車の部位の名称をチェック!外装パーツや内装パーツの役割を確かめておこう
車にはさまざまな部位があります。車に乗る機会は多いものの、「部位の正式名称を知らない」という方も多いのではないでしょうか。
各部位の名称を知っておくと、メンテナンスやカスタマイズをする際に便利です。また中古車販売サイトなど、車を購入する際も、部位の名称に関する知識が役立ちます。
そこでこの記事では、車の部位の名称や役割を解説します。「フロント部分の外装パーツ」など、項目別に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・車の部位の名称は「フロント(リア)部分の外装パーツ」「内装パーツ」「構成部品」に分けると理解しやすい。
・車の部位の名称を覚えておくと、修理したい箇所を正確に伝えられるだけでなく、カスタマイズや部品の取り寄せ時にも役立つ。
・エンジンなどの構成部品については、車のメンテナンスにも関わるため重要。
車の部位の名称をチェック:フロント部分の外装パーツ編
自動車の外装は、いろいろなパーツで成り立っています。修理やメンテナンス、カスタマイズなどの際にパーツ自体を取り換えることもあるため、各部位の名称を覚えておきましょう。
パーツの名前を覚えておくと、中古車販売サイトなどに載っている商品情報も理解しやすくなるでしょう。ここでは、車の部位の名称、特にフロント部分の外装パーツを解説します。
フロント部分の外装パーツ一覧
ここでは、自動車の外装パーツの中でフロント側に配置されているパーツの名称と主な役割を一覧で紹介します。
・ボンネット
エンジンルームに覆いかぶさるふたのことです。
・ルーフ
自動車における屋根を表します。
・ピラー
柱を意味する言葉で、ルーフを支えており、ボディ剛性に影響するパーツです。
・フロントバンパー
自動車の前方に配置された緩衝のための部品です。ヘッドライトの下側に装着されます。
・フェンダー
泥よけのことで、タイヤに覆いかぶさるように配置された外装パーツです。
・サイドシル
自動車のドアの下部にあるボディの一部です。「側面の敷居」を意味します。
・フロントガラス
車の前面にあるガラスです。割れても破片が飛び散らないよう、合わせガラスになっています。
・ワイパー
フロントガラスに付着した雨水や雪、汚れを取り除くパーツです。
・ドアミラー
自動車の側面後方を確認するためのミラーで、ドアに取り付けられています。
・ヘッドライト
夜間や暗い場所で使用し、自動車の前方の視界を確保するためのライトです。
・フロントグリル
ボンネットとフロントバンパーの間にあるパーツで、機能性やデザイン性に関わります。
・タイヤ
タイヤは自動車の重量を支えるなど重要な役割を果たし、唯一地面と接触するパーツです。
・フロントドア
運転席もしくは助手席に乗り込むためのドアで、乗員保護の役割も併せ持っています。
エンジンルームのふたの役割を持つ「ボンネット」
自動車の前部分上方にある板状の部分がボンネットです。ボンネットの下にはエンジンルームがあり、エンジンルームのふたとしての役割を担っています。
「エンジンの屋根」を意味するエンジンルーフ、「エンジンの覆い」を意味するエンジンフードと呼ばれることもあります。素材は鉄を使うことが多く、軽量化を狙ってカーボン素材でも生産されています。
車の屋根である「ルーフ」
車の屋根部分は英語で「屋根」を意味するルーフと呼ばれます。素材には鉄やプラスチック、アルミ、カーボンなどが使われています。
「ムーンルーフ」や「サンルーフ」、「パノラマルーフ」といった表現はどれもガラスなどの透過性素材でできたルーフのことです。
ルーフを支える「ピラー」
ガラス面の左右にあるのがピラー(英語で柱を意味する)です。ルーフを支えるだけでなく、ボディの強度を保つ重要な役割を持っています。
フロントガラス横にあるものをAピラー、そこから後方に進むごとにBピラー、Cピラー、Dピラーと呼ばれます。ピラーの形状は車全体の印象を左右するだけでなく、視界や強度にも影響を与えるものです。
前方からの衝撃から車を守る「フロントバンパー」
バンパーは車の前方と後方を縁取るように取り付けられたプラスチックパーツです。緩衝装置として、衝突時のダメージからエンジンや車体、乗っている人を保護する役目があります。
傷が付きやすいパーツですが、自動車のデザイン性にも影響するため、車の顔として修理されることも少なくありません。なお、「バンパー」とだけいわれる場合には、前方のフロントバンパーを指すことが多い傾向です。
泥よけになる「フェンダー」
ボディのタイヤ周り部分をフェンダーといいます。昔は独立したパーツでしたが、今はボディと一体化していることがほとんどです。
フェンダーには泥よけとしての役割があります。フェンダーがなければ、後続車やそばを歩く人に泥や小石を跳ねかけてしまい大変危険です。また、回転中のタイヤに直接何かが接触するのを防ぐ役割もあります。
車の敷居となる「サイドシル」
英語で「側面の敷居」を意味するサイドシルは、車のドア下にある部分です。ドアを閉めた状態では分かりにくいものの、ドアを開けると敷居となるパーツが見えます。
サイドシルは、車体の両サイドを構成するフレームで、ボディの強度に関わる大切なパーツです。そのため、形状には乗りやすさと強度のバランスを考えた設計がなされています。
車前方の視界を確保する「フロントガラス」
車の前面に取り付けられているガラス部分がフロントガラスです。フロントガラスには中間膜を2枚のガラスで挟んだ合わせガラスが使用されています。これにより、飛び石による傷や事故などの際、ガラスが割れたり飛び散ったりするのを最小限に抑えることが可能です。
最近は、紫外線カットや断熱効果だけでなく、遮音性を高めたフロントガラスや速度表示されるフロントガラスを採用した車も販売されています。
前方の雨を拭う「ワイパー」
ワイパーはフロントガラスの雨や雪、汚れを拭き取るパーツです。運転中の視界を確保するのに欠かせません。
ワイパーはアームとワイパーブレード、ゴムで構成されており、ゴムが劣化してくると拭きむらができたり筋状の線が残ったりと視界不良となります。視界不良での運転はストレスになるだけでなく事故のリスクも高まりますので、定期的に取り換えるようにしましょう。
後方を確認するための「ドアミラー」
運転手が後方サイドを目視で確認するためのミラーがドアミラーです。左右にあるフロントドアの外側に取り付けられています。なお、同じ目的でフェンダーの上部に取り付けられたものはフェンダーミラーと呼ばれます。
最近では、カメラをドアミラーの代わりに設置して、室内モニターで確認するデジタルタイプもあります。
進路を明るく照らす「ヘッドライト」
進路を明るく照らしだすのがヘッドライトです。ヘッドランプと呼ばれることもあります。車の前方の左右に取り付けられており、暗がりで視界を確保してくれます。
従来のヘッドライトといえばハロゲンランプが主流でした。しかし1990年代になってHIDランプが登場し、昨今ではLEDランプがはやっています。明るさを重視するのであれば、HIDランプがおすすめです。
しかし使い勝手の良さや、寿命を考えるのであれば、LEDランプに軍配が上がります。LEDランプはHIDランプに比べて立ち上がりが速く、点灯した瞬間に最大限の明るさが得られるなど、メリットが大きいといえるでしょう。
個性を主張する「フロントグリル」
ボンネットの下に取り付けられており、個性を主張するのがフロントグリルです。本来はエンジンルームなどを冷やすために、空気を取り込むための部位として作られていました。
最近では冷却技術も発達しており、機能性よりもデザイン面が重視されるようになっています。フロントグリルは、車の表情を伝える重要なパーツです。
同じ車種であっても、モデルチェンジによってフロントグリルのデザインが変わるなど、各メーカーが力を入れる場所でもあります。フロントグリルの形はさまざまで、そのデザインによって車を選ぶユーザーもいるほどです。
車両の重量を支える「タイヤ」
乗用車には一般的に4つのタイヤが使用されており、それぞれ車両の重量を支えています。他にも前進や止まるための力を地面に伝えたり、路面からの衝撃を吸収したりと重要な役割を果たし、唯一地面と接するパーツです。
タイヤ内部には空気が封入されていますが、自然に少しずつ抜けていくため定期的に空気圧を充填する必要があります。空気圧不足は燃費の悪化だけでなく、走行性能にも悪影響を与えるためしっかりと管理しましょう。
乗員を保護する「フロントドア」
運転席もしくは助手席へアクセスするために設けられているのがフロントドアです。フロントドアの多くはスライドドアではなく、ヒンジドアとなっています。車の乗り降り時に使用するだけでなく、乗員保護もドアの重要な役割です。
ドアを閉じるとボディの一部として機能し、ぶつかったときに衝撃を吸収するなど、安全性を確保する設計がなされています。
車の部位の名称をチェック:リア部分の外装パーツ編
車のフロント部分だけでなく、リア部分にも外装パーツがあります。後方にいる車に存在を知らせたり、ぶつけられたときに衝撃を吸収したりと、リア部分に割り当てられている役割は大きいといえるでしょう。
ここでは、車の部位の名称、特にリア部分の外装パーツを解説します。フロント部分と併せて確認しましょう。
リア部分の外装パーツ一覧
フロント側だけでなく、リア側の外装パーツの名称も押さえておきましょう。以下に一覧で紹介するので、まずは各パーツの概要をご覧ください。
・リアバンパー
車体後方に装着されるバンパーです。
・バックドア
荷室にアクセスするためのドアです。
・バックドアガラス
バックドアには後方確認のためのバックドアガラスが備わっています。
・ブレーキランプ
後続車に減速もしくは停止していることを知らせるランプです。
・テールランプ
後方に自車の存在を知らせるためのランプです。
・リアワイパー
リアガラスの視界を確保するために備わっています。
・リアドア
後部座席へアクセスするためのドアです。
・フューエルリッド
燃料を補給する際に使用する給油口のカバーです。
・バックランプ
後方に後退することを示すランプです。
・ウインカー
後方に進行方向の変更を知らせるために備わっています。
・トランクリッド
セダンの荷室(トランク)のふたをトランクリッドといいます。
後方からの衝撃から車を守る「リアバンパー」
リアバンパーは、車体の後方に取り付けられたバンパーのことです。「車の個性はお尻で決まる」といわれるように、リアバンパーの形状は車のデザイン性と機能性に大きく関わっています。
本来は緩衝装置ですから、交換しやすいよう他のパーツとは明確に分かれているものです。しかし、エアロパーツと一体化したデザイン性重視のリアバンパーもあります。
荷物の積み降ろしを容易にする「バックドア」
荷室へアクセスするために設けられているのがバックドアです。バックドアの開き方には種類があり、多くの自動車には跳ね上げ式が採用されています。跳ね上げ式は開いた状態だと雨よけになる点が特徴です。
他にも、フロンドドアのような横開き式や、左右で分割した観音開き式などがあります。これらは狭い場所で開閉しやすく、跳ね上げ式のように強い力は必要ありません。
車後方の視界を確保する「バックドアガラス」
車の後ろ側のガラスがバックドアガラスです。リアガラスやリアウィンドウとも呼ばれます。後方視界にも大きな影響を与えるパーツで、車のデザインによって大きさが異なります。
バックドアガラスに使用されている強化ガラスは、耐久性が高くて割れにくい素材です。また、万が一割れてしまった場合には角のない粒状に砕けるため、破片でケガをするリスクは少なくなります。
後続車に減速や停止を知らせる「ブレーキランプ」
ブレーキランプには、後続車など後方に減速もしくは停止していることを知らせる重要な役割があります。ブレーキランプが切れている場合は、後続車から追突される恐れがあるため危険です。日常点検でしっかりとチェックしておきましょう。
ブレーキランプは、エンジンのON・OFFに関わらずブレーキペダルを踏むと点灯します。
車の存在を知らせる「テールランプ」
車の後ろに取り付けられており、後方車両に存在を知らせるのがテールランプです。基本的にヘッドライトのスイッチと連動しており、ヘッドライトの点灯と同時にテールランプが起動する仕組みになっています。
夜間で視界を確保するヘッドライトと同じく、安全のために取り付けられているパーツです。
後方の雨を拭う「リアワイパー」
フロントガラスに設置されているワイパーに対して、リアガラスに設置されているのがリアワイパーです。リアワイパーは、雨や雪はもちろん、タイヤが跳ね上げた泥を取り除く役割を持っています。
特に泥に関しては、車のボディタイプによって、付着しやすさが異なります。タイヤとリアガラスが近くにあるハッチバックやミニバンの場合は、リアワイパーを設置しているのがほとんどです。一方で、取り付けられていない車種もあるので、気になる場合は事前に確認しましょう。
後部座席の快適性を保つ「リアドア」
リアドアは、後部座席へ乗り込むために備わっています。フロントドアと同様に、乗員保護も重要な役割です。リアドアには主に、ヒンジドアもしくはスライドドアが採用されます。セダンや背の低いコンパクトカー、SUVなどはほとんどがヒンジドアです。
一方でスライドドアは、ハイト系の軽自動車やコンパクトカー、そしてミニバンに採用される傾向があります。スライドドアは、乗降時に隣の車や壁などの障害物へドアをぶつけるリスクが少なく、狭い場所でも乗り降りしやすい点が特徴です。
燃料の流出を防ぐ「フューエルリッド」
燃料の給油口にはキャップが装着されており、さらに外側にはフューエルリッドと呼ばれるふたが備わっています。フューエルリッドは車内のレバーを操作して開けるタイプがほとんどです。ただし、解錠した状態でフューエルリッドの端を押して開くタイプもあります。
使用する燃料に関しては、取扱説明書だけでなくフューエルリッドを開いた際に見えるシールでも確認することが可能です。
車の後退を知らせる「バックランプ」
バックランプは、その名の通り後退する際に点灯するランプです。車両後方に対して自車が後退することを知らせます。また、暗い環境で後方を照らすのも役割のひとつです。シフトノブをリバースギアに入れると点灯します。
ブレーキランプは赤色と指定されていますが、バックランプについては白と決められています。
進路変更を他の運転手や歩行者に伝える「ウインカー」
ウインカーとは方向指示器のことで、進路変更する際に点滅するランプです。右左折時や車線変更時に、ステアリングの横にあるレバーを操作するとウインカーが点滅します。
また、ハザードランプのスイッチを押すことで、左右のウインカーが同時に点滅を繰り返す点が特徴です。ブレーキランプやバックランプと同様に、ウインカーに関しても点灯するかどうか定期的にチェックすることが大切です。
トランク内の荷物を保護する「トランクリッド」
荷室を使用する際に開閉するドアは、軽自動車やコンパクトカー、ミニバン、SUVなどの場合バックドアと呼びます。一方で、荷室と乗車スペースが隔離されているセダンの場合の呼称は、トランクリッドです。トランク内の荷物を保護する役割を持っています。
トランクリッドは、運転席周辺のレバーなどで開閉可能です。ただし、開け方は車種によって異なるため、取扱説明書を確認してみてください。
車の部位の名称をチェック:内装パーツ編
車内にある内装パーツの名称をご紹介します。内装パーツの呼び名は車好きでなければ普段なかなか耳にしないものばかりです。
内装パーツは、車ならではのパーツばかりであるため、他への言い換えができないものも少なくありません。知っておくと新車や中古車購入時に役立ちますので、まとめて覚えておきましょう。
内装パーツ一覧
まずは、以下の内装パーツの一覧で、それぞれの概要について確認してみてください。
・レジスター
エアコンの吹き出し口のことです。室内の温度管理だけでなく、ガラスのくもりを取るためのレジスターも備わっています。
・ダッシュボード
フロントガラス下の内装部品をまとめてダッシュボードと呼びます。
・センタークラスター
ダッシュボードの中央部分のことです。オーディオやディスプレイなどが装着されます。
・グローブボックス
助手席の前にある収納スポットです。
・シフトレバー
トランスミッションのギアを選択するための装置です。
・センターコンソール
助手席と運転席の間にある隔壁のようなものです。収納スポットやサイドブレーキレバーなどが配置される場合もあります。
・ステアリングホイール
自動車の操舵を担うハンドルのことです。
・メーター
速度や燃料の残量など、自動車の情報を確認するためのパーツです。
・アシストグリップ
助手席や後部座席の天井部分に備わるつり革のようなパーツです。
・アームレスト
左右のシートの間に配置される肘掛けのことをアームレストと呼びます。
エアコンの吹き出し口となる「レジスター」
エアコンの風が出てくる吹き出し口の名前はレジスターです。レジスターはインパネに取り付けられているものの他に、フロントガラスに風を当てるためのものや、足元に風を送り出すためのものなどがあります。
内装アレンジのためにレジスターを取り換える方もいるでしょう。部品だけ販売しているカー用品店は多くあります。ただし、カーエアコン内部にあるブロアファンレジスターは全く別の部品のため、間違えないようにしましょう。
運転席とエンジン部を仕切る「ダッシュボード」
ダッシュボードはインパネ上部のボード部分だと思っている方もいますが、フロントガラスの下にある内装部品をひとくくりにして「ダッシュボード」といいます。
つまり、インパネやハンドル、エアバッグ、オーディオユニットや空調など、どれもダッシュボードの一部です。構造上は、エンジンルームと乗車室内を区切る壁がダッシュボードで、そこにさまざまなアクセサリーが付いています。
カーナビやオーディオが取り付けられている「センタークラスター」
ダッシュボードの中央部分をセンタークラスターと呼びます。ここにはカーナビやオーディオユニットが取り付けられていることがほとんどです。
最近は運転席周りのデジタル化やデザイン性の向上により、センタークラスターの形も多様化してきています。「クラスター」とは英語で集団・群れという意味です。さまざまなボタンや機能が集まっているというイメージが伝わります。
助手席側の収納スペースとなる「グローブボックス」
グローブボックスは助手席の前にある収納スペースで、多くの場合はふたが付いています。盗難防止のために施錠できるものや、ふたのオープナーが運転手からも届く位置に取り付けられているデザインも増えてきました。
一般的には車検証や車の取り扱い説明書を入れることが多いため、事故車や放置車などを調べる際には真っ先に確認されます。
ギアチェンジに必要な「シフトレバー」
トランスミッションの切り換えに使われるのがシフトレバーです。オートマチック車であれマニュアル車であれ、切り換えることで効率よくエンジンを作動できます。
シフトレバーが取り付けられている場所はセンターコンソールやインパネ、ハンドルの根元などさまざまです。それぞれ「フロアシフト」「インパネシフト」「コラムシフト」と呼ばれます。
フロアシフトやスイッチがある「センターコンソール」
運転席と助手席を隔てている部分がセンターコンソールです。センターコンソールとダッシュボードがつながっているデザインも多く見られます。
センターコンソールにはサイドブレーキ、シフトレバー、小物入れやアームレストなどが設置されるのが一般的です。なお、車内での移動を可能にするため、センターコンソールがないデザインの車もあります。
前輪のかじを取る「ステアリングホイール」
ドライバーが車の向きをコントロールする際に使うのがステアリングホイール(ハンドル)です。なお、ドライバーが手で握る部分は「リム」、ワイパー・ウインカー用レバーが設置されている根元部分を「ステアリングコラム」といいます。
多くの車ではパワーステアリング機構(パワステ)が採用されていますが、これにより急カーブなどでも軽々とステアリング操作ができるようになりました。
スピードやエンジン回転数を確認できる「メーター」
運転席から見える部分には各種メーターが設置されています。代表的なのは「スピードメーター」「オドメーター」「タコメーター」です。
スピードメーターは走行速度を、オドメーターは走行距離を表示しています。タコメーターはエンジンの回転数を知らせるもので、「レブカウンター」とも呼びます。これらのメーターや計器類が取り付けられている部分をまとめてインパネと呼びます。
体を支えてくれる「アシストグリップ」
助手席や後席上部に設置されており、体を支えてくれるのがアシストグリップです。左右の窓の上に付いていることが多く、電車のつり革のように使えます。
多くのアシストグリップは、折り返されるようにして天井に収納されており、使用時に下ろして使うのが基本です。ただし車によっては、運転席にアシストグリップが装備されていない場合や、アシストグリップ自体がないものもあります。
アシストグリップは車内の突起物になるため、事故で頭をぶつけてしまう危険性があるからです。同じような理由で、オフロード車にもアシストグリップが装備されていないケースもあります。
肩や腕の緊張を緩和する「アームレスト」
肩や腕の緊張を緩和してくれるのがアームレストです。いわゆる「肘掛け」であり、フロントシートやリアシートの中央に装着されていることが多くなっています。アームレストに腕を置けば、全体的にリラックスでき、長時間のドライブでも疲れにくくなるのが魅力です。
またアームレストが取り付けられていれば、その下を収納として使用できます。昨今のアームレストは、USBポートが付いていたり、ドリンクが収納できたりと多機能的です。アームレストカバーも市販されているので、自分好みにカスタムする楽しみ方もあります。
運転席周りの部品名称もチェックしよう
運転席周りの部品名称もチェックしておきましょう。主なパーツとしては以下のものがあります。
・イグニッションスイッチ:エンジンの始動や電装系のON・OFFに関わる
・アクセルペダル:踏み込むことによってエンジンの回転数を上げる
・ブレーキペダル:踏み込むことによってブレーキを利かせる
・フットパーキングブレーキ:足で踏むタイプのパーキングブレーキ。後輪をロックする
・フューエルリッドオープナー:給油口を開ける際に使う。車内からロックを外せる
・ボンネットオープナー:ボンネットを開ける際に使う。車内からロックを外せる
アクセルペダルのようなおなじみのものから、普段あまり使わないようなものまで、幅広い部品が取り付けられています。
車の部位の名称をチェック:構成部品編
最後に機能性部品の名称をご紹介します。車検や修理の際耳にすることがある程度で、なじみのないものばかりかもしれません。しかし、車を支えてくれる大事な部分ですから、これを機会に覚えてみるのはいかがでしょうか。
また、名称だけが独り歩きして間違った使われ方をしているものもあります。誤解によるトラブルを避けるためにも、しっかり確認しておきましょう。
構成部品一覧
自動車には、安定した走行を実現するための部品が使用されています。エンジンをはじめとした主要な構成部品について一覧で紹介するので、概要を知りたい方はぜひご覧ください。
・エンジン
エンジンは自動車の動力源で、ガソリンや軽油などの燃料を燃焼させて力を生み出します。
・ラジエーター
ラジエーターは、エンジンの温度を適切に保つためのパーツで、内部を冷却水(クーラント)が循環しています。
・トランスミッション
トランスミッションは変速機のことで、エンジンのパワーを効率的に引き出すための部品です。
・ドライブシャフト
ドライブシャフトは、駆動力を車輪に伝える役割を持っています。
・サスペンション
サスペンションは、路面からの衝撃を吸収するための緩衝装置の総称です。
・マフラー
マフラーは排気音を低減させるためのパーツです
・ホイール
ホイールは車軸を接続する車輪の一部で、タイヤがはめ込まれます。
・ブレーキローター
ブレーキローターは車輪と一緒に回転する円盤状のパーツです。ブレーキパッドを押し付けることで制動力が生まれます。
・ブレーキキャリパー
ブレーキパッドに制動力を伝えるのがブレーキキャリパーです。
・バッテリー
エンジンを始動するための電気エネルギーを蓄えるパーツです。
・オイルクーラー
熱くなったオイルを冷やすために備わっています。
車の動力を発生させる「エンジン」
エンジンルームの主役はもちろん「エンジン」です。エンジン内部では、空気と燃料を混ぜて圧縮し、爆発させることによりエネルギーを生み出します。このエネルギーが車の動力となります。
エンジンは燃料別に「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」「ハイブリッドエンジン」に分類されます。なお、電気自動車(EV車)にはエンジンがありません。
エンジンの温度を調節する「ラジエーター」
走行中のエンジン内部では大量の熱が発生します。オーバーヒートしてしまうとエンジンそのものを損傷してしまうことにもなりかねません。その熱を冷ますために必要なのがラジエーターです。
ラジエーターにはエンジン内部を通るパイプが接続されていて、パイプ内はエンジンを冷やすための冷却水で満たされています。エンジンの熱で熱くなった冷却水はラジエーターで再び冷やされ循環します。
エンジンの回転やトルクを調整する「トランスミッション」
自動車に取り付けられた変速機を「トランスミッション」といいます。トランスミッションの役割は、エンジンが作り出した動力を効率よく車輪に伝えることです。自動車の走行状況に合わせてギアチェンジすることで、エンジンの負担を軽くし、燃費を抑えます。
トランスミッションにはギアチェンジを手動で行うマニュアル、自動で行うオートマチック、無段階変則のCVTなどさまざまです。
車輪に動力を伝える「ドライブシャフト」
ドライブシャフトはエンジンから車輪へとつながる動力伝達システムの一部です。棒状の部品で、ジョイントとベアリングを介して車輪につながっています。
動力伝達の回転力や車輪から伝わる振動などで、ドライブシャフトには常に大きな負荷がかかっており、5年に1度または10万kmごとの交換が目安です。
車体のバランスを取る「サスペンション」
サスペンションは足回りのパーツです。車軸を支え、車体と車輪をつないでいます。車高を決めるのもこのサスペンションです。
スプリングを伴うサスペンションには、自動車の重量を支え、車体が地面から受ける振動や衝撃を吸収する役割があります。そのため、走行性能や乗り心地に直結する重要パーツと位置付けられています。
排出ガスを放出する「マフラー」
マフラーはエンジンからつながるガス排出システムの一部です。エンジンで発生したガスはいくつかのパイプを通り、最後にマフラーから排出されます。
マフラーは「消音」を意味する英語が語源です。マフラーがなければ、高温・高圧の排出ガスは急激に膨張し、大音量を発してしまいます。
タイヤをはめ込むための「ホイール」
ホイールとは車軸につながる車輪のことで、はめ込まれたタイヤに動力を伝えます。走りに欠かせない機能性パーツであるとともに、デザイン性の点でも重要なパーツです。
一般的にはスチールかアルミ合金製で作られています。アルミ製のホイールはスチール製に比べ軽量で、デザイン的にも優れているのが特徴です。その分価格も上がりますが、アルミホイールに交換すると車の印象はかなり変わります。
車を止めるための「ブレーキローター」
ブレーキローターは車を停止させるために欠かせない重要な部品です。ディスクブレーキというシステムの一部で、円盤の形をしています。ブレーキの際に発生する熱エネルギーを空気中へ放出するのが役割です。
ブレーキローターはブレーキを踏むたびに摩耗します。そのため、経年劣化の度合いは使用方法によって差がありますが、一般的な交換の目安は10万kmです。
押し付けて車を止める「ブレーキキャリパー」
ディスクブレーキシステムは、車輪と一緒に回転するディスクローターをブレーキキャリパーで止めるという仕組みです。ブレーキキャリパーにはブレーキパッドという部品が組み込まれており、このブレーキパッドをローターに押し付けて回転を抑制します。
ブレーキキャリパーの車体の色やホイールの色に合わせて塗装するドレスアップも人気です。
車の駆動に欠かせない「バッテリー」
車の駆動に欠かせないのがバッテリーです。自動車の心臓ともいうべき部分であり、エンジンを動かすだけでなく、ヘッドライトやブレーキランプなどの電飾品に電力を供給する役目も持っています。
車内にステレオやナビを設置している場合は、その電力も補ってくれるパーツです。バッテリーは、基本的にボンネットの中に搭載されています。内部は電解液で満たされており、化学反応によって電気を蓄えたり取り出したりするのが基本です。
バッテリーは車に乗っているうちに劣化します。そのため、数年のスパンで交換が必要です。
エンジンオイルを冷却する「オイルクーラー」
エンジンオイルを冷却してくれるのがオイルクーラーです。車を走らせているとき、エンジンオイルは高温となるため、循環させる前に冷却する必要があります。オイルクーラーは車を安全に走らせるためにも、なくてはならないパーツです。
車だけでなく、オートバイや航空機にも採用されています。オイルクーラーには、大まかに分けて空冷式と水冷式の2種類があります。
空冷式は、走行時の風によってオイルを冷やす方式です。一方の水冷式は、エンジン冷却水を使って、オイルを冷やしています。空冷式より効率が良く、冷却水の温度以下になることもないため、オーバークールも防止可能です。
車の各部位の名称を把握しておくメリット
自動車のパーツには固有の名称が多いため、覚えるのは簡単ではありませんが、把握しておく必要があるのでしょうか。
今や自動車は必需品です。名前も特徴も知らないまま乗っていたのでは、トラブルのもとになってしまうかもしれません。自動車パーツの名称を知るメリットをご説明しましょう。
修理したい箇所を正確に伝えられる
車を修理に出す際、緊急でなければ見積もりを取ることを推奨します。というのも、修理の仕方や金額は修理業者によって異なるからです。
見積もりを取るには、車の状況を正確に伝えなければなりません。名称を伝えられなかったり、間違った名前で説明したりすると、全く違う修理内容の見積もりとなってしまいます。
また修理業者から修理内容の説明を受ける際、各部位の名称を正確に知っていると理解できるだけでなく、誤った内容の指摘もできるでしょう。身近な相棒としての自動車をしっかりメンテナンスしていくためにも、基本となるパーツの名称を把握しておくことは大切です。
車のカスタマイズがしたいときに役立つ
自動車にはカスタマイズの楽しみがあります。もちろん、大掛かりなものであれば専門業者に依頼しなければなりません。しかし、わずかなパーツの交換だけでぐっと魅力的になる場合もあります。
好みの交換パーツを見つけるには、インターネットが便利です。価格を抑えるなら中古部品という選択肢もあります。パーツの名称や役割を理解した上で検索すれば、間違うリスクを軽減できるでしょう。
また、パーツの名前で検索し上手なカスタマイズの方法や失敗談などを調べておけば、より理想的なカスタマイズが行えます。
部品の取り寄せ時に正確に伝えられる
自分でカスタマイズや修理、消耗部品の交換を行う場合には、ディーラーや部品共販店、パーツ販売店に必要部品を注文します。注文時には正式なパーツの名称で依頼しなければなりません。
現在は交換部品もインターネットで探す時代です。通販サイト上で見つからなかった場合には、パーツ販売店のサイトで探してみましょう。それでも見つからないなら、直接メールか電話で確認することもできます。
車種と年式、型式、パーツの正式名称が分かっていれば、間違って取り寄せるということはないでしょう。
まとめ
車にはさまざまな部位があり、それぞれに名称が付けられています。正式名称をきちんと覚えておけば、自動車の修理やカスタマイズをする際にも便利です。車の外観をカスタムしたい場合は、外装パーツの名称から覚えるとよいでしょう。
特に、自動車の走行に関する構成部品については、メンテナンスを実施するためにも把握しておくことをおすすめします。
▼ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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