中古車の納車は1か月かかる？納車までの流れと遅れる場合の要因を解説
中古車を購入したら、どの程度で納車されるのか気になる方は多いでしょう。新車に比べて中古車の納車は比較的早いとされますが、契約してから車を受け取るまでに、1か月ほどかかるケースもあります。早く買い替えたい方は、できるだけ納車までの期間を短くしたいものです。
そこでこの記事では、中古車の納車までの流れと、1か月以上かかる場合の理由を解説します。中古車の納車までの期間の目安や早めるコツについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※目次※
・中古車の納車日数は一般的に2週間程度、最短であれば3日~5日で納車される。
・最短納車を目指すのであれば、購入から納車までの流れを把握し、必要な準備を先に済ませることがおすすめ。
・車検の有無や車両の状態など、選ぶ中古車の条件を絞れば最短納車を目指せる。
中古車は最短何日で納車が可能？
受注生産やオプション追加などで数か月の納期がかかる新車とは異なり、中古車はすでにある車両を購入します。そのため、新車より早い納車が可能です。
中古車の中には、最新の現行モデルや登録済未使用車が販売されていることもあります。新しい車両が最短で納車されるため、できるだけ早めに車を手に入れたい方は、中古車という選択もおすすめです。
まずは、中古車を購入した際に、かかる期間の目安をチェックしていきましょう。
最短で納車してもらう場合の日数の目安
中古車納車の最短日数の目安は、3日~5日です。これは、事務手続きやメンテナンスに必要な最短期間です。「必要書類を事前に準備する」「車検期間が残っている車を選ぶ」「整備工場が隣接している販売店を選ぶ」など、いくつかの条件がそろえば最短での納車が期待できます。
できるだけ早めに車を手に入れたい方は、書類申請にかかる日数や購入する車両の状態、販売店・ディーラーの情報を購入前にしっかりと確認しましょう。
中古車購入の一般的な納車までの目安
納車までの期間は、購入状況によって大きく左右されます。新車と中古車でも変わる他、オプションを追加した場合や売り上げの多い時期は納車までの期間が長くなることもあるでしょう。
中古車の納車目安は、事務手続きや納車前のメンテナンス期間を含めると、一般的に2週間前後かかります。なお、車検が切れている車両の場合は、2日~3日ほど多めに時間がかかります。
購入して即日で納車してもらうのは難しい？
中古車は製造にかかる時間こそないものの、車両登録や車検などのさまざまな手続きが必要です。以前乗っていた車を下取りに出している場合や、買取契約が成立した後の場合は即日の納車を希望する方もいますが、基本的に即日での納車は難しいでしょう。
料金の支払いが終わっても、手続きが終わらなければ納車されません。手続きにはさまざまなものがあるため、販売店側が当日に手続きを完了させるのは困難です。
また、即日納車は整備が不十分となる危険性もあります。納車直後にトラブルに見舞われる可能性もあるため、車の安全面も考えた上でも、即日納車を希望するのは避けたほうが無難かもしれません。
中古車購入から納車されるまでの主な流れ
中古車を購入してから実際に乗り出すまでには、いくつかの重要なステップがあります。一般的に、この過程は2週間から1か月程度かかるといわれていますが、状況によって変動する点についても押さえておきましょう。
ここでは、中古車購入から納車までの主な流れを5つのステップに分けて解説します。
予算と車種の決定
中古車購入の第一歩は、予算と車種の決定です。まず、使用目的や乗車人数を考慮し、最適なボディタイプや車種を絞り込みます。その際、年式や走行距離、装備など、譲れない条件を明確にすることで、効率的に車を探せます。
予算設定では、車両価格だけでなく、税金や諸費用、維持費も含めることが重要です。一括かローンを利用するかなどの支払い方法を決める必要もあります。ただし、条件を絞りすぎると選択肢が狭まる可能性があるため、柔軟な姿勢も大切です。
中古車探し
中古車購入の次のステップは、希望の車を探すことです。主な方法として、中古車検索サイトの利用と販売店訪問があります。検索サイトでは、条件を細かく設定して効率的に車両を絞り込めるため、希望する車も見つかりやすいでしょう。一方、販売店では実車を確認でき、スタッフに相談も可能です。
探す際は、車両本体価格だけでなく、諸費用を含めた支払総額を確認することが重要です。また、販売店には正規ディーラー、専門店、個人売買があり、それぞれ特徴が異なります。自身のニーズに合った方法を選び、納得のいく一台を見つけましょう。
現車確認・商談
中古車購入では、現車を確認することをおすすめします。写真や情報だけでは分からない車両の状態を実際に目で見て触れて確認することで、より正確な判断ができます。外装の傷や内装の状態、エンジン音など、細部にわたってチェックしましょう。
また、試乗も可能な限り行いましょう。実際に運転することで、ハンドリングや乗り心地、視界などが体感できます。
そして現車確認後、問題なければ販売店と具体的な商談に入る流れです。価格はもちろん、保証内容の確認やオプションの相談など、納得いくまで話し合うことが大切です。
契約・書類準備
契約・書類準備は中古車購入の重要なステップです。購入車両や支払い方法によって必要な書類が異なるため、事前に確認しましょう。車庫証明の取得には最大1週間程度かかるため、早めに準備を始めておくとスムーズです。販売店によっては書類取得の代行サービスもあります。
契約書は内容をよく確認し、不明点は解消してから署名・押印しましょう。支払いは現金振り込みだけでなく、ローンを利用できる場合がほとんどです。
任意保険の契約・納車
中古車購入で忘れてはならないのが、任意保険への加入です。車検証の発行が確認できたら、任意保険を新たに契約するか、乗り換えの場合は車両入替の手続きをしましょう。これにより、自賠責保険ではカバーしていない事故時の補償範囲が広がり、安心して運転できます。
一方、販売店は車両の最終点検を進めています。全ての準備が整うと、いよいよ納車です。納車時には、車両の状態や装備品を再度確認し、操作方法の説明を受けましょう。また、保証書や整備記録簿などの重要書類のチェックも欠かせません。
納車が1か月以上かかる主な理由
中古車でも納車までに1か月以上かかるケースもあります。納期が遅くなる要因は、販売店側だけでなく購入者側という場合もあるので、できるだけ早めに車を手に入れたい方は、事前に注意点を確認しておくと安心です。
ここでは、納車の遅延につながる主なケースについて解説します。
販売店側の要因
中古車の納車が遅れる要因のひとつに、販売店側の事情があります。まず、整備スケジュールの遅れです。
中古車は個体差が大きく、予想外の不具合が見つかることもあるため、整備に時間がかかる場合もあります。特に、車検切れの車両や、オプションの追加注文がある場合は、さらに時間を要してしまうでしょう。
また、販売店の人員不足も納車の遅れとなる要因のひとつです。繁忙期には契約が立て込むため、通常より遅れてしまいます。
購入者側の要因と注意点
中古車の納車遅延は、購入者側の要因によっても起こり得ます。一般的な原因のひとつは、車庫証明や印鑑証明など必要書類の取得遅れです。
車庫証明は通常数日から1週間程度かかります。また、ローンを利用する場合、その種類によっては審査に時間を要することがあります。審査に通らず、複数の会社への申請が必要になれば、さらに納車が遅れてしまうでしょう。
中古車の納車までに1か月以上かけさせないための対策
中古車購入時の即日納車は難しく、数日から2週間程度はかかります。なるべく最短で納車してほしい方は、ここで紹介する納車を早めるためのポイントを押さえておきましょう。必要書類やローンの審査、現金の準備など事前に準備することで納車もスムーズになります。
必要書類は事前に準備する
最短日数での納車を希望するのであれば、必要な書類は事前に準備しておきましょう。販売店側が書類を受け取ってから納車に必要な手続きが始まるため、書類が万全な状態にそろっていればすぐに手続きが始められます。
中古車の購入時に必要となる主な書類は、以下の通りです。
・実印（普通自動車）／認印（軽自動車）
・印鑑証明書（普通自動車のみ）
・自動車保管場所証明書（軽自動車は地域による）
・住民票（軽自動車のみ）
・販売店に手続きを依頼する委任状
自動車保管場所証明書は「車庫証明」とも呼ばれ、車をどこで管理するかを示す証明書です。取得の際は警察署で手続きを行います。
月決め駐車場などの車庫を借りている場合は、駐車場の所有者（貸主）から「保管場所使用承諾証明書」を発行してもらわなくてはなりません。事前に手配しておくと、スムーズに手続きが進められます。
ローンを組む場合は審査を受けておく
ローンの中でも、特に銀行のマイカーローンを組む場合は、早めに審査を受けておくことが大切です。
販売店が扱っているオートローンよりも審査に時間がかかる傾向にあるため、中古車購入の段階で手間取ると納車までの期間も長くなるでしょう。できる手続きを事前に済ませることで、スムーズに契約に入れます。
現金一括購入の場合はあらかじめ現金を用意する
中古車を現金一括で購入する場合は、ローン審査が必要ありません。納車までの期間を短縮できることはメリットですが、一括で支払う現金を事前に手元に用意しておく必要があります。購入日が休日だと銀行窓口が空いていないことも多いため、急に現金を用意することは難しいでしょう。
支払いの段階になって慌てることがないように、余裕を持って早めに用意しましょう。
購入から納車までが短い中古車の条件
納車までの期間を短くするため、書類の準備やローンの審査などの時間がかかるものは、計画的に準備することを前提に、購入する車によって納車が異なる点にも注目してみましょう。
車検の有無や自動車の種類によって納車までの期間が変わってきます。これらの点について、ここで詳しく解説します。
車検が切れていない中古車を選ぶ
自動車検査登録制度（車検）の有無は、購入から納車までの期間に影響します。車検は、道路運送車両の保安基準に適合しているかをチェックする制度です。全ての車に受ける義務があり、車検が切れている車は公道を走行できません。
車検には通常1日~3日の作業期間が必要です。車検が切れている車は売買が成立してから車検に回されるため、車検が残っている車はその分早く納車できます。
車検で問題が見つかった場合、さらに長く時間を取られる可能性も考えなくてはいけません。納車までを短くするのであれば、車検の有無も確認できるとよいでしょう。
軽自動車を選ぶ
軽自動車と普通自動車を比較した場合、納車が早いのは軽自動車です。これは、軽自動車と普通自動車で自動車保管場所証明書の適用範囲が異なることが関係しています。
軽自動車の自動車保管場所証明書は「自動車保管場所届出書」といい、地域によっては手続きの必要がありません。
その上、自動車保管場所届出書は、購入後15日以内に地域の警察署に届けるものです。そのため、自動車保管場所届出書の手続きは購入後に行えるため、証明書を取得する手間もかかりません。
納車の日取りは業者に合わせる
納車の日程は販売店と相談して決めます。お互いのスケジュールにもよりますが、早い納車を目指すのであれば納車の日取りは販売店に任せたほうがよいでしょう。
販売店に任せることで、最短期間での納車が期待できます。土日祝は納車が混む傾向にあるため、平日の納車でも問題ないのであればさらに早い納車になるかもしれません。
販売店に直接車を取りに行くのも有効な方法です。所定の場所まで業者が持ってくる必要がない分、納車日を早められる可能性があります。
オプションやカスタムにこだわらない
中古車を選ぶ際に、オプションやカスタマイズにこだわらないことも大切です。オプションやカスタマイズを加えると、その分工期は長くなります。ベースに近ければ近いものほど納車までの期間は短く済むでしょう。
強いこだわりがないのであれば、メンテナンス期間も踏まえ、オプションを付けないことをおすすめします。
納車時期と同様に重要な中古車選びのコツ
中古車を選ぶ際、納車時期だけでなく、車両の状態や価格も重要な判断材料となります。ここでは、中古車選びの際に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。相場のチェック、車の状態確認、年式と走行距離の確認、そして保証内容の確認について詳しく見ていきましょう。
事前に相場をチェック
中古車購入の際、価格相場を把握することは重要なポイントです。希望する車種やグレード、年式、走行距離などの条件に合う車両を複数ピックアップし、それらの価格を比較することで、適正な相場が見えてきます。
相場より大幅に安い車両は、水没車や修復歴車である可能性も考えられます。一方、相場より高すぎる車両も要注意です。このような価格差がある場合は、販売店に理由を確認してみましょう。
納得できる説明がない場合は、購入を見送ることが賢明です。入念に相場チェックをすることで、適正価格で良質な中古車を見つけられるでしょう。
車の状態や使われ方をチェック
中古車の状態チェックは、重要なポイントのひとつです。まず、外装のキズや凹み、内装の汚れやニオイを細かくチェックしましょう。特に、事故歴や修復歴の有無は慎重に確認する必要があります。
次に、エンジンなどの駆動系統の動作確認も欠かせません。整備記録簿を確認し、定期的なメンテナンスが行われているかどうかも重要です。これにより、車の使用履歴や故障のしにくさを判断できます。
さらに、電装系装備の動作確認も忘れないようにしましょう。エアコンやパワーウィンドウ、カーナビ、ライト類などが正常に機能するか確認することで購入後のトラブルを防げます。
年式と走行距離をチェック
年式と走行距離は中古車選びの重要な指標です。一般的に、新しい年式で走行距離が少ない車両ほど、コンディションが良好というケースが多いでしょう。
しかし、年式に対して走行距離が極端に少ない場合は注意が必要です。これは、長期間の放置によるメンテナンス不足の可能性を示唆するためです。
年式と走行距離のバランスとしては、年間1万km程度の走行が一般的な目安です。年間2万kmほど走行するなど過走行気味の車に関しては、車両状態と整備記録をしっかり確認することで、より良い選択ができるでしょう。
保証内容をチェック
保証内容の確認は、中古車購入の際に見落とせない重要なポイントです。保証範囲や期間は販売店によって大きく異なるため、慎重に確認する必要があります。
一般的に、エンジンやミッションなどの主要部品は保証対象となりますが、消耗品は含まれないことがほとんどです。保証期間も3か月から5年などさまざまです。長期保証を提供している販売店もありますが、追加料金がかかることがほとんどです。
また、保証の適用条件や免責事項にも注意が必要です。走行距離制限や定期点検の実施義務など、細かい条件が設定されていることがあります。保証内容を十分に理解し、必要に応じて追加の保証オプションを検討することで、安心して中古車を購入できるでしょう。
これから中古車を探すなら人気車種をチェック
中古車といっても、その種類はさまざまです。ここでは、新車販売台数で上位にある人気の高いモデルをいくつか紹介します。
これらの車種は、安定した需要があり、中古車としての価値も高く保たれる傾向にあるので、リセールバリューの観点でもおすすめです。ここでは、人気の4車種をピックアップし、その特徴を解説します。
トヨタ｜ヤリス
トヨタのヤリスは、コンパクトカーでありながら、走りの楽しさを追求した魅力的なコンパクトカーです。アグレッシブなデザインと軽快な走行性能が特徴で、ドライバーと車の一体感を高めます。無駄のない設計により、優れた操縦安定性とレスポンスを実現し、運転する喜びを最大限に引き出します。
室内空間は、コンパクトながらも快適性と機能性を両立させている点が特徴です。長時間のドライブでも快適に過ごせるよう工夫が凝らされています。
（参考：『ヤリス（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
トヨタ｜カローラ
トヨタのカローラは、長年にわたり世界中で愛され続けている人気モデルです。その魅力は、信頼性の高さと経済性にあります。燃費性能に優れ維持費も抑えられるため、長期的な視点で見ても経済的な選択肢のひとつです。
デザイン面では、スポーティーでモダンな外観が特徴的です。洗練されたエクステリアは、街中でも存在感を放ちます。室内空間は広々としており、長距離ドライブでも快適に過ごせるよう設計されています。
そして、静粛性の高さと安定した乗り心地が魅力です。市街地での取り回しの良さと高速道路での安定性を両立させており、さまざまな走行シーンに対応します。
（参考：『カローラ（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
ホンダ｜N-BOX
ホンダのN-BOXは、軽自動車でありながら、広々とした室内空間が魅力の一台です。人を中心に考え抜かれた設計により、驚くほど広々とした室内空間を実現しています。
個性的なシートアレンジも特徴で、後部座席は前面を跳ね上げるチップアップが可能です。荷物の積み下ろしもスムーズで、使い勝手の良さが際立ちます。
外観デザインは、親しみやすさと洗練さを兼ね備え、街にも自然と溶け込んでくれるでしょう。主なタイプとして、シンプルな「N-BOX」、アクティブな「N-BOX JOY」、上質な「N-BOX CUSTOM」があり、ライフスタイルに合わせて選択可能です。
N-BOXは、新車販売台数では3年連続で第1位を獲得するなど、多くの支持を得ています。
（参考：『N-BOX（ホンダ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
スズキ｜スペーシア
スズキ スペーシアは、軽ハイトワゴンの中でも際立つ特徴を持つ人気モデルです。その最大の魅力は、コスパと使い勝手の良さにあります。後席マルチユースフラップを搭載しており、フラップの位置や角度を調整するだけで3つのモードに対応しています。これにより、快適さや便利さが格段にアップしています。
また、電動パーキングブレーキやブレーキホールドなど、運転時の負担を軽減する装備も充実しています。経済性も高く、全車にマイルドハイブリッドシステムを搭載し、軽ハイトワゴンにおいて燃費性能はトップクラスです。
2WD車ではWLTCモードで25.1km/Lという優れた燃費性能を達成し、長期的な維持費の抑制にも貢献します。
（参考：『スペーシア（スズキ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
まとめ
中古車の購入から納車までは一般的には2週間程度で、1か月かかることはあまりありません。条件次第では3日~5日で納車されることが期待できます。
納車が遅くなる原因には、書類の不備や整備の遅延などがあり、対処法としては事前準備が重要となります。
中古車は納車が早いという点も魅力的なポイントですが、車選びの際は、納車時期だけでなく、車両の状態や価格も考慮することが大切です。後悔のない中古車選びで、充実のカーライフを送りましょう。
▼ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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