中古車購入時に支払うリサイクル預託金とは?基礎知識や相場を解説!
中古車を購入する際、リサイクル預託金の支払いを求められ、予想外の出費に驚く方もいるのではないでしょうか。リサイクル預託金は一体何のために支払うのか、中古車購入の際にも支払う必要があるのか、疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
本記事では、中古車購入時のリサイクル預託金の基礎知識や相場を解説します。リサイクル預託金の使い道を知ることで、納得して支払いができるでしょう。
※目次※
4.中古車購入時に受け取るリサイクル預託金の証明書を大切に保管しよう
・中古車購入時のリサイクル預託金は地球環境を守るために欠かせない制度。
・中古車購入時のリサイクル預託金の相場は6,000円~1万8,000円程度で、車種により異なる。
・中古車を購入した後もリサイクル券を紛失しないよう注意が必要。
中古車購入時に支払うリサイクル預託金とは?
中古車を購入する際、リサイクル預託金の支払いを求められ、予想外の出費に驚く方もいるかもしれません。リサイクル預託金とは、一体どのようなものなのでしょうか。まずは、リサイクル預託金の基本知識と必要な理由を詳しく解説します。
中古車購入にも関わる自動車リサイクルの法制度
ごみを減らし資源の無駄遣いをしないリサイクル型社会を実現するために、車のリサイクルについて「車の所有者」「関連事業者」「自動車メーカー」「輸入業者」の役割を定めた法律が自動車リサイクル法です。
車の所有者はリサイクル預託金を支払うこと、自治体に登録された引取業者への廃車を引き渡すことが役割として定められています。これはいわゆる「排出者責任」といわれるもので、使用済自動車(廃棄物)の排出者として処理費用を負担するという考えのものです。
中古車購入時に支払うリサイクル預託金の内訳
リサイクル預託金とは「エアバッグ類」「フロン類」「シュレッダーダスト」の3つを処分するための料金と自動車リサイクルシステムを運営するための料金の総称です。これらを適切に処分するためにかかる費用として、リサイクル預託金の支払いが求められます。
・エアバッグ類(事故の際に乗員を保護する重要な安全装置)
安全に処理するには専門的技術が必要であり、適正処理が課題です。
・フロン類(カーエアコンに使用される冷媒)
大気中に放出されるとオゾン層破壊や地球温暖化の要因となります。
・シュレッダーダスト(使用済み自動車を解体・破砕した際に発生する残さ物)
処分費の高騰化による不法投棄が問題となり、有用ガスや溶融スラグなどにリサイクルされるようになりました。
中古車購入にも関わる自動車リサイクルの法制度
中古車購入時にもリサイクル預託金の支払いが必要ですが、中には自動車リサイクル法の対象とならない車もあります。
リサイクル預託金の支払いが必要ない車 |
・被けん引車 ・二輪車(原動機付自転車、側車付きのものも含む) ・大型特殊自動車 ・小型特殊自動車 ・その他(農業機械、林業機械、スノーモービルなど) |
リサイクル預託金の支払いが必要な車 |
上記を除く全ての車 (トラック・バスなどの大型車、特種自動車、8ナンバー車も含む) |
(2025年2月時点の情報です。)
上記の通り、一般的に使用される車は基本的に全てリサイクル預託金の支払い対象です。
(参考:『自動車リサイクル法とは|経済産業省』)
中古車購入時におけるリサイクル預託金の支払い方
中古車はリサイクル預託金の支払いが不要なのではないかと考える方もいるでしょう。しかし、中古車購入時にもリサイクル預託金の支払いは必要です。ここでは、リサイクル料金預託済みの中古車購入時に支払いが必要な理由や支払い方について解説します。
リサイクル料金預託済みの中古車購入時に支払いが必要な理由とは?
リサイクル預託金の支払い義務者は、原則として新車を購入した方です。自動車ディーラーに対して、新車購入代金と合わせて支払います。
中には「新車を購入した方がすでにリサイクル預託金を支払っているため、中古車は支払いが不要」と考える人もいるかもしれません。しかし、中古車購入時にもリサイクル預託金の支払いは必要です。
中古車売却時でも自動車リサイクルシステムからの返金は受けられませんが、車両価値金額に加えてリサイクル預託金相当額(資金管理料金を除く)を含めた売却代金を受け取れます。
中古車を購入する方はリサイクル預託金相当額を販売店に支払うことで、旧ユーザーからリサイクル券を引き継げる仕組みです。このように、リサイクル券とともに新ユーザーに支払い義務が移るようになっています。
中古車購入時のリサイクル預託金の支払い方
中古車購入時のリサイクル預託金の支払い方を把握しておきたい方もいるでしょう。通常、リサイクル預託金は中古車の購入時に車両代金とともに支払います。
中古車販売店で売買契約を結ぶ際には、リサイクル預託金を含めた支払い総額を提示されるのが一般的といえます。リサイクル預託金は、車両価格とは別に明記されているため、しっかりと確認することが大切です。
中古車販売店によっては、リサイクル預託金を後日別途支払う場合もあります。その際は、領収書を受け取り、リサイクル券とともに大切に保管しておきましょう。
中古車購入に支払うリサイクル預託金の相場
中古車を購入する際に、いくらリサイクル預託金がかかるのか疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。リサイクル預託金は車種により異なりますが、おおよその目安を知っておくことで予算が立てやすくなります。
ここでは、リサイクル預託金の相場や車種別の料金例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
中古車購入に伴うリサイクル預託金の相場
新車購入時に支払うリサイクル預託金の内訳は「エアバッグ類」「フロン類」「シュレッダーダスト」の3品目の他「情報管理料金」「資金管理料金」を加えた合計5つの要素です。
これらの料金は、各品目のリサイクルに必要な費用を基に、車種ごとに設定されています。なお、大型車のリサイクル預託金は小型車に比べて高くなる傾向です。以下、各品目の相場を確認しましょう。
・エアバッグ類:1,000円~3,000円程度
・フロン類:0円~3,000円程度
・シュレッダーダスト料金:3,000円~1万円程度
・情報管理料金:130円
・資金管理料金:新車購入時は290円、廃車時は410円
車種により異なりますが、6,000円~1万8,000円程度がリサイクル預託金の相場となります。
(出典:『リサイクル料金|自動車リサイクルとは|公益財団法人 自動車リサイクル促進センター』 )
車種別の中古車のリサイクル預託金例
中古車の車種によってリサイクル預託金が異なるのは、車両重量やエアバッグの個数など、リサイクルに必要な費用が車種ごとに違うためです。例えば、大型車は小型車に比べてシュレッダーダストの量が多く、リサイクル料金も高くなる傾向にあります。
例えば、スズキのランディとワゴンRを例に取ってみましょう。「エアバッグ類」「フロン類」「シュレッダーダスト」の3品目は公式サイトを参考にしています。
車種 |
エアバッグ類 |
フロン類 |
シュレッダーダスト |
情報管理料金 |
資金管理料金 |
5品目合計 |
ランディ |
1,930円 |
0円 |
9,370円 |
130円 |
290円 |
1万1,840円 |
ワゴンR |
1,930円 |
0円 |
4,410円 |
130円 |
290円 |
6,880円 |
(※2023年9月時点における新車購入時の金額)
中古車を購入する際は、車種別のリサイクル預託金を把握しておくことで、予算の目安を立てやすくなるでしょう。
(出典:『ランディ 価格・グレード|スズキ』 )
(出典:『ワゴンR 価格・グレード|スズキ』 )
中古車購入時に受け取るリサイクル預託金の証明書を大切に保管しよう
中古車購入におけるリサイクル預託金には、注意点もあります。ここでは、リサイクル券を紛失した際に再発行は可能なのかや、リサイクル預託金にまつわる悪質なトラブルを見ていきましょう。満足のいく中古車購入を実現するには、注意点もしっかり把握しておくことが大切です。
リサイクル預託金の証明書は再発行できない
リサイクル券(預託証明書)は、中古車の購入・売却時の重要な書類のひとつですが、紛失してしまうと原則として再発行できません。
リサイクル預託証明書の「A券」と「B券」は、使用済自動車を引き渡す際に必要となりますので、大切に保管してください。
しかし、紛失しても慌てる必要はありません。中古車を売却する際にリサイクル料金の預託証明書を紛失していても「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷すれば、リサイクル券の代わりとして使用して売却手続きを進められます。
リサイクル券の紛失対策
リサイクル料金の預託証明書は再発行ができないため、紛失しないように保管する必要があります。日常的に使用するものではありませんが紛失しないためにも、車検証や自賠責保険証とともに車内のダッシュボードに保管しておくとよいでしょう。
リサイクル料金の預託証明書は車検証と自賠責保険証と同様、売却時に必要となるため使用する場面が同じです。また、最初に保管場所を決めておくことで紛失する確率を限りなく狭められます。
自動車リサイクル料金の預託状況の取得方法
「自動車リサイクル料金の預託状況」の取得は簡単です。公益財団法人自動車リサイクル促進センターおよび一般社団法人自動車再資源化協力機構が運営するWebサイト「自動車リサイクルシステム」から、使用済自動車処理状況検索ページを開きましょう。
入力項目には「車両区分」と「車台番号」、「登録番号」もしくはリサイクル券番号があるため、車検証を確認しながら入力します。該当する車種が見つかれば結果が表示されるため、印刷してリサイクル料金の預託証明書の代用に使いましょう。
このサービスが利用できるのは、7時~24時の間です。
(出典:『自動車ユーザーの方 | 自動車リサイクルシステム』 )
まとめ
中古車購入時にも支払うリサイクル預託金は、「エアバッグ類」「フロン類」「シュレッダーダスト」の3つを処分するための料金と自動車リサイクルシステムを運営するための料金です。
車種によって料金は異なりますが、リサイクル預託金の相場は6,000円~1万8,000円となっています。また、購入した中古車を売却する際には、リサイクル預託金相当額を車両代金とは別で受け取る権利があるため、内訳をよく確認することが大切です。
使用済み自動車をリサイクルすることで限りある資源を大切に利用でき、持続可能な社会を築けます。リサイクル預託金を通じて、私たち一人一人が環境に配慮した中古車選びに参加していることを覚えておきましょう。
▼ライタープロフィール
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。