改造車も車検に合格できる!正しい知識を付けてカスタマイズを楽しもう!

改造車は車検に通らないと認識している方は少なくないでしょう。中には、車検前に慌てて改造したパーツを元に戻しているという方もいるかもしれません。しかし、改造の内容によっては、そのままでも通常の車検(継続検査)に影響を与えないケースがあります。
本記事では、合法的に改造車のカスタマイズを楽しむための基礎知識をまとめました。愛車をより自分好みにしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
※目次※
2.改造車は保安基準への適合を証明するために検査が必要なケースもある
・改造車も改造していない車も、車検に合格できるかどうかは「道路運送車両の保安基準」に適合するかどうかで決まる。
・不正改造車(違法改造車)は車検に合格できない。
・改造車は保安基準への適合を証明するために「構造等変更検査」が必要なケースもある。
改造車が車検に合格できるかどうかは保安基準の適合次第

改造車も改造していない車も、車検に合格できるかどうかは「道路運送車両の保安基準」に適合するかどうかで決まります。そのため、不正改造車や違法改造車と呼ばれる保安基準を満たさずにカスタマイズした改造車は車検に合格できません。ここでは、車検に合格するための基礎知識をまとめました。
保安基準を満たした改造車は車検に合格できる
車検は、車が安全に公道を走行できる基準を満たしているかを確認するための検査です。車は使用過程における劣化や摩耗を避けられないことから、使用者に保守管理が義務付けられています。
道路運送車両法において「道路運送車両の保安基準」として定められており、車の使用者はこれに常時適合させなければなりません。改造車もこの基準を満たしていれば、車検に合格することが可能です。
不正改造車(違法改造車)は車検に合格できない
改造車も道路運送車両の保安基準に適合させる必要がありますが、保安基準に適合しない不正改造車がいるのも実情です。
合法的に車検を通すには、保安基準に適合しない箇所を整備する必要があります。このような改造車は、保安基準を満たさない箇所が多いほど、大きな出費となるでしょう。
車検に合格するための「道路運送車両の保安基準」
改造車も道路運送車両の保安基準を満たせば、車検に合格できます。しかし、詳細をどのように調べればよいか分からないという方もいるでしょう。保安基準の詳細は、インターネット上の法令検索サービスや国土交通省のWebサイトで閲覧できます。
理想の改造車のイメージがある場合は、道路運送車両の保安基準に適合するカスタマイズかどうか調べた上で行動に移すことが大切です。
改造車は保安基準への適合を証明するために検査が必要なケースもある

保安基準に適合した改造車であっても、改造によって車検証の記載事項と異なれば車検で合格できない可能性があります。その場合、構造等変更検査を受けることで車検に合格できます。ここでは、構造変更の基礎知識をまとめました。改造車の車検を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
構造変更とは
構造変更(構造等変更検査)は、登録を受けている自動車が保安基準に適合しない恐れがある場合に受けなければならない検査です。「外寸」「最大積載量」「重量」「乗車定員」「車体の形状」「排気量」「燃料の種類」などを変更した改造車に必要な手続きとなります。ただし、後述の軽微な変更に当てはまる場合は手続きが不要です。
構造変更を行わずに車検を受けると、不合格となる恐れがあるため注意しましょう。なお、構造変更では車検証の残りの有効期間が無効となります。そのため、車検の少し前のタイミングが適しているといえます。
構造変更の仕組み
改造車の構造変更手続きが全て完了すると、記載事項が変更された新しい車検証が交付されます。これにより合法的に公道を走行できるため、構造変更検査は公認車検とも呼ばれています。
なお、エンジンの載せ替えや燃料供給方式の変更を施した一部の改造車は、車検証の型式欄に「改」という文字が記載されますが、構造変更検査を受けた全ての車に記載されるわけではありません。
構造変更手続きが不要となる改造車
構造変更の諸手続きの簡素化を目的に、軽微な変更であれば構造変更手続きが必要ないとされています。この軽微な変更に該当する条件は2つあり、下記のどちらかに該当する場合には手続きが必要ありません。
ひとつの条件は、車両寸法・車両重量が下記の範囲に収まるケースです。
|
車種 |
長さ |
幅 |
高さ |
車両重量 |
|
小型自動車 / 軽自動車 |
±3cm |
±2cm |
±4cm |
±50kg |
|
普通自動車 / 大型特殊自動車 |
±3cm |
±2cm |
±4cm |
±100kg |
もうひとつの条件は、指定部品を溶接やリベット以外の方法で取り付けした場合が該当します。この指定部品とは、安全性の確保や公害防止の観点において、交換しても問題がないとされている部品です。
改造車でも通常の車検(継続検査)に影響を与えないケース

改造車であっても、保安基準を満たしていれば構造変更手続きをすることで車検に合格できますが、中には通常の車検(継続検査)で済ませたいと考える方もいるでしょう。その場合、構造変更手続きが不要となる「軽微な変更」の範囲に収めるのがおすすめです。
ただし、軽微な変更とみなされる場合でも、道路運送車両の保安基準に適合しなければならないことは変わりません。ここでは、通常の車検(継続検査)に合格できる改造車の具体例を確認しましょう。
保安基準に適合する範囲で「指定部品」を取り付ける
国が定めた「指定部品」を溶接やリベット以外の方法で取り付ける場合、一般的な車検(継続検査)に影響を与えません。この指定部品は「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査等における取扱いについて(依命通達)の細部取り扱いについて」にて、明確に示されています。
例えば、タイヤやホイールを交換しても車検に影響がないように、さまざまな部品が指定されているため、手軽に自分好みの改造車を造り上げることが可能です。
(参考:『「自動車部品を装着した場合の構造変更等検査時における取扱いについて(依命通達)の細部取り扱いについて」一部改正』)
車両寸法・車両重量が一定の範囲に収まるように取り付ける
改造車でも、軽微な変更と認められる車両寸法の変化や車両重量の変化であれば、一般的な車検(継続検査)に影響を与えません。「指定外部品」でも、通常の車検(継続検査)に影響を与えないため、手軽に自分好みの改造車を造り上げることが可能です。
例えば、オーバーフェンダーは「指定外部品」ですが、2cm以内の変更であれば構造変更は不要となります。
構造変更手続きにかかる費用
構造変更手続きにかかる法定手数料は車種によって異なりますが、2,300円~2,600円です。
|
車種タイプ |
構造変更手続きの法定手数料 |
|
軽自動車 |
2,300円 |
|
小型自動車 |
2,500円 |
|
普通自動車 |
2,600円 |
※令和5年1月1日以降適用(2025年11月現在)
構造変更は、高額な費用がかかる手続きだと認識している方もいるかもしれません。構造等変更検査自体にかかる手数料は2,500円前後ですが、同時に通常の車検費用がかかるため、まとまった費用となります。
また、改造の内容によっては必要書類が複雑になるため、業者に依頼する方も少なくないでしょう。その場合、代行費用が数万円かかるのが一般的です。どのくらいの費用がかかるのか事前に調べておくと、改造車の車検も不安なく進められるでしょう。
まとめ

改造車が車検に合格できるかどうかは「道路運送車両の保安基準」に適合するかどうかで決まるため、不正改造車や違法改造車と呼ばれる車は車検に合格できません。改造車の中には、保安基準への適合を証明するために「構造等変更検査」が必要なケースもあります。
合法的に改造車を楽しむためには「道路運送車両の保安基準」や「軽微な変更に該当する条件」、指定部品に該当するパーツについての知識を付けておく必要があるといえるでしょう。
【この記事の執筆者】

松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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