車のタイヤに空気を入れる頻度はどのくらい?空気入れ購入時の選び方も解説
車のタイヤ交換をお店に依頼している場合、自分でタイヤに空気を入れたことがない方もいるのではないでしょうか。しかし、タイヤの空気は自然に抜けていくため、適切な頻度で補充する必要があります。
本記事では、車のタイヤに空気を入れる頻度はどのくらいなのか、空気圧が不足した場合のリスクや空気入れを購入する際の選び方について解説します。
※目次※
・車のタイヤは1か月に約0.1kPaの空気が自然に抜けるため、月に1回は空気を入れる必要がある。
・車のタイヤに十分な空気を入れていないと、タイヤの性能を十分に引き出せないだけでなく損傷につながる。
・車に装着したタイヤに空気を入れる際は、年に1回~2回ほどスペアタイヤにも補充しよう。
車のタイヤに空気を入れる頻度はどのくらい?
車のタイヤに空気を入れる頻度は、月に1回が基本です。タイヤは密閉されているように思えますが、1か月に約0.1kPaの空気が自然に抜けていきます。
サマータイヤとスタッドレスタイヤを使い分ける場合など、長期間保管していたタイヤは装着時に空気を入れましょう。その後、月に1度はタイヤの空気圧を確認し、必要であれば空気を入れることが大切です。
なお、タイヤの空気が通常よりも早く減ることがあります。そのため、長距離ドライブの前にはタイヤの空気圧を点検しましょう。例えば、パンク、ゴムバルブの劣化、密閉性を確保するために必要なバルブキャップの紛失などが挙げられます。
車のタイヤに適正量の空気を入れていないとどうなる?
車のタイヤに十分な空気を入れていないと、さまざまなデメリットがあります。なお、空気の量は多すぎても少なすぎても悪影響を及ぼすため、適正量を入れましょう。ここでは、空気圧不足のときに生じるリスクについて解説します。
燃費悪化
車のタイヤに必要な空気を入れていないと、接地面積が増えることで転がり抵抗が大きくなります。その結果、エンジンに負荷がかかり、本来の燃費性能を発揮できません。また、CO2排出量が増加するため環境への負荷も高まります。
排水性能の低下
車のタイヤに必要な空気を入れていないと、タイヤの溝が路面の水を排除しきれず路面から浮き上がってしまう「ハイドロプレーニング現象」が発生しやすくなります。ハンドルやブレーキ操作が利かなくなる危険な現象です。
バーストの発生
タイヤの空気圧が過度に低いと、タイヤが爆発(バースト)する恐れがあります。タイヤがたわみ波打つように変形するスタンディングウェーブ現象によって過剰に発熱し、内部構造が破壊されることが要因です。
バーストは法定速度でも発生しますが、高速走行時には特に注意しましょう。
偏摩耗の発生
車のタイヤに必要な空気を入れていないと偏摩耗につながります。タイヤの空気圧が不足すると発生しやすいのが「両肩べり摩耗」と呼ばれるショルダー部が早く摩耗する現象の他、のこぎりの歯のように摩耗する「段減り」です。
一般的にタイヤの空気圧が20%不足した場合、寿命が20%短くなるといわれています。
コード切れ(CBU)
パンクや過度に空気圧が不足した状態で走行すると、カーカスコードが損傷します。サイドの薄い部分でコードが切れる「ブリーディングCBU」、サイドのカーカスコードがばらばらに破損する「引きずり」と呼ばれる現象です。
タイヤのひび割れ拡大
車のタイヤに必要な空気を入れていないと、タイヤのひび割れの発生やひび割れの拡大を助長することにつながります。ひび割れは、サイドウォール部や溝の底に発生しやすい傾向です。
車のタイヤに空気を入れる方法
車のタイヤに空気を入れる際は、適正空気圧を調べることから始めましょう。自分の車の適正空気圧が把握できたら、ガソリンスタンドなどに設置されているタイヤエアゲージで点検・補充できます。
ここでは、2つのステップに分けて車のタイヤに空気を入れる方法を解説します。
【ステップ1】タイヤの適正空気圧を調べる
タイヤの空気圧は、自動車メーカーが車種ごとに指定している適正値に調整します。そのため、同じタイヤでも装着する車種によって適正空気圧が異なる場合があることに注意しましょう。
車種ごとのタイヤの適正空気圧(車両指定空気圧)は、運転席側のドアピラーもしくは給油口フラップ裏のステッカーなどに貼付されたシールに記載されています。この他、車両取扱説明書にも記載されているため、いずれかの方法で確認しましょう。
【ステップ2】タイヤの空気圧を点検・補充する
タイヤの空気圧は、ガソリンスタンドなどに設置されているタイヤエアゲージで点検可能です。タイヤ内部の空気は熱で膨張するため、冷えている時に測定する必要があります。
空気入れをバルブに取り付けたら、タイヤエアゲージに表示された内圧を確認しましょう。この時、シューッという音がしたら空気が漏れている状態のため、しっかりと差し込んでください。
車両指定空気圧を基準に0kPa~+20kPaの範囲内で調整することが推奨されています。
車のタイヤの空気入れを購入する際の選び方
車のタイヤの空気入れを購入するなら、「充填方法」「最大空気圧」「オートストップ機能の有無」「携帯性」「静音性」「タイヤの空気圧の単位」に着目して選ぶのがおすすめです。ここでは、それぞれの項目について解説します。
充填方法
車のタイヤの空気入れには「手動式」と「電動式」があります。
手動式のタイヤの空気入れは、手や足を使ってタイヤに空気を充填するため電源が要らず、電動式よりも安価です。一方、自分で空気を充填するため手間がかかります。
電動式のタイヤの空気入れは、電力で空気を充填するため手間がかかりません。なお、電動式は電源を必要とするタイプと充電式のコードレスタイプがあります。
最大空気圧
空気入れには充填できる最大空気圧が決まっており、その圧を上回る空気を入れることができません。そのため、空気入れの最大空気圧が、タイヤの適正空気圧より大きいものを選ぶ必要があります。
なお、一般的な乗用車のタイヤ適正空気圧は220kpa~280kpaほどです。中には、200kpa以下の車種もありますが、今後車を買い替える予定がある方は最大空気圧に余裕のあるものを選ぶと良いでしょう。
オートストップ機能の有無
車のタイヤの空気入れには、オートストップ機能を搭載しているものがあります。これは、タイヤの空気圧が指定値に達すると自動的に充填を停止する機能です。
このオートストップ機能があれば、過剰充填や充填不足の心配がありません。また、エアゲージを注視する必要がないため、気楽に使えるでしょう。
携帯性
タイヤの空気入れを車内に保管しておくのであれば、なるべくコンパクトで軽量なものが望ましいでしょう。省スペースに収納できるものなら、グローブボックスに入れたりリュックに入れたりできるサイズ感のものも少なくありません。
中には、浮き輪や自転車など車以外のものにも使える商品もあります。アウトドアで使用するなら、携帯性を重視するのがおすすめです。
静音性
静音性にこだわりたいなら、手動式の空気入れがおすすめです。無音とはいえないものの、電動式に比べて音が気になりにくいでしょう。
電動式の空気入れを求めるなら、静音タイプの空気入れを選ぶのがおすすめです。しかし、電動式の空気入れは基本的に音が大きいものがほとんどです。静音タイプでも、掃除機や洗濯機と同等程度、もしくはそれを上回るほどの音であると認識しておきましょう。
タイヤの空気圧の単位
車の適正空気圧は「kPa(キロパスカル)」が用いられるのが一般的です。一方、タイヤの空気入れは以前まで使われていた「kg/cm2」「PSl」「bar」という単位で表されることがあります。空気入れの単位は、車と同じ「kPa」のものを選ぶのがおすすめです。
なお、Webサイトやアプリを利用する他、以下の計算式によって単位換算することもできます。
1kPa = 0.01kgf/cm2 ≒ 0.145PSi ≒ 0.01bar |
スペアタイヤの空気圧も点検すべき?
タイヤの空気が自然に抜けるのは、スペアタイヤ(応急用タイヤ)も同じであるため、スペアタイヤの空気圧も点検・補充する必要があります。
ただし、スペアタイヤは一般的なタイヤよりもサイズが小さいため、指定空気圧は420kPaと高めの設定です。基本的には、年に1回~2回ほど充填すれば問題ありません。
まとめ
車のタイヤは1か月に約0.1kPaの空気が自然に抜けるため、月に1回は空気を入れる必要があります。車のタイヤに十分な空気を入れていないと、タイヤの性能を十分に引き出せないだけでなく損傷につながるため、小まめに空気を補充しましょう。
空気入れを購入する際は「充填方法」「最大空気圧」「オートストップ機能の有無」「携帯性」「静音性」「タイヤの空気圧の単位」に着目して選ぶのがおすすめです。
【この記事の執筆者】
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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