眼帯を付けた状態で運転すると違反になる?片目で運転する際のリスクとは
白内障やものもらいをはじめとする目のトラブルを患った場合、眼帯の着用が必要になることがあります。眼帯を付けると片目の視界が遮られてしまうため、車を運転しても法的に問題がないのか、疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、眼帯を付けた状態で運転すると違反になるのか、片目で運転する際のリスクについても詳しく解説します。眼帯の装着を余儀なくされた方は、ぜひ参考にしてください。
※目次※
2.眼帯を付けたまま運転すると「安全運転義務違反」を問われる?
・眼帯を付けた状態で車を運転してはいけないという明確な定めはない。
・眼帯をしていないほうの目が左右150度以上かつ視力が0.7以上であれば、普通自動車免許の視力の基準を満たせる。
・眼帯を装着していることで事故を起こしてしまった場合は、安全運転義務違反とみなされる恐れがある。
眼帯を付けた状態で車を運転すると違反になる?
道路交通法では、眼帯を付けた状態で車を運転してはいけないという明確な定めはありません。しかし、眼帯を装着していることで事故を起こしてしまった場合は「安全運転義務違反」を問われる可能性があるため、極力避けたほうがよいでしょう。
ここでは、運転免許取得時の適性試験における視力の合格基準や安全運転義務違反について解説します。
眼帯を付けた状態で車を運転してはいけないという明確な定めはない
車の運転免許を新規取得する際や更新する際には適性試験があり、視力検査が実施されます。視力の合格基準を満たしていない人は運転免許の取得ができませんが、眼帯を付けていても運転免許の基準を満たしている場合は運転ができることになります。
普通自動車免許の合格基準は、下記の通りです。
引用「両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上、又は一眼の視力が0.3に満たない方、若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること」
眼帯を装着している場合は、もう一方の目が左右150度以上かつ視力が0.7以上あれば、視力の基準を満たしていることになります。
(参考:適性試験の合格基準 - 警視庁)
眼帯を装着すると基準を満たせない運転免許もある
運転免許の種類によっては、眼帯を装着すると基準を満たせないものがあります。大型第一種免許、中型第一種免許(限定なし)、準中型第一種免許(限定なし)、けん引免許、第二種免許、大型仮免許、中型仮免許、準中型仮免許です。
これら免許の合格基準は、下記の通りです。
引用「両眼で0.8以上、かつ、一眼がそれぞれ0.5以上であること。」深視力「三棹(さんかん)法の奥行知覚検査器により2.5メートルの距離で3回検査し、その平均誤差が2センチメートル以下であること。」
これらの免許で運転できるのは主にバスやトラックであり、普通自動車よりも厳しい基準が設けられています。片目が見えない場合の緩和条件がないため、眼帯を装着した状態での運転は認められていません。
(参考:適性試験の合格基準 - 警視庁)
眼帯を付けたまま運転すると「安全運転義務違反」を問われる?
安全運転義務は、交通ルールを定めた法律である「道路交通法」によって規定されています。運転時には、車に備え付けられた装置を適切かつ、確実に操作しなければなりません。また、道路状況や周囲の車の動きに応じて安全運転をする義務があります。
これは全ての運転者が負うべき義務であり、けがや病気で片目が見えなくても例外ではありません。眼帯を装着したまま運転するということは、片目が見えないリスクを承知した上で運転しているとみなされるでしょう。
眼帯を装着していることで事故を起こしてしまった場合は、安全運転義務を怠ったとみなされ、過失を問われる可能性があるため注意が必要です。
(参考:道路交通法第70条「安全運転の義務」)
眼帯を付けて運転する際のリスク
眼帯を装着した状態でも、異常がないほうの目が運転免許の基準を満たしていれば、運転は可能です。しかし、慣れない片目での運転によって、交通事故の危険性が高まることは避けられません。
ここでは、眼帯を付けて運転する際のリスクについて解説します。どうしても運転が必要な場合は、リスクを踏まえ慎重に判断することが大切です。
視野が狭まる
眼帯を装着すると視野が狭まり、障害物や歩行者を見落とすリスクが高まるため、運転の際には細心の注意が必要です。
また、中心を見たまま同時に情報の処理が可能な「有効視野」と呼ばれる範囲が、両目で見るよりも狭まるといわれています。
距離感がつかめなくなる
眼帯を装着すると奥行きが認識しにくくなるため、適切な車間距離を保つのが難しかったり、駐車が難しかったりするでしょう。障害物にぶつからないよう注意が必要です。
両目で見たときと比較して、片目で見たときには「空間認識能力」が低下するといわれています。
運転ができないとされる目のトラブル
眼帯をしている期間は運転を控えようと考えていても、想定よりも装着期間が長いと運転せざるを得ないこともあるでしょう。
例えば、白内障の手術は10分~20分程度の短時間で完了するため日帰りも可能ですが、術後直後から運転が可能になるわけではありません。通常であれば翌日、必要に応じて1週間程度の間、眼帯を付けて生活するのが一般的です。
視力が回復するまでの期間や程度には個人差がありますが、眼帯を付けている間は運転を控えるのがおすすめといえます。
まとめ
車は移動手段として非常に便利なアイテムですが、事故のリスクが高いことを忘れてはなりません。眼帯を装着しなければならないときには、運転を控えるのが望ましいといえるでしょう。運転が必要な場合は、リスクを踏まえ慎重に判断することが大切です。
日常的に車を使用していると、つい安全運転の意識が薄れてしまうこともあるかもしれません。眼帯の使用が事前に分かっている場合は、公共の交通機関を利用したり、仕事が休みの日に治療を受けたり、自分で運転しなくて済むようにするのが安全といえます。
【この記事の執筆者】
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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