親子間で車の名義変更をするには?やり方や注意点を解説
親が高齢のため子どもに車を譲渡するなど、親子間で車の名義変更を考えている方もいるでしょう。親子間ならばそのまま乗り続ければ良いのでは、と考えるかもしれませんが、各種の名義変更が必要となります。
親子で車を譲渡するときに必要となるのは、基本的に「車検証」「自賠責保険」「任意保険」の3つの名義変更です。
車の名義変更は複雑に思えるかもしれませんが、必要書類と手順、注意点を押さえれば手続きはスムーズに運びます。そのほか、任意保険の等級や車庫証明についても解説します。
※目次※
・名義変更は基本的に車検証だけでなく自賠責や任意保険の3つが必要
・名義変更の手続きには数週間から1カ月以上かかるため必要な書類を準備しておこう
・名義変更の際に住所変更もあれば追加の手続きが必要になり車庫証明も変更する
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親子間で車を譲渡するときに行う名義変更は3つ
親の高齢化によって運転しなくなる場合や、子どもの引っ越しがきっかけで、子どもへ車を譲渡した場合などは、車の名義変更が必要です。親子間で車の名義を変更したい場合の必要な手続きは「車検証」「自賠責保険」「任意保険」の3つがあり以下で説明していきます。
車の名義変更
車を譲渡する場合は、車検証の名義変更を必ずしなければなりません。これは親子間の名義人変更だけでなく、個人売買でも車検証の名義変更は必要です。
車検証や住所を証明する書類も必要になるため、名義変更の手続き内容についてあらかじめ
6確認しておきましょう。同じ名義変更でも個人と法人では求められる書類が異なります。
自賠責保険の名義変更
親子間で車を譲渡する場合では自賠責保険の名義変更が必要です。自賠責保険は交通事故による被害者の救済を目的として作られた保険であり、必ず加入する義務があります。加入せずに運転した場合は罰金や免許停止処分になります。
自賠責保険の対象は人身事故による対人損害賠償のみで、物損事故は補償対象外です。自賠責保険の名義変更は、契約している損害保険会社で手続きします。連絡先は自賠責保険書に記載されています。
任意保険の名義変更
自賠責保険は対人損害の賠償のみを目的としていますが、交通事故の規模によっては、自賠責保険だけでは賄いきれないケースも出てきます。
任意保険に加入していれば、自賠責保険で賄いきれない対物事故(物損事故)や自損事故、車両保険などの損害もカバー可能です。
任意保険の名義変更は、同居の家族間であれば等級の引き継ぎが可能なため、新規加入するよりも保険料の割引率が高いことがあります。
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親子間の車の譲渡で行う名義変更のやり方【車検証】
車の所有者が変わる場合は、車検証の名義を変更する必要があります。親子間でも名義変更することで、譲渡された側は自由にその車を乗ることはもちろんのこと、売却や譲渡も可能です。
車検証の名義はどこで変更するのか、どのような必要書類があるのか、下記で確認してください。
車検証の名義変更をするポイント
車検証の名義変更は、家族間で車を譲渡する場合だけでなく、中古車販売店で中古車を購入した場合や、車の個人間売買をした場合でも必要です。
普通自動車であれば運輸支局、軽自動車は軽自動車協会で手続きします。車検証の名義変更という名前が一般的に使われていますが、運輸支局では名義変更のことを移転登録と呼んでいます。
車検証の手続きに使用するもの
車検証の名義変更には複数の書類が必要です。書類に不備があると手続きが進まないため、以下の書類がすべて準備できているか確認しましょう。
必要書類は普通自動車と軽自動車でそれぞれ異なります。また、旧所有者、新所有者が用意するものを表にしました。使用の本拠地に変更がある場合はナンバープレートも必要です。
普通自動車
譲渡証明書→旧所有者 |
印鑑証明書→旧所有者と新所有者 |
車検証→旧所有者 |
申請書→新所有者 |
手数料納付書→新所有者 |
自動車税申告書(環境性能割・種別割)→新所有者 |
車庫証明書(別居の場合)→新所有者 |
軽自動車
新所有者の住所を証する書面の写し→新所有者 |
車検証→旧所有者 |
自動車検査証記入申請書→新所有者 |
軽自動車税申告書(環境性能割・種別割)→新所有者 |
ナンバープレート(旧所有者と新所有者の管轄地域が異なる場合) |
(参考:『自動車検査・登録ガイド(移転登録)|国土交通省』)
(参考:『名義変更|軽自動車検査協会』)
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親子間の車の譲渡で行う名義変更のやり方【自賠責保険】
車を親子間で譲渡する場合でも、自賠責保険の名義変更は必要です。名義変更を行わずに乗り続けていると、事故が起きたときに補償が受けられない可能性もあります。
名義変更の手続き方法を把握できていないと、手続きに数週間かかってしまうケースも考えられるため、手続きの手順を確認しておきましょう。
自賠責保険の名義変更をするポイント
車検証の名義を変更したら、自賠責保険証明書の名義も必ず変更しておきましょう。保険会社の営業店で手続きが可能ですが、あらかじめ営業店に名義変更のやり方や、必要になる書類を確認しておくとスムーズです。
保険会社に連絡をし、郵送で手続きする方法が一般的です。郵送での手続きには約3週間を要することも覚えておきましょう。急ぎの場合は直接保険会社の営業店に来店することで手続きにかかる期間を短縮できます。
自賠責保険の手続きに使用するもの
自賠責保険の手続きに使用するものは、基本的には下記表の3点です。印鑑は譲渡人、譲受人の双方が用意します。
自動車売買契約関連書類は、譲渡人が手続きする場合に限り代用が可能です。運転免許証や健康保険証といった譲渡人の本人確認書類があれば、自動車売買契約関連書類は必要ありません。
印鑑でも同じく代用できますが、その場合は自賠責保険承認請求書には譲渡人の印鑑証明書の印が求められます。別途書類が必要になる場合もあるため、営業店に事前に確認しましょう。
自賠責保険証明書 |
印鑑(譲渡人と譲受人の両方が必要) |
自動車売買契約関連書類 |
(参考:『各種Q&A|自賠責保険ポータルサイト』)
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親子間の車の譲渡で行う名義変更のやり方【任意保険】
親子間で車の譲渡をする場合、任意保険の名義も変更しましょう。任意保険の等級は親子間で引き継ぎできますが、条件があるため注意が必要です。
等級を引き継ぐ手続きや車両を入れ替える手続きなど、ご自分に必要だと思われる手続きを事前に把握しておきましょう。任意保険の名義変更手続きに必要な書類も紹介します。
任意保険の名義変更をするポイント
任意保険の名義変更で最も気にしておきたい点は、ノンフリート等級制度の引き継ぎです。ノンフリート等級制度は6等級から始まり、無事故であれば1年に1等級ずつ上がっていきます。
等級が高いほど割引率も高くなることから、等級の引き継ぎは重要です。親子が同居していればき継ぎできますが、別居している場合は引き継げません。引き継ぎの手続き、もしくは新たな任意保険の加入や車両入れえの手続きをしましょう。
任意保険の手続きに使用するもの
任意保険の名義変更手続きに必要な書類は、等級引き継ぎと車両入れ替えの場合でそれぞれ異なります。車両入れ替えは契約している車両を変更する手続きです。等級引き継ぎの場合は、下記の書類が求められます。
車検証 |
運転免許証 |
保険証券 |
保険会社に等級の引き継ぎを説明し、保険契約者や記名被保険者、また車両保有者を誰に変更するか伝えましょう。
車両入れ替えの場合に必要になる書類は下記のとおりです。古い車の積算距離計の数値は車を売却する前にメモしておきましょう。
新しい車の積算距離計の数値 |
古い車の積算距離計の数値 |
新しい車の車検証情報 |
新しい車の購入金額情報 |
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親子での車の名義変更には車庫証明が必要?
親子間での車の名義変更を考えている方は、車庫証明についても対処する必要があります。車庫証明の正式名称は自動車保管場所証明書で、車の保管場所がどこかを証明するものです。
車の保管場所が変わらず、名義だけ変更したいケースも考えられます。車庫証明が名義変更においてどのように扱われているか確認しておきましょう。
車庫証明が省略できることもある
車の名義変更の際、車庫証明が必要になるか否かは新旧名義人の住所によって変わります。車検証に記載されている保管場所の住所と、新しく名義人となる方の印鑑証明書に記載されている住所を確認しましょう。
両方の住所が一致している場合、車庫証明は省略できます。注意しておきたい点として、旧名義人の住所ではなく、車の保管場所を確認することを心掛けましょう。等級の引継ぎと併せて、同じ住居に住んでいるケースでは便利です。
住所が違う場合に必要になる
車庫証明が必要なケースは、住所が違う場合です。車検証の住所と印鑑証明の住所が異なる場合が当てはまるため、事前に確認しておきましょう。
特に注意しておきたいのは引っ越しです。引っ越し後、新たな住居に移ってから車検証を書き換えていない場合、車検証の住所と印鑑証明の住所は異なります。車庫証明書の入手には必要書類の提出と証紙代として2,500円~3,000円程度が必要です。
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親子間で車の名義変更をする際に注意することは?
名義変更には「車検証」「自賠責保険」「任意保険」の3種類があり、親子間の譲渡といえども車本体の名義だけでなく保険に関する名義も変更する必要があります。それぞれの手続きに必要な書類は異なるため、間違えなく準備を進めましょう。
名義変更の手続きを進めていると、所有者である親の死亡や車の車検切れなど予想していなかった状況に陥るケースも考えられますので、ここで解説します。
所有者が死亡したら相続手続きが必要になる
車の所有者が死亡した場合、その車は相続人全員の共有財産になります。この状態では相続人の名義ではないため、車の売却はできません。故人を名義人にしたままだと、事故を起こしたときの自賠責保険の負担額にも不安が生じます。
車の所有者が死亡した場合は、すぐに相続人の名義に変更しておきましょう。車を使っている状況によっては、亡くなった故人が所有者ではないかもしれません。車検証をチェックし、その車の所有者が誰であるか確認しましょう。
車検切れの車はまず車検を受ける必要がある
車検が切れている場合、名義変更手続きの前に車検が必須です。車検を受けてからでないと、名義変更の手続きができない点に注意しましょう。
同時に車検が切れている車は公道を走れないため、そのままでは車検を受けに行けません。まずは仮ナンバーを取得し、キャリアカーを利用してから車検を受けましょう。
無事に車検が終わった後は、必要書類を用意し運輸支局で名義変更の手続きをします。最後に自動車税や環境性能割の申告を税務署でしましょう。
名義変更手続きは平日に限られている
車の名義変更の手続きは、普通自動車でしたら運輸支局で、軽自動車なら軽自動車検査協会で行います。
ただし、両方とも受付は平日の昼間のみで9時~16時までの営業です。平日昼間の仕事をしている場合はスケジュールの調整が必要でしょう。
平日にどうしても休めない場合は、委任状を作成します。行政書士や弁護士に依頼する場合は、先方が必要な書類を用意してくれます。
親子間の車の名義変更でも税金がかかる
親子間で車の名義変更があった場合にかかる税金は、車を取得した際に発生する環境性能割と、車を贈与したことによる贈与税です。
環境性能割は、普通自動車、軽自動車も同じで、無償で譲り受けたとしても通常の取得価額が課税標準額として課税されます。環境性能割は燃費性能に応じて税率が異なり、電気自動車やプラグインハイブリッド車は非課税です。また、取得価額が50万以下の場合も課税されません。
贈与税は、日常生活で必要な車の場合や贈与を受けた年の合計金額が110万円以下であれば発生しません。
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親子間以外でも!車の名義変更が必要なケース
親から子へ車を譲渡した場合の必要書類や手続き方法について解説しましたが、夫婦や兄弟間、結婚による名字が変わった場合などのケースについて説明します。
結論は、車の所有者や名前が変わった場合、名義変更は必要だということです。
夫婦間や兄弟間の名義変更
車の名義変更は、所有権の移転を示す重要な手続きなのですが、夫婦や兄弟間での車の共有が多い場合は、名義変更しないケースも多く見られます。しかし、所有者と使用者が別居し家計も分けている場合では名義変更は必須です。
というのも、自動車税の納税義務は所有者にあるため、名義変更を怠ると所有者に納税通知書が送られるからです。また、所有者が別居している場合は名義だけでなく住所の変更も必要です。これらの手続きをしないままでいると、予期せぬトラブルにつながる可能性があるため、名義変更はしておいたほうがいいでしょう。
結婚による名字の名義変更
結婚により名字が変わった場合も名義変更は必要です。法律では名前が変わってから15日以内に変更手続きをするとされていますが、実際のところ旧姓のままでも車検も通すことも可能で納税も問題ありません。
ただし、交通事故にあった場合に保険金の請求ができない場合があったり、下取りや廃車するときには複雑な書類手続きがあったりするので、名義変更はしておきましょう。
相続による名義変更
まずは車検証を見て誰が所有者かどうかを確認します。車をローンで購入して所有者がディーラーやローン会社であれば相続はそもそも発生しません。
親が亡くなり所有していた車を相続する場合であれば、相続人全員の共有財産となり車を相続する相続人を決定します。車を相続すると条件により相続税が発生します。
車を相続したら15日以内に名義変更する必要があります。名義変更をしないまま運転して、事故を起こした場合は任意保険が使えず、自賠責保険のみの補償になる場合があるため、車を相続したら速やかに名義変更しましょう。
車の売買による名義変更
親子間で車を譲渡ではなく売買した場合の名義変更手続きは、上記で説明した譲渡と同じです。
親子間だとしても車の売買に伴う手続きや必要書類は譲渡と変わりません。手順を理解していればスムーズに名義変更ができるでしょう。
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まとめ
車の名義変更手続きには車検証、自賠責保険、任意保険の3種類があります。それぞれに重要な書類があり、期間を要するものもあるため、手続きは早めに慎重に行いたいものです。
車の名義変更手続きは、運輸支局や軽自動車協会に直接行く方法のみです。窓口は平日昼間の受付になるため、ご自身で行けない場合は家族や友人、代行してくれる行政書士や弁護士に依頼しましょう。
名義変更手続きをトラブルなくスムーズに行うためにも、必要書類や手順を覚えておくといいでしょう。
▼ライタープロフィール
鈴木博之
エディター/ライター
出版社でさまざまなジャンルの雑誌編集を経験したのちフリーランスとして活動。現在は自動車だけでなく、EVバイク、電動アシスト自転車など、面白い乗り物を見つけては取材しているフリーランス編集ライター。
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