スズキランディと日産セレナを徹底比較。あなたに最適なのはどちら?
スズキのランディと日産のセレナは、どちらも人気の高いミニバンですが、いったいどこが違うのでしょうか。
自分のライフスタイルに合った最適な1台を見つけるため、両車を徹底的に比較してみましょう。それぞれの特徴を把握すれば、自分にぴったりな車がどちらなのかが分かります。
※目次※
・スズキランディは日産セレナをベースとするOEM車として開発されたが、現行モデルはトヨタのノアをベースとする。
・どちらもグレードや駆動方式によって新車価格には幅があるので、自分のライフスタイルに合ったモデルを選ぶためには慎重な検討が必要。
・どちらの車種も優れた燃費性能を誇り、安全装備や快適装備も充実している。
スズキランディと日産セレナの概要
人気のミニバン、スズキランディと日産セレナの特徴を詳しく見ていきましょう。ランディは4代目、セレナは6代目まで進化を遂げており、それぞれ独自の魅力を有しています。
また、ランディはOEM車であることも大きな特徴です。ミニバンの購入を検討している方に向けて、両車の違いを分かりやすく比較します。
スズキランディの特徴
スズキランディは、2007年に登場した小型ミニバンで、現行モデルの4代目まで進化を遂げています。初代から3代目までは日産セレナをベースにしたOEM車でしたが、4代目からは、スズキの資本提携相手であるトヨタのノアにベースが変更になりました。
最新の4代目ランディは、2022年にフルモデルチェンジされて発売されました。外観は、ベースであるトヨタノアのデザインと基本的に同様です。ただ、フロントグリルやエンブレム部分は独自のデザインに変更されており、個性的な印象を醸し出します。
7人乗りまたは8人乗りの3列シート仕様で広々とした室内空間を確保しており、大人が大勢乗ってもゆったりくつろげます。
2列目シートは、モデルによって左右独立のキャプテンシートか6:4分割チップアップシートで、ロングスライドとリクライニングが可能です。3列目シートは跳ね上げ式となっており、多彩なシートアレンジに対応しています。
パワートレインは、2.0Lガソリンエンジン車とハイブリッド車の2種類が用意されており、いずれも燃費性能に優れた設計です。先進安全装備も充実しており、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなどが搭載されています。
日産セレナの特徴
日産セレナは1991年の登場以来、フルモデルチェンジを繰り返してきた人気のミニバンで、現行モデルが6代目です。
初代モデルは、バネットコーチの後継車「バネットセレナ」として誕生し、セミキャブオーバー型の独特なスタイルが特徴でした。2代目からはミニバン専用プラットフォームを採用し、両側スライドドアを装備するなど、利便性が大幅に向上しました。
現行の6代目セレナは2022年にフルモデルチェンジされ、洗練されたデザインと先進技術が融合されています。スタイリッシュな外観は、街中で目を引くデザインです。
室内には広々とした空間が確保され、多彩なシートアレンジが可能で、自宅のリビングのように快適に過ごせます。
パワートレインは、従来の2.0Lガソリンエンジンに加え、e-POWERシステム(電動パワートレイン)を採用したモデルも選べるラインアップです。e-POWERは、電気自動車のような滑らかな加速と静粛性を実現し、同時に優れた燃費性能も発揮します。
さらに、先進安全技術「プロパイロット」も進化しており、より安全で快適なドライブをサポートする存在です。家族の安心を第一に考えた装備の数々は、セレナの大きな魅力といえるでしょう。
OEM供給モデルとは
OEM車は、自動車業界で広く普及している製造・販売方式です。OEMは他社ブランドの製品を別の会社が製造することを指しますが、簡潔に表現すれば、A社が作った車にB社が自社のブランドを掲げて販売するケースをOEM車と呼びます。
これは双方にメリットがある方法です。販売側は開発コストを抑えつつ、ラインアップを増やせます。一方で供給側は生産台数を増やせるため、大量生産が可能となりコスト削減につながるのです。
特に軽自動車では、トヨタやマツダなど自社では生産していないメーカーがOEM供給を受けてラインアップを確保しています。
ではなぜ、消費者はOEM車を選ぶのでしょうか。さまざまな理由がありますが、「いつも利用しているディーラーで購入したい」「デザインが好み」「納期が早い」といった点が挙げられます。
ただし、グレードの選択肢が限定されたり、中古車市場でのリセールバリューが低くなる可能性があったりするため、購入にあたって慎重に検討する必要があるでしょう。
スズキランディと日産セレナをグレードごとに比較
スズキランディと日産セレナはどちらも、家族向けミニバンとして人気の高い車種です。両車種の特徴をより詳しく理解するため、グレードごとに比較します。
新車価格やボディサイズ、室内空間やラゲッジスペースなど、さまざまな観点から両車の特徴を把握すれば、自分に最適な1台を見つけるヒントが得られるでしょう。
新車価格の比較
まずはスズキランディと日産セレナの新車価格を比較しましょう。車の購入を考える際に、価格は重要な要素です。それぞれの車種の価格を確認し、自分に合った車はどちらなのか慎重に検討しましょう。
ランディの価格帯は、グレードによって異なります。ベースグレードの「G」2WDモデルは310万円台からスタートし、4WDモデルは332万円台です。一方、ハイブリッドモデルの「HYBRID G」は、2WDで345万円台、E-Fourで369万円台と、より高価格帯に位置しています。
対するセレナは、グレードや駆動方式によって多様なラインアップが用意されており、幅広い価格帯を形成しています。ベースグレードである「X」の2WDモデルは276万円台の一方で、上位グレードやe-POWER搭載モデルになると400万円を超えるものもあるという状況です。
両車種とも、グレードアップに伴い装備や性能が充実し、価格も上昇します。家族の需要や予算に合わせて、最適なモデルを選ぶことが大切です。
ただし、これらはメーカー希望小売価格であり、実際の販売価格は販売店によって異なる場合があるでしょう。購入を検討する際は、複数の販売店で見積もりを取ることをおすすめします。
スズキランディ |
|
グレード |
メーカー希望小売価格 |
G(2WD) |
310万6,400円 |
G(4WD) |
332万7,500円 |
HYBRID G(2WD) |
345万700円 |
HYBRID G(E-Four) |
369万7,100円 |
(2024年8月時点の情報です)
日産セレナ |
|
グレード |
メーカー希望小売価格 |
X(2WD) |
276万8,700円 |
X(4WD) |
303万4,900円 |
XV(2WD) |
308万8,800円 |
XV(防水シート車・2WD) |
313万2,800円 |
e-POWER X(2WD) |
319万8,800円 |
ハイウェイスターV(2WD) |
326万9,200円 |
ハイウェイスターV(防水シート車・2WD) |
331万3,200円 |
XV(4WD) |
335万5,000円 |
XV(防水シート車・4WD) |
339万9,000円 |
e-POWER XV(2WD) |
349万9,100円 |
ハイウェイスターV(4WD) |
353万5,400円 |
e-POWER XV(防水シート車・2WD) |
354万3,100円 |
ハイウェイスターV(防水シート車・4WD) |
357万9,400円 |
e-POWERハイウェイスターV(2WD) |
368万6,100円 |
e-POWER ハイウェイスターV(防水シート車・2WD) |
373万100円 |
AUTECH(2WD) |
373万3,400円 |
e-POWER ハイウェイスターV 90周年記念車(2WD) |
377万9,600円 |
AUTECH(4WD) |
393万3,600円 |
e-POWER AUTECH(2WD) |
415万300円 |
e-POWER LUXION(2WD) |
479万8,200円 |
(2024年8月時点の情報です)
ボディサイズの比較
スズキランディと日産セレナのボディサイズを比較すると、両車種とも家族向けミニバンとしての特徴が際立ちます。ランディの全長は4,695mm、全幅は1,730mm、全高は1,845mm(4WD・E-Fourは1,875mm)です。
一方、セレナは全長4,690mm~4,765mm、全幅1,695mm~1,715mm、全高1,870mm~1,895mmと、ランディとほぼ同等のサイズ感といえるでしょう。
ホイールベースはランディが2,850mm、セレナが2,870mmで、大きな差はありません。このホイールベースの長さが室内の広さに貢献しており、両車種ともまるで小さな部屋を動かしているかのような、広々とした室内空間を実現しています。
駐車の際に気になる最小回転半径は、ランディが5.5m、セレナが5.7mで、どちらも取り回しのしやすい設計です。街中の細い道での運転や狭い駐車場でも、大型車につきまとう不安を感じることなく操作できるでしょう。
|
スズキランディ |
日産セレナ |
全長 |
4,695mm |
4,690mm~4,765mm |
全幅 |
1,730mm |
1,695mm~1,715mm |
全高 |
1,845mm~1,875mm |
1,870mm~1,895mm |
ホイールベース |
2,850mm |
2,870mm |
最小回転半径 |
5.5m |
5.7m |
室内空間の比較
スズキランディと日産セレナの室内空間を見ると、両車種とも家族向けミニバンならではの広々とした空間が確保されています。移動中も、まるでリビングにいるような快適さを維持できるでしょう。
ランディの室内は、1,405mmの天井高と1,470mmの横幅により、大人数での乗車や大量の荷物積載でも余裕があります。セカンドシートは、グレードによって最大745mmのロングスライドが可能で、広々とした空間の実現が可能です。
一方で、セレナも負けていません。1,400mmの天井高と1,545mmの横幅でミニバンクラスNo.1の広さを誇り、全席でゆったりとくつろげます。2列目シートは最大640mmのロングスライドが可能で、大人でも脚を投げ出せる広大なスペースが現れます。
両車種とも多彩なシートアレンジが可能で、多様な用途に対応できるのも特徴です。例えば、後部座席を倒して大きな荷物を積んだり、全席をフラットにして車中泊を楽しんだりと、使い方は無限大といえるでしょう。
収納スペースも充実しており、家族での長距離ドライブも快適に過ごせます。視界の広さも両車種の特徴で、運転時の安心感にもつながるポイントです。
室内寸法 |
スズキランディ |
日産セレナ |
長さ |
2,805mm |
3,135mm~3,145mm |
幅 |
1,470mm |
1,545mm |
高さ |
1,405mm |
1,400mm |
ラゲッジスペースの比較
ラゲッジスペースの広さと使い勝手は、家族向けミニバンにとって重要なポイントといえるでしょう。スズキランディと日産セレナ、どちらが荷物の積載に優れているのでしょうか。
ランディは、多彩なシートアレンジにより、広さと使い勝手を両立させています。3列目シートを格納する「ラゲッジモード」では、2列目シートを使用していても多くの荷物を積載可能です。
さらに「ビッグラゲッジモード」では、後部座席全体が荷室となり、大型の荷物も収納できます。
一方、セレナはミニバンクラスNo.1のラゲッジスペースの広さを誇ります。26インチの自転車や大きなクーラーボックス2つ、9.5インチのゴルフバッグ4つなど、大量の荷物を積載可能です。
さらに、ラゲッジスペースの下には大容量のアンダーボックスも備えており、収納力は十分でしょう。
両車種とも、3列目シートは簡単に格納でき、大きな荷室を確保できます。家族旅行や趣味の道具の運搬など、さまざまなシーンで活躍しそうです。
スズキランディと日産セレナの走行性能と燃費性能を比較
スズキランディと日産セレナの走行性能と燃費性能を詳しく見ていきましょう。両車種とも、ファミリーカーとして人気の高いミニバンですが、エンジンやトランスミッションの違いにより、走りの特性や燃費に差が現れます。
それぞれのモデルの特徴をデータに基づいて比較しながら、自分のニーズに合った選択肢を探っていきましょう。
走行性能の違い
スズキランディと日産セレナの走行性能を比較してみましょう。両車種とも、ファミリーカーとして人気の高いミニバンですが、その走りの特性には違いがあります。
ランディは2.0L直列4気筒エンジンを搭載したガソリンモデルと、1.8L直列4気筒エンジンを採用したハイブリッドモデルというラインアップです。
Direct Shift-CVTを採用したガソリンモデルは、スムーズな加速と燃費性能を両立し、スポーツカーのような軽快な走りが楽しめます。一方ハイブリッドモデルは、電気式無段変速機により静かでスムーズな走行が特徴です。
セレナには、2.0L直列4気筒エンジンを搭載したガソリンモデルと、e-POWERシステムを採用した電動モデルがあります。ガソリンモデルはエクストロニックCVTとの組み合わせにより、力強い加速と優れた燃費性能を実現し、e-POWERモデルはモーター駆動による瞬時の加速と静粛性が魅力です。
両車種とも、2WDと4WDから選べます。ランディのE-Fourシステムは、滑りやすい路面での安定性が向上しています。セレナの4WDシステムも、状況に応じて前後輪のトルク配分を自動制御しており、安定した走行が可能です。
|
スズキランディ |
日産セレナ |
エンジン |
2.0L直列4気筒 1.8Lハイブリッド |
2.0L直列4気筒 e-POWER |
トランスミッション |
Direct Shift-CVT 電気式無段変速機 |
エクストロニックCVT (e-POWERはなし) |
駆動方式 |
2WD E-Four(4WD) |
2WD 4WD |
最高出力 |
72kW(98PS)/5,200rpm 125kW(170PS)/6,600rpm |
110kW(150PS)/6,000rpm 72kW(98PS)/5,600rpm |
最大トルク |
142N・m(14.5kg・m)/3,600rpm 202N・m(20.6kg・m)/4,900rpm |
200N・m(20.4kg・m)/4,400rpm 123N・m(12.5kg・m)/5,600rpm |
燃費性能の比較
燃費性能は、車選びにおける重要な要素です。ランディとセレナでは、どちらが燃費に優れているのでしょうか。
ランディのハイブリッドモデル(2WD)は、WLTCモードで23.2km/Lという優れた燃費性能を誇ります。一方、セレナのe-POWERモデル(2WD)は、WLTCモードで20.6km/Lです。
ガソリンモデルを比較すると、ランディ(2WD)が15.1km/L、セレナ(2WD)が13.4km/Lとなっています(WLTCモード)。どちらも街乗りから高速道路まで、幅広い走行シーンで優れた燃費性能を発揮するでしょう。
注目すべきは、両車とも市街地モードでの燃費が高い点です。ランディのハイブリッドモデル(2WD)は22.5km/L、セレナのe-POWERは21.3km/Lを記録しています。渋滞の多い都市部での使用にも適しているといえるでしょう。
モデル |
WLTCモード燃費 |
市街地モード燃費 |
ランディ HYBRID G(2WD) |
23.2km/L |
22.5km/L |
セレナ e-POWER X(2WD) |
20.6km/L |
21.3km/L |
ランディ G(2WD) |
15.1km/L |
11.5km/L |
セレナ X(2WD) |
13.4km/L |
9.8km/L |
スズキランディと日産セレナの安全装備と快適装備を比較
スズキランディと日産セレナは、安全性と快適性を重視した装備も充実しています。両車種とも最新の安全技術を採用し、乗車時の安心を確保する機能を備えた車です。長距離ドライブや日常使いでの快適性を高める装備も含め、特徴や違いを見ていきましょう。
安全装備の充実度
スズキランディと日産セレナの安全装備は、どちらも年々進化を遂げています。ランディには、衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」が搭載されており、歩行者や自転車、自動二輪車まで検知が可能です。
一方、セレナには「360°セーフティアシスト」という、全方位をカバーする予防安全システムが備わっています。車の周囲全面に目があるかのように、危険を察知してドライバーに知らせてくれる機能です。
両車種ともに、高速道路での運転支援技術も搭載しています。ランディの「レーントレーシングアシスト」、セレナの「プロパイロット」は、長距離ドライブ時の疲労軽減に貢献してくれるでしょう。
さらに、駐車時の安全性に対しても配慮されています。ランディの「パーキングサポートブレーキ」、セレナの「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」により、駐車場での接触事故リスクが大幅に減らせるでしょう。
両車種とも充実した安全装備を誇るものの、細かな機能の違いがあるため、実際に試乗して体感することをおすすめします。
快適を提供するその他の装備
スズキランディと日産セレナは、快適性を追求するための装備も充実しています。例えば、ハンズフリーでスライドドアを開閉できる機能が、どちらにも搭載されています。足を動かすだけでドアが開くため、子育て中の人や高齢者にとって便利な機能です。
車内の快適性にも気が配られています。ランディは空気中の有害物質を抑制する「ナノイーX」を搭載したフルオートエアコンを採用し、車内を清潔に保つ上で効果的です。セレナは、プラズマクラスター技術を使用したエアコンで、快適な空間を演出します。
長距離ドライブの際にうれしいのが、両車種に用意されているシートヒーターです。寒い季節でも、車に乗り込んだらすぐにシートが温まるため、心地よく車内での時間を楽しめます。
セレナには100VのAC電源の搭載が可能で、アウトドアや災害時に電源として活用できます。一方ランディは、バックドアの開閉時に途中で止められるフリーストップバックドアを採用しており、狭い場所での荷物の積み下ろしに便利です。
まとめ
スズキランディと日産セレナは、ともに人気のミニバンです。かつてのランディはセレナをベースとしていましたが、現行モデルはトヨタのノアにベース車両が変更されています。
両車の概要だけでなく、新車価格やボディサイズ、室内空間の広さなどを比較し、各モデルの特徴を明らかにしました。走行性能や燃費性能、安全装備、快適装備の違いも、車選びにおいて重要な情報です。
さまざまな観点から両車を比較することで、自分のライフスタイルに適した1台を探す際の判断材料として役立つでしょう。
【この記事の執筆者】
五十嵐巧
大手出版社での書籍編集を皮切りに、25年以上にわたり書籍・雑誌・Webメディアの編集・ライティングに携わる。現在はフリーランス編集者・ライターとして活動し、複数の自動車メディアでもコンテンツの編集・執筆に取り組む。豊富な取材経験と専門知識を活かし、読者に信頼される情報を提供し続けている。
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