車のブレーキ音の原因と緊急度レベル診断!危険な音の見分け方と修理費用相場

運転中に、ブレーキから「キーキー」「ガリガリ」「ゴゴゴ」といった異音が聞こえたことはありませんか。これらの車のブレーキ音は単なる騒音ではなく、重要な警告信号です。放置すれば、安全性に深刻な影響を与えかねません。
この記事では、ブレーキ音の種類別に原因を特定し、緊急度レベルを3段階で診断する方法を解説します。適切な対処法と修理費用相場も併せて紹介するため、安全なドライブのためにもぜひ参考にしてください。
※目次※
・「キーキー音」はブレーキパッド摩耗の警告音(緊急度レベル1~3)、「ガリガリ音」は重大な損傷を示す危険信号(緊急度レベル3)、「ゴゴゴ音」は主にさびが原因だが完全摩耗の可能性もあるため、音の種類で対処の緊急性が判断できる。
・キーキー音なら制動力に問題がなければ低速で整備工場まで移動可能だが、ガリガリ音やゴーゴー音は制動力低下の恐れがあるため運転継続は危険であり、即座にロードサービスへ連絡すべきである。
・ブレーキパッド交換は軽自動車で約1万円~、普通車で約1万6,000円~、輸入車で約2万5,000円~が相場であり、残量3mm以下が交換基準となる。
車のブレーキ音の種類と緊急度レベル診断

ブレーキから異音が聞こえたら、まず音の種類を確認することが大切です。「キーキー」という高音は部品の摩耗を知らせるサインですが、「ガリガリ」「ゴゴゴ」という低音は早急な対応が必要となります。
音の違いによって緊急度や対処法が変わるため、正しい判断が安全運転の鍵です。以下、緊急度を3つの段階で表した上で、それぞれの異音について詳しく解説します。
車のブレーキ音「キーキー音」の原因と緊急度判定
ブレーキペダルを踏んだときに聞こえる甲高い「キーキー音」は、主にブレーキパッドが摩耗してウェアインジケーターがディスクローターに接触することで発生する警告音です。緊急度レベルは、状況によって変わります。
雨天時や冬の寒い朝など、湿気やさびが原因の一時的な音(緊急度レベル1)なら走行中に自然に消えるでしょう。ブレーキを踏むたびに継続的に鳴る場合(緊急度レベル2)は、早めの点検が推奨されます。
この音を放置すると制動力が低下(緊急度レベル3)し、最悪の場合事故につながる危険があるでしょう。さらに、ローターまで損傷して修理費用が膨らむ可能性もあるため、異音に気付いたら速やかな対応が重要です。
車のブレーキ音「ガリガリ音」の原因と危険度診断
ブレーキ操作時にタイヤ周辺から発生する「ガリガリ」という金属的な異音は、通常の走行では起こり得ない深刻な不具合を知らせています。緊急度レベル3にあたり、即座の対応が必要です。
パッドの割れや欠損、ローターのひび割れといった重大な損傷が原因となり、不快な振動や制動性能の著しい低下を引き起こす可能性があるでしょう。
ガリガリ音の状態を見過ごすと、最終的にブレーキ機能が完全に失われる恐れがある他、損傷部品が周辺パーツを傷つけて被害が拡大することもあります。
ガリガリ音に気付いたら、直ちに安全な場所へ退避し、プロの整備士による緊急診断を受けることが不可欠です。
車のブレーキ音「ゴゴゴ音」とその他異音の特徴
「ゴゴゴ音」は、主にディスクローターのさびが原因(緊急度レベル1)です。長期間の不使用や雨天時にさびが発生し、パッドとの摩擦面が不均一になることで生じます。
しかし、ブレーキパッドが完全に摩耗している場合(緊急度レベル3)にも発生する音なので、継続する場合は早急に点検しましょう。
「シュー音」はブレーキブースターのエア漏れを示し、シューという空気音を伴うのが特徴です。主に負圧システムに問題がある可能性を示しており、緊急度レベル2~3相当なのでブレーキ制動力が低下したら早急に点検する必要があります。
「シャリシャリ音」は、ローターやドライブシャフトに挟まった小石などの異物が原因の場合(緊急度レベル1)と、パッドセンサーが回転部分に接触している場合(緊急度レベル2)が主な要因です。
異物除去で解消しないときは、ブレーキパッドの残量不足を示す警告音の可能性が高いため、早急な点検と交換が必要となります。
車のブレーキ音の発生メカニズムと部品別原因

ブレーキから異音が発生する背景には、複数の部品が複雑に関わっています。パッドの摩耗進行やローターの表面変化、さらに気温や湿度といった環境条件も音の原因となるでしょう。各部品の働きと音が出る仕組みを理解すれば、適切な対処時期を見極められます。
ブレーキパッド摩耗による車のブレーキ音発生の仕組み
ブレーキパッドは新品時約10mmの厚さから徐々に摩耗し、残量によって異なる警告音を発するのが特徴です。
通常走行では音が出ませんが、残量が2mm~3mm程度になると、パッドウェアインジケーターという金属部品がローターに接触し始めます。金属部品の接触により、断続的なキーキー音で交換時期を知らせるのです。
さらに摩耗が進んで摩擦材がなくなると、金属同士が直接こすれ合う連続的な「ガリガリ音」「ゴゴゴ音」に変化します。段階的な音の違いを理解しておけば、危険な状態になる前に適切な時期での交換が可能です。
ディスクローターのさびと車のブレーキ音の関係
鋳鉄製ディスクローターは数日使用しないだけで表面にさびが発生し、発生したさびがブレーキ音の主な原因です。軽度のさびでは、さびが剥がれ落ちる際に「シャリシャリ音」が発生します。
広範囲のさびは、「ゴーゴー」という低音の振動音を引き起こすでしょう。ローター外周部の帯状のさびは、通常時の制動力への影響は軽微ですが、緊急ブレーキ時に性能差が現れる可能性があります。
積雪地帯の凍結防止剤は腐食を促進するため、走行後の洗浄によるさびの進行防止が重要です。
車のブレーキ音が発生しやすい環境条件
雨天時や高湿度環境では、停車中にローター表面に微細なさびが形成され、運転再開時の摩擦で「シャリシャリ音」が発生しやすくなります。
冬場の低温環境では、ブレーキパッドが硬化して摩擦係数が変化し、高周波の鳴き音を引き起こすこともあるでしょう。道路に撒かれた凍結防止剤などがブレーキシステムに紛れ込むと、異物による摩擦音が発生することもあります。
雨天後は軽いブレーキ操作で乾燥させ、冬季は定期的な清掃と適切な潤滑剤使用により、異音の発生を最小限に抑えることが可能です。
車のブレーキ音の対処法と応急処置

ブレーキの異音への対処法は、緊急度によって判断する必要があります。軽い「キーキー」音なら一時的な処置で改善することもありますが、制動力に関わる重大な音は即座に専門家への相談が不可欠です。
以下、症状別の判断基準と適切な対応方法を詳しく解説します。
車のブレーキ音の緊急時対処法と運転継続の判断基準
ブレーキ音発生時は、まずハザードランプを点滅させて周囲に異常を知らせ、安全な場所への停車が最優先です。運転継続の判断基準は、音の種類で分かれます。
軽微な「キーキー音」は、制動力に問題がなければ低速で整備工場まで移動可能ですが、「ガリガリ音」「ゴーゴー音」は制動力低下の恐れがあるため運転継続は危険です。
ペダルの異常な振動・沈み込みがある場合は即座に運転を中止し、三角表示板を設置してロードサービスへ連絡しましょう。
DIYで可能な車のブレーキ音の応急処置方法
DIYでの応急処置は、ホイール外側からパッド残量を目視確認することから始めます。残量が2mm以下なら、即座に交換が必要です。
軽度のキーキー音なら、数回のブレーキ操作でさびを除去できます。ローター表面の軽微なさびや汚れは、清水で洗浄して乾いた布で拭き取る程度の作業が可能です。
ガリガリ音や制動力低下を感じる場合は、DIYの範囲を超えています。ブレーキは安全に直結する重要部品で、分解整備には国家資格が必要なため、専門業者への依頼が必須です。
車のブレーキ音修理の専門業者選びのポイント
専門業者選びは、症状の重要度と契約状況に応じて判断しましょう。メンテナンスパック加入者はディーラーが最も経済的で、工賃や消耗品が含まれているため追加費用を抑えられます。
未加入者は、認証・指定整備工場が最適です。認証・指定整備工場は、ディーラーと同等の技術力を持ちながら、社外品使用により費用を抑えられます。
軽微な音なら、大手カー用品店でも対応可能です。複数の見積もりを比較し、ローターやキャリパー修理への対応可否を確認することで、技術力と価格のバランスを見極められます。
車のブレーキ音修理費用と部品交換の相場

ブレーキの異音修理にかかる費用は、部品の種類や車種によって大きく異なります。純正品と社外品では価格差がありますが、安全性と経済性のバランスを考慮した選択が大切です。
以下、修理時期と車検のタイミングを合わせることで、トータルコストを抑える方法を解説します。
ブレーキパッド交換による車のブレーキ音修理費用
パッド交換時期は、残量3mm以下が基準です。継続的なキーキー音は交換が必要なサインとなり、早めの対応で修理費用を抑えられます。
費用相場は車種により異なり、軽自動車は部品代と工賃込みで約1万円~、普通車は約1万6,000円~、輸入車は約2万5,000円~が目安です。
車検時期との同時実施により工賃を削減できるため、計画的な整備スケジュールが経済的となります。定期点検で適切な交換時期を把握し、緊急修理による割高な費用を回避することが重要です。
純正品と社外品ブレーキパッドの車のブレーキ音への影響
純正品パッドは、静粛性を重視した設計です。ノンアスベスト材使用によりブレーキ鳴きに配慮され、音が発生しにくい特性を持っています。
社外品は、性能向上・コスト削減などが目的です。特にスポーツ走行用の金属系素材を多く含む製品は、高い制動力と引き換えに異音が発生しやすくなります。
シムが付属していない場合は、移植作業も必要です。日常使用での快適性なら純正品、コスト重視なら社外品と、用途に応じて選択しましょう。
車のブレーキ音修理と車検・保険の関係
車検では、音自体は検査項目外です。パッド残量1mm以下は制動力不足に不安が残るものの、ブレーキが効けば車検には合格となります。しかし、音が発生している状態では部品交換が必要となり、追加整備により費用が増加するのが一般的です。
自動車保険では、ブレーキ整備不良による事故は免責事項となる場合が多く、保険金支払いが拒否される可能性があります。ただし、突発的な故障による車両損害は、車両保険の適用対象です。
まとめ

車のブレーキ音は、種類によって緊急度が大きく異なります。キーキー音は初期段階の警告サインですが、ガリガリ音は即座に対処が必要な危険信号です。
ブレーキパッドの摩耗進行やディスクローターの状態変化が主な原因となり、環境条件も音の発生に影響を与えます。
適切な応急処置と専門業者への相談タイミングを把握し、純正品・社外品の特徴を理解した上で交換時期を見極めることが重要です。
▼ライタープロフィール

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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