ABSランプのつきっぱなしは危険?原因や走行可否、修理費用まで解説

車のメーターパネルに突然「ABS」の警告灯が点灯し、消えなくなって不安を感じていませんか。警告灯がつきっぱなしの状態は、このシステムに何らかの異常が発生していることを示しています。
放置すると緊急時の制動性能に影響を与える可能性があるため、早期の対処が必要です。この記事では、ABS警告灯が点灯する主な原因から、自力でできる対処法、そして修理費用の目安まで、実用的な情報を詳しく解説します。
※目次※
1.ABSランプがつきっぱなし!ABSの基礎と正常時との違い
・ABSランプがつきっぱなしの場合は、ブレーキ制御システムの異常を示しており、急ブレーキ時に車輪がロックして制動距離が伸びる危険性がある。
・主な原因は、車速センサー故障・ABSユニット不良・配線接触不良・バッテリー電圧低下であり、OBD2診断機を使った故障コード読み取りで特定が可能である。
・修理費用は、センサー交換で1万円~2万円程度、ABSユニット交換では16万円程度で、放置すると車検不適合となる。
ABSランプがつきっぱなし!ABSの基礎と正常時との違い

運転中にABSランプが消えない場合は、何らかのブレーキシステムの異常を示しています。ABSの役割や警告灯の正常・異常の見分け方を知ることで、走行時の安全性を守れるでしょう。放置によるリスクもあるため、以下で適切な対応方法について解説します。
ABSとは何か?
ABSは「アンチロックブレーキシステム」の略称で、急ブレーキ時に車輪のロックを防ぎ、操舵性と安全性を高める装置です。
通常走行時は作動せず、急制動時に各車輪の回転を監視して油圧を調整します。ブレーキペダルが振動する場合や、作動音が聞こえるのは正常な反応です。
ABSは制動距離よりも操舵性確保を重視しており、ランプ点灯時の意味も正しく理解する必要があります。
ABSランプの一時点灯は正常、点灯継続や点滅などのつきっぱなしは異常
ABSランプが、エンジン始動直後だけ点灯し消えるのは、システムの自己診断による正常動作です。
しかし、点灯が続いたり点滅したりする場合は、ABS機能に異常があるサインで、介入不能となる可能性があります。
車種によっては、バッテリー電圧低下やブレーキランプ球切れでも点灯する場合があるため、状態の区別が重要です。
ABSランプつきっぱなしの放置はNG
ABSランプ点灯時でも通常のブレーキは作動しますが、急ブレーキ時にはタイヤがロックしやすく危険です。滑りやすい路面では制動距離が伸び、特に雨天・雪道では事故リスクが増します。
運転時は車間距離を長く保ち、急な操作を避けることが重要です。ABSランプつきっぱなしの放置は、故障の悪化につながるため早めの点検が欠かせません。
ABSランプつきっぱなしの原因と診断

ABSランプが消えない場合、その背後にはさまざまな原因が考えられます。電圧低下やセンサー不良、システム自体の故障など、特定には的確な診断が必要です。ここでは、代表的な故障要因や診断手順、安全な点検方法について順を追って解説します。
ABSランプつきっぱなしの原因とは
ABSランプの連続点灯は、車速センサー故障やABSユニット不調、配線・コネクターの異常、バッテリー電圧低下などが主な原因です。
具体的には、センサーへの泥やブレーキダストの付着、コネクター部の腐食、ユニットの油圧制御異常、配線の断線・接触不良が症状を引き起こします。
足回り付近は振動や経年劣化で不具合が生じやすく、診断時はこれらの点に注意が必要です。
ABSランプつきっぱなしの診断方法
ABSランプ診断には、OBD2スキャナーが有効です。OBD2ポートに診断機を接続し、イグニッションONで異常コードを読み取ります。
代表的な故障コードには「C0035(左前輪速センサー)」や「C0040(右前輪速センサー)」など、センサー系統の不具合が多い傾向です。
汎用機の場合は、対応車種やシステムを確認して導入しましょう。
自分でできるABSランプつきっぱなしの点検
ABSランプ連続点灯時に、自分で実施できる安全な一次点検項目は、以下の通りです。
・ヒューズ状態の確認
・車速センサーコネクターの清掃
・バッテリー電圧の測定
ヒューズ切れや端子の腐食は回復可能な場合があり、取扱説明書や車両リストで場所を確認しましょう。異常が見つからない、または作業に不安がある場合は、整備工場で診断を依頼することが安全です。
つきっぱなしのABSランプの消し方

走行中にABSランプがつきっぱなしになった場合、まずバッテリー状態や一時的なシステムエラーを確認することが有効です。簡単なリセットで改善するケースもありますが、根本的な故障が原因の場合は専門的な診断が欠かせません。
ここでは、警告灯点灯時の具体的な対処法や、走行判断のポイントについて詳しく解説します。
ABSランプつきっぱなしの消し方①:バッテリー電圧低下時の対処法
バッテリー電圧が低下した場合、まず測定を行い正常値12.6V以上か確認します。端子の腐食や緩みも点検し、付着物は清掃しましょう。
端子の接触不良で電圧低下が起きるケースも多く、改善しない場合はバッテリー交換が必要です。交換後は、ECUリセットに伴う初期設定が発生する車種もあるため、取扱説明書で手順を確認しましょう。
ABSランプつきっぱなしの消し方②:一時的に消すリセット方法と注意点
整備工場でのOBD2診断機による故障コード消去や、バッテリーのマイナス端子を取り外した後に再接続することで、ABSランプを一時的に消去できます。ただし、故障箇所が未修理の場合は再点灯が起こり、根本的な改善にはなりません。
コード消去は履歴が消え、整備工場診断に支障を来す場合もあるため注意が必要です。安全管理上、応急処置だけでなく専門機関で適切な修理を受けましょう。
ABSランプ つきっぱなしの運転可否③:走行判断・レッカー要否・工場入庫の目安
ABSランプ点灯時は、まず他の警告灯の有無やブレーキの効き具合、ペダルの感触を入念に確認しましょう。
ペダルの沈み込みや異音がなく、制動力も正常であれば通常のブレーキ機能は作動しており、最寄りの整備工場まで自走することが可能です。ただし、ABSが作動しない状態では、雨天・凍結路など滑りやすい環境での制動時に危険性が増すため、慎重な運転が求められます。
一方、ペダルが大きく沈み込んだり、金属音や異常な振動を感じたりする場合は、通常ブレーキ自体にも異常が生じている可能性があるでしょう。この場合は路上での故障・事故を防ぐため、速やかにレッカーサービスを利用して整備工場へ入庫し、緊急点検を受けることが安全です。
ABS単独の異常であっても、早期の点検や修理入庫が推奨されます。継続走行は最低限にとどめ、滑りやすい路面や急な制動が必要な状況では、特に慎重な運転を徹底しましょう。
つきっぱなしになったABSランプ修理費用と車検適合性

ABSランプがつきっぱなしになった際、修理費用や車検への影響が気になる人もいるでしょう。故障箇所によって費用は大きく変動し、放置すれば車検の合否にも直結します。最後に、具体的な修理相場や車検を通過できるかどうかを見ていきましょう。
ABSランプがつきっぱなしの場合の修理費用
ABSランプの修理費用は、車速センサー交換は1個につき1万円~2万円程度で、車種や業者によってはさらに高額になります。
配線トラブルは1万円程度で済む可能性もありますが、ABSアクチュエーター故障では16万円程度と高額で作業時間も長くなる傾向です。
ヒューズ・リレーの交換であれば比較的安価に済む可能性もあるものの、輸入車・高級車は全般的に費用が上昇しやすいでしょう。
ABSランプがつきっぱなしの場合の車検適合性
ABSランプが点灯したままの状態は保安基準不適合となり、車検に通りません。警告灯の正常消灯は、車検で厳格に確認される項目です。仮に警告灯の電球を外して点灯を隠そうとしても、始動時の球切れ確認で発覚してしまいます。
車検不適合となった状態で未修理のまま運転を続けることは、道路運送車両法違反となる恐れがあるので避けるべきです。さらに、警告灯が点灯したまま事故を起こした場合、整備不良と判断され、過失割合が不利になる可能性もあるでしょう。
このような法的リスクを避けるためにも、ABSランプが点灯した際は早急な修理が必要です。
まとめ

ABSランプは、始動直後の一時的な点灯は正常ですが、継続して点灯する場合は異常の可能性があります。主な原因は車速センサーやABSユニットの故障、配線やバッテリーの不良です。OBD2診断で故障コードを確認し、ヒューズやコネクターなども点検しましょう。
一時的なリセットでは、根本的な解決になりません。ABSが機能しない状態は、重大な事故につながる恐れがあるため、早急に修理する必要があります。ABSランプがつきっぱなしの場合は、早急に整備工場で診断・修理を行いましょう。
【この記事の執筆者】

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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