10万km走行車の車検費用の相場は?高くなる原因と買い替え判断のポイント

走行距離が10万kmを超えた車の車検費用が、急激に高くなるのはなぜなのでしょうか。多くの車が10万kmを境に車検費用が跳ね上がり、「このまま乗り続けるべきか、買い替えるべきか」という悩みを抱える人は少なくありません。
走行距離が10万kmに達すると、エンジンや足回りなどの主要部品が寿命を迎え、さらに13年経過車には重量税の増税も加わります。この記事で、10万km超えで車検費用が高額になる理由と、賢く費用を抑えるための節約テクニックを見ていきましょう。
※目次※
3.10万km走行時の車検で費用を抑えるために部品交換を先送りするリスク
4.10万km走行車の車検費用を節約するテクニックと買い替え判断
・10万km超えで車検費用が高額になる理由は、エンジン・駆動系の主要部品交換時期、足回り部品の劣化、13年経過車への重量税増税(約40%増)が重なるためである。
・10万km超えの車検費用の相場は、軽自動車で7万円~12万円程度、普通自動車(コンパクト~セダン)で10万円~18万円程度、大型車では13万円~25万円程度である。
・複数業者の見積もり比較やユーザー車検で節約は可能だが、20万円を超える場合は中古車の頭金として活用するほうが得策である。
10万km超えで車検費用が高額になる3つの理由

走行距離10万kmを超えた車の車検費用が、高額になることに不安を感じている人もいるのではないでしょうか。走行距離10万kmを境に車検費用が跳ね上がるのには、明確な理由があります。まずは、10万km超えで車検費用が高額になる3つの理由を見ていきましょう。
【10万km超えの車検費用が高い理由.1】エンジン・駆動系の主要部品が交換時期を迎える
10万km走行を超えた車両では、エンジンや駆動系の主要部品が交換時期を迎えます。
・エンジンオイル
・オイルフィルター
・バッテリー
・冷却水
・ブレーキフルード
・エアクリーナーエレメント
・スパークプラグ
・パワステオイル
・ラジエーターホース
・サーモスタット
・オルタネーターブラシ
・フューエルフィルター
・Vベルト
・タイミングベルト
・プラグコード
・デフオイル
・ミッションオイル
・ATフルード
・クラッチ
特に注意すべきはタイミングベルトで、走行距離10万kmまたは10年が一般的な交換目安です。このベルトは、エンジンの吸排気バルブとピストンの動きを同期させる重要な役割を担っており、ゴムや繊維で作られているため経年劣化が避けられません。
【10万km超えの車検費用が高い理由.2】足回り部品の劣化による交換費用の増加
10万kmを超えた車の足回り部品は、走行による負荷の蓄積で劣化が進行しています。
・タイヤ
・タイヤローテーション
・ブレーキパッド
・ドライブシャフトダストブーツ
・ブレーキホース
・ブレーキキャリパー
・スプリング
・ダンパー
・タイロットエンド
ブレーキパッドは、残量が3mm以下になると交換が必要で、交換費用は9,000円程度からが一般的です。摩耗したパッドを使い続けると、ブレーキディスクまで損傷させてしまい、修理費用が数倍に跳ね上がることも珍しくありません。
また、車の乗り心地を左右するダンパー(ショックアブソーバー)は、8万km~10万kmが交換の目安で、交換費用として2万5,000円以上の出費が必要になります。
【10万km超えの車検費用が高い理由.3】13年経過車は重量税が増税される
初度登録から13年を経過した車両は、自動車重量税が約40%増税される仕組みになっています。これは環境負荷の大きい古い車両から、環境性能の優れた新しい車への乗り換えを促す政策の一環です。
具体的な増税額を見ると、車両重量1.5tの普通自動車では、13年未満の重量税(2年分)が2万4,600円であるのに対し、13年経過車は3万4,200円となり、9,600円の負担増となります。
軽自動車においても、13年未満が6,600円(2年分)から13年経過で8,200円へと、1,600円増額される仕組みです。
車検費用の内訳と10万km超え車の相場

10万kmを超えた車の車検費用は、新車時と比べて大きく変わることをご存知でしょうか。法定費用と車検基本料の内訳を理解し、ディーラーと民間整備工場の特徴を把握することで適切な選択ができます。
ここでは、車検費用の仕組みから10万km走行車特有の費用相場まで確認していきましょう。
10万km超え車の車検費用の内訳!車検基本料と法定費用の違いとは
車検費用を正しく理解するには、まず「法定費用」と「車検基本料」の違いを把握することが重要です。
法定費用とは、国に納める税金・保険料のことで、自動車重量税・自賠責保険料・印紙代の3つで構成されています。これらは法律で金額が定められており、どの業者で車検を受けても同じ金額です。
一方、車検基本料は車検業者に支払う費用で、24か月点検料・測定検査料・車検代行手数料などが含まれています。この費用は業者によって大きく異なり、数万円の差が生じることも珍しくありません。
ディーラーと民間整備工場の車検費用差
車検費用を抑えたい場合、ディーラーと民間整備工場の違いを理解することが重要となります。一般的に民間整備工場のほうが、ディーラーより1万円以上安い傾向です。
ディーラー車検が高額になる理由は、予防整備を含む充実したサービス内容にあります。民間整備工場では、必要最低限の整備に絞ることで費用を抑えており、工賃も比較的安く設定されているのが一般的です。
ただし、整備の質は工場によってばらつきがあるため、信頼できる整備工場を見つけることが大切となります。
10万km超え普通自動車の車検費用相場
10万kmを超えた車の車検費用相場は、軽自動車で7万円~12万円程度、普通自動車(コンパクト~セダン)で10万円~18万円程度、ミニバン・SUVなど大型車では13万円~25万円程度となるケースが多いでしょう。
車検費用が高額になる主な要因は、10万km前後で交換推奨となる消耗部品が多くなるためです。例えば、タイミングベルトの交換費用は軽自動車で約3万円、普通自動車で約6万円が相場とされています。ウォーターポンプ交換は、2万円~5万円程度かかるのが一般的です。
部品交換が集中することで、通常の車検基本料に加えて10万円以上の追加費用が発生する可能性があるため、事前の見積もりが欠かせません。
10万km走行車の車検で費用を抑えるために部品交換を先送りするリスク

10万kmという節目を迎えた車には、安全走行のために交換すべき重要部品が数多く存在します。タイミングベルトをはじめとするエンジン系部品やブレーキパッドなど、それぞれに適切な交換時期が定められているものです。
費用節約のために部品交換を先送りすると、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。ここでは、10万km走行車のオーナーが知っておくべき部品交換の重要性を確認していきましょう。
10万km走行車の車検で部品交換を先送りした場合の故障リスクと修理費用
10万km走行車で必要な部品交換を先送りすると、深刻な故障リスクが高まります。例えば、タイミングベルトが走行中に切れた場合、エンジンブローを引き起こし、30万円~50万円程度の修理費用が発生する可能性があるでしょう。
この修理費は、予防的な交換費用の5倍~10倍にも達します。ブレーキパッドの交換を怠れば、ブレーキディスクまで損傷し、部品代と工賃を合わせて10万円近い出費になることも珍しくありません。
定期的な部品交換は、単なる出費ではなく、安全への投資と考えるべきでしょう。
10万km走行車の予防整備で将来の車検費用を抑える方法
予防整備は、車検時の急な出費を避けるために欠かせない取り組みです。乗用車は1年ごとに法定12か月点検を受ける義務があるため、この機会を活用して消耗品の状態を確認し、計画的に交換することで費用を分散できます。
エンジンオイルは、走行距離や使用期間に応じて定期交換を行い、エンジン内部の摩耗を最小限に抑えましょう。
異音・振動など普段と違う症状に気付いたら、早めに点検を受けることが重要です。小さな不具合も放置すれば大きな故障につながり、修理費用が膨らむ原因となります。
10万km走行車の車検費用を節約するテクニックと買い替え判断

10万kmを超えた車の車検費用は予想以上に高額になりがちですが、賢い選択をすれば大幅な節約も可能です。見積もり比較やユーザー車検などの節約テクニックを活用することで、数万円単位でコストを削減できるケースもあります。
最後に、車検費用を抑える方法と買い替え判断の目安を確認していきましょう。
10万km走行車は車検前の見積もり比較で費用を節約する
車検費用を抑えるのに効果的な方法は、複数の車検業者から見積もりを取得して比較検討することです。ディーラーや整備工場、車検専門店、カー用品店など、少なくとも3社以上から見積もりを取りましょう。
見積もりを比較する際は、単純に総額だけでなく、内訳をよく確認することが重要です。法定費用はどの業者でも同額ですが、車検基本料は業者によって数万円の差が出ることがあります。
安さだけで選ぶのは危険であり、極端に安い見積もりには必要な整備が含まれていない可能性があるため注意が必要です。
10万km走行車はユーザー車検と車検代行で費用を大幅削減
車検費用を抑える方法として、ユーザー車検と車検代行も有用です。ユーザー車検では、自分で運輸支局に車を持ち込んで検査を受けるため、法定費用のみで車検を通すことができ、通常の車検より3万円~5万円程度安くなります。
一方、車検代行は検査場への持ち込みのみを業者に依頼する方法で、代行手数料は1万円~1万5,000円程度が相場です。
ただし、10万km走行車の場合は慎重な判断が求められます。車の状態によっては保安基準を満たさず、再検査となる可能性が高くなるためです。
10万km走行車の車検費用が20万円超えなら買い替えを検討する
車検費用が20万円を超える場合、買い替えを検討すべきタイミングです。一般的に、普通自動車の車検費用は6万円~13万円前後で済むことが多く、20万円を超えるのは稀なケースとなります。
これほど高額になる理由は、複数の主要部品が同時に交換時期を迎えているからです。10万km走行車で20万円を超える見積もりが出た場合、今後2年間でさらに高額な修理費が発生するリスクが高まります。
同じ20万円を使うなら、中古車の頭金として活用するのもひとつの方法です。年式の新しい中古車に乗り換えれば、故障リスクが減り、燃費性能も向上するため維持費を抑えやすいでしょう。
まとめ

走行距離10万kmを超えた車の車検費用は、エンジン関連部品や足回り部品の交換時期が重なることで高額になります。特にタイミングベルトやウォーターポンプなどの主要部品交換により、通常の車検費用に10万円以上が上乗せされるケースも少なくありません。
13年経過車では重量税が約40%増税されることも、費用増加の要因です。ディーラーと民間整備工場では費用差があるため、複数の見積もり比較が重要になります。
部品交換を先送りすると故障リスクが高まり、結果的により高額な修理費用が発生する可能性があるでしょう。車検費用が20万円を超える場合は、買い替えも選択肢として検討する価値があります。
▼ライタープロフィール

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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