車のタイヤ処分方法は?売却できるかどうかの判断基準も解説!
使い古したタイヤを新しいものに買い替える際、古いタイヤの処分を検討している方もいるのではないでしょうか。車の買い替えなどの理由から、サイズが合わないタイヤを処分するケースもあります。
本記事では、タイヤの正しい処分方法や売却できるのかどうかを詳しく解説しますので、不要になったタイヤの処分に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
※目次※
・タイヤは「適正処理困難物」に該当するため、自治体が行うごみ収集で処分できない。
・処分したタイヤのほとんどは、リサイクルによって有効に再利用できる。
・車のタイヤを処分するか売却するかで迷ったときは、残り溝・損傷・劣化・ホイールの有無に着目しよう。
タイヤは自治体が行うごみ収集で処分できる?
不要になったタイヤを保管するには、場所を確保する必要があります。できることなら、すぐにでもタイヤを処分したいと考える方は少なくないのではないでしょうか。しかし、自治体が行うごみ収集でタイヤを処分することはできません。ここでは、その理由について解説します。
基本的に自治体のごみ収集では処分できない
タイヤの処分を自治体が行うごみ収集に出せない理由は、環境省が指定する「適正処理困難物」に該当するためです。
各自治体は適正処理困難物の処理にあたって、製品の製造・加工・販売などを行う事業者に対して必要な協力を求めることができると定められており、タイヤ業界の協力内容についても協議・合意がなされました。
そのため、一般消費者(事業者除く)から排出されるタイヤは「一般家庭の日常生活から生じた廃棄物」として、基本的にはタイヤ販売店での引き取りが求められています。ただし、自治体によっては廃タイヤを回収しているケースもあるようです。
事業活動により生じた廃タイヤは産業廃棄物に該当する
廃タイヤは事業活動によって生じた「産業廃棄物」に該当するため、廃棄物処理法に基づき、事業者自らが適正処理することが原則となります。なお、産業廃棄物収集運搬業の許可を得た事業者への委託も可能です。
環境大臣の指定を受けたタイヤ販売店では「産業廃棄物広域再生利用指定制度」によって、産業廃棄物処理業の許可を得ていなくても産業廃棄物に該当する廃タイヤの引き取りが可能でした。しかし、この制度は2011年3月をもって廃止されています。
処分したタイヤはごみになってしまうの?
タイヤを処分すると、ごみになってしまうのではないかと考える方もいるでしょう。しかし、タイヤは適切に処理を行うことでほとんどがリサイクルされる仕組みです。使用済みのタイヤは再利用できるため、大切な資源を最後まで有効活用できます。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)が発表したデータによると、日本国内の廃タイヤ発生量・有効利用率は下記の表の通りです。
|
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
廃タイヤ発生量 |
8,500万本 |
9,000万本 |
9,100万本 |
9,000万本 |
有効利用率 |
99.3% |
98.5% |
98.2% |
99.2% |
※「タイヤ取替時」「廃車時」における廃タイヤ発生量の合計
このように、廃タイヤのほとんどがリサイクルされています。不要になったタイヤを処分すると、燃料や再生ゴムとして生まれ変わったり、中古タイヤとして海外に輸出されたりすることで次の役目を果たすのです。
車のタイヤを処分するタイミング
車のタイヤを処分するタイミングは、新しくタイヤを購入した時が一般的です。費用はかかりますが、タイヤ取付時にホイールから外したタイヤをそのまま引き取ってもらうことで手間や時間がかかりません。一方、古いタイヤを処分せず持ち帰ることもできます。
また、サマータイヤとスタッドレスタイヤにそれぞれ別のタイヤ・ホイールを保有している場合、車両売却時に1セットが手元に残るケースもあるでしょう。中古車買取に出す際は、処分したいタイヤを一緒に引き取ってもらえるか尋ねてみるのがおすすめです。
この他、タイヤを処分する機会がない場合は、お店に持ち込んで処分を依頼しましょう。タイヤを購入したお店以外でも問題ありません。次の項目で詳しく解説します。
車のタイヤ処分を依頼できるお店
タイヤの処分は、新しいタイヤを購入した際に不要になったタイヤを引き渡すのが一般的ですが、理由があって処分を見送るケースもあるでしょう。処分のタイミングを逃してしまった場合でも、タイヤの処分のみを依頼することも可能です。
ここでは、タイヤ処分の主な依頼先としてタイヤ販売店、カーディーラー、整備工場、不用品回収業者の特徴や費用について解説します。
タイヤ販売店での処分費用の目安
タイヤの処分を依頼できるタイヤ販売店は、タイヤ専門店の他、カー用品店、従業員が常駐しているガソリンスタンドなどが代表的といえます。処分費用はお店ごとに異なりますが、1本あたり250円~500円程度が一般的です。
処分を依頼するタイミングは、タイヤ購入時の他、持ち込みで処分のみを依頼することもできます。
整備工場・カーディーラーでの処分費用の目安
多くの場合、カーディーラーや整備工場でもタイヤの処分を依頼できます。車検事業や車販売を行う事業者の場合は、タイヤの処分に対応しているのが一般的です。タイヤの処分費用はお店ごとに異なりますが、1本あたり300~500円程度が一般的です。
カーディーラーよりも整備工場のほうが安価な傾向があります。普段、車検や法定点検を依頼しているお店があれば、タイヤを処分してもらえるか尋ねてみるとよいでしょう。顔なじみであれば、安価で引き取ってくれるかもしれません。
不用品回収業者での処分費用の目安
不用品回収業者にタイヤの処分を依頼すると、1本あたり1,000円~3,000円ほどが相場です。他の依頼先と比べると割高ですが、自宅まで回収に来てもらえるメリットがあります。お店まで持ち込む必要がないため、車に積み込んで車内が汚れる心配がありません。
この他、すでに車を手放してしまった方、他にも引き取ってもらいたい不用品がある方にもおすすめの方法です。
車のタイヤを処分するか売却するかで迷ったときの判断基準
不要になったタイヤを処分するか売却するかで迷う方もいるでしょう。判断基準を知っておくと、使い古しのタイヤが売れるかどうかの目安が分かります。
ここでは、タイヤを処分するか売却するか判断する際の基準を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
タイヤの残り溝がどのくらいあるか
タイヤは道路交通法によって使用限度が定められています。残り溝はその指標のひとつで、溝の深さが1.6mm以上です。これはサマータイヤ・スタッドレスタイヤのどちらも同じで、この数値よりも溝の残りが少ない場合は売却できません。
また、タイヤは残り溝が少なくなるほど性能が低下します。サマータイヤの場合は残り溝4mm以下になると制動距離が急激に大きくなるため、売却も難しくなるでしょう。スタッドレスタイヤの場合は、溝の深さが50%になった時が寿命です。
タイヤに損傷がないか
たとえ新品タイヤでも、修理できない損傷があれば売却はできません。短期間の使用でも複数箇所をパンクしたり、サイドウォール部やショルダー部を損傷したり、修理が難しい状態であれば売却は困難でしょう。
また、タイヤの損傷は内部で発生している可能性もあります。サイドウォール部にコブ状の膨らみがある場合は「ピンチカット」と呼ばれる損傷です。タイヤの内側では裂傷しており、修理が難しいため処分しましょう。
タイヤの劣化度合い
タイヤは劣化が進むとひび割れが発生します。軽微なひび割れであれば使用する分には問題ないものの、値はつきにくいでしょう。ひび割れが深くコード層に達している場合は、タイヤが爆発する「バースト」が発生しやすい状態のため処分するほかありません。
タイヤの劣化度合いは、保管時の環境や使用状況により差があります。タイヤの側面「サイドウォール部」や接地面「トレッド部」に注目して、ひび割れがないか確認しましょう。
アルミホイールが付いている場合
消耗品であるタイヤの価値がなくなっていても、アルミホイールが付いている場合は売却できます。アルミホイールは損傷しない限り長期間使用できるためです。自動車メーカーの純正ホイール、有名なブランドや人気モデルであれば、高値が期待できます。
なお、アルミホイールに傷や変形を生じている場合も資源としての価値があります。お店によっては、タイヤの処分費用とアルミホイールの買取金額を相殺してもらえたり、アルミホイール買取時に無料引取してもらえたりするケースもあるでしょう。
まとめ
タイヤは「適正処理困難物」に該当するため、自治体が行うごみ収集で処分できません。基本的に処分料はかかりますが、タイヤ販売店、整備工場、カーディーラーなどに依頼すると、不要なタイヤを引き取ってもらえます。
車のタイヤを処分するか売却するかで迷ったときは、残り溝・損傷・劣化・ホイールの有無に着目しましょう。費用がかかると思っていたタイヤも、思わぬ価格で売れるかもしれません。また、車の売却とともに不要なタイヤの処分を申し出るのもひとつの方法です。
▼ライタープロフィール
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。