オルタネーターが故障した際の症状や原因は?部品交換にかかる費用の目安
オルタネーターは、車にとって欠かせない発電機です。正常に発電が行われないときは部品交換による修理が必要ですが、故障した際の症状や不具合が発生する原因が分からない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、オルタネーターの基礎知識から故障した際の症状や原因、部品交換にかかる費用について解説します。オルタネーターの発電不良に悩まれている方はぜひ参考にしてください。
※目次※
4.オルタネーターの部品交換にリビルト品を利用する際の注意事項
・車のオルタネーターは、エンジンの動力を利用して電気を生み出す発電機。
・オルタネーターの交換が必要になるのは、正常に発電が行われないとき。
・オルタネーターの部品交換にかかる費用は、車種や部品の種類、依頼する業者によって異なる。
車のオルタネーターの基礎知識
車のオルタネーターは、エンジンの動力を利用して電気を生み出す発電機です。この電気を12Vバッテリーに蓄えることで、さまざまな電装品に利用できます。
ここでは、オルタネーターの仕組みや、エンジンを持たない電気自動車にもオルタネーターが使われているのかどうかを解説します。
オルタネーターはエンジンの動力を利用する交流発電機
オルタネーターは車にとって欠かせない発電機であり、エンジンの回転力を利用して発電を行う仕組みです。オルタネーターが発電した電気は12Vバッテリーに蓄えられ、カーナビやヘッドライト、エアコンなどのさまざまな電装品に供給されます。
かつての自動車には、ダイナモと呼ばれる発電機が搭載されていたことから、同じものとして扱われることも少なくありません。しかし、厳密にはダイナモは直流発電機(DC)、オルタネーターは交流発電機(AC)という点で違いがあります。
なお、オルタネーターには整流器が付いており、最終的に交流から直流に変換して利用する仕組みです。
電気自動車にはオルタネーターが使われていない
電気自動車やハイブリッド車のようにモーターが搭載されている車には、基本的にオルタネーターは使われていません。ただし、一部ではオルタネーターを採用している車種もあります。
オルタネーターとモーターは基本的に構造が同じであるため、発電機の役割をモーターが担う仕組みです。アクセルを踏むとモーターは駆動力を生み出しますが、アクセルから足を離すまたはブレーキを踏むと、反対の力が働き発電機の役割を果たします。
この発電に要する力が抵抗になって減速する仕組みが「回生ブレーキ」です。エネルギーを無駄にすることなく有効活用できる効率的な仕組みといえるでしょう。
オルタネーターが故障した際の症状や原因は?
オルタネーターの交換が必要になるのは、正常に発電が行われないときです。発電量が不足すると電力供給が不安定になるため、警告灯が点灯したりさまざまな電装品が正常に動作しなくなったりします。
オルタネーターが故障する原因はさまざまですが、多くは部品の寿命や水や熱による故障です。ここでは、オルタネーターが故障した際の症状や原因について解説します。
オルタネーターが故障した際の症状
オルタネーターの故障によって、バッテリーの形をした警告灯が点灯し、電力不足に気付くこともあるでしょう。また、発電が行われていても、正常時よりオルタネーターの発電量が少ないことで、徐々に電力が不足していくことも少なくありません。
オルタネーターの発電量が不足すると電力供給が不安定になるため、ヘッドライトの光量が足りなくなったり、電動式のパワステが効かずハンドルが重くなったりします。この他にも、さまざまな電装品が正常に動作しなくなるといった現象が電力不足の症状です。
オルタネーターに不具合が発生する原因
オルタネーターが故障すると、部品交換による修理を行わなければなりません。オルタネーターに不具合が発生する原因はさまざまですが、多くは部品の寿命や水や熱による故障です。
オルタネーター内部の部品が摩耗していたり、駆動に必要なベルトをかけるプーリーが経年劣化によって脱落したりすることで正常な発電ができなくなります。
また、水や熱による外的要因で故障することもあるでしょう。オルタネーターに付属する機器が直接雨に当たったり、高温にさらされたりしないよう注意が必要です。
オルタネーターの部品交換にかかる費用
オルタネーターの部品交換にかかる費用は、車種や部品の種類、依頼する業者によって異なります。部品代と工賃を合わせて、2万円~15万円程度が目安といえるでしょう。
なお、車種やエンジンによって難易度や作業にかかる時間が異なります。そのため、手間や時間のかかる作業ほど工賃が高くなる仕組みです。
ここでは、新品・中古品・リビルト品それぞれを選んだ場合の費用について解説します。
新品のオルタネーターに交換する場合の費用
オルタネーターを部品交換する際に、新品を選んだ場合は費用が最も高額です。部品交換にかかる費用の相場は3万円~15万円が目安ですが、車種によっては10万円以上かかるケースも珍しくありません。
駆動アシスト付きのオルタネーターが搭載されているマイルドハイブリッド車は、通常のオルタネーターよりも複雑な機構であるため部品代が特に高額です。
中古部品のオルタネーターに交換する場合の費用
オルタネーターを部品交換する際に、中古部品を選んだ場合は費用が最も安価です。部品交換にかかる費用は、新品やリビルト品よりも安く済むため経済的といえます。
なお、中古部品(リユース部品)とは、分解はせずに目視やテスターなどによって点検を行い、清掃・美化された部品です。しかし中古品の特性上、交換後に再び壊れるリスクも考慮しなければなりません。
リビルト品のオルタネーターに交換する場合の費用
オルタネーターを部品交換する際にリビルト品を選んだ場合は、新品よりも数万円ほど安く済ませられるでしょう。部品交換にかかる費用は、2万円~10万円が目安です。
なお、リビルト品は摩耗・劣化している構成部品を新品と交換して再組立しているため、新品に近い状態といえるでしょう。一般的に中古部品よりも品質が高いと考えられています。ただし、車種によってはリビルト品が見つからないこともあります。
オルタネーターの部品交換にリビルト品を利用する際の注意事項
オルタネーターの交換時にリビルト品を選ぶことは、経済的で環境にも優しい選択です。一方、利用時に気をつけたいポイントがあります。ここでは、オルタネーターの部品交換にリビルト品を利用する際の注意事項についてまとめました。
オルタネーターを交換するならリビルト品がおすすめ!
オルタネーターの交換が必要なときは、リビルト品の利用を検討するのがおすすめです。価格と品質のバランスが取れたリビルト品は、新品よりも費用を抑えることができ、中古品よりも安心して利用できます。
また、中古品を再利用するリビルト品は、部品を製造する場合よりも資源やエネルギーの消費を抑えることが可能です。廃棄物の削減や二酸化炭素の排出量を減らすことにもつながります。
リビルト品を利用する際は保証の有無を確認しよう
リビルト品を選ぶ際には、保証の有無を確認することが大切です。リビルト品の性能は、製造会社がそれぞれ設けた独自の基準に沿って検査します。リビルト品が新品同様の性能と認められれば、一定の保証期間を付与して販売されるのが一般的です。
部品の種類や製造会社によって保証期間は異なりますが、6か月から2年程度が一般的といえます。保証が付いていれば、万が一の不具合発生時にも安心して修理対応を受けられるでしょう。
リビルト品が見つからないこともある
車種によっては、オルタネーターのリビルト品の入手が困難なケースがあります。使用済み自動車から再生されるリビルト品は供給量が安定しにくく、必要な時に入手できるとは限りません。
例えば、発売されたばかりの車が使用済み自動車として廃棄されるケースは少ないでしょう。また、生産台数が少ない車は発売から年数が経過しても、生産台数の多い車より使用済み自動車の流通量は少なくなります。
適合品でなければ取り付けできない
オルタネーターは、車種に合う「適合品」でなければ取り付けできません。同じ車種でも搭載されるエンジンに違いがあれば部品が異なるケースもあるため、専門知識がなければ品番を間違えてしまうこともあるでしょう。
基本的にはユーザーが自分自身でリビルト品を探すのではなく、整備士などの専門家に手配してもらうのが間違いの少ない方法といえます。
まとめ
車のオルタネーターは、エンジンの動力を利用して電気を生み出す発電機です。正常に発電が行われないときは、部品交換による修理が必要となります。
オルタネーターの部品交換にかかる費用は、品代と工賃を合わせて2万円~15万円程度が目安です。車種や部品の種類、業者によっても異なるため、依頼したいお店で見積もりをもらうと良いでしょう。
オルタネーターは、一般的に10年または走行距離10kmを超えたタイミングで不具合が発生しやすいといわれています。このタイミングは、さまざまな部品が寿命を迎える時期でもあるため、これを機に新しい車への買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
【この記事の執筆者】
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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