冬に発生しやすい「セルは回るのにエンジンかからない」現象を詳しく解説!
寒い冬に「セルは回るのにエンジンかからない」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。一方、エンジンがかかりにくくなる理由や対処法を知らない方は少なくありません。
本記事では、セルが回るのにエンジンかからないときに考えられる原因や対処法を詳しく解説します。万が一の時に備え、知識を持っておくと適切に対処できるでしょう。
※目次※
1.冬になるとセルは回るのにエンジンがかからない現象が起こるのはなぜ?
2.冬に多い「セルは回るのにエンジンがかからない現象」が起きたときの対処法
3.電力不足が原因の場合はエンジンが始動できてもすぐに切らないことが大切
4.セルは回るのにエンジンがかからない現象が冬以外に発生する場合
・冬の気温低下により、セルは回るのにエンジンがかからない現象が発生しやすくなる。
・冬になるとセルは回るのにエンジンがかからないと感じる場合は、電力不足が関係している可能性がある。
・電力不足や点火不良が原因の場合は、アクセルペダルを踏みながらエンジンを始動することでエンジンをかけられるケースが少なくない。
冬になるとセルは回るのにエンジンがかからない現象が起こるのはなぜ?
冬になると、セルは回るのにエンジンがかからないという経験をしたことがある方もいるでしょう。この現象には、気温の低下が深く関わっています。
車はエンジン内部で吸入・圧縮・燃焼・排気を繰り返し、ピストンを動かします。なお、エンジン始動時は抵抗力が大きいため、バッテリーに蓄えた電力を使用してセルモーターの力でピストン運動を開始させる仕組みです。
一方、エンジンオイルは寒さで粘度が高まるため、エンジン始動時の抵抗力が増加します。通常よりも電力を必要とすることで、電力が不足しやすくなるのです。
また、低温下ではバッテリーの性能が十分に発揮できません。放電力が弱まったバッテリーではセルモーターを動かす力が不足するため、電力が不足しやすくなります。
このように、冬は寒さを原因とする電力不足が原因でセルは回るのにエンジンがかからないという現象が発生しやすいといえるでしょう。
冬に多い「セルは回るのにエンジンがかからない現象」が起きたときの対処法
冬になるとセルは回るのにエンジンがかからないと感じる場合は、電力不足が関係している可能性があります。その場合、かかりにくくなっているだけで根気強くエンジン始動を試みると、解決できるかもしれません。
ここでは、冬の寒さによる電力不足でセルは回るのにエンジンがかからないときにできる対処法を紹介します。
アクセルペダルを踏みながらエンジンを始動する
セルは回るのに電力不足によってエンジンがかからない場合は、アクセルペダルを踏みながら始動を試みるのもひとつの方法です。AT車であれば、左足でブレーキペダルを踏みながら、右足でアクセルペダルを踏みましょう。
アクセルペダルの踏み方は、強弱をつけたり、べた踏みしたりするのが一般的です。ただし、長時間連続でセルモーターを回すことはせず、5秒ほどにとどめましょう。
一度でかからなくても、この動作を何度か繰り返すことでエンジンがかかる場合があります。何度か試みてもエンジンがかからない場合は、点火プラグがガソリンで湿ってしまった可能性があるため、30分~1時間ほど置いて再びチャレンジしてみましょう。
ジャンプスタートを試みる
電力不足によりエンジンが始動できない場合は、ジャンプスタートによってエンジン始動が可能です。
しかし、冬の寒さが原因で電力が不足している場合、電気を分けるはずの救援車側のバッテリーに電力が足りないことも考えられます。その場合、ケーブルをつないでもエンジン始動に十分な電力を供給することができません。
そのようなときに備え、手軽に利用できるジャンプスターターを持っておくと安心です。コンパクトで安価な商品も多く販売されており、モバイルバッテリーとして普段使いできるものもあります
電力不足が原因の場合はエンジンが始動できてもすぐに切らないことが大切
電力不足が原因でエンジンがかかりにくくなっている場合は、根気強くエンジン始動を試みたり、ジャンプスタートしたりすることで解決できることが多いでしょう。
しかし、辛うじてエンジンが始動できた際は、すぐに切らないことが大切です。バッテリー内に十分な電気の蓄えがない状態であるため、すぐにエンジンを切ると再びエンジン始動が困難になります。
なお、エンジンが動いている間はオルタネーターによって発電されるため、エンジンが止まる恐れはありません。
可能であれば、10kmほどの距離もしくは30分ほどを目安にドライブするのが理想です。エンジンの回転数が高いほうが効率よく充電できるため、市街地よりも郊外を走行するのがおすすめといえます。
走行が難しい場合は、アイドリングによる充電を行いましょう。アイドリングはエンジン回転数が低くゆっくりと充電が行われるため、1時間ほどエンジンをかけた状態にしておくのが理想です。近隣住民とのトラブルにならないよう、場所や時間にご注意ください。
セルは回るのにエンジンがかからない現象が冬以外に発生する場合
冬以外にもセルは回るのにエンジンがかからない現象が発生する場合、電力不足以外の原因があるかもしれません。ここでは、プラグかぶりや燃料切れ、その他の不具合など、考えられる要因について解説します。
プラグかぶり
冬以外にもセルは回るのにエンジンがかからない現象が発生する場合、プラグかぶりが原因かもしれません。
これは、点火プラグが未燃焼の燃料によって湿っている状態で、エンジンをかけてすぐに切ると起こりやすい現象です。点火プラグが湿っていると火花を散らしにくくなるため、セルは回るのにエンジンがかからない現象が発生します。
例えば、窓の閉め忘れなどで一時的にエンジンを始動させたり、駐車場内で車を移動しただけでエンジンを切ってしまったりすると、プラグかぶりが起こりやすいため注意しましょう。特に、冬などの寒い時期はガソリンが気化しにくいため注意が必要です。
燃料切れ
冬以外にもセルは回るのにエンジンがかからない現象が発生する場合、燃料切れ(ガス欠)が原因かもしれません。メーターが「E」を示していたり、給油ランプが点灯していたりする場合、燃料切れの可能性があります。
この場合、ロードサービスを利用するか、別の車がある場合はガソリンスタンドで携行缶に入れてもらうなどして給油しましょう。日頃から燃料切れとならないよう、燃料の減り具合を確認することが大切です。
また、燃料が少ない状態で傾斜に駐車した場合、エンジン始動時にうまく燃料を供給できていないケースも考えられます。
その他の不具合
プラグかぶりや燃料切れ以外でセルは正常に回るのにエンジンが始動できない場合は、その他の不具合が原因かもしれません。
例えば、イグニッションコイルやスパークプラグなどの点火装置、インジェクターや燃料ポンプなどの燃料供給装置の不具合などが考えられます。
いずれの場合も、故障している場合は自分で対処することは難しいといえます。修理を依頼したいディーラーや整備工場などに連絡して点検してもらうのがおすすめです。
まとめ
冬の気温低下によって、セルは回るのにエンジンがかからない現象が発生しやすくなります。なお、電力不足が原因の場合は、アクセルペダルを踏みながらエンジンを始動することでエンジンをかけられるケースが少なくありません。
セルは回るのにエンジンがかからない場合に備えるには、手軽に利用できるジャンプスターターが便利です。コンパクトで安価な商品も多く販売されている他、モバイルバッテリーとして使用できる商品もあるため、ひとつ持っていて損はないでしょう。
【この記事の執筆者】
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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