ヴィッツの燃費はどのくらい?カタログ燃費と実燃費の目安やエンジンの特徴
トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」は、そのスマートな外観と優れた燃費性能で、多くのドライバーの心を掴んできました。特に燃費性能は、日常のランニングコストに影響を与える要素です。しかし、カタログに記載されている燃費と実際に走行した際の燃費には、しばしば差が見られることがあります。
この記事では、ヴィッツのカタログ燃費と実燃費の違いや傾向を紹介します。また、ヴィッツの歴史を振り返りながら、その魅力的な特徴についても解説しますので、モデル選びの参考としてお役立てください。
※目次※
・トヨタ ヴィッツは1999年に登場し、2020年には名称が変更された車種。
・ヴィッツは低燃費なコンパクトカーであり、ハイブリッド車も登場している。
・ヴィッツのハイブリッド車のカタログ燃費は、JC08モードで34.4km/L。
低燃費なハイブリッド車が登場しているトヨタ ヴィッツ
2010年に最終モデルが発表されたヴィッツは2020年に生産終了し、フルモデルチェンジを経て、「ヤリス」へと車名変更されています。まずはヴィッツの歴史と進化を見てみましょう。
(参考:『ヴィッツ(トヨタ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
1999年に初代モデルの発売が開始となった
トヨタは1999年にコンパクトカー「ヴィッツ」を市場に投入しました。最大の特徴は、コンパクトながらも大人4人が快適に過ごせる室内空間を確保していることです。全長わずか3,610mmながら、ロングホイールベースと高い室内高を生かし、広々とした室内空間を実現しています。
ヴィッツには、1L VVT-iエンジン「BEAMS 1SZ-FE」が採用されました。このエンジンは軽量化と技術の粋を結集し、低燃費とパワフルな走りを同時に提供しています。
2度のマイナーチェンジが実施された
初代ヴィッツは登場以来、2度のマイナーチェンジを経て性能とデザインの両面で進化を遂げました。まず2001年に行われた変更では、環境性能と燃費効率を大幅に向上させるために、1.3Lエンジン(2NZ-FE)の導入が行われています。
この改良により、ヴィッツはトヨタ独自のハイブリッド技術を生かしたアイドリングストップシステムの導入など、環境対応車としての価値を高めました。
さらに2002年のマイナーチェンジでは、リアコンビネーションランプなどにLEDを採用するとともに、装備の充実化が行われています。安全面ではGOAボディの採用によって高い衝突安全性能を確保すると共に、TRCとVSCなどのオプションを追加することで、更なる安全対策の強化が行われました。
2005年に2代目モデルを発売開始した
2005年2月、トヨタはヴィッツの2代目モデルの販売を開始しました。この新モデルは「MY PROUD COMPACT」というテーマを掲げ、全ての要素を一段階上の水準に引き上げることを目指しました。
新開発のプラットフォームの採用によって広い室内空間を確保し、軽快で安定感のある走りを実現しています。洗練されたインテリアデザインは多彩なシートアレンジに対応し、ユーティリティーも向上しました。
2代目モデルも2度のマイナーチェンジ歴がある
2代目ヴィッツは、2007年と2008年に2度のマイナーチェンジを経験しています。2007年のマイナーチェンジでは、さらなる安全性と使い勝手の向上が図られました。
2008年にはヴィッツの多様な顧客ニーズに応えるために、さらなるモデルラインアップの拡充と最適化が行われています。この年の変更では「RS」グレードのマイナーチェンジが行われ、フロントバンパーなどの変更が行われました。
3代目モデルは2010年に登場した
2010年には、トヨタのヴィッツが3代目モデルとして新たに登場しました。このモデルチェンジではサイズを抑えたまま、快適さと機能性を向上させています。特に広い室内空間の確保やスムーズな乗り心地を実現するために、新骨格シートの採用や運転席シートの上下アジャスターの調整範囲の拡大など、さまざまな工夫が施されているのが特徴です。
また、3代目ヴィッツはアイドリングストップ機能の採用により、燃費の向上が図られています。
2017年にはハイブリッドグレードが設定された
3代目モデルは、2014年と2017年にマイナーチェンジが行われました。2014年には高熱効率・低燃費エンジンを採用したモデルが登場し、2017年には待望のハイブリッドグレードが追加されています。
この改良により、ヴィッツは低燃費車としての魅力をさらに高め、競争の激しいコンパクトカー市場でのポジションを強化しました。
2020年にはグローバル市場の名称「ヤリス」となった
2020年、トヨタはヴィッツの名称を世界的な市場における「ヤリス」に統一しました。これは、20年にわたるヴィッツとしてのブランドが幕を閉じることを意味します。
ヤリスの名称は、気品や優雅さを象徴するギリシャ神話の女神「CHARIS」をモデルにした造語です。
ヴィッツのカタログ燃費はどのくらい?
それでは、ヴィッツの燃費を見ていきましょう。ヴィッツにはガソリン車とハイブリッド車が登場しており、それぞれのカタログ燃費は次の通りです。
ガソリン車のカタログ燃費
ヴィッツのガソリン車のJC08モード燃費は、次の通りです。
F |
1.0Lエンジン:21.6km/L~24.0km/L 1.3Lエンジン:18.0km/L~25.0km/L |
ジュエラ |
1.0Lエンジン:21.6km/L~24.0km/L 1.3Lエンジン:18.0km/L~25.0km/L |
U |
1.3Lエンジン:18.0km/L~25.0km/L |
ハイブリッド車のカタログ燃費
ヴィッツのハイブリッド車のJC08モード燃費は、次の通りです。
ハイブリッドF |
1.5Lエンジン:34.4km/L |
ハイブリッドジュエラ |
1.5Lエンジン:34.4km/L |
ハイブリッドU |
1.5Lエンジン:34.4km/L |
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ヴィッツの実燃費はどのくらい?
カタログ燃費である程度の目安は分かるものの、使い方や運転の仕方などで実際の燃費は変わってきます。できれば普段の使い方での燃費を知りたいものです。
それでは、自分の車の実燃費を測るにはどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは実燃費の測り方や、ヴィッツの実燃費の一例を紹介します。
実燃費の計測方法
カタログ燃費は一定の条件の基で測定しますが、その条件で最良とされる燃費が表記されているのでどうしても実燃費とは開きがあります。実燃費の測り方として、最近ではスマートフォンのアプリで燃費が計測できるものもあるようですが、特に準備もせずに比較的精度の高いのは「満タン法」と呼ばれる方法です。
まず満タンにしたときにトリップメーターをリセットします。そして次に満タンまで給油をしたときのトリップメーターの距離を給油量で割るとおおよその実燃費が計算できます。給油の際、給油機の自動ストップが作動したら追加の給油をしないことがポイントです。
ヴィッツの実燃費の目安
カタログ燃費と実燃費の差はJC08モードの場合、おおむね2割~3割くらいの差があるといわれています。乗り方によって燃費が変わる実燃費のほうが低い傾向があり、実際にカタログ燃費を上回ることは難しいですが、カタログ燃費に近づけるための工夫はいくつかあります。
まず発進時には急加速を避けて、交通の流れに支障がない程度に緩やかに加速しましょう。また、前方の信号が赤になったときなど、減速する際は早目にアクセルを戻すことも燃費向上につながります。その他にも無駄な荷物を降ろすことや、エアコンや電装品を適切に使うことも大切です。
歴代ヴィッツの特徴の違い
ヴィッツは初代が1999年に登場し、2020年に3代目で生産が終了となりました。その後は「ヤリス」に引き継がれています。ヴィッツファンであれば、初代、2代目、3代目でどのような違いがあるのか気になるという方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、初代、2代目、3代目ヴィッツそれぞれの特徴や魅力について解説します。
初代ヴィッツ
1999年に登場した初代ヴィッツは、それまでのコンパクトカーとは一線を画する広々とした車内空間が特徴です。エンジンは当初1L直列4気筒のみでしたが、その後1.3L、1.5Lとラインアップを増やしていきます。
外観デザインにはギリシャ人デザイナーを採用し、内装デザインもセンターメーターを配するなど、欧州車にも負けない仕上がりのモデルとなっています。2002年以降のモデルには全車にデュアルエアバッグを標準装備するなど、安全装備も充実していきました。
2代目ヴィッツ
2代目ヴィッツは2005年から2010年にかけて生産されました。初代からの愛らしいフォルムを継承しつつも、5ナンバーギリギリの大きめの車格が特徴です。初代の3ドアモデルから、5ドアモデルへと変更になっています。
広い室内空間とラゲージルームが魅力で、日常的に使い勝手の良い車として人気が出ました。2007年にはマイナーチェンジが行われ、前席サイドエアバッグや前後席カーテンシールドエアバッグが全車標準装備となっています。
3代目ヴィッツ
3代目ヴィッツはコンパクトカーとしては異例の、10年もの長い間に渡り生産された車です。「ヴィッツ」として販売された最後のモデルとなります。2代目までとは異なる、躍動感や高級感のあるスポーティーなスタイルが特徴です。
ボディは大きくなったものの、コンパクトクラスの小回り性能はそのまま維持しています。先進安全装備付きやハイブリッドタイプもあり、予算に合わせて選びやすいでしょう。
3代目ヴィッツのグレードごとの違い
3代目ヴィッツは主に4つのグレードがラインアップされており、その選択肢は「F]「ジュエラ」「U」「RS」です。ここでは、それぞれのグレードの特徴を紹介します。
F
一番ベーシックな「F」グレードは、シンプルな内装とリーズナブルな価格が魅力的です。その一方でパッケージオプションやエンジンのバリエーションが豊富に用意されています。
ジュエラ
「Jewela(ジュエラ)」は「F」をベースに先進安全性をプラスし、なおかつラグジュアリーな雰囲気を醸し出した女性の顧客がターゲットのモデルです。「F」と同じくハイブリッドや、1.0LモデルではSMARTSTOPパッケージを選択できます。
U
Uグレードのヴィッツは、最上級グレードとして高級感と快適性を兼ね備えた仕様です。寒い日のドライブを快適に過ごせる「快適温熱シート」や空気環境を改善してくれる「ナノイー」が標準装備されています。最上級モデルらしく1.0Lではなく1.3Lと1.5Lがラインアップされ、「スポーティーパッケージ」を選択することも可能です。
RS
スポーツモデルの「RS」グレードはスポーティーな外観とスポーツ仕様のフロントシートが特徴的で、スポーティーな運転を楽しむことができるモデルです。このグレードは、エンジンパフォーマンスが強化された1.5Lのガソリンエンジンを搭載しており、高回転域でも力強い走りを実現しています。
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ヴィッツのライバル車と燃費を比較してみよう
ヴィッツの燃費の良さは分かりましたが、ライバル車の燃費がどのくらいかは気になるところです。ヴィッツの購入を検討する際には、似ているタイプのコンパクトカーと燃費を比較してみることをおすすめします。
ここでは、3代目ヴィッツの燃費と、ライバル車であるホンダ フィットとスズキ スイフトの燃費について見ていきましょう。
ホンダ フィット
「ホンダ フィット」は、ヴィッツ同様、広々とした車内空間が特徴のコンパクトカーです。後部座席でも圧迫感を覚えず、たくさんの荷物が積めるトランクルームも魅力でしょう。フィットにはハイブリッド車とガソリン車の2タイプがあり、特にハイブリッド車はトップレベルの燃費の良さを誇っています。
フィットのカタログ燃費はWLTCモードとなっており、ガソリン車が15.9km/L~18.7km/L、ハイブリッド車が23.5km/L~30.2km/Lです。
|
フィット |
燃費(WLTCモード) |
15.9km/L~30.2km/L |
(参考:『フィット(ホンダ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
スズキ スイフト
「スズキ スイフト」は、走行性能の高いコンパクトカーとして知られています。ノーマルエンジンをはじめ、ターボエンジンやマイルドハイブリッド、フルハイブリッドなど、パワーソースが豊富なのも魅力です。
ハイブリッド車の燃費を比較すると、ヴィッツは34.4km/L、スイフトは26.3km/L~28.9km/Lと、ヴィッツに軍配が上がります。ただし、スイフトのその他ガソリン車の燃費は22.6km/L~と、高い燃費性能を誇っていることが分かります。
|
スイフト |
燃費(JC08モード) |
22.6km/L~28.9km/L |
(参考:『スイフト(スズキ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
ヴィッツは燃費の良いコンパクトカーです。3代目に追加されたハイブリッドモデルは、ライバル車と比較しても優秀な燃費性能を持っています。
また、燃費だけでなく幅広いグレード設定で、経済的に使いたい人やおしゃれに乗りたい人、スポーティーさを望む人などさまざまなニーズに応えられる車です。ぜひこの機会に、自分のライフスタイルに合う一台を探してみてはいかがでしょうか。
▼ライタープロフィール
福沢知留
フリーランスとして2017年から活動するライター兼エディター。豪雪地帯で約10年間FRセダンを走らせた経験を持ち、現在は子育てに適したファミリーカーを愛用する3児の母。車への深い愛情と豊富な経験を生かし、複数の車関係メディアで編集を担当するなど数々の記事制作に携わっている
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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