車検証が小さくなったのはなぜ?電子化のメリット・デメリットと保管のコツ

2023年1月から導入された電子車検証により、これまで使い慣れた大きな車検証が手のひらサイズになりました。なぜサイズが変更されたのか、手元にある大きな車検証はまだ使えるのかなど、疑問を抱く人もいるかもしれません。
この記事では、電子車検証の導入背景から具体的な変更点、メリット・デメリット、そして日常的な取り扱いで注意すべきポイントまで詳しく解説します。
※目次※
・車検証の電子化は2023年1月4日から普通車を対象に開始され、軽自動車は2024年1月からで、A4サイズからA6サイズへと小型化された。
・メリットは手続きのオンライン化や保管の容易さだが、手数料増加やICタグの取り扱いに注意が必要というデメリットもある。
・電子車検証はICタグ内蔵のため折り曲げ厳禁で、高温環境での保管・水ぬれ・クリップでの挟み込みも避ける必要がある。
車検証の電子化はいつから?サイズ変更で小さくなった背景

2023年から始まった車検証の電子化により、車検証が小さくなったことに驚いた人もいるのではないでしょうか。ICチップを搭載した新しい電子車検証は、従来の約1/4のサイズになり、車検手続きの方法も大きく変わりました。
まずは、車検証電子化の開始時期と背景、サイズ変更の理由、そして現在持っている車検証の取り扱いについて詳しく説明します。
車検証が小さくなった!2023年1月4日から電子化がスタート
2023年1月4日を境に、普通車の車検証は電子化された新しい形式へと移行しました。軽自動車については、1年遅れの2024年1月4日から交付が始まっています。
この変更は、車検を受けたタイミングで自動的に適用される仕組みで、所有者が個別に手続きを行う必要はありません。
電子化により、指定を受けた整備工場では、オンラインで車検証の有効期間を更新できるようになりました。従来必須だった運輸支局への来訪が不要となり、手続きの効率化が実現されています。
車検証が小さくなった理由
車検証は、従来のA4サイズから文庫本程度のA6サイズへと大幅に小型化されました。サイズダウンが可能になった背景には、券面に記載する情報を基礎的な項目に限定し、詳細データをICタグ内に電子記録する方式への転換があります。
電子化の主な目的は、以下の3点です。
・ICタグによる偽造防止の強化
・専用アプリでの情報読み取りによる確認作業の迅速化
・自動車保有関係手続のワンストップサービスとの連携による行政手続きの効率化
これらの施策により、自動車関連事業者の業務負担軽減が図られています。
手元の大きい車検証は引き続き有効
現在所有しているA4サイズの車検証は、記載された有効期限まで継続して使用できます。電子車検証への切り替えは、次回の車検時に自動的に行われるため、所有者側で特別な申請は不要です。
2023年1月4日以降に車検を受けた普通車、2024年1月4日以降に車検を受けた軽自動車から、順次電子車検証が交付されており、現時点では多くの車両が新形式に移行されています。
なお、道路運送車両法で定められた車検証の車内備え付け義務は、従来の紙でも電子車検証でも変わらず適用される点に留意しましょう。
小さくなった電子車検証で変わった内容と確認方法

A4サイズからA6サイズへとコンパクトになった電子車検証では、券面に表示される情報が限定され、詳細データはICタグに格納される仕組みに変更されました。
ここでは、車検の有効期限や所有者情報の確認方法、スマートフォンアプリの活用法など、電子車検証を使いこなすために知っておくべきポイントについて解説します。
券面記載事項の変更点と車検証閲覧アプリの使い方
電子車検証の券面には、車台番号や初度登録年月など基本情報のみが印字され、所有者住所・使用者情報などはICタグ内に電子保存されるようになりました。
これらを確認するには、国土交通省提供の「車検証閲覧アプリ」が必要で、各種アプリストアから無料でダウンロードできます。
使用方法は、アプリ起動後に券面記載の4桁のセキュリティコードを入力し、ICタグ部分にスマートフォンをかざすだけです。オンラインモードでは、リコール情報や次回重量税額も照会でき、取得情報はPDF・JSON・XML・CSV形式で保存できます。
有効期限の確認はアプリで実施
電子車検証では、従来券面に記載されていた車検の有効期限が印字されなくなりました。有効期限を知るには、車検証閲覧アプリの利用が必要です。
車検切れ防止のため、アプリにはプッシュ通知機能が搭載されており、有効期限の90日前・60日前・30日前・翌日に通知を受け取れます。
アプリ操作に不慣れな人は、運輸支局窓口で「自動車検査証記録事項」を交付してもらうか、アプリからPDFでダウンロードして印刷するのがおすすめです。
住所や所有者情報はICタグに記録
電子車検証のICタグには、以下の重要情報が電子的に記録されています。
・所有者の氏名と住所
・使用者の住所
・使用の本拠地
・有効期間
これらは券面には表示されず、専用の読み取り方法でのみ確認可能です。ICタグ自体には暗号化技術が採用され、第三者による不正アクセスや偽造、改ざんを防止する設計になっています。
小さくなった電子車検証のメリット・デメリット

車検証が小さくなったことで、自動車関連事業者や一般ユーザーの手続きはどのように変化したのでしょうか。電子化により業務効率は確かに向上しましたが、一方でICタグの取り扱いや手数料の増加など、新たな注意点も生まれています。
ここでは、オンライン化による利便性の向上と、従来にはなかった制約事項の両面から、電子車検証がもたらす影響を詳しく見ていきましょう。
【メリット】手続きの簡略化と利便性が向上
電子車検証の導入で、車検や名義変更などの一部手続きがオンラインで完結できるようになり、陸運支局への出頭が不要となりました。従来は車検完了まで業者が陸運支局を往復する時間が必要でしたが、電子化により最短1時間程度での車検完了が可能です。
また、専用アプリで車検証情報やリコール情報をいつでも確認できます。有効期限の事前通知機能により、車検切れを防止できる点も大きな利点です。さらに、A6サイズのコンパクトな車検証は携帯性に優れ、車内での保管も容易になりました。
【デメリット】手数料増加や取り扱いに注意が必要
電子車検証の導入以降、法定手数料が値上げされており、普通自動車は1,600円から1,900円、軽自動車は1,500円から1,900円となりました。
また、電子車検証はICタグが内蔵されているため、折り曲げや切り離しは禁物です。有効期限は、専用アプリや車検ステッカーで確認する必要があります。
さらに、高温となる車内では、保管方法に特に注意を払いましょう。ICタグが損傷すると車検証の効力が失われるため、慎重な取り扱いが求められます。
小さくなった電子車検証の保管方法

車検証が小さくなったことで、日常的な保管にも新たな配慮が必要になっています。特に電子車検証のICタグには重要な情報が記録されているため、従来の紙の車検証とは異なる取り扱いが必要です。最後に、適切な保管方法について詳しく解説します。
小さくなった電子車検証の適切な保管方法
電子車検証はICタグが内蔵されているため、取り扱いに特別な配慮が求められます。最も重要なのは、ICタグ部分を折り曲げないことです。
折り曲げるとICタグが破損し、情報読み取りができなくなります。車検証入れに収納する際も向きに注意し、クリップで他の書類と挟むことも避けましょう。
また、高温環境での保管にも注意が必要で、夏場のダッシュボード上など高温になる場所で長時間放置してはいけません。水ぬれにも注意し、ぬれた場合は風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。
破損時の再交付手数料は350円で、店舗に代行依頼すればさらに費用がかかります。
小さくなった電子車検証と自動車検査証記録事項は2枚とも車内で保管する
電子車検証への移行期には、A6サイズの電子車検証とA4サイズの「自動車検査証記録事項」の2枚が発行されます。
これは、電子化導入後2年~3年間行われている措置で、ICタグに格納された情報を紙面でも確認できるようにするためです。法的に有効なのは電子車検証のみで、自動車検査証記録事項は補助的な参考資料とされています。
道路運送車両法により車検証の携帯は義務とされているため、電子車検証を車内に備え付けましょう。ただ、万が一に備え、自動車検査証記録事項も併せて車内に保管しておくことが推奨されます。
処分する場合は、個人情報が記載されているためシュレッダーで細断するか、読み取れないよう黒塗りしてから廃棄しましょう。
まとめ

2023年1月4日から車検証の電子化がスタートし、従来のA4サイズからA6サイズへとコンパクトになりました。
国土交通省の公式資料によると、ICタグの導入により自動車関連事業者の業務効率化が図られ、記録等事務代行サービスで一部手続きが来訪不要になるなどのメリットが生まれています。
一方で、折り曲げ厳禁という取り扱いの制約や、住所・所有者情報が券面から消えてアプリ確認が必要になった点は注意が必要です。現在お持ちの大きい紙の車検証は引き続き有効ですが、次回車検時には電子車検証に切り替わります。
【この記事の執筆者】

鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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