車のヘッドライト交換のタイミングとは?費用の目安やバルブの種類
車のヘッドライトは、夜間や悪天候時に視野を確保する重要な部品です。ライトが切れている状態では走行できないため、切れる前に交換する必要があります。しかし、交換する適切なタイミングが分からない、どの部品を購入したらよいか分からない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、車のヘッドライトの交換タイミングと交換に必要な費用の目安、ヘッドライトを交換する手順も紹介します。走行中に突然ライトが切れる事態を招かないよう、最適なタイミングを把握しましょう。
※目次※
・車のヘッドライトに不具合が出た場合は、バルブ・ヒューズ・ヘッドライト全体のうち、どの部分の交換が必要なのかを考えよう。
・明るさが弱くなったとき、黄ばみや曇りが出たときがヘッドライト交換のタイミング。
・ヘッドライトは視界を確保することだけではなく、周囲に自分の存在を認識してもらうためにも重要。
車のヘッドライトを交換するパターンは3つある
車のヘッドライトを交換するパターンは、バルブ(電球)の交換、ヘッドライト全体の交換、ヒューズの交換の3種類です。どのような不具合が出ているかを見て、交換が必要な部品を判断しましょう。
ここでは、ヘッドライトの交換部品を解説します。どのような役割があるか、どの部分を指しているかが分かれば、不具合のある場所を特定できるでしょう。
電球部分を指す「バルブ」のみの交換
バルブは、ヘッドライトの中に装着する電球のことを指します。ライトがつかない、チカチカと点滅しているような状態のときは、多くの場合がバルブの寿命です。同時期に交換・装着していても、片方だけつかなくなるパターンもあります。
バルブ交換ができるのはハロゲンとHIDのみであり、LEDの場合はバルブ交換ができません。また、車種やグレードによって装備されている種類が異なります。
光源は同じでも、車種に適応していない製品や車検に対応していない製品もあるため、セルフで交換する場合は注意が必要です。
ヘッドライト全体の交換
ヘッドライト全体は、ヘッドライトカバーやバルブを含めたユニット一式を指します。事故や不注意によりヘッドライトを破損した場合、ハイビームへの切り替えができない場合などは、ヘッドライト全体の交換が必要です。
LEDライトはヘッドライトに埋め込まれているため、バルブ交換ができません。LEDライトが切れた場合にも、ヘッドライト全体を交換する必要があります。
ヘッドライト全体を交換する場合は、バンパーの着脱や光軸調整をしなくてはなりません。ヘッドライトの形状と光源も車種やグレードによって異なるため、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。
ヒューズの交換
ヒューズは、車の電線に付属する保安部品です。電線に基準よりも高い数値の電流が流れると、ヒューズが切れることで発火や漏電を防ぎます。ヒューズが切れている場合は電力供給が止まっている状態のため、両方のヘッドライトがつきません。
タイミング良く両方のバルブが切れている可能性もありますが、ヒューズ交換だけで点灯する場合もあります。
バルブを交換しても点灯しないときは、ヒューズを交換してみましょう。ヘッドライトの明るさが落ちていると感じた場合は、同じタイミングでバルブ交換しておくのもおすすめです。
車のヘッドライトの交換を判断する基準
車のヘッドライトが切れていなくても、いつもに比べ暗く感じたときには交換を検討しましょう。劣化によるヘッドライトの黄ばみや曇りの発生も、交換が必要になるタイミングです。
ここでは、車のヘッドライトを交換するときの判断基準を紹介します。交換のタイミングを把握しておけば、急にライトが切れて焦らずに済むでしょう。
普段よりも明るさが足りないと感じたとき
ヘッドライトの交換時期は、明確に定められているわけではありません。普段より明るさがなく、前方が見えにくいと感じたときに交換を検討しましょう。
ヘッドライトは、前方を明るく照らし出すだけでなく、歩行者や対向車に自分の存在を知らせる働きもあります。ヘッドライトの明るさが弱まると安全性にも影響するため、なるべく早めに交換を判断しましょう。
ヘッドライトの黄ばみや曇りでも交換が必要になる
ヘッドライトの交換が必要なのは、バルブ(電球)が切れたときだけではありません。ヘッドライトに黄ばみや曇りが発生するなど、劣化が認められる場合も交換が必要です。
ヘッドライトに黄ばみや曇りがあるまま走行すると、普段より視界が悪くなります。事故につながる可能性もあるため、早めの交換がおすすめです。
ヘッドライトに黄ばみや曇りが発生してしまう原因は、経年劣化や紫外線、洗車が考えられます。特に紫外線の影響は大きく、屋根がない駐車場に長時間置き続けると、ライトの表面が劣化するでしょう。
そのため、黄ばみや曇りを防止する一番良い方法は、紫外線に長時間当てないことです。難しい場合は、小まめに洗車すれば長く使えます。
故障した場合はすぐに交換しよう
車のヘッドライトに何らかの不具合がある場合は、すぐに交換しなければなりません。片方だけ切れている場合も同様です。
ヘッドライトが切れたまま走行するのは「整備不良」という違反行為に当たり、普通車の場合は罰金7,000円、違反点数1点が科せられます(2024年5月時点の情報です)。
また、ヘッドライトが点灯しないと前方を照らせないため、対向車や歩行者から見えづらく危険です。車のヘッドライトが故障した場合はすぐに交換しましょう。
車のヘッドライト交換でかかる費用の目安
車のヘッドライト交換には、バルブ(電球)だけを交換するケースとヘッドライト本体を交換するケースがあります。明るさが足りない、片方だけ切れてしまったなどの場合は、バルブ交換だけで解決するでしょう。
ヘッドライト本体が損傷してしまった場合は、バルブだけではなくヘッドライトそのものの交換が必要です。ここでは、それぞれの交換にかかる費用の目安を紹介します。
バルブを交換する場合
バルブ(電球)のみを交換する場合は、比較的安く交換できます。交換を依頼できる業者とそれぞれの費用目安は、以下の通りです。
業者 |
費用の目安 |
ディーラー |
4,000円~1万円程度 |
整備工場 |
2,500円~3,000円程度 |
ガソリンスタンド |
2,500円程度 |
カー用品店 |
2,000円程度 |
ディーラーでの交換は、基本的に純正品の新品バルブを使用します。費用は高めですが、安心して依頼できるでしょう。
交換費用を抑えたい方は、ディーラー以外の業者を選ぶのがおすすめです。カー用品店での交換は、店舗の商品から好みのバルブを選べます。ガソリンスタンドでの交換は、給油のついでに依頼できることがメリットです。
ヘッドライト本体を交換する場合
ヘッドライトの故障や損傷などの場合は、ヘッドライト本体の交換が必要です。中のバルブのみを交換する場合とは違い、万単位の費用がかかります。
業者 |
費用の目安 |
ディーラー |
5万円程度 |
整備工場 |
2万円程度 |
ガソリンスタンド |
2万5,000円程度 |
カー用品店 |
2万5,000円程度 |
バルブ交換と同様、ディーラーでの交換は純正品を使用します。交換後の光軸調整がセットになっていることも多いため、他の業者に比べ高額です。整備工場に依頼すれば、純正の中古品を探してくれるケースもあります。
無料で交換できる場合もある
ヘッドライトの交換には一定の費用がかかりますが、メーカーやディーラーの保証対象になっていることもあります。ヘッドライトの交換が保証対象に入っていれば無料で交換できるため、ディーラーに確認しましょう。
中古車の場合も同様です。中古車の中には、新車購入時の保証が残っている車もあります。中古車販売店の独自保証にヘッドライトバルブの無料交換が含まれている場合は、保証での交換が可能です。
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車のヘッドライト交換時に選べるバルブの種類
車のヘッドライトに使用するバルブには種類があります。車種やグレードによって装備されているバルブが異なるため、間違えないようにしっかりと確認しましょう。ここでは、ヘッドライトの交換時に選べるバルブの種類、それぞれの特徴を紹介します。
ハロゲンランプの特徴
ハロゲンランプは、電球内の不活性ガスと、ガスを通電した細かい線(フィラメント)の熱によって発光する電球です。暖色系の淡く優しい光を放ちます。
発熱量の多い電球のため、ヘッドライトに当たる雪を溶かし、水を蒸発させることもメリットです。黄色やオレンジに近い色で発光することから、雪や雨、霧などの悪天候時の視認性にも優れています。
しかし、ハロゲンランプは発熱量と消費電力も多いため、寿命は長くても1,000時間程度です。HIDやLEDに比べ交換費用は安く済みますが、小まめな交換が求められます。
HID(High Intensity Discharge lamp)の特徴
HIDランプは、ガラス管の中にキセノンガスを封入し、その中で空中放をすることで発光する電球です。高輝度放電ランプとも呼ばれています。ハロゲンランプより明るく、夜間走行時の視認性が高いことが特徴です。
電圧の負荷が高く、専門知識が必要なため、交換費用は他に比べ高い傾向にあります。また、HIDが誇る発光量に達するまでは点灯から5秒~10秒と時間がかかるため、瞬時の対応が必要なハイビームには向いていません。
一方で、寿命は2,000時間程度とハロゲンランプの2倍はあり、交換頻度が少なくて済むことはメリットです。
LED(Light Emitting Diode)の特徴
LEDは、電気によって発光する半導体(発光ダイオード)を使用した光源です。明るさはHIDランプほどではありませんが、点灯後はすぐに最大光量に達するため、ハイビームに向いています。
発熱量が少なく小型な製品が多いことに加え、省電力・長寿命であることから、上級グレードに標準搭載される傾向です。寿命は約3万時間もあり、車を手放すまで交換しなくて済む場合もあります。
ヘッドライトの破損などで交換する場合は、ヘッドライト本体を交換する必要があるため、バルブ交換よりも費用は高額です。
車のヘッドライトを交換できる場所
車のヘッドライトは、できるだけ早く交換する必要があります。万が一に備えて、どこで交換するか決めておきましょう。
ヘッドライトの交換に対応している依頼先は、ディーラーや整備工場、ガソリンスタンド、カー用品店などがあり、店舗ごとに対応は異なります。ここでは、それぞれのメリットや注意点、費用の目安を見ていきましょう。
ディーラー
ディーラーに依頼すれば、純正の部品を使ったヘッドライトに交換してもらえます。製品情報に精通しているディーラーだからこその安心感もあるでしょう。一方、バルブ交換だけで4,000円以上かかることも多く、工賃が高いことがデメリットです。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでもヘッドライトの交換ができます。近隣のガソリンスタンドで頼める手軽さに加え、工賃は3,000円程度のため、ディーラーより費用が安く済むことがメリットです。
店舗やスタッフによる技術差が大きく、リスクを避けるには信頼できるお店選びが欠かせません。
整備工場
整備工場には技術力の高いスタッフがそろっていることが多く、安心して任せられるのがメリットです。
2,000円程度の工賃で対応している整備工場もあり、ディーラーと比べても安く済みます。普段から付き合いのある整備工場の場合は、ささいなことも相談できるでしょう。
カー用品店
カー用品店でのバルブ交換は1,500円程度の工賃で済み、費用の安さが大きなメリットです。
店舗数が多いカー用品店であれば、近隣の店舗で気軽に頼めます。ガソリンスタンドと同様に、スタッフによってヘッドライトの交換に関する知識に差があるため注意しましょう。
車のヘッドライトのバルブ交換は自分でできる
ヘッドライト本体の交換は業者への依頼が最適ですが、バルブ交換だけであれば個人でも可能です。ここでは、バルブ交換の手順と注意点を紹介します。
バルブ交換は繊細かつ慎重な作業になるため、自分で交換するのが不安な方はプロに依頼しましょう。
ヘッドライトのバルブの交換手順
はじめに、ボンネットを開けてヘッドライト本体の後ろにあるコードを見つけます。次にヘッドライトコードの先端にあるコネクターを外し、バルブの位置を確認しましょう。バルブ裏のゴムカバーを外すとともに、ストッパーも外します。
バルブを外した後は、新しいヘッドライトのバルブを取り付けましょう。後は逆の手順でバルブを固定し、バルブ裏のカバーを付けます。コネクターを差し込み、ヘッドライトの点灯を確認すれば完了です。
ヘッドライトのバルブを交換する際の注意点
ヘッドライトを交換するときは、ヘッドランプのスイッチが切れていることを確認しましょう。消灯直後はバルブが熱を持っているため、時間を置いてから作業を開始します。
自分の手を保護するとともに、交換部品に水分や油分を付けないためにも手袋をした上で作業しましょう。繊細な作業ができるよう、滑り止めの付いた薄手の軍手がおすすめです。
車のヘッドライトを長持ちさせる方法はある?
車のヘッドライトには寿命があります。光源によって寿命が異なるためヘッドライト本体を交換すれば寿命は延びますが、交換にかかる手間や費用を考えると、現在のヘッドライトをいかに長持ちさせるかが重要です。
ここでは、使い方やメンテナンスでヘッドライトを長持ちさせる方法を紹介します。
ヘッドライトの頻繁なON・OFFを避ける
ヘッドライトのバルブは、電気のON・OFFを繰り返す操作によって大きな負担がかかります。そのため、ヘッドライトを小まめにつけたり消したりする操作は控えましょう。
HIDの寿命は約2,000時間のため、1日に2時間点灯させた場合は3年程度で寿命を迎えます。頻繁にON・OFFを繰り返していると、3年未満でライトが切れてしまう可能性もあるでしょう。
ライトは時間の経過とともに暗くなるのが特徴です。新品時の明るさから交換時期の目安となる3年後には、約70%まで明るさが減ります。
ヘッドライト専用のコーティング剤を使用する
ヘッドライト用のコーティング剤を使用すれば、黄ばみを防げます。黄ばみを防げば、明るさを維持できるでしょう。プロへ依頼すると洗浄・研磨などの下地処理をした上でコーティングしてもらえます。耐久性も期待できる反面、相応の費用が必要です。
費用を抑えたい場合は、市販のコーティング剤を使って自分で施工しましょう。耐久性の高さを重視するのであれば、ガラス系のコーティング剤が適しています。自分で施工する際も耐水ペーパーなどを使い、既存のクリア層を剥がしてから施工しましょう。
車のヘッドライトは定期的に交換しよう
車のヘッドライトは、装備しているバルブの種類によって交換時期が異なります。使い方による寿命の違いはあるものの、明るさや黄ばみなどは定期的に確認しましょう。
夜間の走行が多い人やハロゲンもしくはHIDを装備している車の場合は、車検を交換時期の目安にするのもおすすめです。ここでは、ヘッドライトの交換がここまで重要である理由を解説します。
ヘッドライトは大切な役割がある
ヘッドライトの役割は、主に2つあります。夜間の暗い時間帯またはトンネル内において良好な視界を確保すること、周囲に自分の存在を知らせることです。
ヘッドライトの点灯と同じスイッチで切り替えるスモールランプは、前方を照らすのではなく、対向車や自転車に車幅を伝える役割があります。
フォグランプは、霧で見えづらいときに使用するライトです。焦点を定めずに点灯すると、霧の影響を受けにくくなります。
ヘッドライトは、夜間だけではなく悪天候の場合の安全走行を確保するためにも欠かせません。近年は、明暗を感知して自動で点灯するシステムを搭載している車もあるため、活用するのもおすすめです。
点灯のルールは法律で定められている
道路交通法52条では、ヘッドライトの点灯に関するルールとして「夜間に走行する車はヘッドライトを点灯する」「昼間でもトンネルの中や濃い霧の中では点灯する」と定めています。
また、ハイビームとロービームにも使い分けがあり、夜間時に使う基本のライトは「ハイビーム」です。ロービームは、対向車とすれ違う際や前方を走る車の妨げになる場合に使用します。
まとめ
車のヘッドライトは、明るさが足りないと感じたとき、黄ばみや曇りが出てきたときを交換の目安にしましょう。
夜間走行が多い人や霜が多い山間を走行する機会が多い人は、特にバルブの寿命が短くなります。ヘッドライトは、切れる前に交換しないと走行できません。安全を確保するためにも早めに交換しましょう。
また、ライトは使い方やメンテナンス方法によって長持ちさせられます。万が一切れてもすぐに交換できるよう、交換する業者を決めておくのも得策です。長持ちさせることも考慮しつつ、交換の際の対策も練っておくことをおすすめします。
▼ライタープロフィール
中村浩紀 なかむらひろき
クルマ記事に特化したライター
現在4台の車を所有(アルファード・プリウス・レクサスUX・コペン)。クルマ系のメディアでさまざまなジャンルの記事を執筆し、2024年1月までに300記事以上の実績をもっている。
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