車のローンを組み直しできる仕組みとは?ローン返済中でも乗り換える方法

新しい車に乗り換えたいけれど、まだローンが残っているという状況は珍しくありません。実は「ローンの組み直し」という方法を利用すれば、残債があっても新車への乗り換えが可能です。
この記事では、車のローンを組み直しできる2つの方法や手続きの流れ、メリット・デメリットを詳しく解説します。適切なローンの選び方や、審査のポイントも紹介するので、ローン残債を抱えながらも新車購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
※目次※
2.車のローンは組み直しできる!メリット・デメリットをチェック
・車のローン組み直しには「オーバーローン」と「借り換え」の2つの方法がある。
・ローン組み直しのメリットは月々の支払い負担軽減だが、デメリットとして事務手数料や総支払い額増加のリスクがあり、特に残価設定型ローンでは注意が必要である。
・ローン残債がある車の売却には所有権確認が必要で、ローン会社が所有権を持つ場合は所有権解除手続きが必要である。
車のローンは組み直しできる?仕組みと基本条件

ローン残債がある場合の新車乗り換えには、「オーバーローン」と「借り換え」の2つの方法があり、それぞれ特徴が異なります。金利差や返済期間の見直しで、月々の支払い負担を軽減できる可能性があるでしょう。まずは、各方法の詳細を解説します。
車のローンが組み直しできる仕組みとは?基本概念と種類
車のローンの組み直しには、主に2つの方法があります。
・新車購入価格に上乗せする方法
・現在のローン残債を新たなローンに借り換えて支払う方法
上乗せする方法は、現在のローン残債を新車購入資金に組み込む手法で、一般的に「オーバーローン」と呼ばれるものです。
一方、新たなローンに借り換えて支払う方法は、現在の債務額を新たな返済プランとして再構築します。月々の支払い額を調整でき、家計に無理のない返済が実現できるのがメリットです。
車のローンが組み直しできるオーバーローンの特徴
オーバーローンは、現在のローン残債と新車購入費用を統合して、新たなローンを組む方法です。
月々の返済を一本化できるため、複数のローンを管理する手間が省けるのが大きな利点でしょう。ただし、ローン残債と新車購入費用を合算するため、総支払い額は増加する点に留意が必要です。
手続きでは、まず月々の支払い額と残り回数から残債を算出し、車の査定額と比較して完済できるかを確認します。売却金額だけで完済できない場合は、残債と新車代金を合算してオーバーローンを組むのが一般的な流れです。
車のローンが組み直しできる借り換え!現在の残債を新たなローンに切り替える方法
ローン残債を新たなローンに借り換える際は、まず現在のローン契約内容を確認しましょう。返済予定表を用意し、残債額や金利、返済期間などの詳細を把握することが第一歩です。
借り換え手続きでは、本人確認書類や所得証明書、現在の返済予定表などの書類が必要となります。借り換えにより、月々の返済額を軽減できるケースもあるでしょう。
現在の契約先でのローン条件変更手続きは可能?
現在のカーローンの返済期間・金利などの条件を変更し、返済の負担を軽減したいと考える人もいるでしょう。しかし、カーローンは原則として、途中で返済条件の変更はできません。
ただ、一部の金融機関では所定の手数料を支払うことで、返済条件の変更に応じているケースもあります。利用を希望する場合は、事前に金融機関へ相談し、条件変更手数料や変更可能な内容を確認しましょう。
計画的な返済が難しいと感じたら、早めに金融機関へ相談することが大切です。
車のローンは組み直しできる!メリット・デメリットをチェック

車のローン組み直しには、毎月の支払い負担軽減のメリットがある一方、手数料や総支払い額増加のリスクもあります。通常の乗り換えとは費用面で大きく異なるため、どのような条件で効果的なのかを理解することが重要です。具体的な効果と注意点を比較検討し、最適な選択をすることが必要になります。
【車ローン組み直しのメリット】低金利のローンへの組み直しなら節約効果が期待できる
ローン組み直しの最大のメリットは、毎月の支払い負担を軽減できる可能性がある点です。例えば、借入残高300万円・返済期間5年のディーラーローン(年利5%)を、銀行のマイカーローン(年利2%)に借り換えた場合、毎月の返済額が約4,000円も減少します。
また、返済期間を延長することで、さらに月々の支払いを減らすことも可能です。車のローン組み直しは、金利の見直しと返済期間の延長の2つの方法で、月々の負担を効果的に減らせます。
【車ローン組み直しのデメリット】手数料や総支払い額が増加するケースも
車のローン組み直しを検討する際は、総支払い額や手数料の増加に注意が必要です。新たなローン契約では、事務手数料や印紙代、振込手数料などの諸費用が発生することがあります。
残価設定型ローンの場合は特に注意が必要で、クレジット期間中に借り換えると、残価分も含めて借り換えなければなりません。そのため、毎月の返済額が増加する可能性があります。
借り換えにかかる諸費用を考慮した上で、本当に総支払い額が削減できるのかを慎重に検討することが大切です。
組み直しできる車のローンの種類と選び方

車のローンにはさまざまな種類があり、金利や返済期間、手数料などの条件比較が重要です。銀行系のマイカーローンは、Web申し込みが簡単かつ金利が明確で、所有権も自分に設定されるメリットがあります。一方、ディーラーローンでは諸費用や所有権の確認が必要です。
車のローンを組み直しできる銀行系マイカーローンの活用法
銀行系のマイカーローンは、ディーラーローンと異なり、新車・中古車の区別なく一律の金利設定となっていることが珍しくありません。購入者は車の所有権を持てるため、将来的な買い替え・譲渡手続きがスムーズに行えるのが魅力です。
Web完結型のマイカーローンなら、来店不要で24時間いつでも申し込みができる利便性があります。借り換え後は、ローン会社が直接旧ローン先へ振り込むケースも多く、手続きが簡便化されるのもポイントです。
金利差が大きい場合、例えば5%から2%台へ下げられれば、返済総額を削減できる可能性が高まります。
車のローンを組み直しできるディーラーローン利用時のポイント
ディーラーローンで車のローンを組み直す場合は、いくつかのポイントを押さえておくと有利です。一般的にディーラーローンは、車の所有権がディーラーやローン会社に設定されるため、事前に借り換えが可能かどうか確認が必要になります。
借り換えを検討する際は金利だけでなく、事務手数料・印紙代・振込手数料などの諸費用も含めた総支払い額で、比較検討することが重要です。ディーラーローンから銀行系マイカーローンへ借り換えると、自分名義で車を所有できるでしょう。
組み直しできる車のローンの選択基準
金利の違いは、総支払い額に大きな影響を与えます。例えば、200万円を5年で借り入れる場合、年利2.3%と8.0%では総支払い額に約30万円もの差が生じるでしょう。
また、返済期間の選択も重要な判断基準です。期間を長くすれば月々の負担は軽減できますが、総支払い額は増加します。頭金を多めに用意すれば、借入額が減って利息負担も軽減できるでしょう。
組み直しできる車のローンの審査基準とよくある失敗例

車のローン組み直しの審査通過には、返済能力や信用情報が重視されるため、事前の対策が重要です。審査基準の理解と適切な準備をする他、失敗例から教訓を得ることも役立つでしょう。これらの知識を身に付けることで、スムーズな手続きとより有利な条件での借り換えを実現できます。
組み直しできる車のローンの審査のポイント
車のローン組み直しの審査では、特に重要視される項目が3つあります。まず第一に「返済能力」が挙げられ、年収や職業、勤続年数などが総合的に判断されるでしょう。一般的に、年収200万円・勤続年数1年以上が最低基準とされます。
次に「信用情報」も重要な審査項目であり、過去のローン返済履歴や携帯料金などの支払い状況が参照されるでしょう。
3つ目は、「他社での借入状況」です。借入総額が多いと、返済負担が大きいと判断され、審査が厳しくなる可能性があります。具体的には、年収の1/3以上が目安です。
組み直しできる車のローンの審査対策
ローン審査を有利に進めるための対策は、いくつかあります。まず、頭金を用意することで借入希望額を下げ、審査ハードルを下げられる可能性が高まるでしょう。
また、審査前には、できるだけ他の借り入れを返済しておくことも重要となります。未払いの税金や公共料金、携帯電話料金などの支払いも、忘れずに済ませておくべきです。
過去に延滞歴などがある場合は、自分の信用情報を事前に確認することも欠かせません。
組み直しできる車のローンの失敗例から学ぶポイント
車のローン組み直しでは、失敗例と成功事例から多くのことが学べます。最も多い失敗パターンは、既存ローンの融資限度額を確認せずに組み直しを試みるケースです。
ローン残債を新しいローンに上乗せすると、融資限度額を超過してしまうことがあるため、事前の確認が欠かせません。
また、解約手数料の発生も要確認事項です。多重債務にも十分に注意し、計画的な手続きと無理のない返済計画が成功の秘訣といえます。
組み直しできる車のローンの手続きの流れ

車のローン組み直しの手続きは、複数のステップに分かれています。ローン残債がある車の売却方法や所有権解除の流れ、新車購入と同時の組み直しスケジュールなど、実際の手続きを理解することが大切です。
適切な手続きを順序立てて進めることで、ローンが残っている状態でも新しい車への乗り換えがスムーズになるでしょう。
ローン残債がある車の売却手続きと必要書類
ローン残債がある車を売却する際は、まず所有権の所在を確認しましょう。車検証の「所有者」欄が自分の名前になっていれば、比較的シンプルな手続きで売却できます。
ローン会社が所有権を持っている場合は、所有権変更手続きが必要です。具体的な売却方法としては、自分でローンを一括返済して所有権を移す方法と、中古車買取店に手続きを代行してもらう方法があります。
所有権解除の手続き方法と注意点
所有権解除の手続きは複数のステップに分かれており、まず最初に車検証とローン完済証明書を手元に用意します。
次に、車検証の所有者欄に記載されている会社に連絡し、所有権解除の手続き方法を確認しましょう。必要書類は会社によって異なりますが、車検証・印鑑証明書・委任状・完済証明書などが求められるのが一般的です。
必要書類を郵送した後、1週間~2週間程度で所有権解除の書類が自宅に届きます。売却の場合は、所有権解除の書類を買取店に渡せば完了です。
新車購入と同時にローン組み直しをする場合のスケジュール
新車購入と同時にローンの組み直しを行う場合、一般的なスケジュールは以下の通りです。
1.現在のローン残債を確認し、必要書類を準備する
2.新車ディーラーまたは金融機関で新しいローンの審査を申し込む
3.審査通過後、既存ローンの精算手続きと新車の契約を同時進行で進める
4.新車の納車と同時に、新しいローンの返済がスタートする
なお、実際の流れはディーラー・金融機関によって異なる場合があるため、事前に詳細なスケジュールを確認しましょう。
まとめ

車のローン残債があっても、オーバーローンや借り換えの2つの方法で、新車に乗り換えることが可能です。ローン組み直しは、毎月の支払い負担を軽減できる一方、総支払い額や手数料の増加には注意する必要があります。
審査に通るためには事前準備と対策が重要であり、失敗例から注意すべきポイントを学ぶことも大切です。また、ローン残債がある車の売却手続きや、所有権解除の知識を持っておくことで、新車購入と同時にスムーズなローン組み直しが実現できるでしょう。
▼ライタープロフィール

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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よくある質問
Q.車のローン組み直しの手数料はいくらですか?
A.車のローンを組み直す際の手数料は、金融機関により異なりますが、借り換えで1,000円~5,000円が目安です。加えて、繰り上げ返済手数料や収入印紙代、保証料などが発生することもあります。条件変更時には5,500円程度の手数料がかかる場合もあるので注意が必要です。
Q.カーローン400万円を組むのに必要な年収は?
A.400万円のカーローンを組む場合、目安となる年収は約800万円です。ローン総額が年収の約半分以内が望ましいでしょう。返済負担率は年収の2割~3割が一般的な基準とされており、無理なく返済するにはこの範囲に収まることが重要です。
Q.車のローンを2つ同時に組むことはできますか?
A.車のローンを2つ同時に組むことは可能で、「ダブルローン」とも呼ばれます。ただし、審査は厳しくなり、返済負担も増えるため注意が必要です。複数のローンを組む場合は、家計のバランスや返済能力をしっかり見極めた上で検討しましょう。
Q.車のローンは延長できますか?
A.車のローンは、原則として契約後の返済期間延長はできません。ただし、借り換えやローン会社への相談によって対応できる場合もあります。早めに事情を伝えておくと、返済額の見直しや猶予措置を提案されることもあるのです。状況に応じた柔軟な対応しましょう。
