車高調の寿命はいつ?異音から判断する交換時期とメンテナンス方法
車高調からの「カンカン」という異音や、急にゴツゴツした乗り心地が気になっていませんか。このような症状がある場合、車に装着された車高調が寿命を迎えつつあるのかもしれません。
車高調は、一般的に純正サスペンションより寿命が短く、適切なタイミングでの交換やメンテナンスが必要です。この記事では、車高調の寿命サインを診断するポイントと、最適な交換時期の見極め方について詳しく解説します。
※目次※
・車高調の寿命サインは、オイル漏れや異音、乗り心地の悪化が主な兆候である。
・車高調の平均寿命は、一般的に走行距離3万km~4万kmである。
・車高調のメンテナンスとして、2年または1万5,000km~2万kmごとのオーバーホール実施、段差や悪路走行の回避、定期点検とダストブーツ保護が効果的である。
車高調の寿命サインと異常を示す兆候
車高調の正式名称は、「車高調整式サスペンション」です。車高調の寿命は、オイル漏れや異音、乗り心地の悪化などのサインで判断できます。安全のためにも、これら寿命の兆候を見逃さず適切に対応することが欠かせません。
オイル漏れが発生したら車高調の寿命が近い
車高調の寿命を示す最も明確なサインが、「オイル漏れ」です。ダンパー本体や周辺の床面に、油のにじみがないか確認しましょう。オイル漏れの原因は、主にシール材の経年劣化や内部パーツの損傷です。
一度オイル漏れが始まると、徐々にダンパーの減衰力が低下し、車の安定性が悪化します。進行するとオイルが完全になくなり、危険な走行状態になるでしょう。
軽微な段階であればシール交換・オイル補充で対応できる場合もありますが、重度の場合は車高調本体の交換が必要です。
車高調の寿命時に発生する異音の種類
車高調の異音は、内部問題を見分ける重要な手がかりです。カンカン音は金属同士の直接接触で発生し、ピロアッパーマウントが固着していることが考えられ、早急な対応が必要でしょう。
ゴトゴト音は、ロックシートの緩みやゴムブッシュの劣化が主な原因です。ハンドル操作時の「ゴンゴン」音は、ピロボールの動きが悪くなっている可能性があります。
長期使用車両で、段差通過時に異音がある場合は、ショックアブソーバーの寿命を意味しているかもしれません。
車高調の寿命時には乗り心地が悪化してバウンドが増加する
車高調の寿命が近づくと、減衰力の低下によって乗り心地が明らかに悪化します。小さな段差でも強い衝撃が車内に伝わるようになり、車体が上下に揺れる現象が増加するでしょう。
これは車両のコントロール性を著しく損ない、特にコーナリング時の安定性に影響します。高速道路の継ぎ目などでも、「ボンッ」という大きな音とともに強い衝撃を感じるようになるのは、ダンパーオイルが減少し適切な減衰力を発揮できなくなったサインです。
車高調の寿命を自己診断する方法
車高調の寿命は、特定のサインを見極めることで判断できます。異音やオイル漏れが現れる前に、目視チェックや触診、走行距離による目安で状態を把握することが大切です。
ここでは、メーカー別の耐久性の違いも含め、車高調の健康状態を正確に診断するポイントについて詳しく解説していきます。
目視・触診で分かる車高調の劣化状態チェック手順
車高調の劣化状態は、自分でも点検できます。まず車両を持ち上げてオイル漏れがないか確認し、スプリングのさびやひび割れ、ダストブーツの破れを目視チェックしましょう。ショックアブソーバーを押し込んだときの、戻りも重要です。
また、スプリングのガタつき・へたり、ボルトやナットの緩みもチェックしましょう。段差で「コトコト」「ガタガタ」という音がする場合は、内部部品の摩耗が疑われます。車高調整機能が、正常に作動するかも確認が必要です。
車高調の平均寿命は走行距離3万km~4万kmが目安
車高調の平均寿命は、走行距離3万km~4万kmが一般的な目安です。純正サスペンションの5万km~8万kmと比べて明らかに短いのが特徴で、早ければ3万km程度で交換時期を迎えます。
寿命は走行環境に大きく左右され、悪路や段差の多い道路を頻繁に走行すると短くなるのが通常です。車高の下げ過ぎも、ショックアブソーバーに負担をかけるでしょう。3万km~4万km、または2年~3年に達する前に、オーバーホールで寿命を延ばすのが賢明です。
メーカーや価格帯で車高調の寿命は異なる
車高調は、価格帯によって品質や耐久性に大きな差があります。安価な製品(5万円程度)は初期コストは抑えられますが、耐久性や調整機能に制限があることが少なくありません。一方、高級品(20万円以上)は、長寿命で性能も優れているのが特徴です。
TEINなどの有名メーカー製品では、一般的な街乗りで3万km~4万km(2年~3年)、スポーツ走行では1年程度でのオーバーホールが推奨されています。使用環境や走行スタイルによって寿命は大きく変わるため、用途に合わせた選択が重要です。
車高調の寿命を延ばすメンテナンス方法
車高調を長持ちさせるには適切なメンテナンスが不可欠です。ダストブーツの点検やオーバーホールの正しいタイミング、そして寿命を縮める運転習慣の改善が重要なポイントとなります。
ここでは、車高調の性能維持と安全性向上につながる、具体的なメンテナンス方法を見ていきましょう。
定期点検とダストブーツ保護で車高調の寿命を延ばそう
車高調を長期間良好に使用するには、定期的な点検とダストブーツの保護が重要です。ダストブーツに亀裂・破れがあると、内部に異物が侵入しオイル漏れ・性能低下を引き起こします。
バンプラバーの変形やへたりも、重要な点検項目です。劣化すると底突き現象が起き、ショックアブソーバー本体への負担が増大します。6か月ごとの点検で車高調の状態を最適に保つことで、寿命を延ばすことにつながるでしょう。
寿命を迎える前に!車高調のオーバーホールのタイミングと費用相場
車高調のオーバーホールは、2年に1回または1万5,000km~2万kmのタイミングがおすすめです。適切なメンテナンスを怠ると、寿命が大幅に縮まりかねません。
費用相場は、1本あたり1万円~3万円程度が目安です。全て交換するとなると非常に高額になりますが、業者によっては車高長4本・工賃のセット割引を提供するところもあります。
オーバーホールでは主にダンパーオイルの交換やガスの再封入、消耗部品の交換などが行われるのが一般的です。定期的にオーバーホールを行うことで、車高調本来の性能を維持し、寿命を延ばせるため、コスト面でも長期的にはお得といえます。
寿命を迎える前に!車高調交換の所要時間と業者に依頼するメリット
交換作業にかかる時間は、3時間程度です。ただし、車種や繁忙期によって所要時間が変わるため、事前予約することをおすすめします。プロに依頼する際は、車両と取り付けたい車高調を持参しましょう。
DIYでの交換も可能ですが、ジャッキやリジットラック、各種レンチなど専用工具が必要です。工賃節約のメリットがある一方で、知識・技術がないと安全面でリスクがあります。少しでも不安があれば、専門業者への依頼が賢明です。
交換後の純正サスペンションは、将来の車両売却時に価値が上がる可能性があるため、保管しておくことも検討しましょう。
車高調の寿命を縮める運転習慣と避けるべき路面条件
車高調の寿命を縮める最大の要因は、段差通過や悪路走行です。特に車高を下げた状態での段差走行はダンパー内部シールに負担をかけ、オイル漏れの原因となります。
また、急ハンドルや急ブレーキも、過度な負荷を与えるため注意が必要です。雪道や塩化カルシウムが散布された道路も、金属部分を腐食させます。
車高調の寿命を延ばすためには、極端な車高調整を避け、適切な高さを維持することが重要です。走行前に暖機運転をすることで、オイルの粘度が適正になり、内部部品への負担を最小限に抑えられます。
日常的な洗車で足回りの汚れを落とし、腐食を防ぐことも車高調の寿命延長に効果的です。
まとめ
車高調の寿命は、走行距離3万km~4万kmまたは使用期間2年~3年が目安です。寿命の兆候としては、異音やオイル漏れ、乗り心地の悪化などがあります。特に「カンカン」という金属音は、内部部品の破損を示す重大なサインです。
寿命を延ばすためにも、定期的な点検やダストブーツの保護、適切なタイミングでのオーバーホールを行いましょう。また、段差の多い道路の連続走行や、過度な車高ダウンには注意が必要です。
適切にメンテナンスを行い、本来の性能を維持しながら寿命を延ばしましょう。
【この記事の執筆者】
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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