車のベンチシートとは?メリット・デメリットとおすすめ車種8選を紹介

近年の自動車市場では、快適性とデザイン性を重視したセパレートシートが主流です。しかし、実用性や家族での利用を考慮すると、ベンチシートにも多くのメリットがあります。
この記事では、車のベンチシートとセパレートシートの特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説するので、ぜひ参考にしてください。さらに、ベンチシート搭載のおすすめ車種8選や選択時のポイント、メンテナンス方法も確認しましょう。
※目次※
4.【軽自動車・普通車別】フロントベンチシート採用のおすすめ車種
・ベンチシートは一体型の座面構造で席間に隙間がなく座席移動が容易、セパレートシートは独立した座席構造で運転時の安定性と快適性を重視した設計である。
・ベンチシートは、座席間の移動が容易で乗り降りしやすいメリットがある一方、ホールド性と安定性が低く、座り心地が悪くて疲れやすいデメリットもある。
・フロントベンチシート採用車種は、軽自動車ではスズキ ラパンやホンダ N-WGNなど複数の選択肢があるが、普通車ではほとんどが生産終了となっており中古車市場で探すことになる。
車のベンチシートとセパレートシートの基本的な違いと特徴

車のベンチシートとセパレートシートは、座席の構造や機能面で異なる特徴を持っています。それぞれのシート形状にメリット・デメリットがあり、使用目的や運転スタイルによって最適な選択が変わるでしょう。まずは、両者の基本的な構造や特徴について詳しく説明します。
車のベンチシートの構造と基本的な特徴
ベンチシートはシートが独立せず、一体型の座面で構成されています。公園のベンチのように左右が連続した形状を持ちながら、前後調整やリクライニング機能は左右独立して操作できるのが特徴です。
セパレートシートと違い、席と席の間に物理的な仕切り・隙間がありません。後席のベンチシートなら、3人で座ることも可能です。
狭い駐車場でドアが十分に開けられない場合でも、反対側への移動が容易になるのがメリットといえます。
車のセパレートシートの構造と基本的な特徴
セパレートシートは、席と席がつながっておらず、完全に独立しています。左右の座席の間には隙間・センターコンソールが設置され、各座席が個別に配置されているのが特徴です。
一般的なセダンやSUVの運転席・助手席に採用されており、座席間の空間は収納スペースやドリンクホルダーとして有効活用されます。
セパレートシートの最大の特徴は、運転時の体の安定性と快適性を重視した構造にあり、長距離運転での疲労軽減効果が期待できる点です。
車のベンチシートとセパレートシートの違い
車のベンチシートとセパレートシートの主な違いは、座席間の連続性と機能性にあります。
ベンチシートは、運転席と助手席が物理的につながった構造で、左右の移動が容易です。狭い駐車場や雨天時でも、車外に出ることなく座席間を移動できる利便性があります。
一方、セパレートシートは各座席が独立しているのでゆったりと座れるのが利点です。また、体をしっかりと支えるホールド性も優れています。
機能面では、ベンチシートが実用性・利便性を重視する設計であるのに対し、セパレートシートは運転時の快適性・安定性を追求した構造といえるでしょう。
車のベンチシートのメリットと実用性

ベンチシートが多くのドライバーに選ばれる理由は、セパレートシートにはない独特のメリットと実用性にあります。
一体化した構造により、日常使用での利便性が大幅に向上し、限られた車内空間を最大限に活用できるでしょう。ここでは、3つの主なメリットについて詳しく解説します。
【車のベンチシートのメリット.1】座席間の移動が容易で乗り降りしやすい
車のベンチシートは、席と席の間に隔たりがないため、座席間の移動が容易です。特に家のガレージが狭い場合や、片側のドアが十分に開けられない状況では、反対側から楽に乗り降りできるメリットがあります。
インパネシフトを採用したベンチシート車では、運転席と助手席間のウォークスルーが容易になり、車内での移動がよりスムーズになるでしょう。日常生活では、買い物での荷物の受け渡しや、子どもの世話をする際にも重宝します。
【車のベンチシートのメリット.2】フラットな空間を活用できる
車のベンチシートは、座面がフラットで連続した構造により、多彩な空間活用が実現できます。運転席と助手席を後ろに倒すことで、足を伸ばしてくつろげる休憩スペースを作ることが可能です。
また、助手席を最大まで倒せば、長尺物の積載にも対応できる柔軟性があります。車中泊時には、前席のベンチシートを後席とつなげることで広いフラット空間が出現し、快適な睡眠環境を確保できるでしょう。
座席間に段差がないため、荷物の一時的な置き場所としても重宝し、買い物袋や手荷物を手の届く範囲に配置できます。
【車のベンチシートのメリット.3】子育て世代の利便性が高い
車のベンチシートは、子育て世代にとって特に大きなメリットを提供します。座面が広くフラットなため、おむつ替えの際に赤ちゃんを横にして寝かせることが可能です。これにより、車内での子どもの世話が格段に楽になるでしょう。
チャイルドシートの設置時も、座席間の移動が容易なため作業スペースを確保しやすくなります。家族での長距離移動時には、座席をフラットにして子どもの休憩スペースとして活用でき、快適な移動環境が整うでしょう。
車のベンチシートのデメリットと注意点

車のベンチシートには実用性の高さがある一方で、運転時の快適性・安全性において見過ごせない課題も存在します。特に長距離運転を頻繁に行う人は、慎重な検討が必要です。3つの主なデメリットを把握することで、最適な選択ができるでしょう。
【車のベンチシートのデメリット.1】ホールド性と安定性が低い
車のベンチシートは、座面が比較的平面に近い構造のため、セパレートシートよりもホールド性が低いのがデメリットです。運転中にカーブを曲がる際、体が左右に滑りやすくなり、運転者は無意識に体を支えるため余計な筋力を使うことになります。
この体の不安定さは、ハンドル操作・ペダル操作の精度にも影響を与えかねません。特にワインディングロードや高速道路での車線変更時には、体のブレがステアリング操作に直接伝わるため、安定した運転が困難になる場合があるでしょう。
現在多くの乗用車でセパレートシートが採用されているのは、運転時の安全性と快適性を重視した結果といえます。
【車のベンチシートのデメリット.2】座り心地が悪く疲れやすい
車のベンチシートは、長時間運転において疲労が蓄積しやすいのが難点です。座面が平面的で体の凹凸にフィットしにくいため、腰部や背中への負担が集中し、血行不良を招く原因となります。
また、姿勢を維持するために常に筋肉を緊張させる必要があり、首や肩の疲労も現れやすいでしょう。車のベンチシートを選ぶ際は、頻繁に長距離運転をするかどうかを十分に検討することが重要です。
【車のベンチシートのデメリット.3】安全性に課題が残ることも
ベンチシートは座面が一体構造のため、カーブ走行や万一の衝突時に各乗員の体をしっかりとホールドしづらいという特徴があり、セパレートシートと比較して安全性に劣る面があります。
特に、子どもを乗せる場合は注意が必要です。ベンチシートでは正しいシートベルト装着位置がズレるケースもあり、衝突時の保護効果が十分発揮されない場合があります。
また、チャイルドシート設置時にはベンチシートの構造上、しっかりと固定できずグラつきやすいケースがあるため、慎重な装着確認が重要です。子育て世代にとっては、安全面での懸念材料となることがあります。
【軽自動車・普通車別】フロントベンチシート採用のおすすめ車種

現在の国産車市場において、フロントベンチシートを採用した車種の選択肢はあまり多くありません。軽自動車では実用性を重視した車種が複数販売されていますが、普通車では多くが生産終了となっているのが現実です。
ここでは、フロントベンチシート車を購入を検討する人にとって最適な選択肢を、軽自動車と普通車に分けて紹介します。
フロントベンチシート採用のおすすめ軽自動車4選
フロントベンチシートを搭載した軽自動車の中でも、実用性と快適性のバランスが優れた5車種を厳選しました。
・スズキ「ラパン」
・ホンダ「N-WGN」
・ダイハツ「ムーヴキャンバス」
・スズキ「ワゴンR」
スズキ「ラパン」は、愛らしいデザインとクラストップレベルの燃費性能27.3km/L(2WD)を実現しています。ホンダ「N-WGN」は適度な広さとおしゃれさを両立し、軽自動車トップレベルの安全性能を誇るのが魅力です。
フロントベンチシート採用のおすすめ普通車4選
フロントベンチシートを搭載した普通車では、現在新車で購入できる車種は限定的です。
・トヨタ「パッソ」
・ダイハツ「ブーン」
・トヨタ「ポルテ/スペイド」
・日産「キューブ」
いずれもすでに生産終了となっていますが、中古車なら見つけられます。特にトヨタ「パッソ」は、コンパクトカーの代表格として中古車市場で人気です。
トヨタ「ポルテ/スペイド」は兄弟車であり、助手席側の大型スライドドアが印象的なプチバンとして、ファミリーにおすすめの車種となっています。
ベンチシート車を選択する際のポイントとメンテナンス方法

ベンチシート車を購入した後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、事前の確認ポイントを押さえることが大切です。最後に、ベンチシート選択時の重要なチェックポイントや、購入後の美観維持に欠かせない清掃方法を詳しく解説していきます。
ベンチシート車選択時のチェックポイント
車のベンチシートを選択する際は、使用シーンを明確にすることが重要です。狭い駐車場での乗降頻度が高い場合や、雨天時の座席移動を重視するなら、ベンチシートの利便性が生かされます。
しかし、長距離運転が多い場合は、ホールド性の低さが疲労蓄積の原因となるため慎重な検討が必要です。購入前には実際の座り心地を確認することをおすすめします。
また、同乗者の身長・体形も考慮しましょう。購入検討時は家族全員で試乗し、それぞれの快適性を確認することが失敗を防ぐポイントです。
車のベンチシートの掃除とメンテナンス方法
車のベンチシートの掃除・メンテナンスでは、シート素材に応じた適切な方法を選択することが大切です。
ファブリックシートの場合、掃除機でほこりを除去した後、セスキ炭酸ソーダ水を希釈した洗剤を霧吹きで噴霧し、柔らかいブラシで優しく汚れを浮かせます。その後、清潔なタオルで洗剤を拭き取り、自然乾燥させるのが基本手順です。
レザーシートでは専用クリーナーを使用し、力を入れすぎずに表面を拭き取る方法が推奨されます。
日常的なメンテナンスとして、週1回の掃除機がけと月1回の拭き掃除を実施することで、車のベンチシートの美観と耐久性を保てるでしょう。
まとめ

ベンチシートとセパレートシートには、構造や機能面で明確な違いがあります。ベンチシートは、乗降のしやすさやフラットな空間活用といったメリットがある一方で、ホールド性の低さ・長時間運転での疲労度といった点がデメリットです。
フロントベンチシートの場合、軽自動車から普通車までいくつかの選択肢があり、家族構成や用途に応じて選択しましょう。購入時のチェックポイントや、日常的なメンテナンス方法を理解することで、より快適にベンチシートを活用できます。
▼ライタープロフィール

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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