寒い時期にエンジンがかからない理由とは?避けるべき行動や対処法を解説!

寒い時期には、車のエンジンがかかりにくくなるトラブルが増加します。これはバッテリーの電圧低下やエンジンオイル粘度の高まりなどが主な要因です。突然の始動不良に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、寒さでエンジンがかからない主な理由と避けるべき行動、効果的な対処法を分かりやすく解説します。エンジン始動不良にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・寒い時期にエンジンがかからないときはバッテリーの電圧低下や電力の消費量増加、エンジンオイル粘度の高まりなどが主な要因。
・寒さでエンジンがかからないとき、セルモーターを回し続けたり、始動後すぐにエンジンを切ったりしないようにしよう。
・寒い時期にエンジンがかからないときは、間隔をあけて何度かセルモーターを回したり、ジャンピングスタートでエンジンをかけたりするのがおすすめ。
寒い時期にエンジンがかからない理由とは?

寒い時期にエンジンがかからないときは、いくつかの理由があります。主にバッテリーの電圧低下やエンジン内部の潤滑を担うオイルの粘度上昇です。寒い時期には、これらの理由によってエンジンがかからなかったり、かかりにくくなったりします。
ここでは、バッテリーの電圧低下とエンジンオイルの粘度上昇について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
バッテリーの電圧低下
車のエンジンはセルモーターの働きによって始動しますが、このセルモーターを動かすのはバッテリーに蓄えた電力です。そのため、バッテリーの電圧が低下しているとセルモーターが十分な力を発揮できず、エンジンがかからなかったり、かかりにくくなったりします。
寒い時期には外気温が低くなる影響でバッテリーの液温が下がり、バッテリーの化学反応が鈍くなることで性能が低下するため、冬にエンジンがかからない現象が発生する方は少なくありません。
電力の消費量が多い
寒い時期には、エアコンを使用して車内を暖める方も多いでしょう。冬になれば、窓ガラスの曇りを除去する機能を使用する機会も増加します。また、夏と比べると日が沈んでいる時間が長くなるため、ライトの点灯時間も長くなりがちです。
これら電装品は使用するほど電力を消費するため、バッテリーの電圧低下につながったり、バッテリー上がりしやすくなったりします。
エンジンオイルの粘度上昇
エンジンオイルはエンジン内部の潤滑の役割を担っており、冷えると硬くなる(粘度が増す)性質があります。温まったオイルはさらさらして流動性が高い一方で、冷えたオイルは蜂蜜のようにどろどろと粘度が高いため抵抗が大きくなり、通常よりも多くの電力がなければエンジンを始動できません。
このように、寒い時期にはエンジンオイルの粘度が高くなることでバッテリーの負荷が増えるため、電圧が低下しているとエンジンがかからないことがあります。
寒い時期にエンジンがかからない場合に避けるべき行動

寒い時期にはエンジンがかからなかったり、かかりにくくなったりしますが、慌ててNG行動をしないように注意しましょう。ここでは、エンジンがかからない場合に避けるべき行動について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
セルモーターを回し続ける
寒い時期、なかなかエンジンがかからないからといって、セルモーターを回し続けるのはやめましょう。エンジンオイルが冷えて粘度が高まっているにもかかわらず、セルモーターを回し続けると、大きな負担がかかり最悪の場合は故障する恐れがあります。
また、バッテリー電圧が低下しているにもかかわらず、セルモーターを回し続ければ電力を消費し、バッテリー上がりにつながるため注意が必要です。
始動後すぐにエンジンを切る
辛うじてエンジンがかかった場合、すぐにエンジンを切るのはやめましょう。エンジン始動に十分なバッテリー電圧がない状態のため、すぐにエンジンを切ってしまうと再度始動できないかもしれません。
エンジンをかけた後は5km以上を目安に走行充電を行うと、次回のエンジン始動がスムーズになります。なお、アイドリングでも充電は可能ですが、通常の走行に比べるとエンジンの回転数が少なく、発電量も少なめです。
寒い時期にエンジンがかからないときの対処法

寒い時期にはエンジンがかからなかったり、かかりにくくなったりしますが、対処法を知っていれば慌てることはありません。事前にアイテムを備えておけば、いざという時にロードサービスを利用せずに解決することも可能です。
ここでは、エンジンがかからないときの対処法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
間隔をあけて何度かセルモーターを回す
寒さでエンジンがかからないときは、連続してセルモーターを回すのではなく、5秒程度回してから5分程度待つ動作を何度か繰り返してみるのもひとつの方法です。徐々にエンジンやエンジンオイルが温まってくることで、エンジンがかかりやすくなります。
間隔をあけながら行うことで、セルモーターやエンジンの負荷を軽減し、プラグかぶりが起こりにくくなるでしょう。
ジャンピングスタートでエンジンをかける
寒さでエンジンがかからないときは、電力不足が主な要因です。この場合、外部から補うことでエンジンがかかります。ブースターケーブルを使用して救援車から分けてもらったり、ジャンプスターターを使用したりして充電をしつつエンジンを始動しましょう。
寒さでエンジンオイルの粘度が増して抵抗が増えたとしても、十分な電力があれば問題なくエンジンを始動できます。
ロードサービスを利用する
寒さでエンジンがかからないとき、自力で解決するのが難しいこともあるでしょう。救援車やブースターケーブルがなかったり、ジャンプスターターを備えていなかったり、使用してもエンジンがかからないこともあります。
そのようなときは、無理せずロードサービスを頼りましょう。自動車保険やカーリースのプランには、ロードサービスが含まれていることも少なくありません。まずは、一度確認してみるのがおすすめです。
なお、日本自動車連盟 (JAF)は、会員以外の人も所定の料金を支払うことでロードサービスを利用できます。
寒い時期にエンジンがかからない現象の再発を予防しよう

寒い時期にエンジンがかからない現象が起こった場合は、原因を探ることが大切です。車の使用頻度が少ない場合は、定期的にエンジンをかける習慣をつけることで防げるかもしれません。また、劣化している場合はバッテリーを交換することで改善できるでしょう。
定期的にエンジンをかける
バッテリーを劣化させないためには、車を使用する予定がなくても、定期的にエンジンをかけることが大切です。バッテリー内に蓄えられた電力は徐々に減っていくため、使用していなくてもバッテリー上がりが起こります。
なお、できれば定期的にエンジンをかけるだけでなく、30分程度でも走行するのが理想的です。長期間車を使用しないと、ガソリンの劣化によってエンジンがかからなくなります。定期的にガソリンを消耗させて、給油することで予防が可能です。
定期的にバッテリーの点検を受ける
バッテリーは低温によって電圧が低下するため、寒い時期にはバッテリー上がりしてしまう可能性が高まります。車検や法定点検の時だけでなく、タイヤ交換やエンジンオイル交換のタイミングなど、定期的にバッテリーの点検を受けると安心です。
劣化の兆候があれば、早めに交換することで突然エンジンがかからず困ることが無いでしょう。
寒い時期に暖機運転する必要はある?
従来まで、寒い時期にはエンジンをかけた後にアイドリングを行う「暖機運転」が推奨されていました。しかし、現在販売されている乗用車は、基本的に暖機運転する必要はありません。騒音や環境負荷の観点から、条例によってアイドリングが禁止されている自治体もあります。
ただし、寒冷地などの特別な状況ではこの限りではありません。極端な低温時やしばらく車を使用していなかった場合などは暖機運転を行う必要があります。なお、この場合も暖機運転は数十秒間アイドリングした後、ゆっくり発進するだけです。
エンジンを始動した直後は急発進や急加速を避け、回転数を抑えたウォームアップ走行を意識しましょう。
まとめ

寒い時期にエンジンがかからないときは、バッテリーの電圧低下や電力の消費量増加、エンジンオイル粘度の高まりなどが主な要因です。セルモーターを何度か作動させることでエンジンがかかる場合もありますが、連続して回し続けずに間隔をあけて試みることが大切です。始動後はしばらくエンジンを切らないようにしましょう。
なお、エンジンがかからない原因は電力不足とは限りません。オルタネーターやセルモーターなどの部品が故障していることもあります。車が古くなり故障が増えてきた場合は、買い替えを検討するひとつのきっかけとなるでしょう。
【この記事の執筆者】

松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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