24か月点検の費用相場はいくら?業者別の特徴や費用を抑える方法
24か月点検の費用や内容に、悩んでいませんか。愛車を良好な状態に保つために欠かせない24か月点検ですが、ディーラーや整備工場によって費用・サービス内容が異なることもあるでしょう。
この記事では、24か月点検の基本知識から車種別の費用相場、ディーラーと整備工場の料金比較まで徹底解説します。また、賢く節約する方法も紹介しているため、愛車のメンテナンス計画にお役立てください。
※目次※
4.ディーラーと他の整備施設の、24か月点検の料金・サービス比較
・24か月点検の費用相場は、軽自動車で約2万円、普通自動車(5ナンバー)で2.5万円~5万円程度で、業者によって価格差がある。
・ディーラーは専門知識・純正部品・充実した保証が強みだが費用は高め、整備工場やカー用品店はリーズナブルな価格と柔軟な対応が魅力だが技術力・設備に差がある。
・24か月点検では、複数の業者での見積もり比較やパック料金・キャンペーンの活用、点検と同時に消耗部品交換を行うことで、時間と費用の節約ができる。
24か月点検とは?基本知識と法的義務
24か月点検は、車の安全維持と故障予防に欠かせない法定点検です。車検とは異なる位置付けで、実施しないと車の性能や寿命に影響します。適切な点検履歴は、中古車購入時の判断材料としても価値があり、将来的な維持費節約につながるでしょう。
24か月点検の定義と法律上の位置付け
24か月点検は、道路運送車両法に基づく定期点検整備のひとつです。自動車点検基準第2条では、「全ての車の使用者は法定点検を行う義務がある」と規定されています。安全性確保や環境保全が、主な目的です。
自家用乗用車では罰則はありませんが、事業用自動車では法定点検未実施での公道走行に罰則があります。この点検はメーカー保証の条件となっていることが多く、故障予防の観点からも重要な役割を担っているといえるでしょう。
24か月点検と車検の違い
車検は、公道走行のための最低限の保安基準適合を「検査」する制度です。一方の24か月点検は、故障予防と性能維持のための「点検整備」とされています。
24か月点検では詳細な点検を行い、オイル漏れやブレーキパッドの摩耗など早期発見・修理につなげることが主目的です。
エンジン・ブレーキ・電装系統・足回り・ステアリングなど、車の基本機能を総合的に確認する健康診断といえます。定期的な点検により、車の寿命延長や安全性向上が期待できるでしょう。
24か月点検を受けないリスクと影響
24か月点検を受けないことには、重大なリスクがあります。劣化部品や潜在的不具合が見過ごされると、走行中のトラブル・事故の原因となりかねません。
早期発見できたはずの小さな不具合が大きな故障へと発展し、高額な修理費用を招くこともあるでしょう。
また、多くの車種ではメーカー保証の条件に法定点検実施が含まれているため、保証対応できなくなるケースもあります。安全面と経済面の両方で、不利益を被る可能性が高いでしょう。
24か月点検の項目と実施内容の詳細
24か月点検は法定点検ですが、自家用車は罰則がなく省略する人もいます。しかし、点検を怠ると不具合が進行し、突然のトラブルや高額修理につながる恐れがあるでしょう。定期点検で、車の状態を把握することで安全性が高まり、将来的な維持費も抑えられます。
法定24か月点検の点検項目と重要ポイント
法定24か月点検は、自家用乗用車に対する60項目にわたる詳細な点検です。エンジンや制動装置、走行装置などの各部位を専門的に検査します。ハンドル関係では、操作具合やホイールアライメントを確認するのが基本です。
ブレーキ関係では、ペダルの遊びや効きの良さ、パーキングブレーキの機能性を入念にチェックします。走行装置では、タイヤの空気圧や溝の深さ、ホイールベアリングのがたなどを重点的に検査するでしょう。
これらの点検は、車両の安全性確保と将来的な故障防止に重要な役割を果たしています。
24か月点検の項目一覧
24か月点検でチェックする項目は、以下の通りです。
カテゴリー |
点検項目 |
かじ取り装置 |
1.ハンドルの操作具合 2.パワーステアリングベルトの緩み、損傷 3.パワーステアリングオイルの漏れ、量 4.ホイールアライメント 5.ステアリングギアボックスの取付状態 6.ステアリングのロッド、アーム類の緩み、がた、損傷 7.ボールジョイントのダストブーツの亀裂、損傷 |
制動装置 |
8.ブレーキペダルの遊び、踏み込んだときの床板との隙間 9.ブレーキの効き具合 10.パーキングブレーキレバー(ペダル)の引きしろ(踏みしろ) 11.パーキングブレーキの効き具合 12.ブレーキホース、パイプの漏れ、損傷、取付状態 13.マスタシリンダ、ホイールシリンダ、ディスクキャリパの液漏れ 14.ブレーキドラムとライニングの隙間 15.ブレーキシューの摺動部分、ライニングの摩耗 16.ブレーキディスクとパッドの隙間 17.ブレーキパッドの摩耗 18.ブレーキドラムの摩耗、損傷 19.ブレーキディスクの摩耗、損傷 20.ブレーキフルードの量 |
走行装置 |
21.ホイールナット、ボルトの緩み 22.タイヤの状態(空気圧、亀裂、損傷、異常摩耗、溝の深さ) 23.ホイールベアリングのがた 24.ドライブシャフトの連結部の緩み、がた 25.ドライブシャフトのダストブーツの亀裂、損傷 |
動力伝達装置 |
26.クラッチペダルの遊び、切れたときの床板との隙間 27.トランスミッション、トランスファのオイル漏れ、量 28.プロペラシャフト、ドライブシャフトの連結部の緩み、がた 29.デファレンシャルのオイル漏れ、量 |
緩衝装置 |
30.サスペンションの取付部、連結部の緩み、がた、損傷 31.ショックアブソーバの損傷、オイル漏れ |
電気装置 |
32.バッテリーターミナル部の緩み、腐食 33.バッテリー液の量 34.点火プラグの状態 35.点火時期 36.ディストリビュータキャップの状態 37.ライト、ウィンカー、ブレーキランプなど各灯火装置の機能 38.ホーンの機能 |
原動機(エンジン) |
39.エンジンオイルの漏れ、量 40.冷却水の漏れ、量 41.ファンベルトの緩み、損傷 42.排気ガスの状態 43.エアクリーナエレメントの状態 44.燃料漏れ 45.エンジンのかかり具合、異音 46.低速、加速の状態 47.アイドリングの状態 |
排気ガス浄化装置 |
48.排気ガス浄化装置の取付状態 49.排気ガス再循環装置の機能 50.二次空気供給装置の機能 51.チャコールキャニスタの機能 |
車枠及び車体 |
52.車枠、車体の緩み、損傷 53.フロア、サイドメンバーの腐食、損傷 |
その他 |
54.ワイパーの拭き取り状態 55.ウィンドウォッシャの噴射状態 56.シートベルトの損傷、機能 57.ドアロックの機能 58.サイドブレーキ警告灯の機能 59.スピードメーターの機能 60.その他運行において異常が認められた箇所 |
24か月点検の所要時間と予約方法
24か月点検の所要時間は、通常1日~3日程度かかりますが、中には60分程度で完了する業者もあるようです。混雑状況や車種によって異なるため、余裕を持ったスケジュール調整が望ましいでしょう。
予約は、Webサイトからの予約システムが便利です。予約時には車検証の情報が必要となるケースが多いため、事前に準備しておくことをおすすめします。
また、気になる異音・違和感があれば予約時に伝えておくと、点検時に重点的に確認してもらえるでしょう。
24か月点検の費用相場と整備記録簿の重要性
24か月点検の費用は、車種や整備工場により異なります。軽自動車と普通車で、どの程度の出費を想定すべきなのでしょうか。
ここでは、24か月点検の費用相場と追加料金のケース、整備記録簿の重要性について説明します。整備記録簿への記入は、車の資産価値維持に重要です。
24か月点検の費用相場と追加料金のケース
24か月点検の費用は、車種によって変わります。軽自動車は2万円程度、普通自動車(5ナンバー車)は2.5万円~5万円程度が相場です。3ナンバー車は、さらに高額になる傾向があります。
車の年式が新しいほど費用は抑えられますが、10年以上経過した車両では経年劣化による追加整備が必要になるケースもあるでしょう。これらは基本点検料の目安であり、部品交換や修理費用は別途発生します。
24か月点検における整備記録簿の重要性
整備記録簿は、24か月点検の実施内容と車両状態を証明する重要書類です。点検整備の結果や修理内容が詳細に記録され、車両の整備履歴を正確に残すことに役立ちます。
車検証情報と照合しながら、車両情報や所有者情報を正確に記載し、点検項目ごとに異常の有無や整備内容を適切に記入するのが一般的です。
この記録簿は、将来の車両査定や中古車購入時の判断材料としても重要で、適切に記入・保管することで車両の安全性確保と価値維持に貢献します。
ディーラーと他の整備施設の、24か月点検の料金・サービス比較
24か月点検を実施する上で、業者選びは重要です。ディーラーは、純正部品と高い技術力が特徴ですが、費用が高めな傾向にあります。
一方、整備工場やカー用品店は、リーズナブルな価格で柔軟な対応が可能です。車種や予算、求めるサービス内容を考慮して最適な業者を選びましょう。
ディーラーでの24か月点検の特徴
ディーラーでの24か月点検は、専門知識と経験に基づく確かな点検が受けられるのが強みです。メーカー純正部品と専用診断機器を使用するため、車への適合性が高く早期の不具合発見に優れています。
整備後の保証が充実し、代車の無料貸出などのサービスも魅力です。一方で費用は他の業者より高めで、点検完了まで2日~3日ほど車を預ける必要がある場合もあります。
将来の車両査定において有利になる可能性や、メーカー標準の点検が受けられる安心感が特徴です。
整備工場・カー用品店での24か月点検の特徴
整備工場は、ディーラーよりリーズナブルな価格設定が魅力で、幅広い車種に対応しています。
リビルト品の使用などコスト削減の工夫がされていますが、技術力や設備に差があるため、選択には注意が必要です。信頼できる業者選びでは、「認証工場」か「指定工場」かを確認することが欠かせません。
カー用品店やガソリンスタンドは、受付時間が長く土日営業も多いので、忙しい人でも利用しやすいのがメリットです。複数の業者から見積もりを取って比較し、技術力と価格のバランスを見極めましょう。
24か月点検の料金・サービスの比較ポイント
ディーラーと整備工場では、料金体系とサービス内容に明確な違いがあります。同じ修理でも、ディーラーより整備工場のほうが安いケースが少なくありません。
業者選びでは、技術力・経験・口コミ評判・見積もり内容・相談のしやすさなどを、総合的に比較することが重要です。見積もり取得時は、作業内容と費用内訳を明確に提示してもらい、特に法定費用以外の部分を細かくチェックしましょう。
また、整備後のアフターフォローや保証内容も判断材料となります。愛車を長く乗り続けたい場合はディーラー、コスト重視や柔軟な対応を求める場合は整備工場・カー用品店が適しているでしょう。
24か月点検で賢く節約する方法
24か月点検費用を抑えるには、複数の業者での見積もり比較、セールやキャンペーン時期の活用、点検とオイル交換などの同時実施が効果的です。
必要な点検は確保しながら、無駄な作業や部品交換を見極めることで、安全性と経済性のバランスが取れた車両管理が可能になります。
複数店舗を比較して24か月点検の費用を抑える方法
24か月点検の費用を抑えるためには、複数の整備工場やディーラーの比較検討が欠かせません。見積もりを取る際は、作業内容の詳細と費用内訳を明確に提示してもらうことが重要です。
特に法定費用以外の部分(点検料や整備料など)は、業者によって価格差が生じるため、細かくチェックしましょう。整備の質と価格のバランスも、重視すべきポイントです。
見積もり依頼時には複数の整備工場に同条件で依頼し、国家資格を持つ整備士の在籍状況、アフターフォローや保証内容も含めて総合判断することをおすすめします。
パック料金やキャンペーンを活用して、24か月点検の費用を抑える方法
24か月点検の費用を効果的に抑えるには、各店舗のパック料金やキャンペーンを活用するのが賢明です。定期点検とオイル交換などをセットにしたパック料金は、単品より安くなることもあります。
また、季節限定キャンペーンや早期予約特典も見逃せません。ポイントプログラムの活用や、複数の整備工場からの見積もり比較も有効です。
安さだけでなく、整備の質とのバランスを考慮し、安全性を確保しながらコストを適正に抑えることが大切といえます。
24か月点検前の自己チェックとメンテナンスで整備費用を削減する方法
24か月点検をスムーズに進め、かつ費用削減も図るには、事前チェックが有効です。エンジンオイルや冷却水の量、タイヤの空気圧や摩耗状態、各種ライトの点灯を確認しておきましょう。
自分でできる範囲でメンテナンスをしておけば、24か月点検で不要な整備を避けられます。また、車内の不要な荷物を整理し、気になる異音・違和感があれば、どのような状況で発生するかメモしておくと、整備士に的確に伝えられるでしょう。
エアコンの効き具合やワイパーの拭き取り状態など、日常で気になる箇所もリストアップしておくと、点検漏れを防止できます。
24か月点検と合わせて行うべきメンテナンスと今後の対策
24か月点検と同時に消耗部品の交換を行うと、時間と費用を節約できます。中古車購入時は整備履歴を確認し、定期的な点検記録がある車を選ぶことが重要です。日常的な点検習慣と記録の継続が、車の長寿命化と資産価値維持につながります。
24か月点検と同時に行うべきメンテナンス
24か月点検の際には、安全性に直結する消耗部品の交換も行うとよいでしょう。ブレーキパッドは走行距離3万km~5万kmが交換目安で、残り厚さ3mm以下で交換時期です。
ブレーキフルードは約2年ごとの交換が推奨されており、24か月点検と同時に行うことで作業効率が上がります。タイヤやバッテリーなどの消耗部品も、同時にチェックすることで、後日の整備手間を省けるでしょう。
整備点検と同時に行うことで、トータルの維持費削減につながり、何より安全性の確保という大きなメリットがあります。
中古車購入時の24か月点検履歴の確認ポイント
中古車購入時には、定期点検整備記録簿の確認が重要です。この記録簿から過去の点検整備状況が把握でき、「分解整備をした事業所名」「整備士の名前」「工場の認証番号」などをチェックします。
認証工場や指定工場での点検履歴があれば、信頼性が高いといえるでしょう。エンジン状態や足回り、交換部品の履歴も確認し、特にエンジンやトランスミッションの交換歴には注意が必要です。
記録簿がない車両は整備内容が不明で、不正整備のリスクもあります。適切な点検整備履歴は、車両の信頼性と将来の維持費に直結することを理解しておきましょう。
長期的な車両維持の秘訣
愛車を長持ちさせるには、定期点検の管理と日常の点検習慣が欠かせません。点検整備記録簿は、生涯記録簿として長期保存し、部品交換の適切なタイミングを判断する資料として活用します。
日常点検ではタイヤの空気圧やオイル、冷却水などを定期的にチェックし、不具合の早期発見に努めましょう。走行距離や使用環境に応じたメンテナンススケジュールを立て、メーカー推奨の点検時期を守ることが大切です。
まとめ
24か月点検は法定の定期点検整備であり、車の故障予防と安全性確保に重要な役割を果たします。車検とは異なる「点検整備」の性格を持ち、車の健康状態を総合的に診断するのが特徴です。
費用は車種や整備先によって異なり、ディーラーと整備工場では料金体系・サービス内容に差があります。点検を怠ると、重大な故障・事故リスクが高まるため、定期的な実施が欠かせません。
また、パック料金の活用や複数店舗の比較など、賢く費用を抑える方法も取り入れるとよいでしょう。適切な点検整備は、車の寿命延長と快適なカーライフに直結します。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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よくある質問
Q.車検費用の内訳は?
A.車検費用は、法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料)と車検基本料の2つに大別されます。車検基本料には含まれるのは、行政手続きや書類作成の代行費用、車検を通すために必要な点検・整備費用、事務手数料などです。法定費用はどこの業者でも一律ですが、車検基本料は業者によって大きく差が出ます。
Q 車検費用の相場は?
A.1.5t以下のコンパクトカーの車検費用は、ディーラーなら9~15万円、カー用品店なら7万円~11万円、車検専門店なら8~13万ほどです。軽自動車の場合は、ディーラーなら7万5,000円~13万5,000円、カー用品店なら5万5,000~10万5,000円、車検専門店なら6万~11万5,000円ほどでしょう。
Q.車検費用が高くて払えないときはどうする?
A.業者によっては、ローンやクレジットカードでの支払いに対応しているケースもあります。ただし、法定費用は基本的に現金払いのみです。車検ローンは金利が高めなのでよく検討しましょう。車検費用は年数が経つほど高くなる傾向にあります。見積もりが高すぎると感じたら、思い切って買い替えるのもおすすめです。
Q.車検費用を節約するコツは?
A.法定費用はどこでも同じ金額です。業者によって異なる車検基本料のうち、差が出やすいのは点検・整備費用です。特に部品交換を少なくできれば費用を節約できますが、安全に運転するために不可欠な部分もあります。必要な整備箇所を適切に判断してくれる業者を選びましょう。購入時の保証が充実していれば、費用も安く済みます。