であれば検査料を割引してくれるキャンペーンをしているようです。期限内に実施すればお得に点検ができるため、おすすめです。きちんと定期点検をすれば売却の際にも役立つでしょう。
法定点検を自分で行ったらシールは貼る?
定期点検をした際には、フロントガラスに丸型のステッカーを貼ります。これは定期点検をした証明となる「点検整備済ステッカー」です。ステッカーの色でいつ点検をしたか分かるようになっており、裏面を見れば簡単に次の点検時期が分かります。
ただし、点検整備済ステッカーは国が認めた整備工場でプロの整備士が点検した証として貼るものです。自分で点検した場合は貼れません。また、期限が過ぎたステッカーを貼って走行していると違反行為になります。期限を過ぎたら速やかに剥がしましょう。
法定点検をしたら記録簿に記入する?
車を購入すると、「点検整備記録簿」と呼ばれる車の状態を記載していく帳簿がもらえます。
点検内容や結果、部品の交換履歴などを記載していく帳簿です。定期点検をした際も内容を記載しましょう。整備士に依頼した場合は、担当した整備士が記入します。
記入があるとないとでは、状態維持や売却の際に買取価格などに違いが出るでしょう。どのような経緯で現状になっているか分からなければ、リスク対応が難しくなります。また、状態履歴が明確でないものは信用度に欠けるため査定額も下がる傾向にあることを覚えておきましょう。
法定点検はどこで受けられる?
定期点検は、ガソリンスタンド、カー用品店、整備工場、ディーラーに依頼できます。ガソリンスタンドは店舗数が多いのが魅力です。カー用品店は車検の割引券をもらえるなど、お得に受けられる場合もあります。
整備工場は車の専門家が集まっており安心して任せられますが、費用や期間などは工場によってまちまちなのでチェックが必要です。ディーラーは、講習をしっかり受けた質の高い整備士がいます。特に、取扱いメーカーの知識は一日の長があるのでおすすめです。
法定点検の費用は?
法定点検は業者や、点検の種類によっても大きく金額が変わります。ここではディーラーの12か月点検相場を見てみましょう。以下の数字はあくまで相場のため、外車の場合はそれ以上に高額になるかもしれません。車種や業者によっても差があるものだと覚えておきましょう。また、点検費用に併せて整備を行った場合、追加料金が上乗せされます。
軽自動車 |
9,000円~1万4,000円 |
1,000cc~1,500cc |
1万円~1万6,000円 |
1,800cc~2,000cc |
1万円~1万7,000円 |
2,000cc~3,000cc |
1万1,000円~2万2,000円 |
3,000ccを超える自動車 |
1万2,000円~2万6,000円 |
法定点検で費用が高額になるなら買い替えも検討しよう
定期点検をするだけでも、ある程度の費用が発生します。ここにさらに部品の交換などが必要な場合は、追加で部品代や工賃の支払いが発生するでしょう。新車のうちはあまり部品交換の必要はありませんが、車が古くなってくると故障が増えます。そのため、部品交換も頻繁になることが一般的です。さらに古い車は税金も高くなります。
維持費が高くなるなら、点検のタイミングを見計らって買い替えの検討をしてみるのもおすすめです。買い替えれば新しい車に乗れるだけでなく、保証が新たに受けられたり、燃費が向上して維持費が安くなったりするなどのメリットがあります。
まとめ
定期点検は義務ではありますが、罰則はありません。しかし、自動車の状態を維持し安心して乗るためには欠かせない作業です。定められた期間内に点検しましょう。また、定期的な点検だけでなく、日常的な点検も行えば故障の早期発見にもつながります。
自動車は古くなると部品の交換頻度が高くなると考えてよいでしょう。セットで税金も高くなるため、トータルの維持費がかかります。維持費に悩んでいる方は、買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
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