アウディの残価設定ローンとは？メリット・デメリットを把握して活用しよう
ドイツを代表する自動車メーカーのひとつであるアウディは、日本でも高い人気を誇るブランドです。そんなアウディは高級ブランドだけに決して安価な車ではありません。しかしよりアウディに乗る敷居を下げるため、販売店では「残価設定クレジット」を用意しています。
月々の支払額を自分で決められるというのが魅力的に映る「残クレ」ですが、良く知らないと落とし穴に感じてしまう可能性のあるポイントもあります。本記事では残クレの特徴や利用が向いているケース、残クレを利用する場合のデメリットなどをご紹介します。
※目次※
・残クレは、毎月の支払いを大幅に抑えたい人におすすめの購入方法のひとつ
・残クレは利用しやすい反面、利息や乗り方への縛りに影響する
・残クレを利用せずに負担を減らしてアウディを購入するならネクステージの中古車を検討しよう
アウディの残価設定ローンとは？
アウディの購入を検討している人の中には、一括ではとても支払えないと考える人も多いでしょう。アウディにはさまざまなローンのプランがありますが、残クレに該当するのが「Audi Future Drive」や「Sローン」という独自のローンです。プランに少し違いはありますが、どちらも車の本体価格の一部を支払いの最終回まで据え置くことで、毎月のローン返済額を抑えることができる仕組みとなっています。
残価設定ローンの概要
アウディに限らず主要な車のメーカーが提供している残クレとは、一体どのようなものでしょうか。残クレとは、残価設定型自動車ローンを指す呼び名です。何年か後の車の買取価格を残価として定め、残価を据え置いた金額でローンを支払う制度となっています。
車メーカーにより多少の違いがありますが、車両の総額から残価を差し引いた金額でローンの借り入れをすると、毎月の返済金額がもともとの支払い総額の5割から7割ほどまで抑えられるのが特徴です。車を購入したら毎月のローンがカツカツでどこへも遊びにいけない…という事態に陥ることもないかもしれません。
ローン支払いをする最終回まで据え置いた残価分は、新たな新車への乗り換え・ディーラーへ返却・残価を支払って買取るなどの方法から選んで決済することができます。
新車・中古車で利用可能
アウディの「認定中古車Sローン」は、アウディの認定中古車に利用できる残クレのプランで、車両価格の一部をローンの最終回まで据え置くことが可能です。
アウディの公式HPでは、ファイナンスプランごとに支払いのシミュレーションを入力できます。例えば、頭金を除いて、ローン対象金額が260万円になったと仮定します。「認定中古車Sローン」を利用して60回払いを行う場合と、毎月の均等払いができる「認定中古車オーナーズプラン」で60回払いをする場合はどのくらいの違いがあるのでしょうか。
どちらのプランもボーナス月の支払いを12万7,000 円と設定したところ、「認定中古車Sローン」は2回目以降が月々1万4,600円、「認定中古車オーナーズプラン」は月々2万5,500 円となりました。同じ車両でもこれだけの違いがあるとは驚きます。アウディでは、新車・認定中古車問わず、TTシリーズなども含むすべての車種で残クレが用意されています。
アウディ車に乗るならデメリットが少ない中古車購入がおすすめ
残価設定ローンは一定期間後に下取りに出すことが前提です。対象車の下取り額を保つために使用条件が付されるため、自由に乗り回し使い倒すことはできないのが実情です。
そこでおすすめなのが中古車です。中古車は新車に比べて安価なのがメリットで、残価設定ローンを使わなくても車両代を抑えることができます。さらにひと世代前のトップモデルや上級グレード車を安価に手に入れることもできるのです。もちろん購入後の使用はオーナーの自由なので、車が好きで思い切り走って遊びに行きたいなら、断然中古車のほうが良いといえるでしょう。
アウディの残価設定ローンを利用するメリット
アウディでは、他の主要な車メーカーと同様に、新車・中古車問わず残クレを選択して車を購入することができます。
車体の買取価格をあらかじめ設定して、残りの残価を支払う残クレですが、このようなプランには、どのような特徴があるでしょうか。
毎月の支払いを無理なく抑えられる
残クレは、購入する際に残価と呼ばれる車の買取価格を差し引いて算定するので、月ごとに支払うお金の負担を大幅に抑えられるのが特徴です。普通のローンを利用すると毎月の支払いを安くするためには長期間払い続ける必要があり、車検のたびに別途料金がかさんでしまいます。残クレを選んで3年以内で乗り換えをすると、車検のための費用を抑えることが可能です。
また、アウディの車に魅せられて思い切って購入したものの、毎月の支払いに追われてレジャーやデートなどを楽しむ余裕がない、などという状況も避けることもできます。家賃や子どもの教育資金などにもお金がかかる場合、月々にかかる返済金額が少しでも抑えられればとても便利でしょう。
アウディの車に乗りたいけれど、毎月の支払いはなるべく低めに設定したい人に残クレというシステムはぴったりといえます。
生活環境が変化しても乗り換えできる
結婚をしたり新たに子どもが生まれたりすると、車の買い替えを考えるきっかけとなるでしょう。生活環境が変わると、それに応じて必要となる車の条件も変化します。しかし、車はまとまったお金が必要なのでそう簡単には買い替えられません。
残クレには、3年~5年ほどの短いスパンで車を買い替えやすいというメリットがあります。今後家族が増える予定のある人や、数年後には子どもが独立するかもしれない人にも最適なローンプランかもしれません。
また、乗り換えを考えていたけれどやはり違う選択をする場合は、ディーラーへ返却や一括・分割支払いで購入することが可能です。
据え置き価格で車の買取りが約束される安心感がある
車の購入を考えるときに、購入する車がどのくらいの買取価格となるか気になる人も少なくないでしょう。アウディを購入する場合でも、残クレだと残価として買取価格が先に設けられているので、将来の買取りが約束されているという安心感が魅力です。
通常新車を購入すると、3年が経つと車両の価値が下がりはじめます。5年以上乗った車は車両価値が限りなくゼロに近づくともいわれているので、据え置きで買取価格が決まっているというのは消費者にとってメリットといえるでしょう。
また、中古車市場での車の売値は流動的に変化するので、売りたいときに高く売れるとは限りません。そうした面が心配な人にとっても、残クレは安心できるシステムかもしれません。
アフターサービスが充実している
アウディを新車で購入する場合、残クレが選択できるローンプランには「Audi Future Drive」と「Sローン」の2つの種類があります。残クレの中でも残価保証型の「Audi Future Drive」では、アウディが設定した据え置き価格を保証しているため、残価を支払うときに追加の金額が発生しません。
また、アフターサービスの充実も図られており、メンテナンスによる急な出費を抑えることもできます。新車を購入して3年間は、アウディが指定する点検や、指定部品・消耗品の交換が無料です。また、法定1年点検も無料で行っています。
有償のメンテナンスプランに入ると、5年目までしっかりと保証されます。アフターサービスやメンテナンスにかかる費用は、別途支払う必要がなく、毎月の支払いに組み込まれるのも特徴です。
アウディの残価設定ローンにおけるデメリット
アウディ高級モデルに乗りながらも、月々の支払いを抑えることができる残クレは魅力的な支払い方法に見えると思います。しかし残クレはその仕組みを知らないとかえって支払い総額が高くなるケースがあります。
そこで、アウディの残クレを使用したい場合に注意を払いたいポイントを見ていきましょう。特に「車好き」にとっては思わぬ落とし穴が空いていたりします。
コンディションや走行距離によっては生産が必要
車を買うために残クレでローンを支払う場合、支払い回数の最終回では、新たな車への乗り換えや車の返却を選ばなくてはなりません。その場合、買取価格が保証されていても気を付けなければいけない点がいくつかあります。
買取価格には、走行距離や車両の損傷についてなどの規定があります。販売店へ返す車がその基準を満たさないと、予定していた買取価格から追加の費用が発生する可能性が高くなります。
車の使用頻度が高く走行距離が伸びそうな場合は特にしっかりと検討が必要です。アウディの残クレの補償距離は、「3年間 30,000km」「4年間 40,000km」「5年間 50,000km」までとなっています。この距離を超えると清算の必要が出てきてしまいます。
利息を含めた総額が高い
アウディを購入する際に残クレでプランを組むと毎月の支払い金額は抑えられますが、場合によっては最終段階で支払う総金額が一般のローンよりも高くなることもあります。残クレがいくら低金利であっても、利息は残価分を含めた車の総額すべてにかかります。
毎月の支払いを抑えるために支払い回数を増やすと、元金が減るスピードが遅くなり、利息を回数分すべて支払わなくてはいけないことになります。そうした場合、利息を含めた支払い総額が普通タイプのローンより高額になってしまうこともあるのです。また、先ほど述べたように車の状態によっては追加で料金がかかることも考えられます。残クレを選ぶ場合は、利息や乗り方についてしっかりと確認しておくことが大切です。
車を改造しにくい
アウディはスポーツ性が高いモデルが多いので、さらに走りを良くするべくカスタマイズに手を出したい人も多いでしょう。残クレの場合、買取時にはノーマル状態で走行に支障がないことが条件となります。どこかのパーツを変えてノーマルに戻せなくなった場合は下取りに影響が出てしまいます。
同様の理由でサーキット走行も避けたほうが良いでしょう。サーキットを走ると走行距離が伸び、エンジンなどにダメージを負う可能性があります。事故のリスクも高く、サーキット走行での事故は基本的に保険の対象外です。カスタマイズやモータースポーツを積極的に楽しみたいなら、残クレは避けたほうが無難でしょう。
残価の負担が重い
残クレは一定期間の割賦での支払い後に残りの分を支払うローンです。そこで手放すか乗り続けるかを選べるのですが、手放す場合は基本的にディーラーが引き取ります。そこでディーラーが提示した買取金額が残金と同じであれば問題がないのですが、たいていの場合は下取り価格が残金よりも少ないケースが多いようです。
また残クレでかかる金利は、割賦払いの分だけではなく、車両価格全体にかかります。月々の支払いを抑えた分は、金利ごと最終回にのしかかってくる点が残クレの注意すべき点のひとつです。
もちろん最終支払いを迎えた後も乗り続けることができます。そこからローンを組み直す場合は、さらに審査を経た上で新たに金利も発生します。長く乗り続ける場合、残クレを使用するとかえって費用負担が多くなる場合があることに注意が必要です。
事故にあうと買取になることもある
残クレで支払う場合、車が事故にあわないよう用心しなくてはいけません。残価には、車の状態についての条件が設けられています。事故によって車に大きく傷がつくと、残価にあたる金額を支払って買取る必要が出てくるのです。
また、大きな事故で車が廃車となった場合でも、そのまま継続して残クレを支払わなければならなかったり、一括で払わなくてはならなかったりします。例えば、自分側の運転ミスではなく運悪く追突事故にあった場合でも、車の損傷具合が大きいと残価分を支払うことになるのです。
アウディの車で残クレを選択する際には、事前にこうした可能性も考慮しておきましょう。当たり前ですが、日頃から運転の仕方や事故には十分に注意をしてください。
アウディの残価設定ローンのデメリットを感じにくいケース
ここまで残クレのデメリットを述べてきましたが、もちろんそれだけではなくメリットになることもあります。さらに通常のクレジットでは買えないような高級グレードも、残クレを上手に利用することで手に入れることができます。ここからはそんなデメリットを感じにくい場面を見ていきましょう。
短期間での乗り換えを検討している
例えば平日は電車通勤が基本で、車の使用は土日に限られるなど使用時期が決まっている人や、一台一台の車とじっくり付き合うのではなく最新のものに乗り換えていきたいという人は残クレを使用したほうが良い場合があります。
特に子供がいる場合、5歳と10歳では使い勝手の良い車の種類は変わると思います。子供が小さい時はコンパクトカーで良かったものの、成長につれて窮屈になる場面などが出てくると思います。そんな場合に残クレを利用しておけば、車を乗り換える手間を省くことができる可能性があります。
月々の負担を抑えて上位グレードの車に乗りたい
アウディには500万円を超える高級モデルが用意されています。一般的に考えれば500万円を超える車は裕福な人向けのモデルです。しかし月々の支払いを自身が設定できる残クレであれば、自身に見合った支払い額でそんな高級モデルに乗ることも可能となります。
もちろん買取保証や使用条件等を十分に確認した上で購入・使用をしなければなりませんが、それらの条件を上手に利用することができれば、憧れの高額モデルに乗ることも不可能ではないというのが残クレの魅力のひとつといえます。
走行距離制限まで使用しない
アウディの残クレには走行距離制限があります。具体的には3年間で3万km、4年間で4万km、5年間で5万kmの制限があり、それ以下の走行距離で残価が保証されています。
この走行距離を超えて利用する可能性がないのであれば残クレを検討しても良いでしょう。例えば車の利用は土日休日に限るという場合は距離制限を超えない可能性が大きいと思います。走行距離が少なければその分下取り価格に良い影響がありますので、残クレを使用して損をすることは少ないはずです。
万が一走行距離関係で清算が必要になった場合、規定を超えた距離が少ないと追加費用が少なくて済む可能性があります。
アウディの残価設定ローンで最終的に選べる3つの方法
残クレを使って憧れのアウディを購入した場合、支払い回数の最終回まで据え置かれた残価分は、3つの支払い方法から選んで決済できます。
まず、アウディの最新機種に乗り換えるパターン、そして今乗っている車を販売店に返すパターン、最後に残価分を返済してそのまま同じ車を使い続けるパターンです。ここでは、それぞれの選択肢について詳しく内容をご紹介します。
アウディの新しい車種に乗り換える
アウディの車が大好きで、短いスパンでさまざまな車を乗り継ぎたい人や最新の車種に興味があり乗りたいと考えている人にはこちらがおすすめです。車の状態により精算が発生することもありますが、残価分や据え置き価格分として乗っていた車を販売店に返し、また新たな機種に乗ることができます。
もし、最終支払いの段階で、結婚や子どもの誕生など生活環境に変化があった場合も、状況に応じてぴったりあう車を選ぶことが可能です。残クレを選ぶことで毎月の支払いが抑えられるので、無理なくランクが上の車種を選ぶこともできます。
車は購入から年数が経つほど故障する割合も高くなります。短いサイクルで最新車種に乗り継ぐことは、故障のリスクが低くなり修理代を支払う必要もなくなるかもしれませんね。
車を販売店に返却する
最後の支払い段階で、新たな車に乗り換えることもなく、このまま今乗っている車に乗り換えることもない場合は、販売店に車を返却しなくてはなりません。そうした場合は、残クレの種類によって最終回の支払い方法が変わることもあります。
アウディのローンプランにある「Audi Future Drive」は、残価が保証されている残クレのプランなので、車を返すときにも基本的に追加の支払いは必要ありません。ただし、車両の状態が規定に満たないときには追加のお金が発生することもあります。
もうひとつの残クレである「Sローン」では、据え置かれている残価分をそのときの買取価格で精算します。状態の良い車であれば当初の据え置き価格から大幅に価値が下がることはないので、安心です。
そのまま同じアウディ車に乗り続ける
残クレで購入したアウディの車に愛着が生まれ、最終的な支払いの後も乗り続けたい場合は車を買取ることも可能です。その際の支払い方法は、残価として残った金額を再び再分割にして支払うか、一括で支払うか選択できます。
再分割にして支払う場合は、また新たに利息がかかることになるので注意が必要です。また、一括で支払うことになった場合は大きな出費になりますので、残クレを選ぶ前には、最後の段階でどんな選択をするか決めておくと良いかもしれませんね。
残クレは、アウディの車が好きで、たくさんの車種に乗ってみたい人や短いスパンで車を乗り換える予定がある人にとても便利なプランとなっています。同じ車に長期間乗る予定がある人にはあまり向いていないので、購入前に確かめておくと良いでしょう。
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まとめ
アウディは高級感とスポーティさを併せ持った魅力的なドイツ車で日本でも高い人気を得ています。そんなアウディも残クレを利用することができますが、残クレの特長を抑えておかないとかえって損をすることが本記事で分かったのではないでしょうか。
残クレは悪いものではありません。しかし迷ったら中古車を検討すると、損のないアウディライフを送れる可能性があります。残クレでも中古車でも、ネクステージなら対応ができます。アウディ車に乗りたいのであれば、是非ネクステージの利用を検討してはいかがでしょうか。
▼ライタープロフィール
北野晶夫
オートバイ雑誌と自動車WEB媒体の編集部員を経験後に独立し、フリーの記者・編集者となり現在に至る。
新車取材のほかチューニングカーやレースの取材等も行う。写真撮影も行い、撮影・執筆・編集と一連の制作を担当することが多い。読者のカーライフを応援できる記事づくりがモットー。
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