新車と中古車のコスパを徹底比較!お得に車選びをする方法とは
車を購入する際、新車にするか中古車にするかというのは大きな問題といえるでしょう。新車と中古車では、それぞれメリットとデメリットがあります。
ある人にはメリットと感じることがそれほどでもなかったり、その一方でデメリットとされていることを気にしなかったりと、感じ方は購入する人によってさまざまです。
本稿では、新車と中古車それぞれについて、コスパに関するメリットとデメリットを紹介します。メリットやデメリットの感じ方は人それぞれなので、自分にとってどちらのほうがコスパに優れているのかを検討する参考にしてみてください。
※目次※
・新車購入のメリットは、グレードやオプションが自由に選べることやリセールバリューの高さなど。
・中古車購入のメリットは、購入価格が安いことや納車が早いことなど。
・新車と中古車は、それぞれにデメリットもあるため、納得した上でどちらにするか考えよう。
コスパが高いのは新車?それとも中古車?
コスパの高さをどこに感じるかは、人によって異なります。コスパ以外に魅力を感じる部分もあるでしょう。しかし、同じくらい魅力的な車があった場合、コスパで選ぶのは良い方法かもしれません。ここでは、コスパの良い車について、その条件を紹介します。
コスパの良い車とは?
「コスパの良い車」とは、内容に対して価格が安いということです。例えば高級車であっても内容に見合った価格であると判断できればコスパが良いといえるでしょう。
また、別の視点では、購入にかかった費用から売却で得た金額を差し引いた金額が少ないこともコスパが良いといえます。
後者のコスパの計算方法は、「購入金額+維持費-売却金額」です。例えば以下のような3台の車があったとします。
購入金額 |
維持費 |
売却金額 |
かかった総額 |
300万円 |
150万円 |
200万円 |
250万円 |
200万円 |
100万円 |
150万円 |
150万円 |
100万円 |
90万円 |
20万円 |
170万円 |
この場合、300万円の車は売却価格が高いですが、維持費の高さもあり総額は一番高くなります。一方、100万円の車は購入金額が安いですが、売却価格も安いため、この中での総額は2番目です。購入金額がやや高い200万円の車が1番コスパの良い車といえます。
新車と中古車のコスパをシミュレーションしよう
実際の車を例にして、コスパを比較してみましょう。軽自動車(N-BOX)、コンパクトカー(ヤリス)、SUV(カローラクロス)、ミニバン(セレナ)の新車価格、中古車価格、維持費(諸費用)、買取相場を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
車種 |
新車価格 |
中古車価格 |
維持費(諸費用) |
買取相場 |
N-BOX(3代目) |
164万8,900円~222万9,700円 |
144万2,000円~189万円 |
9万円~11万6,000円 |
134万1,000円~173万9,000円 |
ヤリス |
150万1,000円~269万4,000円 |
94万7,000円~249万9,000円 |
10万6,000円~14万9,000円 |
99万2,000円~229万1,000円 |
カローラクロス |
218万4,000円~345万9,000円 |
229万9,000円~409万9,000円 |
12万2,000円~16万1,000円 |
199万8,000円~355万6,000円 |
セレナ(6代目) |
276万8,700円~393万3,600円 |
259万9,000円~464万7,000円 |
12万4,000円~27万1,000円 |
229万円~420万8,000円 |
(2024年7月時点の情報です)
新車と中古車のコスパ|特徴をチェックしよう
車を購入する際、新車と中古車のどちらにするか迷う人も多いのではないでしょうか。コスパという点で見ると、価格が安い中古車のほうがよいのではと考える方もいるかもしれません。ここでは、新車と中古車のそれぞれのコスパに関する特徴について解説します。
新車:リセールバリューを重視する方におすすめ
同じ車に乗り続ける長さは、人それぞれ異なります。一台が壊れるまで乗り続ける方もいれば、3年~5年ほどの周期で乗り換えるという方も一定数いるのが現状です。短い周期で乗り換える場合は、査定額を次の車両購入資金に充てるケースが多くあります。
そのようなケースでは、査定額が高い車、つまりリセールバリューが高い車を選ぶほうがお得な購入方法といえるでしょう。一般的に、新車のほうがリセールバリューが高いとされています。
中古車:購入価格を重視する方におすすめ
予算が限られている場合、車両価格が低めに設定されている中古車は魅力的です。基本的に、車は年式が新しいほど販売価格が高くなります。一方、1年ごとに年式が古くなるにつれ、販売価格が下がることが一般的です。
そのため、中古車市場では、同じ予算内で新車購入よりもワンランク上の車種・グレードを探せます。新型にこだわりがないのであれば、中古車購入のほうがお得です。
新車と中古車のコスパ|新車の魅力
ここからは新車と中古車それぞれどのような点がコスパの面で有利なのかを見て行きましょう。まずは新車からです。新車は購入金額が高くなりがちですが、その分満足度の面でのコスパが高くなると考えられます。それでは具体的な特徴を紹介します。
エコカー減税を適用できる可能性がある
「エコカー減税」とは、特定の条件を満たした車について自動車重量税が減税される措置のことです。自動車税・軽自動車税についても「グリーン化特例」、自動車取得税は環境性能割に代わったことにより対象車は減税されます。
条件を満たせば中古車にも適用されますが、新車のほうが対象となる車種が圧倒的に多い傾向です。エコカーというと、電気自動車やハイブリッド車をイメージしますが、低燃費車や低排出ガス車などのガソリン車も対象となります。
メーカー保証を利用できる
新車にはメーカー保証が付いており、一般的には購入から3年または6万kmまでであれば、消耗品以外の故障を保証してくれます。また、重要な部品については5年または10万kmと保証を受けられる期間が長くなることがポイントです。
中古車はメーカー保証が残っていなかったり少なかったりすることもあります。万が一壊れてしまうと修理代がかかり、結果として高く付いてしまうこともあるでしょう。さらにクラシックカーなど希少な車の場合、部品がないため修理代が余計に高くなってしまいます。
メーカーオプションを付けられる
新車を購入する大きなメリットとして、自分好みのオプションを選べることが挙げられます。新車は注文を受けてから生産されるため、生産時に内装をレザーに変更したりサンルーフを取り付けたりと、自由にカスタマイズが可能です。
中古車であっても、カーナビやフロアマットなどディーラーオプションを付けることはできますが、内装やボディカラーの変更までは対応できません。
新車と中古車のコスパ|中古車の魅力
中古車は何といっても購入価格が安く抑えられることがコスパの面でとても有利です。しかも新車にはない中古車ならではのメリットもいくつかあります。ここからは中古車についてコスパの面でのメリットを紹介します。
豊富な選択肢の中から選べる
中古車は新車と比べ、選択肢が豊富です。新車は注文を受けてから製造するため、在庫が残りにくく選択肢が多いとはいえません。モデルチェンジをした旧モデルに新車で乗りたくても、見つけることが難しいでしょう。
中古車は豊富な在庫から選択するという買い方になるため、旧モデルの車や少し年式の古い車なども選ぶことが可能です。大手の中古車販売店の場合は、他の店舗に問い合わせるなどして、希望車種を探すこともできます。
ワンランク上のモデルを狙える
中古車の最大のメリットは、何といってもその価格の安さでしょう。人気車種であっても一度使われた車というだけで価格が下がります。さらに人気のない車種の場合は、性能は新車と変わらないのに驚くほど価格が安くなることも珍しくありません。
そのため、予算によっては、新車で買うよりも高いグレードの車に乗れるケースもあります。また、価格が安いことで新車に比べてローンも通りやすいため、初めて車に乗る方にとっては安心です。
早めの納期を期待できる
新車も中古車も車を登録するまでの手続きに要する期間は、10日前後と大きく変わることはありません。しかし、新車の場合、契約をしてから製造する受注生産が基本です。
在庫があれば1週間~2週間ほどで納車されますが、そうでなければ製造する時間やメーカーオプションを取り付ける作業などで3週間~1か月ほどかかるでしょう。
中古車は契約完了から納車まで、特に修理などがなければ1週間~2週間で納車されます。新車と比べて、早く車を手に入れられます。
新車と中古車のコスパ|それぞれのデメリット
メリットの裏にはデメリットもあります。デメリットといっても人によってはデメリットと感じないこともありますし、デメリットであったとしても許容できる範囲であれば問題はないといえます。ここでは新車と中古車それぞれのデメリットを解説します。
新車を購入するデメリット
新車特有のデメリットとして挙げられるのは、選択肢が少ないことです。契約後の注文生産体制が一般的な新車は、在庫数がさほどありません。
最近では、在庫を置いている販売店もあるものの、ボディカラー・グレードなどの選択肢が限られています。基本的に、モデルチェンジ後は、旧型モデルの購入はできません。
加えて、受注生産体制ゆえに、納車までの日数がかかることが一般的です。メーカーオプションの場合は、さらに長くなり、数か月かかるケースもあります。
中古車を購入するデメリット
中古車購入のデメリットは、車両状態が一律ではないという点です。新車とは異なり、同じ車種・グレード・年式・走行距離の車種であっても、一台ごとに異なります。
ひと言で事故車といっても、車両状態はさまざまです。事故によっては、重要な骨格部分に損傷を負うケースがあり、たとえ修理したとしても故障リスクが高くなります。中古車を購入する際は、そのような修復歴車を排除している販売店を探すことが重要です。
故障リスクに大差はない
中古車は壊れやすいというイメージとは異なり、実際には新車と中古車に故障リスクの大差はありません。新車であっても、初期不良や事故の可能性は十分あります。
一方、中古車であっても小まめにメンテナンスをしている車は、低年式で走行距離が多くても壊れやすいということはありません。メンテナンス記録簿があり、きちんと整備されている中古車を選べば安心です。
高コスパ!新車ではなく中古車を購入するときのポイント
中古車は新車と違って車によって状態が違うため、購入前にはしっかりと確認しておくことが重要です。ここでは、中古車を購入する際のポイントを紹介します。購入後に後悔しないためにも、しっかりチェックしておきましょう。
維持費のかかりにくい車を購入する
車の維持費には、燃料代、税金、車検などのメンテナンス費用、自動車保険などがあります。維持費を抑えるには軽自動車などのコンパクトな車を選ぶとよいでしょう。車を走らせるのに直接影響する燃費の良い車を選ぶことも、維持費を抑えるために有効な方法です。
また、軽自動車であれば税金も安くなります。保険やメンテナンス費用も普通車と比較して安い傾向にあるので、さらに維持費を抑えられるでしょう。
売値の下がりにくい車種を選ぶ
人気車種であれば、数年後の売値がそこまで下がることはありません。反対に、不人気車種は大きく売値が下がってしまう可能性が高くなります。頻繁に乗り換えるつもりなら、数年後でもリセールバリューが高い車を選ぶほうがよいでしょう。
人気の衰えない車としては、トヨタのアルファード、エスティマ、日産のセレナ、エルグランドといったミニバンが挙げられます。これらはファミリーカーとしての需要が高いため、中古車市場でも高く売れやすい傾向です。
故障リスクの少ない車を探す
故障のリスクを少なくするのは難しいと感じるでしょう。確かに機械である以上、故障する可能性がないということはありません。しかし、定期的にメンテナンスされている車は故障が発生するリスクを少なくできます。
基本的に車には点検整備記録簿があり、そこに記載がされていればメンテナンスがしっかりとされていると考えてよいでしょう。過去に不具合などがあったとしても、きちんと記載されていれば、今後の車の状態を予測しやすくなります。
オプションが充実した車を選ぶ
価格が安いからと装備があまり付いていない車を購入すると、後になって「この装備が欲しかった」と後悔する可能性があります。
中古車は新車のように自由にオプションを選ぶことはできませんが、在庫の中から自分が欲しい装備が付いている車を選ぶほうが結果的に安くなるかもしれません。
特にメーカーオプションなどの後から取り付けられない装備が欲しい場合は、時間がかかっても装備されている車を探すとよいでしょう。
モデルチェンジ前の車を探す
車を売却する場合、モデルチェンジした後では買取価格が下がってしまうため、モデルチェンジ前の売却が推奨されます。
その逆で購入する場合はモデルチェンジにより価格が下がることから、モデルチェンジ後にモデルチェンジ前の中古車を探すというのは、コスパ良く中古車を購入するひとつの方法です。
特にモデルチェンジでスタイルが大きく変わり、前のモデルのほうが良かったと思っている車であれば、気に入ったスタイルの車を安く購入できるチャンスといえます。
新車のメリットも兼ね備えた中古車もある◎
中古車であっても新しめの車が欲しいという場合は、「登録済未使用車」を探すという方法があります。
登録済未使用車とはディーラーなどで一度は登録したものの、販売はされずに中古車店に流通された車です。軽自動車の場合は「届出済未使用車」と呼ばれます。未使用のため、新車同然の状態です。
また、実際に販売されて使用された車でも、1年程度で売却されるケースがあります。そのような車は新車に近い状態でありながら価格は新車よりも抑えられているので、新車であることにこだわりがなければお得な購入方法といえるでしょう。
PR登録済未使用車を探す
低コスパになる可能性も!避けたほうがよい中古車とは
コスパという点で、中古車には多くのメリットがあります。しかし、選び方を間違えてしまうと「安物買いの銭失い」という状況になりかねません。中古車選びは新車よりも念入りにその車をチェックする必要があります。
ここでは、中古車を選ぶ際に避けたい車について解説します。コスパどころか損をしてしまう可能性もあるため、注意深くチェックしましょう。
修復歴車や事故車
修復歴車とは文字通り修復した履歴のある車のことです。修復歴とは事故や災害などで車のフレーム(骨格の部分)に損傷があり、これを修復および交換したことを指します。バンパーのみが壊れたなど、見た目の損傷が大きくてもフレームに損傷がなければ修復歴車とはなりません。
具体的に骨格の部分とは、フレーム (サイドメンバー)、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、トランクフロアの8つです。
修復といっても一度骨格に影響が出た車は完全に元通りにはなりません。そのため、直進性をはじめとした走行安定性やボディ剛性にも影響が出るため、安全運転にも支障が出てきます。
修復歴車は同じ年式や走行距離の車に比べて価格が安くなっていますが、安いからといって安易に購入してしまうと、快適に走行できないばかりか事故につながる可能性もあり危険です。
水害の被害を受けた車
水害の被害を受けた車は「水没車」とも呼ばれ、車内にも水が浸入した痕跡がある車のことです。トリムやカーペットなどを交換して見た目がきれいになっていても、車体に浸水したことからさびが発生するリスクが高まります。
また、被害を受けたわけではなく日常的に使用された車でも、使用されていた地域が沿岸部や豪雪地帯だった場合は注意が必要です。
これらの地域は潮風や融雪剤の塩分(塩化ナトリウム)により車体の腐食が進みやすくなり、こちらもさびのリスクが高い車なので避けたほうがよいでしょう。
まとめ
車を購入する際、コスパを重視して選ぶとしても、新車と中古車それぞれにメリットとデメリットがあります。それらをしっかりと理解することで、納得できる車選びができるでしょう。
中古車を購入する場合には、新車とは違う注意点もあります。品質の保証が難しい中古車は、購入の際により念入りに車の状態を確認することをおすすめします。その一方で新車と同様の内容の中古車もあるので、総合的に判断して、後悔しない車選びをしましょう。
▼ライタープロフィール
岩本佳美
漠然と「車関係の仕事がしたい」という想いのもと、飲食業界から自動車メディア業界に飛び込むという破天荒な人生を歩んでいる。愛車がスバルのWRXということもあり、主にスバル系の記事をWebや紙媒体に寄稿。モータースポーツが大好きで、レース観戦はもちろん、サーキット走行や24時間耐久のカートレースにも出場するなど、自らも走ることでその楽しさや面白さなどを経験しながら情報発信している。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q.運転初心者は新車よりも中古車のほうがよい?
A.まだ運転に慣れていない場合は、ぶつけたり、こすったりするリスクもあります。高いお金を出して買った新車にキズがつくと、そのショックも大きいものでしょう。今後車の好みが変わることも想定して、まずは手ごろな中古車から始めるのがおすすめです。
Q.新車と中古車でかかる税金は変わるの?
A.新車でも中古車でも、かかる税金の種類は基本的に変わりません。環境性能割・自動車税・自動車重量税・消費税などです。一方で、車検が残っている中古車は購入時の自動車重量税が不要なのでお得感があるでしょう。
Q.新車と未使用車はどう違うの?
A.登録(届出)済み未使用車とは、主にディーラーが在庫調整のために自社で登録(届出)した車のことです。使用・運行された経歴のない車なので、状態は新車と同等といえます。新車よりも数十万円安くなるので、欲しい車があればお得な選択肢でしょう。
Q.新車と中古車で維持費は変わるの?
A.新車でも中古車でも、自動車税などの税金やガソリン代・駐車場代・保険料といった維持費の額にはそれほど違いはありません。ただし低年式で走行距離が長い中古車の場合は、小まめなメンテナンスが必要になるため購入後の保証内容を重視しましょう。
Q.新車と中古車ではローンを組んだときの金利に差が出るの?
A.新車と中古車でローン金利に差が出るわけではありません。しかし、一般的に新車のほうが高額なため、ローンの審査が厳しくなります。そのため、条件のよいローンを組めず、結果として高金利のローンを選択することになるというケースはあるでしょう。