転勤族は車をどうするのがベスト？引っ越し時の選択肢を解説
転勤の辞令が出たとき、多くの方が悩まれるのが「車をどうするか」という問題ではないでしょうか。今乗っている車を転勤先に持っていくべきか、それとも売却して新たに購入するべきかなど、選択肢が多くて判断に迷ってしまうかもしれません。
この記事では、転勤族の方が直面する車に関する課題について、考えられる選択肢や転勤先に車を持っていくときに必要な手続きを紹介します。現在の状況や転勤先の生活環境によって最適な答えは変わってくるので、ベストな選択肢を見つけましょう。
※目次※
・転勤時の車の扱いは、持っていく・売却する・預けるの3択がある。
・転勤前に車を売却する行為は、維持費の削減と転勤費用への充当という点で合理的。
・転勤先で車を用意する場合は、購入・カーリース・カーシェアやレンタカーという選択肢がある。
車を所有している転勤族が引っ越しのときに選べる手段
転勤が決まった際にまず頭をよぎるのが、愛車をどうするかという現実的な問題ではないでしょうか。新しい赴任先での生活を想像すると、車が必要なのか、維持費はどうなるのか、手放すべきかと悩みは尽きません。まずは今お持ちの車を転勤に伴ってどう扱うか、考えられる3つの主な選択肢を確認しましょう。
今の車を転勤先に持っていく
今使用している車を転勤先に持っていくと、新しい土地でも乗りなれた車を利用できます。転勤族が今の車を転勤先に持っていく方法は、主に自分で運転する、引越し業者に依頼する、陸送専門業者に依頼するの3つです。
自分で運転する場合、近距離なら高速代とガソリン代だけで済みますが、遠距離では大変な作業に感じられるかもしれません。運転に不安があるときは、コストはかかりますが引っ越し業者や陸送専門業者を利用するとよいでしょう。
転勤前に車を売却する
転勤前に車を売却するという選択は、維持費の負担をなくし、売却資金を転勤費用に充てられる点で合理的です。引っ越す前に車を売却すれば、使わない期間の劣化を心配する必要もありません。
また、一般的に車は早く売るほど高く売れるため、高価買取が目指しやすくなるでしょう。このように、しばらく車に乗る予定がないときは、転勤前に売却するのもひとつの方法です。
実家や知人宅に車を預ける
実家や知人宅に車を預けるという選択は、車を保持し続けたいときに有効な手段です。転勤先で車を使う予定がなく、短期間で戻ってくるケースなどでは一時的に車を預かってもらうと移動の手間を省けるでしょう。
また、持ち家である場合、自宅に置いておけるのであれば駐車場代の心配もありません。使用していない期間も自動車税種別割や自賠責保険の支払いは継続するため、維持費の発生を忘れないようにしましょう。
転勤族が引っ越し先で車を使用するときの選択肢
転勤先に到着しても、生活の足は必要です。では、愛車を持っていく以外の方法で、新しい土地での移動手段をどう確保すれば良いのでしょうか。ここでは、転勤先で車を使うための選択肢を見ていきましょう。
自家用車を用意する
転勤先で自家用車を利用する場合、今使用している車を使い続けるか、新たに車を購入する必要があります。所有している車を使い続けるときは、移動に伴う手続きを済ませましょう。
新たに車を購入する場合は、新車か中古車を選ぶことになりますが、予算に加えていつ頃納車できるのかを確認したうえで選ぶことが大切です。新車の場合は納車待ちの時間が長くなることもあるため、転勤後すぐに乗り始めるのが難しいこともあります。
カーリースを契約する
カーリースは、初期費用を抑えて車を利用できるサービスです。月々の定額料金に車両代や税金、自賠責保険料が含まれているため、転勤族の方にとって支出管理がしやすい点が魅力といえます。
契約期間は1年単位で選べるサービスも多く、転勤の頻度に合わせた柔軟なプランニングが可能です。たとえば、赴任期間が3年と決まっているなら3年契約を選ぶことで、無駄なコストを削減できます。ただし、原則として契約期間中の解約には違約金が発生するため、急な転勤で車が不要になった場合の対策も考えておくことが大切です。
カーシェアやレンタカーを活用する
カーシェアやレンタカーは、短期赴任や車の利用頻度が低い転勤族に適した選択肢です。両者は利用期間で使い分けるのが基本で、数時間程度の買い物や送迎ならカーシェアが便利です。
24時間いつでもスマートフォンから予約でき、店舗での手続きも不要なため、思い立った時にすぐ利用できます。数日以上の利用や1か月程度の出張にはレンタカーのマンスリープランが経済的でしょう。
転勤先に車を持っていくときに必要な手続き
転勤先に愛車を持っていくと決めたら、引っ越し作業と並行して車に関する手続きを進めなければなりません。ここでは、転勤先に車を持っていく際に必要な手続きについて見ていきましょう。
駐車場の確保
転勤先に車を持っていく場合、駐車場の確保が必要です。駐車場探しは、賃貸物件に付帯する駐車場と月極駐車場の2つの選択肢があります。賃貸物件の駐車場は利便性が高いですが、空きがない場合もあるでしょう。
月極駐車場を利用する場合は、車庫証明が取得できるように自宅から直線距離で2km以内という条件を満たす必要があるため、エリアを絞って探すことが大切です。
車庫証明と保険の住所変更
転勤先で車を使用する場合、住所変更から15日以内に車庫証明の変更手続きを完了させる必要があります。手続きは新住所を管轄する警察署で行い、自動車保管場所証明申請書や保管場所の所在図・配置図などの書類が必要です。
また、自動車保険の住所変更も忘れずに行いましょう。住所変更を怠ると、更新通知が届かず保険が失効するリスクや、事故時の保険金支払いに影響が出る場合があります。単身赴任で車を使用する人物構成が変わる場合は、運転者の範囲や年齢条件の見直しも同時に行うことで、保険料の最適化が図れます。
ナンバープレートの変更
ナンバープレートの変更は、転居によって運輸支局の管轄エリアが変わる場合に必要となります。管轄が変わらなければ変更手続きは不要ですが、変更が必要な場合は車検証の住所変更と同時に行うのが一般的です。
手続きは普通車なら運輸支局または自動車登録センター、軽自動車なら軽自動車検査協会で行います。引っ越しを行う際は、ナンバープレートを変更する必要性についても確認しておきましょう。
まとめ
転勤時の「車をどうするか」という悩みは、多くの方が直面する現実的な課題です。主な選択肢としては、今の車を持っていく、売却する、一時的に預けるの3つがあり、転勤先の環境や期間によって最適な選択が変わってきます。
自身の生活スタイルや赴任期間、コスト面を総合的に考慮し、必要な手続きの手間も含めてベストな選択肢を見つけ出すことがスムーズな転勤生活の第一歩となるでしょう。
【この記事の執筆者】
福沢知留
フリーランスとして2017年から活動するライター兼エディター。豪雪地帯で約10年間FRセダンを走らせた経験を持ち、現在は子育てに適したファミリーカーを愛用する3児の母。車への深い愛情と豊富な経験を生かし、複数の車関係メディアで編集を担当するなど数々の記事制作に携わっている。
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