オイルエレメントの役割や交換時期を解説!オイルフィルターとの違いとは?
愛車のエンジンを長持ちさせるために欠かせないのがオイルフィルター・エレメントの交換です。その重要性や交換頻度、交換方法について知っておきたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、オイルフィルター・エレメントの基礎知識から交換方法、費用まで解説します。愛車のメンテナンスに役立つ情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
※目次※
・エンジンオイルフィルターは、エンジンオイルの汚れをろ過してエンジンを保護する重要な役割を持っている。
・エンジンオイルフィルターの交換時期は、エンジンオイル交換の2回に1回が目安。
・メンテナンスパックに加入すると、定期的なメンテナンスにつながる。
オイルフィルター・エレメントの基礎知識
ここでは、エンジンの性能維持に欠かせないオイルフィルター・エレメントについて、その基礎知識を解説します。オイルフィルターとオイルエレメントの違いに触れつつ、重要な役割や種類と構造について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オイルフィルターとオイルエレメントの違いと関係性
オイルエレメントとオイルフィルターは、エンジンオイルの浄化に欠かせない部品ですが、厳密には異なる役割を持っています。オイルエレメントは、オイルフィルター内部にある「ろ紙」のことを指し、オイルフィルターはこのろ紙を含む「カートリッジ」全体のことです。
ただし、両者を明確に区別することはほとんどなく、「オイルフィルター交換」と呼ぶことが一般的でしょう。整備士やカーショップのスタッフでも、両者を同義語として扱うことが多いため、交換を依頼する際はどちらの用語を使っても問題ありません。
エンジンオイルの浄化における重要な役割
オイルフィルター・エレメントは、エンジンオイルの浄化において重要な役割を果たします。エンジン内部で発生するスラッジや金属片などの不純物を除去し、エンジンの性能維持に貢献するパーツです。この浄化作用により、エンジンオイル本来の潤滑性能が維持され、エンジン部品の摩耗を防ぎます。
しかし、フィルターの性能が低下すると不純物がエンジン内を循環し、部品の摩擦を早めてしまうため、エンジンの性能と寿命を維持するためには、オイルフィルター・エレメントの定期的な交換が不可欠です。適切なメンテナンスにより、エンジンのスムーズな動作と燃費の維持が可能となります。
オイルフィルター・エレメントの種類と構造
オイルフィルター・エレメントには、主に3つの種類があります。まず「フルフロータイプ」はガソリン車に広く採用されており、エンジンオイル全体をろ過するのが特長です。
次に「フルフロー・バイパス併用型」はディーゼルエンジンに多く使用され、微細な汚れも除去できます。最後に「コンビネーション型」は、前述の2つの機能をひとつにまとめた効率的なタイプです。
これらの構造はフィルターエレメント(ろ紙)が不純物を捕捉し、サポートスプリングがそれを支えます。リリーフバルブは、フィルターが目詰まりした際の安全弁として機能し、アンチドレーン弁はエンジン停止時のオイル逆流を防ぐのが役割です。
オイルフィルター・エレメントの交換時期と頻度
オイルエレメントの適切な交換は、エンジンの性能維持と寿命延長に不可欠です。しかし、その交換時期や頻度は、車種や使用環境によって異なります。ここでは、一般的な交換時期の目安や、交換が遅れた場合のリスクについて見てみましょう。
一般的な交換時期の目安
オイルエレメントの交換時期は、エンジンの健康を保つ上で重要なポイントです。一般的な目安としてはエンジンオイルの交換に合わせて行うことが推奨され、具体的には走行距離1万kmごと、または6か月~1年ごとが適切とされています。
ただし、車種やメーカーによって異なるケースがあるので、取扱説明書で確認することが大切です。また、使用環境によって最適な交換時期は異なります。例えば、過酷な条件下で使用される車両や高性能車では、より頻繁な交換が必要になるでしょう。
交換が遅れた場合のリスクと影響
オイルエレメントの交換が遅れると、エンジンに深刻な影響を及ぼす可能性があります。まず、燃費の悪化や出力低下が起こり、車の性能が低下します。さらに危険なのは、エンジン焼き付きのリスクが高まることです。
オイルエレメントが目詰まりすると、エンジンオイルの循環が悪くなり、潤滑不足や冷却不足を引き起こします。これは、エンジン内部の部品が過熱し、摩擦が増大することを意味するので注意が必要です。その結果シリンダーやピストンに傷が入りやすくなり、最悪の場合、エンジン焼き付きに至ります。
オイルフィルター・エレメント交換の方法と費用
オイルエレメントやフィルターの交換は、車の性能維持に欠かせない重要な作業です。ここでは、DIYで交換する場合の手順と必要な工具、業者に依頼する際の費用相場、そして交換時に注意すべきポイントについて解説します。
これらの情報を参考に、適切な方法でオイルエレメントの交換を行い、愛車のエンジンを健康に保ちましょう。
DIYでの交換手順と必要な工具
オイルエレメントやフィルターの交換は、車のメンテナンスの中でも比較的簡単な作業です。DIYで行う場合、まず必要な工具を準備しましょう。廃油受け皿と廃油処理箱、メガネレンチやオイルエレメントレンチなどが必要です。ジャッキアップが必要であれば、フロアジャッキやリジッドラックを用意します。
交換手順は、古いオイルを抜いてオイルフィルターを外し、新しいものを取り付けて新しいオイルを入れるという流れです。作業時は、周囲を汚さないよう注意が必要です。また、ガスケットの取り付けや、適切な締め付けトルクの確認も忘れずに行いましょう。
DIYでの交換はコスト削減になりますが、車体の下での作業には危険が伴うため、自信がない場合はプロに依頼することをおすすめします。
業者に依頼する場合の費用
オイルエレメントの交換を業者に依頼する場合、費用は車種や作業内容によって変動します。一般的な乗用車では、オイルエレメント単体の交換費用が1,000円~2,000円程度となることが多いでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、高級車や輸入車の場合はさらに高額になる可能性があります。
交換作業に加えて、エンジンオイルの交換も同時に行う場合は、2,500円~7,500円程度の費用が追加になるでしょう。これは、使用するオイルの価格や量によっても変わってきます。
交換時の注意点
オイルエレメントやフィルターの交換時には、いくつかの重要な注意点があります。まず、作業前にエンジンを十分に冷ましましょう。熱いオイルは火傷の危険があるだけでなく、正確な量の測定も難しくなります。
次に、新しいオイルエレメントを取り付ける際は、ガスケットに薄くオイルを塗布し、適切な締め付けトルクで固定することが大切です。交換作業後はエンジンを始動し、オイル漏れがないか確認しましょう。
さらに、数日後に再度オイルレベルをチェックすることで、トラブルを防ぐことにつながります。
使用済みオイルフィルター・エレメントの適切な処分方法
使用済みオイルフィルター・エレメントの処分は、環境保護の観点から非常に重要です。これらには有害物質が含まれており、不適切な処理は土壌や水質汚染を引き起こす可能性があります。
適切な処分方法として、まずフィルター内のオイルをできる限り除去します。次に、自治体の分別方法に従って適切に分別するか、専門のリサイクル施設に持ち込みましょう。交換を依頼した整備工場やディーラーに処分を依頼するのもひとつの方法です。
不適切な処理は環境汚染だけでなく、法的問題に発展する可能性もあります。環境保護への意識を持ち、正しい方法で処分することが、私たち一人一人の責任といえるでしょう。
オイル交換を忘れがちならメンテナンスパックを検討しよう
オイルエレメントの交換を含む車両メンテナンスを定期的に行うことは重要ですが、忙しい日々の中で忘れがちになることもあるでしょう。そこで、車のケアを一括で管理できる便利なサービスであるメンテナンスパックについて解説します。
新車購入時や中古車販売店、カー用品店などで提供されているこのサービスの特徴について見ていきましょう。
メンテナンスパックとは?
メンテナンスパックは、車のケアを一括で管理できる便利なサービスです。新車購入時や中古車販売店、カー用品店などで提供されており、定期点検やオイル交換、消耗品の交換などをパッケージ化しています。
例えば、新車を購入したときに5年間のメンテナンスパックに加入すると、その期間中の点検や交換作業が含まれるため、突発的な出費の軽減が可能です。
メンテナンスパックの内容は提供元によって異なりますが、一般的に法定点検や車検費用、オイル交換やオイルフィルター交換などが含まれます。中には、タイヤローテーションやワイパーゴムの交換まで含まれている充実したプランも用意されているのでチェックしてみてください。
メンテナンスパックのメリット・デメリット
メンテナンスパックには、車のケアを一括管理できる便利さがある一方で、注意すべき点もあります。まず、メリットとしては費用の平準化される点です。突然の出費を避け、計画的な車両管理が可能になります。
また、定期的な点検により、車の状態を良好に保つことができ、安全性の向上にもつながる点もメリットのひとつです。
一方、デメリットとしては、契約期間中の解約が難しい点や、走行距離が少ない場合に割高になる可能性があります。また、契約先以外での整備がしにくくなるため、柔軟性に欠ける面もデメリットといえるでしょう。
メンテナンスパックの価格
メンテナンスパックの価格は、車種や内容によって大きく変動します。例えば軽自動車の場合、2年間のパックで4万円台から、高級車では同じ期間で10万円を超えることもあるでしょう。
走行距離や年数、サービス内容に応じて複数のコースを用意していることが多く、自身のニーズに合わせて選択が可能な傾向です。中には、一部の消耗品の交換を省いたライトプランなど、価格を抑えたいユーザー向けのオプションも存在します。
通常、これらのパックは単品で整備を行うよりもお得な料金設定となっていますが、実際の価格や内容は各ディーラーや販売店によって異なるので、加入前に確認することが大切です。
まとめ
オイルフィルター・エレメントは、エンジンオイルと同等レベルの重要パーツです。エンジンオイルが集めた汚れをきれいにし、エンジン内部をきれいに保つ役割を持っています。
目詰まりを起こしてしまうと、エンジンの損傷につながるため、定期的に交換することが大切です。オイルフィルターは比較的簡単にDIYでも交換できます。ただし、作業や処分の手間がかかる他、失敗のリスクもあるため難しいと感じたらプロに頼ると良いでしょう。
【この記事の執筆者】
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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