中古車が高い理由と値下がり時期は?高騰の要因や中古車を安く買うコツを解説
ここ数年、中古車市場ではかつてない価格高騰が続いています。複合的な要因が重なり、車を買いたいユーザーにとっては厳しい状況といえます。
この記事では、中古車の価格が高い要因を分析し、今後の見通しやこの状況下でも賢く車を購入するための具体的な方法を紹介します。中古車を購入する予定のある方は必見の内容です。ぜひ、最後までご覧ください。
※目次※
・中古車価格の高騰がいつまで続くのか具体的な見通しは立っていないものの、一部に中古車バブル崩壊の兆しも見えつつあるのが現状。
・中古車価格の高騰は、半導体不足による生産遅延、円安の影響、新車価格の上昇など、複合的な要因により引き起こされている。
・中古車価格の高騰で買取市場も活況の現在は、車を売却するのに適したタイミングともいえる。
中古車価格の高騰はいつまで続く?
2020年ごろに始まった中古車価格の高騰は、いつまで続くのでしょうか。半導体不足による新車納期の長期化や円安の影響など、複合的な要因が重なり、中古車市場は依然として不安定な状況が続いています。
まずは、中古車市場の今後の動向について、詳しく見ていきましょう。
具体的な見通しは立っていない
中古車価格の高騰がいつまで続くのか、具体的な見通しは立っていません。この状況は、半導体不足や部品供給の問題が改善されるまで続く可能性が高いとされています。新型コロナウイルスの影響は収まりつつあるものの、車載用半導体不足は依然として深刻です。
国内で半導体工場の建設が予定されていますが、供給開始までには時間がかかるため、今後数年間は不足状態が続くという予測もあります。また、円安の進行やロシア・ウクライナ情勢による輸出増加も中古車価格を押し上げる要因です。
中古車バブル崩壊の兆しもある
価格高騰がいつまで続くのか分からないとはいえ、取り巻く状況は日々変化しており、中古車バブルが落ち着く兆しも見え始めているのが現状です。高年式車を中心に価格下落が始まっており、中には1か月で17%も価格が下がったケースもあります。
この背景には半導体不足の解消に向けた動きや、コロナ禍で高まった代替消費の沈静化があります。旅行や外出の制限がなくなり、旧車や高級品への投資が減少しました。
経済状況の変化や政策転換、カーシェアリングなどの代替手段の普及、EVなどの技術革新も、中古車価格の下落要因となり得るでしょう。中古車相場は社会情勢や需給バランスに左右されやすいため、今後の市場動向を見守る必要があります。
状態が悪い車から価格低下が始まる可能性
中古車市場では、全ての車種が同じペースで値下がりするわけではありません。まず値下がりが始まるのは、年式が古い車や走行距離の多い車など状態が良くない車両です。
これらの車は購入時の車両価格は安いものの、新車登録から13年以上経過した車は自動車税が高くなり、メンテナンス費用もかさみやすいというデメリットがあります。
そのため、中古車バブルが崩壊する兆しが見え始めると、こうした車から価格下落が始まるのが一般的です。
中古車価格が高騰したのはなぜ?
中古車価格の高騰は、複数の要因が複雑に絡み合って起きている現象です。原因がある程度分かれば今後の見通しを立てやすくなり、中古車の購入時期のめども立てやすくなります。ここでは、中古車価格高騰の背景にある要因を確認しましょう。
半導体不足による自動車生産への打撃
世界的な半導体不足は、中古車価格高騰の重要な要因です。コロナ禍でリモートワークが普及し、電子機器の需要が急増したため、自動車製造に必要な半導体が不足しました。そのため、多くの自動車メーカーの製造ラインが正常に稼働できなくなり、新車の生産が滞った経緯があります。
その結果、新車の納期が大幅に遅れ、現在でも数か月から1年以上待たされるケースも珍しくありません。待てない消費者が中古車市場に流れることで、中古車の需要が集中しました。特に新車納期が長い人気車種ほど、中古市場での価格上昇が顕著です。
半導体不足は少しずつ回復傾向にありますが、解決にはまだ時間がかかるため、中古車価格の高止まりは当面続くと予想されています。
円安による部品コストの上昇
円安の進行も、中古車価格高騰の大きな要因です。日本は多くの車両部品を海外から輸入しているため、円安によって輸入コストが上昇しました。この増加したコストは新車価格に反映され、連鎖的に中古車市場にも影響が出ています。
さらに、円安は日本車の海外輸出を加速させる結果となりました。海外バイヤーにとって日本の中古車は割安に感じられるため、多くの良質な中古車が国外に流出します。その結果、国内市場での供給が減少し、残った車両の価格競争が激化しているのが現状です。
新車価格の高騰が中古車市場に波及
新車価格の高騰は、中古車市場にも波及する要因です。近年、原材料費の高騰や半導体不足、さらには円安によるコスト上昇などが重なり、新車価格は上昇傾向にあります。自動ブレーキなどの安全機能の義務化や装備の高度化も、開発コストを押し上げる要因です。
新車価格の上昇により、消費者の目が手ごろな中古車へと向かい、中古車市場の需要が急増しています。その結果、中古車価格が高い状態が続いているのです。特に人気のSUVやハイブリッド車は、新車価格の上昇とともに中古市場でも著しい値上がりを見せています。
コロナ禍以降車に対する需要が増加
新型コロナウイルスの感染拡大により、公共交通機関の利用を避ける動きが広がり、マイカー需要が急増しました。感染リスクの低い移動手段として自家用車の価値が再認識され、中古車市場にも大きな影響を与えています。
特に注目すべきは中古車リース市場の活況です。新車の納期遅延もあり、即座に車を手に入れたいユーザーが中古車リースに殺到しました。サブスクリプションサービスへの申込数も急増している状況となっています。
この需要増加は中古車価格の高騰をさらに加速させる要因となりました。
人気車の不正問題による供給減少
大手自動車メーカーの不正問題も、中古車市場における価格高騰の背景にあります。燃費データの改ざんや検査不正などの問題が相次いで発覚し、消費者の新車購入意欲を大きく低下させました。
特に人気車種が販売停止に追い込まれたケースでは、その車種の中古車需要が急増し、価格高騰を招いています。自動車メーカーの信頼回復には時間がかかるため、この要因による中古車の高騰は当面続く可能性があります。
日本車の海外での人気上昇
日本車の海外人気、特にアメリカ市場での評価上昇が中古車価格高騰に拍車をかけています。アメリカの「25年ルール」は、製造から25年が経過した車両をクラシックカーとして輸入できる制度で、これが90年代の日本のスポーツカーが高値で取引される背景です。
スカイラインGT-Rやランサーエボリューション、スープラなど、日本車の人気が海外で急上昇しています。この海外需要の高まりは国内市場における供給を減少させるため、中古車価格が高い状況を生み出している要因のひとつといえるでしょう。
価格高騰の状況下で中古車を安く買う方法
中古車価格の高騰が続く中でも、少しでも安く購入するための効果的な方法は存在します。市場の需要給バランスが崩れている状況でも、賢い選択をすれば予算内で理想の1台を手に入れることが可能です。
ここからは、中古車が高い時代に価格を抑えて購入するための、具体的な戦略を確認していきましょう。
旧型モデルや不人気モデルを選ぶ
中古車を安く購入するなら、旧型モデルや不人気車種を選ぶ方法が効果的です。発売から10年以上経過した高年式車は車両価値が低いため、比較的安価に購入できるチャンスがあります。
人気の低い青や赤などのボディカラーを選ぶことでも、価格を抑えられるでしょう。ただし、高年式車は故障リスクが高く再販時の売却金額は期待できない点は留意しておきましょう。
必要な機能が備わっていれば最新モデルにこだわらない、リセールバリューを考慮しない姿勢が、中古車購入時の節約につながります。
保証や車検が切れた車を選ぶ
保証や車検が切れた中古車は価格が安く設定されているのが一般的なため、予算を抑えたい方におすすめです。大抵の新車にはディーラー保証が付帯されていますが、ディーラー保証が切れた車は値下がりする傾向があります。車検前に車を手放す人も多いでしょう。
ただし、購入後に車検費用が別途必要になるため、トータルコストを考慮することが重要です。車検や整備にかかる費用を事前に見積もり、それを含めた総額で判断することで、中古車高騰の中でもコストを抑えた購入が可能になります。
フルモデルチェンジ直後の旧型モデルを狙う
フルモデルチェンジが行われた直後は、旧型モデルを狙うチャンスです。新型車の登場により旧モデルへの注目度が下がり、相場も下落する傾向です。
新型への買い換え需要が増えることで旧型が下取りに多く出回り、ディーラーが展示車や試乗車を入れ替えるため、旧モデルの流通量が一気に増加します。
一般的にフルモデルチェンジから半年程度が経過すると価格が下がり始め、買いどきとなります。さらに最新モデルから2世代前の車種なら、より低価格で手に入る可能性が高まるでしょう。
7年~10年落ち程度のモデルでも整備状態が良ければ数年間は問題なく使用できるため、コストパフォーマンスを重視するなら、この戦略は効果的です。
残価設定ローンを活用する
残価設定ローンは、車両価格から将来の価値である「残価」を差し引いた金額だけを分割払いする仕組みです。そのため、通常のローンと比べて月々の支払額を抑えられるメリットがあります。
契約期間満了時には、車を返却する・残価分を一括払いする・再ローンで支払うという3つの選択肢から選べます。特に、定期的に新しい車に乗り換えたい方に適している方法です。
ただし、走行距離制限や車の状態に関する条件があり、事故などによって想定以上に車の状態が悪化すると追加料金が発生する可能性もあります。
中古車価格の高騰が買取価格にも影響
中古車市場の活況は、買取価格にも影響を与えています。通常よりも高めの価格で買取してくれるケースが多いため、手放そうと考えている人にとってはチャンスです。ここからは、愛車を賢く手放すためのポイントについて詳しく解説していきます。
売却時の査定額も高くなる
中古車価格の高騰により、買取市場も活況を呈しています。現在は売却するなら絶好のタイミングともいえるでしょう。新車の供給不足や納期の遅延により中古車の需要が急増した結果、買取査定額も上昇傾向にあります。
特にSUVやハイブリッド車、燃費性能に優れた車種は、買取価格が高騰しているのが現状です。数年前に購入した車が、購入時よりも高い価格で売却できるケースも珍しくありません。
また、人気の高い日本車は海外からの需要も高く、買取価格上昇の追い風となっています。
査定を受けて愛車の買取価格を確認しよう
中古車価格の高騰は、愛車を手放す方にとってはチャンスといえる状況です。現在の市場では高い買取価格が期待できるため、車の買い換えを検討している方は、まず査定を受けて現在の価値を確認しましょう。
無料の査定サービスの多くは、Webサイトにメーカー・車種・年式・走行距離などの基本情報を入力するだけで申し込みが完了します。その後、概算査定価格の連絡があり、希望すれば査定担当者が実車確認に訪問する流れです。
中古車の高値が続く現状は、査定を受けるのに適したタイミングといえるでしょう。
まとめ
中古車価格の高騰は、半導体不足による生産遅延、円安の影響、新車価格の上昇、コロナ禍でのマイカー需要増加など、複合的な要因により引き起こされています。さらに、海外での日本車の人気上昇も価格押し上げ要因です。
価格高騰がいつまで続くか明確な見通しはありません。一部には中古車バブル崩壊の兆しも見られ、状態の悪い車から値下がりする可能性があります。
この状況下で賢く購入するには、旧型モデルや不人気車種を選ぶ、保証・車検切れの車を検討する、フルモデルチェンジ直後の旧型を狙うといった方法が有効です。
一方で売却を考える方には、買取価格も高騰している今が好機ともいえます。査定を受けて愛車の現在価値を確認してみましょう。
▼ライタープロフィール
五十嵐巧
大手出版社での書籍編集を皮切りに、25年以上にわたり書籍・雑誌・Webメディアの編集・ライティングに携わる。現在はフリーランス編集者・ライターとして活動し、複数の自動車メディアでもコンテンツの編集・執筆に取り組む。豊富な取材経験と専門知識を活かし、読者に信頼される情報を提供し続けている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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