車のギアチェンジで使う「B」とは?シフトレバーの使い方を徹底解説
車のシフトレバーには「D(ドライブ)」や「P(パーキング)」など、さまざまな英数字が表記されています。
シフトレバーを操作してギアチェンジすることで、スムーズな発進や走行、駐車が可能です。しかし、シフトレバーに表記された「B」レンジの意味と用途か分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では「B」の意味と使い方、シフトレバーに表記された他の英数字の意味と使い方も解説します。正しく把握して快適にドライブを楽しみましょう。
※目次※
2.車のギアチェンジで使うシフトレバーにはB以外の表記もある
・シフトレバーに表記された「B」はエンジンブレーキで、強いブレーキが必要なときに使う。
・シフトアップ・シフトダウンに使うシフトレンジは「B」の他に「S」や「L」「M」があり、メーカーや車種、トランスミッションによって表記が異なる。
・フットブレーキだけを使うと「フェード現象」や「ベーパーロック現象」が起こる危険性があるため、エンジンブレーキの併用が大切。
車のギアチェンジで使うシフトレバーの「B」表記とは?
シフトレバーに表記される英数字は、メーカーや車種、トランスミッションによって異なります。
定番の「D(ドライブ)」「P(パーキング)」「R(リバース)」は知っていても「B」の意味と使い方が分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは、「B」レンジの意味と使用する目的と場面を紹介します。
「B」はエンジンブレーキのこと
シフトレバー「B」は、エンジンブレーキ(Brake)を表しています。通常のMT車やAT車はギアチェンジしてシフトダウンすることでエンジンブレーキをかけますが、電子制御シフトを採用している車種はギアチェンジの概念がありません。
「B」レンジはシフトレバーを入れてアクセルを戻し、エンジンの抵抗をタイヤに伝えることでブレーキをかけます。
下り坂などで使用する
Bレンジは、急な下り坂や高速道路を出るときなど、強いエンジンブレーキが必要なときに使うものです。
減速時のエネルギーをバッテリーに回収するハイブリッド車は、軽いフットブレーキではブレーキパッドが作動せず、電気を回収するモーター抵抗のみで減速します。ブレーキパッドが作動するのは、バッテリーが満充電の状態でフットブレーキをかけた場合です。
しかし、その状態が続くとブレーキパッドが熱を持ち、減速できなくなります。事故につながる危険性もあるため、長い下り坂を下る場合は意識的にBレンジを使うようにしましょう。
車のギアチェンジで使うシフトレバーにはB以外の表記もある
車のシフトレバーには「B」以外にさまざまな英数字があります。普段使う機会の少ないシフトレンジもあるため、正確な意味と使い方を知らない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、シフトレバーに表記されている「B」以外のシフトレンジの意味と使い方を紹介します。知っている方も再確認し、正しい使い方を把握しましょう。
「P」パーキング
「P」はパーキングを意味するシフトレンジで、主に車を駐車する際に使います。「P」にチェンジすると内部の歯車にパーツが引っかかり、ギアが固定される仕組みです。
「P」はブレーキではありません。ギアを固定するだけでそれほど頑丈にできていないため、シフトレバーを「P」にチェンジするだけでは危険です。基本的には、サイドブレーキを併用します。
「R」リバース
「R」はリバースを意味します。車をバックさせたいときに使用するシフトレンジで、シフトレバーを「R」に入れる際は、ブレーキを踏まなければなりません。
最近の車は安全機能が進化しているため、走行中に誤って「R」に入れても、すぐさま運転に支障が出ることはありません。しかし、年式の古い車を運転する場合は注意が必要です。
「N」ニュートラル
「N」は、ニュートラルです。全てのAT車に備わっているシフトレンジで、緊急時に車を押したり引いたりする場合に使用します。
シフトレバーを「N」に入れると、ギアがエンジンから外れた状態になるため車は動きません。基本的に走行中には使いませんが、知識があることでいざというときに役立つでしょう。
「D」ドライブ
「D」はドライブを意味するシフトレンジで、車を前進させる際に選びます。通常の走行時は「D」に入れるのが基本です。
「D」は路面状況に応じたギアを自動的に選んでくれるため、走行中に操作する必要はありません。「P」から発進する際は、ブレーキを踏みながら「D」へシフトチェンジします。
「2」「S」セカンド
「2」や「S」はセカンド(2速)を意味します。上り坂や下り坂などの坂道でのシフトダウンに使うシフトレンジです。上り坂で「2」「S」に入れると、パワー不足による失速を防げます。
下り坂で使うと適度なエンジンブレーキがかかるため、坂道を下る際に起こるブレーキトラブルの防止が可能です。
「L」ロー
「L」は、ロー(1速)を意味するシフトレンジです。「2」や「S」でも対応が難しい急な坂道での減速に使用します。近年のAT車は最適なギアを効率的に選択できることから、シフトレバーに「L」がない車も少なくありません。
中古車で年式の古いAT車を購入する場合は、状況に応じて「L」を使用しましょう。
「M」マニュアル
「M」はマニュアルを指し、AT車でシフトアップやシフトダウンなどのマニュアル操作を楽しめるものです。MT車を運転しているような感覚を味わえます。
「クラッチペダルなしの簡単な操作になる」「ギアポジションごとに限界速度が設定されている」という2点には注意しましょう。
車のシフトレバーの表記パターンは複数ある
運転する上で欠かせない「P」「D」「R」などは、どの車種も同じ表記です。しかし、シフトアップやシフトダウンに使うギアチェンジの表記は、メーカーやトランスミッションなどによって異なります。
ここでは、複数の表記パターンがあるものを紹介しますので、どのような違いがあるのか把握しましょう。代車やレンタカーを運転する際にも役立ちます。
SとBがあるケース
車のシフトレバーには、「S」と「B」両方が表記されているケースもあります。「B」は「S」よりも強く利くブレーキで、機能的には「L」と同じ役割です。
高年式の車両やハイブリッド車、電子制御シフトを採用している車種には「L」ではなく「B」が使われています。
「S」と「B」を状況に合わせて使い分けることで、スムーズなシフトダウンが可能です。ブレーキに関するトラブル防止に加え、ドライバーの負担削減にもつながります。
Bのみがあるケース
シフトレバーに「S」や「L」がなく、「B」だけが表記されているケースもあります。「B」レンジは「L」と同等の強さを持つブレーキですが、「L」が強制的にシフトダウンするのに対し、「B」はアクセルを戻すことでエンジンに抵抗をかけ減速する仕組みです。
ギアチェンジが必要ない電子制御シフトを装備している車には、多くの場合「B」レンジのみが表記されています。「B」にシフトチェンジするときは、一旦「D」に入れ直す必要があることも覚えておきましょう。
Mのプラスとマイナスがあるケース
AT車に「M」レンジが採用されていると、シフトレバーの「M」の上下にプラスとマイナスが表記されていることがあります。シフトレバーをプラスに傾けるとシフトアップ、マイナスに傾けるとシフトダウンする仕組みです。
「M」がある代わりに「2」や「B」がない車種もあるため、「M」のプラスとマイナスでシフトアップ・ダウンができることを把握しておきましょう。
また、シフトレバーにプラスとマイナスがないときは、パドルシフトで操作できるケースもあります。
車の運転時はエンジンブレーキを上手に使おう
車の減速は主にフットブレーキで行いますが、状況によってはエンジンブレーキのほうが適しています。エンジンブレーキをうまく活用することで、フットブレーキの負担を軽減し、スムーズな走行が可能です。
ここでは、エンジンブレーキを使うメリットとフットブレーキのみで減速する危険性を解説します。ブレーキが利かなくなるトラブルを避けるためにも、しっかり確認しておきましょう。
フットブレーキだけの走行は危険が伴う
フットブレーキを連続使用していると、ブレーキパッドが熱を持ち、摩擦力が低下します。摩擦力が低下するとブレーキの利きが悪くなる「フェード現象」を引き起こし、ブレーキを踏んでも車を止められません。
長い下り坂や高速道路の出口などではフットブレーキだけを使わず、エンジンブレーキをうまく活用してブレーキパッドにかかる摩擦を減らしましょう。
ブレーキ周りの整備は忘れずに行おう
フットブレーキの連続使用でブレーキパッドが熱を持つと、ブレーキフルードも沸騰します。沸騰によって発生した気泡が制動力の伝達を妨いた場合「ベーパーロック現象」が起こり、ブレーキが利きません。
また、ブレーキフルードが空気中の水分を吸収することでブレーキが利かなくなることもあるため、ブレーキフルードの定期的な点検・交換が必要です。
まとめ
シフトレバーに表記された「B」は、シフトダウンに使うエンジンブレーキです。「2」よりも強いブレーキをかけられるため、長い下り坂や傾斜の強い坂で役立ちます。フットブレーキだけを使用すると「フェーン現象」や「ベーパーロック現象」を引き起こすため、状況に応じてエンジンブレーキを使用しましょう。
車のシフトレバーには、他にもさまざまな英数字が表記されています。それぞれに適切な使い方があるため、安全運転できるようしっかりと覚えておきましょう。
▼ライタープロフィール
中村浩紀 なかむらひろき
クルマ記事に特化したライター
現在4台の車を所有(アルファード・プリウス・レクサスUX・コペン)。クルマ系のメディアでさまざまなジャンルの記事を執筆し、2024年1月までに300記事以上の実績をもっている。
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