リース中の車を売ることは可能？買い取りできる条件や費用の目安
リース車は、毎月の定額料金を支払うだけで車を利用できるサービスです。ですが、リース車は契約時に様々な規定が設けられます。そして、ケース次第ではご利用中のリース車を売ることもできるかもしれません。
では、どのようなケースならリース車を売ることができるのでしょうか。まずはリース車とはどのようなサービスなのかについて、リース車の基本から理解を深めていきましょう。
そして、リース契約中の車でも売ることはできるのか、リース車を売るまでにかかる費用はどの程度かかるのかなど、様々な疑問について解説していきます。ぜひ参考にしてください。
※目次※
・リース車とはどのようなサービスなのか。まずは残価について確認しよう
・リース車は売れるのか。リース車の特徴をメリットやデメリット合わせて解説
・リース中の車でしてはならないことを徹底解説
リース中の車を売ることは可能なの？
リース車は定額で車を利用できるため、利便性の高いシステムといえるでしょう。しかし、このリース車において注意すべき点が1点あります。それがリース中の車売却です。
まずは、リース車とはどういったサービスなのか、リース車の特徴とは何かに加え、リース中の車を売るとどうなるのかという点についても合わせて確認していきます。
リース車について
リース車とは、指定した契約期間のみ車を利用できる（借りる）サービスです。契約期間中は毎月定額の支払いがありますが、お財布への負担がかかりがちな頭金を用意することなく契約できます。一方で、リース中はあくまで借りている状態となるため、売ることはできません。
レンタカーとサービスが似ていますが、所有者や使用者に違いがある点が特徴です。レンタカーはどちらもレンタル会社名義で契約されます。
しかし、リース時の所有者はリース会社です。使用者は本人となるため、契約上の扱いも異なります。任意保険についてはご自身で対応する必要がある点もレンタカーとの違いの1つです。
このリース車の定額費用には車の本体代以外にも様々な費用が含まれています。その1つが税金です。定額費用には自動車税環境性能割や自動車重量税、自動車税なども含まれています。
自動車税環境性能割は新車購入時や中古車譲渡時など、自動車を取得したときに所有者で支払う税金です。自動車重量税は車検時に、自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課税される税金となります。
さらに、会社によっては自賠責保険料や車検費用が含まれているケースもあり、購入に比べて車の維持にかかる負担を分散できる場合もあります。契約内容は会社や契約内容によって異なるため、あらかじめ契約内容を確認しておきましょう。
リース車のメリットとデメリット
リース車のメリットは2種あります。1つ目は費用面です。頭金をかけずに済むので初期費用で悩むこともありません。また、リース車は契約時に残価を設定します。残価とは、将来的な車の価値のことです。リース会社は契約満了後に車を買い取るという前提で契約を交わします。
この買取り価格が残価（+諸費用）であり、残価を差し引いた価格がリース料です。前提として総費用が低額である点がリース車の魅力といえるでしょう。支払い額が定額である点も特徴の1つです。諸費用は車検代や自動車税環境性能割、メンテナンス費用など、会社ごとに定められています。
2つ目のメリットは新車が乗れる点です。新車を利用できる満足感はレンタカーでは味わえません。
一方でリース車にはデメリットも存在します。途中解約や期間変更は基本的にはできません。カスタマイズもできないケースが多く、走行距離にも規定があり、様々な制限が課せられている点も特徴です。
リース中に売るとどうなる？
リース中は車を売却できません。これは、リースした車に対する所有権の名義がリース会社に指定されているからです。そのため、売却の権限自体がありません。もし誤ってリース中の車を売ってしまった場合、横領罪が成立します。
横領罪とは、他者の財物所有権を侵害する罪です。単純横領罪なら懲役5年以下の懲役に処される可能性があります。業務上横領罪の場合は懲役10年以下の懲役に処すると規定されているため、上記2種に該当する可能性があることを理解しておきましょう。
この所有権はリース車を売るために必須の権限です。プラン次第ではありますが、この所有権を得られるケースもあります。この所有権が現時点でどうなっているのか、ご自身で確認する方法についてチェックしていきましょう。
所有者を確認
所有権は車検証で確認できます。車検証は運転時に携帯しておかなければいけない必須書類です。
車を売却した際は『道路運送車両法』に基づき所有者の変更手続きを行います。この手続きの期限は15日以内です。仮にこの手続きを期限内に行わずにいた場合、50万円以下の罰金が課せられます。
所有者登録に問題がなくても、車検切れの状態で運転すれば6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金です。処罰が課せられないよう、所有権の手続きはきちんと行っておきましょう。
この車検証には使用者や所有者の名義が記載されています。使用者とは管理責任者のことです。所有者には資産売却の権限があります。リース中であれば、使用者は本人・所有者はリース会社という形で記載されているはずです。法律に違反しないよう、車を売る前に所有者をしっかり確認しておきましょう。
リースの車を売る時は買い取りしよう
リース車はケース次第ではありますが売ることもできます。果たしてどのようなケースであればリース車を売ることができるのでしょうか。
ここでは、リース車を売ることができるケースについて解説していきます。プランによって売却可否が決まってくるため、プランの性質についても確認していきましょう。
売ることが可能なケース
売却するためには、まずリース車を自分の物にする必要があります。ここで関わってくるのが所有権です。リース車を売却したい場合、所有権をご自身の名義にする必要があります。
ここで重要な点として挙げられるのがリース期間です。名義変更をするためにはリース契約期間を満了する必要があります。これは、リース契約期間の変更や解約ができないからです。
リース契約期間満了に加えて重要な点がもう1つあります。それがプラン内容です。プラン内容によっては所有権の名義変更が可能なプランもあります。次の項目ではこのプランについて確認していきましょう。
買取プランを確認
リース車の契約プランは『オープンエンド契約』と『クローズドエンド契約』の2種類が存在します。リース車を売りたい場合に利用するプランは『オープンエンド契約』です。
『オープンエンド契約』では車の残価が契約者にも明示されます。提示された残価に同意することで残価設定が完了となる仕組みです。このプランの特徴は、残価精算の責任が利用者側にあるという点にあります。
車の価値変動によって残価変動のリスクが生まれる点がこのプランの特徴です。仮に車の価値が想定より低く、設定した残価では足らずに不足してしまった場合は利用者側が支払います。
精算後、契約満了となれば車の買取りが可能です。リース車を一旦買い取ることで所有権の名義は契約者だった側に移行します。
一方『クローズドエンド契約』では、残価精算責任はリース会社にある点が特徴です。ただし、リース契約が満了を迎えた後は車はリース会社に返却されます。
つまり『クローズドエンド契約』ではリース車を売ることができないため、リース車を売りたい場合は必ず『オープンエンド契約』を行いましょう。
リース車を買い取る時にかかる費用
リース車を売るためには、まず最初にリース車を買い取る必要があります。このときかかる費用は車代だけではありません。
ここではリース車を買い取る際必要な費用項目について解説していきます。まずは残価精算について確認していきましょう。
残価精算
リース車を買い取るために支払う費用1つ目は残価です。残価とは、リース代から車の価値を予め差し引いた金額のことを指します。この残価が高いほど、毎月定額で支払うリース代は安くなるという仕組みです。しかし、この残価は正確な金額ではありません。契約時点では暫定金額を残価として指定します。
この残価を正確な金額に換算して精算するのが残価精算です。オープンエンド契約では利用者側に残価精算責任があるため、発生した差額を一括で支払う必要があります。この残価で注目されるのが走行距離です。残価はリース期間に当てられた走行距離（予定）とリース期間を元に計算されます。
車の状態が綺麗でかつ走行距離が規定内であれば残価を下回る可能性がありますが、傷がついていたり走行距離が規定以上だったりした場合は残価上回ることもあるため、その分の差額を支払う必要が出てきます。
名義変更
名義変更登録料もリース車買取り時にかかる費用の1つです。車庫証明書発行料として約2,000円、移転登録手数料として500円、ナンバープレート料約1,500円が発生します。この際に代行してもらう場合は、別途で代行料も発生します。
また、例外として軽自動車は移転登録手数料がかかりません。ただし、地域によって車庫証明書発行料が発生するケースがあるため都度確認が必要です。
所有者名義を変更する際は、指定の運輸支局（軽自動車の場合は軽自動車検査協会）で納付書と申請書をもらい手続きを行います。そのほかの必要書類は次の通りです。
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旧所有者側が準備する書類 |
新所有者側が準備する書類 |
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印鑑証明書 |
印鑑証明書（実印） |
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譲渡証明書（実印） |
自動車保管場所証明書 |
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委任状（実印） |
自動車税・自動車取得税申告書 |
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車検証 |
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住民票 |
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※普通自動車の場合
書類さえあれば窓口での手続きは即日で対応してもらえます。必要書類の中には発行に時間がかかるものもあるため注意してください。
例えば、自動車保管場所証明書（車庫証明書）は警察署にて発行してもらう書類です。しかし、警察署は土日対応しておらず即日発行もされないため、予定を立てて申請する必要があります。
また、名義変更には期日もあるため注意が必要です。車の受け渡し日から15日以内に行うよう定められています。4月1日に所有者に自動車税が課税されるため、トラブル回避のためにも期限内に手続きを済ませるようにしましょう。
（参考：『登録ガイド（移転登録）｜国土交通省』）
税金
リース車を買い取る時にかかる費用としては税金も挙げられます。消費税や自動車税、自賠責保険料などです。
自動車税は総排気量で税額が変動する税金で、軽自動車は定額指定されています。自賠責保険料は自動車損害賠償保障法により加入必須とされている保険です。補償対象は人間のみで、建物や車、電車などの破損に対しての補償はありません。
他にも費用としてはリサイクル料も発生します。納付は車1台につき1回で車所有者全員に支払い義務があり、この義務は中古車も該当します。
リースの車を中古車業者へ売るメリットは査定額！
リース車は定額で利用できる分、その定額料金内に手数料などが含まれています。仮にリース車を買取りする場合、新車を通常の方法で購入するよりも総額が多くかかってしまうこともあるでしょう。
そのような中で、リース車を中古車業者へ売るということにメリットはどこにあるのでしょうか。ここでは査定に視点を当て、リース車を売るメリットについて解説していきます。
年式や車両状態、走行距離など、査定では様々な箇所の確認が必要です。リース車を売るときの参考にぜひチェックしてください。
走行距離
中古車を売る際の価格の判断材料に走行距離があります。一般的な走行距離数は1年で1万km程度です。この幅に当てはまっている場合、相場価格で買取りしてもらえる可能性が高まります。
リース車の場合は、この走行距離に対するブレが少ない点が特徴と言えるでしょう。リース車の走行距離は業者やプランによって多少違いがありますが、走行距離自体には制限がかけられています。超過すればその分費用が発生する仕組みです。
この走行距離の制限があるからこそ走行距離が少なく済んでいるケースが多いため、査定額が高くなりやすい傾向にあります。
メンテナンス
メンテナンスも査定に関係がある項目の1つです。中古車業者へ車を高く売るには車の状態をできるだけ良い状態にしておく必要があります。
ここで注目すべき点は、リース車の契約に車検やメンテナンスが含まれるケースがあるという点です。このようなプランを利用した場合、車検やメンテナンス料金は定額内に含まれるため、利用者は契約期間中の車検やメンテナンスに対する支出を計算する必要がありません。
このタイプのプランを利用するリース車はメンテナンス面での問題が少なく、良い状態の車が多い点が特徴です。
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ここからはネクステージがどのような点に注目して査定を行っているか解説します。査定を検討中の方はぜひチェックしてください。
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まとめ
リース車は条件を満たすと売却可能な車ですが、利用プランはそれぞれ異なるため、事前に確認しておきましょう。リース車は中古車の高額買取で重視される点を満たしているケースが多いので、査定額を見てみることがおすすめです。
リース車を売るメリットとしては、査定価格の安定さが挙がります。とくに注目すべき点はがリース車の走行距離やメンテナンス状況です。リース車契約には走行距離を一定距離で指定するプランがあります。定額内で車検やメンテナンスを行うプランもあるため、車両状態が良好な点も特徴の1つです。
普段何気なく車を使っていると、このような車の状況を意識することも少なくなってしまいます。この問題を活かすことができる点がリース車を売るメリットと言えるでしょう。
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